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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

カテゴリー「器官」の記事一覧

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見えているものの偏り 

人間の脳は1秒間に4000億ビットの情報を受け取る。
全角の文字が16ビットで1文字なので約500億バイトに当たる。
1ギガバイトが1024×1024×1024バイトなので、
だいたい50GB程度なので片面二層のブルーレイと同程度。
DVDは4.7GBなので約10枚分ぐらいになる。

1秒間にDVD10枚分の情報量は扱うことができないので、
フィルターにかけ情報を減らしていく。
これにより自分の関係のありそうなものだけ
残しておくことになる。
ここで大体2000ビット。約250バイトにまでデータを減らす。
2億分の1まで情報を減らしていく。
これくらい自分のみたいものしか見ない。

また人間は1日に6万個くらいのことを考えるが、
そのうちの98%は前日の繰り返しなので、
新しいことを考えるのは1日1000個程度である。
要するに60分の1である。
実際にはほとんどのものを見ていないし、考えていない。
実際の情報から2億分の1しか見ていないし、
新しいことは60分の1しか考えていない。
それだけ人の見方や考え方には偏りがあり、
見ている視点や考えている視点は
本当に一部分にすぎないものである。
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胸鎖乳突筋 

肩こりや頭痛などの症状をよく引き起こす、
頸板状筋・胸鎖乳突筋・僧帽筋上部が有名である。
原因としては外傷の他、
日常生活での精神的な緊張、
前屈みや片側に曲げ続けるといった不良姿勢、
リュックやハンドバックの使用などがある。
また胸式呼吸の習慣も関係すると言われる。

これらの筋の中でも胸鎖乳突筋は非常に特徴的な症状を生じる。
胸鎖乳突筋そのものが痛みを生じることはないが、
他の部位に痛みを出すことがある。
前頭部の痛みの訴えは胸鎖乳突筋によるものが多い。
胸鎖乳突筋は胸骨部ではの症状、
鎖骨部ではに関する症状を引き起こす。

まず胸骨部だが顔や飲み込み時の舌の痛み、
眼球深部の痛みの訴えがある。
またかすみ目、複視、色覚障害の他、
目の充血や涙、鼻水、
眼輪筋の緊張による眼瞼下垂などがある。

鎖骨部では耳の深部痛や奥歯の痛みの訴えがある。
あぶみ骨筋や鼓膜張筋の緊張に関与すると考えられ、
それが内耳の振動を阻害することになる。
脳が混乱した情報を送ることで、
めまいや吐き気といったメニエールと類似した症状を示す。

またこのほかにも重量感の認識障害、前頭部の冷や汗。
鼻や喉の分泌過剰による鼻水・痰や鼻つまり、
風邪や花粉症なども引き起こすことがある。
持続的な乾性の咳嗽は胸骨頭のリリースで、
症状が消失することがよく見られる。
胸鎖乳突筋

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選択する脳 

毎日、人は様々なことを選択している。
例えば、仕事で多くの問題を抱えている場合に、
何から行なっていくべきかや、
学生指導をする時に何に指導の重きを置くか。
また理学療法プログラムを何を選択すべきかや、
患者説明には何を一番に伝えるべきかなど、
少し考えるとこれだけのことを実は行なっている。

選択は置かれた環境において、
感覚を元に無意識に反応するものと違い、
いくつかの要素を導きだし、
それを分析し決断する作業となる。

選択とはいくつかの案を導きだすことから始まる。
A案・B案・C案とある場合に、
どれが将来的に良いものかや、
優先順位やメリット・デメリットを考慮することとなる。

では脳ではどの部位が働いているのだろうか。
fMRIの研究では皮質線条体回路の関連が報告されている。
まず無意識での反応は線条体の働きが強い。
経験や感覚を元に報酬の判断や身体運動の準備を行なう。
反応が早いのが特徴で行動と結びつきも強い。
欲求などの感情による反応もこの部分が強い。
それに対して意識が必要な選択に関しては、
前頭前皮質の働きが強い。
メリットやデメリットを考慮した優先順位や、
長期的な視点や判断においてはここが強い。
理性や論理を元に価値観や態度なども関わるとされる。
人間の線条体も爬虫類と大差ないが、
前頭前皮質は人間が特に発達している。
また前頭前皮質の発達は他の脳の部位と比べ、
20歳半ばまで発達するのが特徴である。

