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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

カテゴリー「研究」の記事一覧

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科学的研究の意味 

テレビで医療の番組は非常に多い。
毎日どこかのチャンネルでやっている状況である。
医療の番組では、
「科学的根拠があるんです。」とか
「科学的根拠に基づいた〜」などと
よく耳にすることもあるのではないだろうか。

科学的根拠とつくとなんだがとても素晴らしいもので、
絶対的な感覚がするのではないだろうか。
科学というのは現代社会では絶対的だから、
この情報は絶対的なことを言ってるんだ。
そう解釈してしまうことも多いのではないだろうか。
では科学的な根拠っていったいなんなのだろうか。

科学的研究の手法によって得られたものを
科学的根拠に基づくものと一般的に言われる。
簡単に言うと平均を比べて、
統計学的な有意差がある。ということである。
要するにそういった傾向がみられるというものである。

例えば男は女と比べて
浮気をしやすいというデータが存在する。
これは男と女の平均値により
こういった傾向がみられたというものである。
だからといって、自分の夫が浮気をしているとも限らないし、
自分の彼女が浮気をしていないとも言えない。
あくまでそういった傾向がみられるというだけの話である。
またこういった生物学的な説明において、
だから男は劣っているとか、女の方がすばらしいとか。
そういった価値判断は科学では踏み込まない。
優劣善悪などの価値判断はまったく別物として扱い、
ただデータとして差があるということを示すまでが、
科学的根拠のあり方になる。

こうしたことを踏まえると、
科学的根拠は机上の空論となることも、
当然考えられるわけである。

熱を下げる薬があるとする。
この熱を下げる薬は比較的副作用も少なく、
熱を下げる効果も非常に高い確率をもつ。
しかしながら、目の前の患者さんに
この熱を下げる薬が効くかどうかは、
試してみないとわからない。
ただ闇雲にいろいろな薬を試すよりも、
科学的根拠に基づいて選択する方が、
確率は高くなるということである。

ある病院で薬をもらい効かなかった。
次の病院でも別の薬をもらったが効かなかった。
三番目の病院で聞かなかった薬の名前を話し、
出してもらった薬が効いたとする。
本人は3番目の病院の医師は名医だと思うかもしれない。
確かに診療技術が優れている可能性もあるが、
効かなかった薬を省いたため確率が高まったかもしれない。
またもしかしたら、時間の経過に伴う
自然治癒力の影響かもしれない。

様々な治療法があると思うが、
優れているものにおいても自分に合うかはわからない。
大事なのは方法ではなく、結果が出るのかどうか。
ここを見失わないことが大切なのかもしれない。
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Category: 研究

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筋肉と死亡率? 

カリフォルニア大学の研究で
面白いものがあったので紹介する。
1988年から1994年の間に
3600人の大人を対象に分析。
男性55歳以上、女性65歳以上。
2004年にフォローアップ研究をし、
事故死を除いて、筋肉量と死亡の関連性を調査した結果、
筋肉量が多い人は死亡率が顕著に低いということがわかった。

体重や脂肪の量よりも筋肉の量が
健康には得策かもしれない。

1)More muscles linked to longer life,research suggests
http://news.health.com/2014/03/18/more-muscles-
linked-longer-life-research-suggests

Category: 研究

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後靭帯骨化症の疫学 

後靭帯骨化症(OPLL)は日本で事実上発見された。
また日本での発生頻度が高いことから
我が国での疫学や自然経過の報告は多い。

1961年の外来患者1000例のX線写真の報告の他、
1975年の厚生省の他施設の大規模な疫学調査などが
行なわれてきている。

これらの疫学調査からは日本の発生頻度は
数%にも及び多くは中年で発症。
男性に約2倍多いのが特徴である。
患者のほとんどが無症状もしくは
軽い神経症状程度のものが多い。
発症しても進行するとは限らず,
寝たきりや生命予後の悪化はがまれである。
しかし転倒など外傷による脊髄損傷の可能性は否定できない。
現時点では無症状やごく軽症例に対する
予防的手術は正当化されない。

1)Okamoto Y, Yasuma T:Ossification of the posterior
 longitudinal ligament of cervical spine with or without
 myelopathy. Nihon Seikeigeka Gakkai Zasshi 1967;
 40(10):1349-1360

Category: 研究

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脳卒中治療ガイドラインの構成 

脳卒中治療ガイドライン2004
耳にしたことも多いのではないだろうか。
脳卒中治療ガイドライン2004は
 ・日本脳卒中学会
 ・日本脳神経外科学会(日本脳卒中の外科学会)
 ・日本神経学会
 ・日本神経治療学会
 ・日本リハビリテーション学会 の5学会と

