理学療法の評価と治療
理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。
最近の記事
- 2012/05/17 呼吸器疾患の段階的アプローチ
- 2012/05/16 パルスオキシメーター
- 2012/05/15 各種病態と対応するフィジカルアセスメント
- 2012/05/14 呼吸音の異常と原因疾患の特定
- 2012/05/13 呼吸障害の把握と予後予測
- 2012/05/12 聴診のポイント
- 2012/05/11 肺音分類の特徴
- 2012/05/10 副雑音
- 2012/05/09 正常呼吸音の分類
- 2012/05/08 聴診の手順
呼吸器疾患の段階的アプローチ
2012/05/17 Thu. 00:00 [edit]
呼吸器疾患であっても状態によりアプローチは変わってくる。
呼吸障害があればポジショニングや
体位排痰法からスタートとなる。
これは障害肺区域を上方にした
体位が基本となる。
一側性肺障害の場合は病変上側の側臥位。
びまん性・両側性の場合は
半座位(ヘッドアップ)をとる。
下側肺障害では腹臥位や
前傾側臥位(シムス肢位)をとる。
これにより循環・呼吸状態が
改善する場合は続行。
悪化する場合は別のポジションで行う。
離床開始基準を満たし、全身状態が良好なら
離床し座位・立位・歩行と段階的に進めていく。
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Category: 内部障害
パルスオキシメーター
2012/05/16 Wed. 00:00 [edit]
簡易ですぐに使える。また時間的なモニタリングが可能である。
うまく測定することができない場合、
いくつか考慮する点がある。
パルスオキシメーターは赤色光と赤外光を
センサーで受けることで測定している。
ヘモグロビンは酸素の結合の有無によって
吸収度が異なるのでその透過や
反射を測定しているのである。
そのため体動、圧迫、光の干渉などの要因で
エラーが生じることがある。
それぞれの対処法について記載する。
体動では動きの少ない部分に装着するか、
絆創膏などで固定をする。
圧迫では絆創膏などが圧迫する場合は
強く巻きすぎない。また測定部位を変える。
光の干渉では毛布や布で光を避ける。
また使う上でSpO2を理解しておくことも重要である。
SpO2は酸素と結合したヘモグロビンの割合で
経皮的酸素飽和度と呼ばれる。
また動脈血の酸素分圧はPaO2と呼ばれるが
PaO2は動脈血を採決して分析しなければならないので
SpO2を用いてPaO2を予測する。
PaO2はSpO2が減少すると同じように減少するのだが、
PaO2の振れ幅は大きいので注意が必要である。
若年健常者動脈血では
SpO2 98%でPaO2 97Torr
老年健常者動脈血は
SpO2 95%でPaO2 80Torr
呼吸不全に値する人は
SpO2 90%でPaO2 60Torr
チアノーゼ出現する値と正常な静脈血は
だいたい同じぐらいで
SpO2 75%でPaO2 40Torr
Torrは血液中に含まれる酸素や二酸化炭素の量を表す単位。
ここでは酸素の量を表している。
このようにSpO2がわずかに変化しても
PaO2は大きく低下していることを
理解しておく必要がある。
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Category: 内部障害
各種病態と対応するフィジカルアセスメント
2012/05/15 Tue. 00:00 [edit]
正常肺視診 :正常
気管偏位:なし(正中位)
呼吸音 :肺胞呼吸音
副雑音 :なし(ときに高齢者で呼気時の捻髪音)
打診音 :清音
振盪音 :正常
音声聴診:なし
気管支炎
視診 :呼吸補助筋の緊張亢進
ビア樽状胸部
頚静脈の怒張
呼吸数増加
口すぼめ呼吸
Hoover徴候陽性
気管偏位:なし(正中位)
呼吸音 :肺胞呼吸音
副雑音 :水泡音(吸気初期)
ときに連続性ラ音
打診音 :共鳴音から過共鳴音
振盪音 :正常
音声聴診:なし
気管支喘息
視診 :呼吸数増加
起坐呼吸
呼吸補助筋の緊張亢進
Hoover徴候陽性
気管偏位:なし
呼吸音 :肺胞呼吸音
副雑音 :笛様音
打診音 :共鳴音から過共鳴音
振盪音 :源弱
音声聴診:なし
気管支拡張症
視診 :正常、浅い頻呼吸
気管偏位:なし
呼吸音 :肺胞呼吸音
副雑音 :水泡音(吸気中期)
打診音 :清音
振盪音 :正常
音声聴診:なし
胸水貯留
視診 :患側の胸郭運動低下
気管偏位:健側に偏位
呼吸音 :気管支呼吸音/消失
副雑音 :胸膜摩擦音(貯留部直上のみ)
打診音 :濁音(体位で変化)
振盪音 :消失
音声聴診:あり(貯留部直上のみ)