早い対応は線条体が優勢であるが、
反応的で短期的な報酬に向かいやすい。
時間はかかるが前頭前皮質は、
長期的な視点を含めて判断を下す。

食べ過ぎは体に悪いのがわかっているが、
つい食べてしまった。
今日はお酒は1杯だけと思っていたのが、
つい深酒をしてしまった。
などが前頭前皮質でなく、
線条体が優位に働いた状態の例である。
また他にも健康のために運動が必要なのにできなかったり、
姿勢を気をつけないと肩がこるのに、
なかなか直せないというのも、
前頭前皮質の働きが不十分なためかもしれない。

不安や疲れていたりなど精神的に余裕がないときや、
お酒を飲んで酩酊状態の時などに前頭前皮質の働きは鈍りやすい。
「つい」とか「うっかり」が多いと感じる場合は、
疲れていたり精神的な余裕をまずつくっていくことが、
大切なのかもしれない。

無題 1

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人と人が繋がるための脳 



生活をしていく中で、人間関係の問題は尽きない。
コミュニケーションを通じて相手の気持ちを理解していくが、
言葉によるコミュニケーション以上に、
言葉以外のコミュニケーションの影響が大きい。
これらの相手の気持ちを読み取るために、
気持ちを理解したり、顔の表情を読み取ったり、
意思決定をしたりをそれぞれの脳の領域で処理をしている。

気持ちの理解をする情動認知は扁桃体。
顔の表情を読み取る相貌認知は側頭葉下面。
意思決定をするのは眼窩前頭野。
また相手の気持ちを読むために働くのは、
内側前頭前野や側頭頂移行部(後側上側頭溝)1)。
そして共感に関わるとされるミラーニューロンは
前頭葉と頭頂葉が関与する2)とされる。

脳は人間のエネルギーのうちの20%を消費するといわれる。
社会的に適応するために脳は他の組織よりも
多くのエネルギーを必要としていると考えられる3)。
これらのことからも人と関わるためには、
脳の状態が良好であることが必要である。
睡眠状態やストレスコントロールを十分に行なえてこそ、
人と人とは円滑な関わりが可能になるものだろう。

1)CD Frith,U Frith.Interacting minds-a biological basisi
 Science:1999,286(5445);1692-5
2)Giacomo Rizzolatt:,Laila Craighero.The mirror-neuron system.
 Annu.Rer.Neurosci.;2004,27;169-92
3)Humphrey N.in Growing Points in Ethology:The social function of
 intellect,eds Bateson PRG.,Hinde RA(Cambridge University Press,
 Cambridge,),1976,pp303-317

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歯の噛み合わせと肩こり 

顎関節症や肩こりの原因に歯を接触させる癖
TCH(Tooth Contacting habit)がある。
このTCHは作業などに過度に集中しすぎることや
ストレスが関連するといわれる。

そして頭部の位置とTCHの関連について。
頭が上を向いている時、要するに頸部の伸展の時は
自然と口は開いてくる。
前方頭位で目線を前に向けると、このような状態になる。
一方、スマートフォンなどを見る姿勢は、
頭が下を向いている状態。頸部の屈曲が起きており、
自然と口は閉じTCHが生じやすくなる。

顎を動かす筋は口のみでなく頸や肩とも連結がある。
咬筋、側頭筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋などが、
持続的に収縮し血流やリンパの循環も低下させることになる。

慢性的な肩こりがある方は今一度、
歯を噛み締めていることはどんな時が多いか。
そして下向きはどういう時が多いか。
確認する必要があるかもしれない。
tch.jpg

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小脳の内部モデル 

ひらめきや直感は大脳基底核の他に、
小脳も関わっているのではないかと言われている。
大脳皮質の知識や経験などの記憶を
いったん小脳に保存することで
無意識で活用できるものと考えられている。

小脳で保存することで内部モデルとして利用することができるので、
前頭前野と連携をとることで計画•判断することができる。

大脳皮質の頭頂葉や側頭葉などの知識や経験などの連合記憶は
尾状核→淡蒼球→視床による基底核による経路や
小脳による経路でひらめきや直感を作っているとされる。
ひらめきや直感はたまたま浮かんでくるものではなく、
自分の中にある知識や経験が作っているもので
自分の中のデータの集大成ともいえる。
そう考えるとひらめきや直感ももっとうまく利用することは
大切なのかもしれない。

小脳の内部モデル

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ひらめきや直感 

ひらめきや直感は記憶をどのように使っているのか。
無意識の中で頭で生じていることを説明していく。
このような思考は瞬間的な状況把握とともに、
今までの経験や知識の蓄積をもとにした判断によるものとされる。
このときの判断は頭の中でいくつかの候補が思い浮かび、
その中から最もよいと考えられるものを選択し、
再び意識に浮かんでくることになる。