 ・脳梗塞
 ・脳出血
 ・くも膜下出血 の厚労省3研究班で構成される
脳卒中合同ガイドライン委員会によって作成された。

内容は
 1.脳卒中一般(すべての脳卒中全般、超急性期管理)
 2.脳梗塞
 3.脳出血
 4.くも膜下出血
 5.リハビリテーション  に分類されている。

1992年から2002年4月頃の
110000文献からエビデンスレベルを6段階に設定。
 1a:RCTのメタアナリシス
 1b:RCT
 2a:よくデザインされた比較研究(非ランダム化)
 2b:よくデザインされた準実験的研究
 3 :よくデザインされた非実験的記述研究
   (比較、相関、症例研究)
 4 :専門家の報告、意見、経験
  ※実際の数字部分はローマ数字で記載

治療リコメンデーション(推奨)として
  A:行うよう強く勧められる(少なくとも1つのレベル1の結果)
  B:行うよう勧められる(少なくとも1つのレベル2の結果)
 C1:行うことを考慮してもよいが十分な科学的根拠がない
 C2:科学的な根拠がないので勧められない
  D:行わないよう勧められる

欧米のガイドラインと比べCを2つに分別しているところが
特徴である。厳密にレベル分けと推奨度を設定しているため
どういったものがなぜ勧められるのか、
明確である。ガイドラインでは今までの過去の研究から
どのような治療が有効なのか確率の高いものを示してくれる。
患者はすべて当てはまるという訳ではないので
患者に最高にあった治療を選択できる訳ではない。
しかし何をすればある程度の効果が得られるかを
知っておくことは最低限の治療の底上げをすることはできる。
誰がやってもある程度の結果を出すことができるという
治療の保険としては非常に有効ではなかろうか。
その上で患者にあったものをシングルケースで
効果判定をしていけばより優れた治療プログラムを
行うことが可能になるのではなかろうか。

次回は脳卒中治療ガイドラインの
具体的な内容を記載していく。

Category: 研究

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関節角度と筋の作用と発揮筋力 

筋の作用は解剖学的な起始・停止の
位置関係により明示されていることが多い。
しかし、関節角度が変化することで
関節中心筋の作用線の位置変化が生じるため
モーメントアーム筋線維長の変化が起こり
筋の作用や発揮筋力は変化する。

モーメントアームに関する研究では
モーメントアームを筋の起始・停止で
直線を結び算出する
ストレートラインモデル1-3)がある。
しかし骨や軟部組織の影響により
走行は変化するため直線ではないこともある。
(特に縫工筋・腸腰筋など)
そのため走行変化点を仮想上の起始として
計算する方法4)や、球・円筒上のセグメントを
モデルに組み入れるwrapping surfaceで
モーメントアームを求める方法
5-6)などが用いられた。

トルクに関する研究は現在、
ストレートラインモデルによる報告7)のみである。

筋の作用に関してはモーメントアーム筋線維長
生理学的断面積羽状角などの多因子の関連があるため
正確な筋の作用に関しては現在も不明である点も
多いことを頭に入れておく必要があるのかもしれない。

1)Dostal WF,Soderberg GL,et al.:Actions of
 hip muscles.Phys Ther.1986;66:351-361.
2)Nemeth G,Ohlsen H:In vivo moment arm
 lengths for hip extensor muscles at different
 angles of hip flexion.J Biomech.1985;
 18:129-140.
3)Dostal WF,Andrews JG;A three-dimensional
 biomechanical model of hip musculature.
 J Biomech.1981;14:803-812.
4)Delp SL,Hess WE,et al,:Variation of rotation
 moment arms with hip flexion.J Biomech.1999;
 32:493-501.
5)Arnold AS,Salinas S,et al,:Accuracy of muscle
 moment arms estimated from MRI-based
 musculoskeletal models of the lower extremity.
 Comput Aided Surg.2000;5:108-119.
6)Grosse IR,Dumont ER,er al,:Techniques for
 modeling muscle-induced forces in finite element
 models of skeletal structures.Anat Rec(Hoboken).
 2007;290:1069-1088.
7)Hoy MG,Zajac FE,et al,:A musculoskeletal model
 of the human lower extremity:the effect of muscle,
 tendon,and moment arm on the moment angle
 relationship of musculotendon actuators at
 the hip,knee,and ankle.J biomech.1990;
 23:157-169.

