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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

カテゴリー「評価」の記事一覧

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効果判定の解釈 

持ち上げ動作の際に疼痛が生じるという訴えに対し、
腰椎の過剰な前彎が動作から認められた。
また評価により胸腰椎移行部の副運動低下が
認められることから腰椎の過剰な前彎は
胸腰椎移行部の副運動の低下が
結果的に腰椎前弯を助長させ、
疼痛の原因となっていると仮説を立てた。

アプローチで胸腰椎移行部の副運動は改善したが、
持ち上げた動作の疼痛は消失しなかった。
さてこのときどのように考えればよいのだろうか。
まず胸腰椎の副運動についてアプローチ前とアプローチ後で、
改善が認められるか効果判定を行う。
この時点で変化が出ていなければ、
アプローチそのものがうまくいっていない。

アプローチでの改善が認められるにもかかわらず、
能力に変化が認められない場合は、
その機能と能力の関連性が低いことが示唆される。
今回の場合は腰椎前弯の増強に対して、
胸腰椎の副運動の低下は関係していないということになる。
この効果判定によって問題となっている能力に
関連する機能が何なのかが明確になっていく。

またアプローチの効果判定で、
機能レベルで改善あったが、
能力レベルで改善がなかった場合は、
仮説の段階でエラーがあった可能性も示唆される。
腰椎前彎の増強に関して、
近隣関節では股関節の可動性も関係する。
また広く見ていくとその他上半身では、
胸椎・肋椎関節・肩関節も関連性があるかもしれないし、
下半身では膝関節や足関節が関係することもある。
また筋で考えると前彎を増強させる
大腰筋・脊柱起立筋の過緊張の可能性、
また逆に大臀筋や腹直筋の低緊張の可能性も考えられる。

ただこれらの問題を一気にアプローチした場合、
どれが影響していたのか判別することが難しくなる。
このあたりの評価と治療を一つ一つ慎重に行う深い視点か、
もう少し評価を広げて可能性を上げる広い視点か、
相手や状況によって使い分けていく。

評価から仮説を立案しアプローチを行う。
大切なのはその後の結果であり、
その結果からどのように解釈し見直しをしていくのかは、
なかなか難しい部分でもあるかもしれない。
ただこの効果判定による結果から得られる情報こそ
生の貴重な情報であり、それをどのように解釈するかが
療法士の臨床経験をどれだけ得られるかの
大きなポイントとなるのではないだろうか。
指導要綱
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Category: 評価

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効果判定と臨床思考 

自分の行っているアプローチは
果たして意味があるのだろうか?
こういった疑問は誰しもが持つと思う。
患者さんの訴えを聴く。
何が困っているのか確認をする。
どこどこの関節の可動性や筋力の低下の
仮説を立ててアプローチをする。
何週間か継続しているが、
患者さんの訴えは変わらない・・・。

日常生活の動作や姿勢で
悪化している可能性もあるが、
アプローチの前と後の違いを確かめることで、
その仮説があっているのかどうか
確認することができる。

例えばものを持ち上げた時に腰が痛いとする。
持ち上げる動作を確認したところ、
持ち上げる瞬間に腰椎の過剰な前彎が認められ、
その際の胸腰椎移行部の動きの制限が認められた。
評価を行ったところ体幹の回旋の制限が認められ、
胸腰移行部の副運動の低下も認められた。
仮説として胸腰椎移行部の副運動低下が、
過剰な腰椎の前彎を招き
疼痛を誘発していると考えたとする。
もしその仮説が正しいのであれば、
胸腰移行部の副運動を改善すれば、
ものを持ち上げた時の腰痛は消失するはずである。

しかし、持ち上げた時を再度確認したとこと、
腰痛はあまり変化がなかった。
これは一見ピンチなのだが、
逆に考えると問題点を一つ削ることができた
とも考えることができる。
ではどのように考えていけばよいのだろうか。
次回はこの臨床思考について述べていく。

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深い視点とは 

現実的な要素では困っていることが、
どういったことなのかを確認し、
より深く掘り下げアプローチにつなげていく。
そのために必要なのが深い視点である。
有痛性の疾患である場合は、
どういった動作が困っているのかを確認し、
その動作を実際に行ってもらい分析していく。

分析のコツとしては正常動作からの逸脱が
大きいかどうかがわかりやすい。
何が正常かについては様々な議論があるのだが、
動作を見ていく中で正常から逸脱した動きがある場合は、
正常な動きに修正して何らかの症状があるかを確認する。
そこで疼痛が誘発される場合は、
疼痛が生じるから正常動作が行えず、
疼痛に対する代償動作を生じていることが確認できる。