ではこのような複雑な頭の働きはどういったものであろうか。
まず大脳皮質から内部にある大脳基底核に情報が送られる。
この時の活性化する順序は尾状核→淡蒼球→視床
そして再び大脳皮質の順である。
これは多くの候補の情報を導きだしている
状況ではないかといわれている。

またそのときにもう一つの経路が活性化する。
それは大脳皮質→視床下核→淡蒼球という経路である。
この経路の役割は不明だが、これらの多くの候補を
絞り込む際に働いているのではないかと考えられている。

ひらめきや直感というのは当てずっぽうではなく、
今までの知識と経験の多くの要素から候補を絞り込み、
一つに導かれたものが意識に浮かんできているものだと言える。
直感やひらめき1

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無意識の記憶 

無意識の記憶は手続き記憶というものがある。
体で覚えているとよく表現されるが、
運動や音楽の演奏などで忘れにくい特徴がある。
久しぶりに自転車に乗っても案外うまく運転できるのは、
(可動域や筋力に変化があれば話が変わるが・・・)
こういった手続き記憶の影響である。
大脳皮質の運動野から送られてきて、
大脳基底核の被殻に保存される。

また習慣も無意識の記憶と言える。
習慣は大脳皮質の前頭前野から尾状核に送られる。
進化的には古い場所の脳であるが、
訓練を積むうちに意識しなくても出来るようになるのは
これらの働きによるものである。

ではひらめきや直感など現実に用いられる脳の働きは、
記憶をどのように使ったものなのだろうか。
次回説明していく。
無意識の記憶

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意識できる記憶 

記憶にはいろいろと種類があるが、
意識できるものとして思い出などのエピソード記憶
単語や年号などの意味記憶がある。

エピソード記憶海馬に運ばれ、
長期記憶となるように処理された後、
大脳皮質の元の領域に戻されて保存される。
そのときに扁桃体では快・不快・恐怖などの感情が形成され、
大脳皮質の感覚とともに結びつけれる。
一般的な知識である意味記憶は大脳皮質の側頭葉で保存される。

意識できる記憶はこのように大脳皮質や側頭葉に
最終的に保存されているが、
運動や習慣、ひらめきや直感などの無意識の記憶は
どのようなメカニズムになるのだろうか。
次回はそれについて説明していく。
意識できる記憶

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関節の緩みと締まりの位置 

関節には緩みの位置と締まりの位置が
あることは耳にしたことがあると思う。
緩みの位置(LPP;loose-packed position)は
屈曲や外旋の肢位が多い。
また締まりの位置(CPP:close-packed position)は
伸展や内旋の位置が多い。

ではこの緩みの位置と締まりの位置は
どのように使い分けるのだろうか。

緩みの位置では関節の副運動は大きくなり、
より大きな運動を生じやせるのに有効である。
力自慢の男性がこのような姿勢をとるのは、
力によってより大きな運動を生じさせるのに有効である。

締まりの位置では関節の副運動は小さくなり、
より正確な運動を生じさせるのに有効である。
精度の求められるスポーツでは
特にこういった姿勢を求められるし、
関節の緩い女性はこういった姿勢をとりやすい傾向がある。

アプローチでは関節モビライゼーションを行なう時に、
痛みを少なくし軽めに行ないたい時は緩みの位置で。
痛み症状が少ない患者でより大きく可動性を出す時は、
締まりの位置を用いたりする。
他にも固定をより強固にするために
可動する関節以外の周辺関節を締まりの位置に
しておくという考えもある。

筋肉の緊張のコントロールにも有効である。
痛みが強く、筋の緊張が高い場合は
緩みの位置にもっていくと緊張が緩和しやすい。
また力が入りにくく、うまく筋収縮を生じさせられない場合は
締まりの位置に持っていき緊張を高めることもある。
また締まりの位置ではアウターマッスルよりも
インナーマッスルが働きやすくなるので、
インナーマッスルの強化にも重要である。

股関節では屈曲位で緩みの位置、伸展位で締まりの位置となる。
これは元が四つ足動物であった名残であり、
四つ這いだと関節は緩み、立位では締まる形となる。
関節の位置を考えるだけでもアプローチの細かな設定が
可能になると思う。
骨盤と連鎖

Category: 関節

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2017-10
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