Category: 研究

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文献を追う 

毎日のように新しい知見が生まれる医療。
定説がくつがえることも多く、
今までの常識が非常識に変わることも珍しくない。
教科書的な知識は堅いが情報としてはかなり遅れる。

こうした情報はインターネットによって
容易に手に入るようになった。
世界各国の文献をいかに効率よく
収集していくかというのは
現在の医療現場では重要なことである。
しかしながら日々の業務や日常生活の中で
こうした情報を収集していくことは
困難なのも事実である。

米国理学療法士協会の会員における
エビデンスに基づく診療の
考えかた・対応・信念に対しての質問
488名の回答1)によると
多くのセラピストは
エビデンスを用いることは必要。
意思決定に有効でケアの質が高くなる。
と回答している。しかしながら
手順に時間がかかり、忙しい臨床上困難である。
という回答も非常に多かった。

エビデンス診療の手順2,3)
 1.症状を確認し、具体的な問題に変換
 2.その問題に関連する研究の収集
 3.問題に適応できるか判断
 4.エビデンスの評価
   セラピストの技能・経験
   患者の環境・有用性
 5.所見・意思決定を行い管理
 6.介入の帰結を評価
となる。これらの手順を踏みながら
臨床に生かすことは確かに現実では難しいと言える。

しかしながら常に新たな文献を追っていき、
現在の世界のトレンドや治療の有効性などを
考慮していくことは重要なことである。
オンラインのデータベース4-7)としては
コクランで詳細なしのレビューの要約を
見ることができるし、
PEDroではランダム化臨床試験の質を評価、
系統別レビューと臨床ガイドラインを
確認することができる。
またエビデンスに基づく診療ガイドラインを読むには
フィラデルフィア委員会(理学療法と医学の専門家の委員会)の
頚痛8)・肩痛9)・腰痛10)・膝痛11)を確認すると良い。

患者個人を深く掘り下げてみていくアートとしての視点と
医学の研究を元に広い視野で見ていくサイエンスとしての視点。
どちらもバランスを取りつつ進めていく必要があると言える。
ヒトとして見ていくことと生物として見ていくことが
医療にとって重要である。

1)Jette,DU,Bacon,K,Batty,C,et al:Evidence-based
 practice:beliefs,attitudes,knowledge and behaviors
 of physical therapists.Phys Ther 83:786-805,2003.
2)Sackett,DL,Straus,SE,Richardson,WS,et al:
 Evidence-Based Medicine:How to Practice
 and Teach EBM,ed 2.Churchill Living-stone,
 Edinburgh,2000.
3)Cornack,JC:Evidence-based practice....What is
 and how to do it?J Orthop Sport Phys Ther 32:
 484-487,2002.
4)Beattie,P:Evidence-based practice in outpatient
 orthopedic physical therapy:using research findings
 to assist clinical decision making.orthop Phys
 Ther Pract 16:27-29,2004.
5)Cormack,JC:Evidence-based practice...What it is
 and how to do it?J Orthop Sports Phys Ther 32:
 484-487,2002
6)Bloomfield,SA:Changes in musculoskeletal
 structure and function with prolonged bed rest.
 Med Sci Sports Exerc 29:197-206,1997.
7)Baker,SM,et al:Patient participation in physiccal
 therapy goal setting.Phys Ther 81:1118,2001.
8)Philadelphia panel evidence-based clinical
 practice guidelines on selected rehabilitation in
 terventions for neck pain.Phys Ther 81:
 1701-1717,2001.
9)Philadelphia panel evidence-based clinical
 practice guidelines on selected rehabilitation
 in terventions for shoulder pain.Phys Ther 81:
 1719-1730,2001.
10)Philadelphia panel evidence-based clinical
 practice guidelines on selected rehabilitation
 in terventions for low back pain.Phys Ther 81:
 1641-1674,2001.
11)Philadelphia panel evidence-based clinical
 practice guidelines on selected rehabilitation
 in terventions for knee pain.Phys Ther 81:
 1675-1700,2001.

Category: 研究

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腰痛の世界的疫学調査 

腰痛の世界的疫学調査で有名なものでは
急性腰痛の50~60%は 2週間以内で改善し
     80~90%は 3~4カ月で改善する。
慢性腰痛の90%が保存療法で改善するとしている。
これが腰痛の90~95%に保存療法が適応になる
と言われている根拠と言えよう。
気をつける点としては下肢の麻痺や
膀胱・直腸障害などが出現する
馬尾症候群のみである。

要するに腰痛はほとんど保存療法で手術が必要でないこと。
3~4カ月すれば80~90%改善する。
というところを患者に説明し、
精神的な負担を軽減させてあげることが必要。