その他の症状が誘発されればこの後の検査につなげていく。
また動作の中ではどこに痛みがあるのか。
どこの部位に動きが少ないかが重要なポイントとなる。
動作では痛みが出ている部位に
動きが生じたときに疼痛が出現しやすく、
その周辺の筋や関節の動きが硬くなっている場合が多い。
アプローチのひとつの考え方として、
痛みの出る部位の動きが過剰にならぬように、
周辺の筋や関節の動きを改善することが重要となる。
さらに評価として関節運動の過剰運動性と過小運動性の評価をし、
筋に対して過緊張と低緊張を評価する。

アプローチを行う前の評価として、
広い視点と狭い視点をどのように使い分けるのか。
使い分けることでより有効な情報収集が行えるのではないだろうか。

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広い視点とは 

アプローチを展開していく上で、
広い視点深い視点の両方が必要である。
広い視点では全体的に捉えていくことで、
全人間的での精神面や環境面などを含めた
様々な方向性を考慮することができる。
また深い視点ではより深く、
身体面での原因を追究していく形になる。

まずは広い視点で患者さんを全人間的にみていき、
その方の精神状態環境を含めた部分を確認する。

初回の患者さんから話を聞くときに、
「何が不安なのか?」
「何が困っているのか?」
といった質問を行うことが多い。
「何が不安なのか?」で患者さんの精神的な要素を、
「何が困っているのか?」で現実的な要素を確認する。

精神的な要素では本人の不安な内容が、
・何が起きているのか
・どうすればよいのか
・何がしてもらえるのか
・自分ではどうすればよいのか
・どれくらいで良くなるのか
といった内容が大多数ではないだろうか。
こうした内容に答えることで、
具体的に起きていることや
これからやっていくことなどを明確にする。
今まで経験したことないことだからこそ不安が生じる。
どういったものなのか具体的にしたり、
これからの予測につながることを説明する。
こうしたことが具体的になるだけでも安心感が変わってくる。
またその方の家事や仕事に応じた対応が必要となる。
・どんなやり方をするか?
・作業時間をどれくらいにするか?
・休憩を入れることができるか?
・道具でカバーすることが可能か?
・人に手伝ってもらえるか?
・後でメンテナンスをすることができるか?
など相手や環境に合わせた対話が必要になる。
こうした部分は痛みを悪化させる要因でもあるため、
コントロールが非常に重要である。
体の状態を良くすることよりも
悪くすることの方が影響としては大きいので、
この部分はぜひ押さえておきたい。

次回は広い視点からポイントを絞り、
徐々に深い視点に切り替えていく。
問題の焦点絞り、アプローチにつなげていく情報を捉えていく。

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尤度比とカッパ係数 

今回は尤度比とカッパ係数について。
まず尤度比は「ゆうどひ」と読む。
感度や特異度は陽性か陰性かという二つの結果の解釈となるが、
検査結果は複数の計測値を陽性か陰性かで判断している。
ある一定の水準を境として判断(カットオフポイント)しているので、
その間の情報を捨てざる得ないことも多い。
尤度比病気の人がその検査結果となる確率と、
正常な人がその検査結果となる確率を示す。
よって尤度比が10以上ならかなり高い確率なので確定診断に、
5なら中等度の確率。
1なら影響は少ないと考えられ、
0.1以下なら除外診断に有効と考えることができる。

次にカッパ係数について。
検査する人が違うと、得られる結果が違うことはよくある。
カッパ係数は二人の検査の結果の一致度を評価する指標である。
完全に一致する場合を1とし、
偶発の一致を0として考える。
よって0から0.40の場合は低い一致となり、
0.41から0.60中等度の一致と言える。
だいたいこの0.60以上あれば一致度は高いといえるのが特徴である。

理学療法士は欧米では「メスのいらない整形外科医」とも言われ、
非常に人気の高い職種となっているようである。
しかし、多くの体の器官を扱うが故に、
経験則が多いためいわゆるアートの側面が強く、
サイエンスの割合が低いという問題が生じている。
こういったEBMを考慮した理学療法は、
ただ文献を参考にするのではなく
どういった統計的な意味があるのか理解する必要がある。
今後クリニカルプレディクションルールに代表される、
エビデンスを元にした理学療法の展開が、
もっと広く一般的となるよう
努力が必要になってくるのではないだろうか。