コンソリデーション(肺炎など)
視診 :浅い顎呼吸
患者の胸郭運動低下
気管偏位:なし
呼吸音 :気管支呼吸音
副雑音 :水泡呼吸音(吸気時)
打診音 :濁音
振盪音 :増強
音声聴診:あり
気胸
視診 :患側の胸郭運動低下
気管偏位:健側に偏位
呼吸音 :消失
副雑音 :なし
打診音 :鼓音(過共鳴音)
振盪音 :消失
音声聴診:なし
肺気腫
視診 :呼吸補助筋の緊張亢進
ビア樽状胸部
頚静脈の怒張
呼吸数増加
口すぼめ呼吸
Hoover徴候陽性
気管偏位:なし(正中位)
呼吸音 :肺胞呼吸音減弱
副雑音 :なし
打診音 :鼓音(過共鳴音)
振盪音 :減弱
音声聴診:なし
肺線維症
視診 :胸郭運動性低下
気管偏位:なし
呼吸音 :気管支肺胞呼吸音
副雑音 :捻髪音(吸気終末期)
打診音 :清音
振盪音 :正常から増強
音声聴診:なし
無気肺
視診 :患側の胸郭運動低下
気管偏位:患側に偏位
呼吸音 :気管支呼吸音/消失
副雑音 :なし
打診音 :濁音
振盪音 :消失
音声聴診:あり
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- 呼吸器疾患の段階的アプローチ (05/17)
- パルスオキシメーター (05/16)
- 各種病態と対応するフィジカルアセスメント (05/15)
- 呼吸音の異常と原因疾患の特定 (05/14)
- 呼吸障害の把握と予後予測 (05/13)
- 聴診のポイント (05/12)
- 肺音分類の特徴 (05/11)
Category: 内部障害
呼吸音の異常と原因疾患の特定
2012/05/14 Mon. 00:00 [edit]
肺胞呼吸音の減弱・消失換気低下・消失を示す
→左右差なし 慢性閉塞性肺疾患
左右差あり 無気肺、横隔膜麻痺
振動音の肺から胸壁への伝達障害
→左右差なし 肥満
左右差あり 胸水貯留、気胸、胸膜肥厚
異常な部位で気管支呼吸音の聴取
肺実質の含気低下に伴う気管支呼吸
音の伝達亢進
→気管支炎・肺炎
無気肺
肺線維症
大きな空洞性病変
呼気延長
気道狭窄(気道異物や腫瘍・癌)
閉塞性換気障害(慢性閉塞性肺疾患、喘息)
連続性ラ音(Wheeze、rhonchi)
気管支喘息、気道狭窄(異物や肺がんなどの腫瘍性病変)、
慢性閉塞性肺疾患、肺水腫、びまん性汎細気管支炎
断続性ラ音
水泡音(coarse crackle)
肺炎、気管支拡張症、慢性閉塞性疾患、肺水腫、
びまん性汎細気管支炎
捻髪音(fine crackle)
肺水腫、間質性肺炎(肺線維症)、健常高齢者
胸膜摩擦音
胸膜腫瘍、胸膜炎
1)坂東政司:肺の聴診.講義録.呼吸器学.メジカルビュー社;2004
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Category: 内部障害
呼吸障害の把握と予後予測
2012/05/13 Sun. 00:00 [edit]
迅速なフィジカルアセスメントを行うことで呼吸障害の把握と予後予測が可能となる1)。
重要な指標として以下の6項目が挙げられる。
1.呼吸数30回/分以上
2.脈拍数120回/分以上、または70回/分以下
3.吸気時の斜角筋収縮の触知
4.呼気時の腹壁の緊張
5.呼吸停止を伴う不規則な呼吸パターン
6.従命困難な意識レベルの低下
(呼吸検査が不可能なレベル)
これらの6つの項目があるが、
そのうち2項目該当で
50〜90%が予後不良と言われる。
これは人工呼吸器離脱不可または
死亡を意味する。
3項目該当で57%が死亡。
これは補助呼吸が必要である。
要するにこれらの項目は予後予測に関連する
重要な指標となる。
1)Pardee NE,et al:Bedside evaluation of
respiratory distress.Chest.1984;85:203-206
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Category: 内部障害
聴診のポイント
2012/05/12 Sat. 00:00 [edit]
毎回同じ手順で行う。これにより正常呼吸音の異常(大きさ・長さ)や
正常呼吸音が別部位から聴取される場合の
判別が容易になる。
また副雑音に関しては聴診とともに
疾患名や合併症、画像所見と主治医のコメントなど
病態とともに確認していく。
臨床では正常呼吸音の異常や正常呼吸音が
別部位から聴取される場合、また副雑音がある場合
などが混在していることが多い。
他にも2つ以上の副雑音や正常呼吸音が
混ざっていることも多い。
急性期や重症の患者の場合は
背中の聴診は重要である。
背部は下側肺障害として問題が
起こりやすい部分である。
背側の肺区域ではS6、S10で
自重や腹部臓器の圧迫を受けやすいことが