しかしながら厚生労働省の国民生活基礎調査による
有訴受診率の結果では10年以上男女合わせ1位であり
疫学結果と剥離した内容ともとることができる。

要素としては受動的な国民性や
行きとどかないfollow upなどが
関係するものと思われる。

1)Chou R,et al:Diagnosis and treatment of
low back pain:A joint clinical practice
guideline from the American college of
physicians and American pain socierty.
Ann Interm Med 147:478-491,2007

Category: 研究

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外来患者の主訴別内訳 

外来患者の訴えは様々である。
Jetteの報告によると
PTクリニック受診の61%
筋骨格系疼痛症候群である1)とのことだ。
 ・25%腰痛
 ・12%頸部痛
 ・12%肩関節痛
 ・12%膝関節痛や股関節痛

当院の外来患者の運動器での
運動療法指導処方のあった792名の内訳においても
 ・36.3%腰痛
 ・19.6%肩関節痛
 ・16.6%膝関節痛
 ・ 9.0%頸部痛
 ・ 6.0%股関節痛
 ・12.5%その他
となっている。これはPTクリニックにおいて
筋骨格系疼痛症候群の患者の多さと、
腰痛患者の内訳の多さを物語っている。
非常に多くの評価や治療法・考え方のある腰痛に対して
どれだけ効果的で個別的なアプローチを提供できるか。
私たちに与えられた使命と言っても
過言ではないのではなかろうか。

1)Jette AM,DavisKD:A comparison of hospital-based
 and private outpatient physical therapy
 practices,Phy Ther 74:366,1991

Category: 研究

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医療の科学的根拠とは 

医療現場でEBMが流行のように叫ばれてから
随分と時間が経った。
しかしながら言葉だけが独り歩きをしているのも
現状である。

医療の科学的根拠とは何が目安になるのか。
最も一般的なものとしては診療ガイドラインがある。
ガイドラインは世界各国で違うことも多いが
科学的根拠の目安になると言っても過言ではない。
診療ガイドラインは
 ・コスト
 ・リスク
 ・臨床家の経験
 ・保険適用の有無
 ・患者の好み
などの要素を吟味して作られる1)。
そしてエビデンスレベルに依存する。

そしてエビデンスレベルの最上位になるものは
メタアナリシスを行ったシステマティックビューである。
メタアナリシス(meta-analysis)は
あるテーマに関し研究結果を集積し
結論を導き出すアプローチ。
データとしては
 ・集計結果(相対危険度、リスク差、オッズ比)
 ・個別のデータを再分析(Peto法、D&L法)
がある。理学療法分野ではメタアナリシスを行うための
無作為化比較試験(RCT:randomized controlled trail)や
比較臨床試験(CCT:contorolled clinical trail)が
少ないのが現状である。
そのためどういう症状や疾患にどの治療が有効か
はっきりしていないことが多い。

患者の訴えや症状から評価し
機能障害に関与している組織を特定する。
そしてクリニカルリーズニングにより
仮説を立て、アプローチと効果判定をする。
この一連の流れが非常に重要であり、
これらが理学療法士の総合的なスキルとなる。

今後、データと臨床がうまく融合し
患者の希望に沿った確率の高いアプローチが
期待されるべきところである。

Category: 研究

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総説 

総説には2種類あり
一般的な総説系統的な総説に分かれる。

一般的な総説では
 研究者の意見。
 研究者の知識・経験を基に文献を紹介しながら
 結論をまとめる。→客観性に乏しい

系統的な総説では
 文献選択の方針と質の評価システムを行い
 それらを結合し目標とする結果を導く。→客観性が高い

系統的な総説は客観性が高い反面
群、介入法、転帰の測定が異なるものをまとめることになるため
非常に困難になる。
これを可能にするのがメタ・アナリシス(meta-analysis)である。
これにより結果の集積を全体で行い結論を出す。

これには集計結果の利用として
 相対危険度・オッズ比・リスク差

個別のデータの再分析として
 D&L法・Peto法

これらがある。文献には作る側の主観が入るため
どうしてもデータにバイアスが生じやすい。
一般的な総説の場合、基本的には研究者の意見であることから
いくら多くの文献が載っていたとしても
それを鵜呑みにするだけでは客観的であるとは言えない。
できれば反対意見の論文も吟味する必要がある。
また系統的な総説ではより客観性の高い情報となるが
目の前の患者に当てはまるかどうかはまた違う次元の話となる。
可能性の高いものを選択することはできるが
それが絶対ではないことに留意する必要がある。

評価による効果判定が必要なことは言うまでもないが
患者のニードや心情も理解することが
医学と医療の大きな違いである。

Category: 研究

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2017-06
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