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感度と特異度 

医学的に用いられる統計学的な概念は
どういったものがあるのだろうか。
よく用いられるものの中に、
感度特異度、そして尤度比カッパ係数などがある。
難しい言葉なので簡単に説明していく。
今回は感度と特異性について述べる。

まず感度について。
感度は病気がある人を陽性とする割合を指す。
感度が高い検査はどんな人にも陽性になりやすい。
病気がある人もない人も基本陽性になるので、
陽性だからといってもあまり意味はない。
そのため感度が高い検査で陰性の場合は
病気でない可能性が高い。
陰性となった場合、除外診断に用いることができる。
また感度が低い検査は陽性になりにくい。
感度が低い検査で陽性となった場合は
病気である可能性が高いと言える。

次に特異度について。
特異度は感度と正反対の性質を持つ。
特異度は病気がない人を陰性とする割合を指す。
特異度が高い検査はどんな人でも陰性になりやすい。
病気がある人もない人も基本陰性になるので、
陰性だからといってもあまり意味はない。
そのため特異度が高い検査で陽性の場合は
病気である可能性が高い。
陽性となった場合、確定診断に用いることができる。
また特異度が低い検査では陰性になりにくい。
感度が低い検査で陰性となった場合は
病気でない可能性が高いと言える。

感度が高い検査での陰性除外診断となり、
特異度が高い検査での陽性確定診断になる。
ここだけでも頭に入れると、
少しだけ理解が深まるのではないだろうか。

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整形外科的テストの診断精度 

画像所見は必ずしも臨床所見
一致しないことも多い。
そのため整形外科的テストは
臨床的な鑑別を行なう上で必要不可欠である。

例えば膝の変形の画像所見があったとする。
関節裂隙の狭小化、骨棘形成、
骨硬化像などが認められる。
疼痛は膝の内側であるが、疼痛部位をよく聞くと、
鵞足部や膝蓋腱、中間広筋など
筋筋膜性の疼痛であることも少なくない。
こういった臨床的な症状から判断すると、
膝の変形はあるものの、
現在生活に支障が出ている疼痛は
筋筋膜性の疼痛であることが推測される。

整形外科的なテストでは
構造的にどのような障害が生じているかや、
現在の疼痛の原因が何から
生じているかを確認することができる。
ただこのテストも診断そのものの確率や、
術者によって結果のばらつきがあることを留意する必要がある。

ではこれらの診断精度について、
統計学的な信憑性はどう読み取っていけばよいのか
次回から述べていきたいと思う。

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問診と評価の流れ 

問診と評価をどのような流れで行っていけば良いのか。
理学療法開始から終了までの流れを述べていきたいと思う。
はじめに現在の経過を確認する。
それにより状態が良くなっているのか、変わらないのか、
悪くなっているのか把握する。
特に悪くなっている場合は、姿勢と動作を確認し
悪くなった原因を確認することが必要である。

次に今回の症状の評価を行う。
前回の問題点と今回の問題点は違うことも少なくないので、
毎回、はじめて評価する気持ちをつもりでいることが大切である。
まず、リスクになるものがないか確認する。
具体的には炎症・神経症状・骨折・内臓疾患などである。
それらがなければ次にどういった動作が問題か確認する。
動作分析では何の動きで問題があるのか。
その動きのどの相(初期・中期・後期)で問題があるのか。
そしてその問題は痛み・可動性・筋力・心因性のどれなのか。
最後にその問題となる組織は筋・関節・神経・脳のどれなのか。
こういった部分を評価することで、
仮説を立てアプローチするものが明確になる。

評価と仮説が立案できたら、アプローチを行なう。
治療前と治療後の機能の変化を確認することで、
仮説の検証とともに治療技術の問題も確認できる。
機能で改善があれば能力の評価も続けて行い、
機能的な問題が能力に繋がるのか否かを確認する。
これにより自分の仮説として挙げていた機能的な問題が、
能力と関係するのかどうかを明確にしていく。
問題がいくつかある場合はそれぞれ上記の作業を繰り返し、
それぞれの機能的な問題と能力の繋がりを確認する。
私の場合は問題点は3つまでアプローチする。
症状の上位3つをクリアすれば残りの問題は、
影響は小さいので経過を観察していく。

最後にアプローチから考察して、
実際何が起きているのかを患者に説明する。
ただアプローチの効果は持続性はなく、
きっかけに過ぎないことも付け加えて説明し、
姿勢や動作の重要性やセルフエクササイズを指導する。