問題となるためである。(特にS10)
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Category: 内部障害
肺音分類の特徴
2012/05/11 Fri. 00:00 [edit]
呼吸音は正常では気管呼吸音・気管支呼吸音・肺胞呼吸音が
通常通り聴取可能である。
異常では
呼吸音の減弱・消失、呼気延長、
肺胞部分の気管支呼吸音化が生じる。
副雑音では
ラ音(肺内より発生する副雑音)
連続性ラ音(気道の狭窄、呼気>吸気)
Wheeze・笛(様)音・高音性連続性ラ音
区域から亜々区域気管支の気道閉塞
「ヒューヒュー」「ピーピー」と聴こえ、
延長した呼気で聴取されることが多い。
気管支攣縮、粘膜の浮腫・腫脹、分泌物などによる
気道内の狭窄によるもの。
rhonchi・いびき(様)音・低音性連続ラ音
中枢性の気道閉塞
「グーグー」「ガーガー」と聴こえる
wheezeと機序は同じだが発生源が中枢側
呼気・換気とともに聴取される。
断続性ラ音(気道の開通や分泌物、呼気<吸気)
coarese crackle・水泡音・荒い断続性ラ音
比較的中枢側の気道内分泌物の破裂
「ブツブツ」「ボコボコ」と低調で吸気のはじめから
呼気にかけて聴こえる。
急性咳嗽を行わせると減弱・消失し聴取部位が変化する。
fine crackle・捻髪音・細かい断続性ラ音
閉塞していた末梢気道が吸気終末に再開通
「パリパリ」「パチパチ」と高調で吸気終末が
最も聴取しやすい。
間質性肺炎や肺線維症の下肺野で明瞭。
強制咳嗽させても変化ない。
その他
肺膜摩擦音
Hamman's crunch sign、leathery crepitationなど
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Category: 内部障害
副雑音
2012/05/10 Thu. 00:00 [edit]
副雑音は肺内の「ラ音」と肺外のものに分かれる。呼吸ケアでおさえておくべき副雑音は
・rhonchi(ロンカイ)
・Wheeze(ウィーズ)
・coarse crackle(コースクラックル)
・fine crackle(ファインクラックル)
ラ音に関しては
連続ラ音は気道の狭窄を示唆する。
比較的中枢側なら
→rhonchi
区域気管支〜亜々区域気管支では
→Wheeze
断続性ラ音では
気道内の分泌物の破裂で
→coarse crackle
閉塞していた末梢気道の再開通で
→fine crackle
の2点が出現する。
ラ音は気道の狭窄か分泌物の関係か
中枢側か末梢側かで変わってくるのが特徴である。
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Category: 内部障害
正常呼吸音の分類
2012/05/09 Wed. 00:00 [edit]
正常呼吸音は気管呼吸音、気管支呼吸音、
肺胞呼吸音に分類される。
気管呼吸音では
声門が発生源である。
音は荒く・大きく・高い。
吸気:呼気=1:1、
音は呼気の方が大きい。
気管支呼吸音では
太い気管支での乱流が発生源である。
吸気:呼気=1〜3:1で呼気の方が若干大きい。
肺胞呼吸音に比べて大きく高い。
肺胞呼吸音では
肺胞内に空気が流入する際に生じる。
音は最もソフトで弱く低い。
吸気:呼気=3:1で吸気の方が大きく、
呼気は短く弱く低い。
音が小さい場合他の肺野より
換気が低下している疑い。
気管呼吸音と気管支呼吸音は
呼気の方が音が大きく、
肺胞呼吸音は吸気の方が音が大きい。
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Category: 内部障害
聴診の手順
2012/05/08 Tue. 00:00 [edit]
聴診では毎回決まった手順で行うことが必要である。そうすることで正常呼吸音の異常と
正常呼吸音が本来の聴取部位以外から
聴こえる場合の判別が容易になる。
それでは手順に関して述べる。
1.チェストピースを手で暖める。
2.できるだけ肌に直接当てる。
3.前胸部・背部・側胸部を上から下へ
左右交互に比較し聴取する。
(移動は呼吸終末のタイミングで)
4.吸気と呼気の相を確認したら
1〜2呼吸ずつ聴取。
5.途中で異常を感じても手順通りで行う。
再度異常部位に戻り詳細に評価する。
チェストピースはベル型と膜型があるが
膜型のほうが呼吸音を聞くのに優れている。
(高いピッチの音が聞きやすい)
聴診では肺音で正常呼吸音と副雑音を確認する他、
換気の状態や気道の狭窄、分泌物の貯留を確認する。
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Category: 内部障害