評価と問診の流れは非常に重要である。
うまくいかない時はこういった流れの中で
問題がないかどうか確認することで、
自分の中で修正でいることも多いのではないだろうか。
私のチェック項目はこういったところを気をつけている。

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能力から問題を特定する 


臨床では患者さんの訴えをもとに、
動作を確認していく。
動作を確認していく際に、通常では見られない動きが
認められた場合はそれに着目すると思う。
例えば歩く時に足が外に向いてしまっているとか、
物を持つ時に腰が曲がり過ぎているとかがこれにあたる。
そしてもう少し細かく見ていくと、
このように動き過ぎている場所の周辺はあまり動いていない。

そこでついその異常な動きを改善しようとするが、
問題は本当にそこなのか確認する必要がある。
ここで用いるのが、動作の修正である。
このような通常では見られない動きが認められた場合、
それを修正するように促してみる。
口頭で指示をしたり、徒手的に誘導したりする。
そうすることでどんな症状が出るのかを確認する。
痛いのか・硬い感じがするのか、力が入りにくいのか。
要するに問題はそこである。

そのような症状が出現するので代償的に
通常では見られない動きをしているのである。
また修正することで容易にできる場合は、
身体機能としては問題ないが、
習慣や癖、不安感などの心理や中枢的な問題が
それらの動作を行なっている理由になる。

異常な動作は筋や関節に運動学的不利なストレスをかける。
しかしながら、そうせざる得ない理由があるのかもしれない。
動作の修正。たったこれだけのことだが、
根本的な改善に必要な情報がそこに集約されている。
痛いことが問題なのではなく、
痛い動きをしていることが問題である。
しかし、そうせざる得ない理由の方がさらに問題である。

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整形外科外来のアプローチでの段階 

整形外科のアプローチでは
私たちの療法士の介入により、
ダメージを受けた組織を保護・回復を促進、
適切な運動にて組織の運動学的な改善を必要とする。
外来患者の特徴としてはケガによるものも多いが、
動かしすぎることによって生じる過用症候群も
頻度としては非常に多い。

よって疼痛が回復しても、再び過度に動かし過ぎて
症状が再燃することは多い。
こういった状況の中でどのように
アプローチを進めていけば良いのだろうか。
療法士の視点で述べていきたい。

まず療法士に一番はじめに求められるものは
リスクの確認である。
組織のダメージの度合いや動かすことで
症状が悪化する可能性があるものなのかどうか。
これが判断できなければ、療法士が介入することで
かえって悪化してしまうことがある。

次にアプローチでの即時効果である。
療法士の介入でダメージを受けた組織を
回復することはできない。
療法士ができることは回復後、
硬くなった組織の柔軟性を回復したり、
その周辺組織の柔軟性の回復に伴い、
疼痛を軽減することである。

例えば硬くなった筋肉を柔らかくしたり、
硬くなった関節を柔らかくすることで
疼痛は一時的に消失する。
こうした即時的な効果は
患者さんに希望を持たせるとともに、
その後の日常生活指導の説明の説得性にも関わる。
ただ、この即時効果のみに頼ってしまうと、
あくまで対処療法となってしまい共依存をつくるリスクもある。
「痛くなったら頼めば良い。」
こういった依存的な思考は逆に言うと療法士がいないと
コントロールできない身体であり、
自然なこととは言いがたい。

そこで次に必要なのは生活指導と運動連鎖の考え方である。
症状が一時的に良くなっても、疼痛はすぐ再発する。
これは痛みがなくなることは治ったのではなく、
調節できているといった状態である。
使い方が悪かったり、使いすぎると痛くなるのは
むしろ自然なことである。
また使い方が悪くなる理由が他の部位の関節や
筋の機能にあることは少なくない。
例えば膝が痛くなるのは腰をかばうからであったり、
股関節の動きが小さいからであったり
症状の出現する部位以外の機能が低下しているがゆえに、
症状が出現してしまっている。
運動連鎖を考慮し、根本的にに問題となっている部分を把握し、
日常生活を上手にコントロールすれば
症状のない状態は持続することができる。

そして最後にそれらを患者さん自身が自ら判断・実行できるよう
療法士が知識や考え方を患者さんの価値観に合わせて説明すること。
それによりセルフコントロールがうまくなり、
療法士が関与しなくとも良い状態を続けることが
できると言える。

Category: 評価

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2017-07
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