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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

カテゴリー「股関節」の記事一覧

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股関節の伸展 アプローチ2 

痛みと可動性が改善したら
次は筋力のアプローチを行っていく。
痛みと可動性の改善により筋力も発揮されることが多い。
それでもなお筋力が弱い場合に考慮していくことになる。
股関節の伸展筋力に関しては大殿筋の筋力が重要であるが、
大腰筋や大腿四頭筋の過緊張があれば相反抑制の影響で、
大殿筋の筋出力は減少されやすい。
また脊柱起立筋による固定筋作用と
ハムストリングスによる共同筋作用とともに
筋膜連結の関係からも肢位によっては重要である。
この固定筋と共同筋は代償として
働かせることもできる。

心因性に関しては痛みへの不安や
動きに対する過剰な意識があると動作が阻害される。
痛みへの不安は扁桃体が過活動し、
前頭前野の働きを阻害する。
運動の計画のプログラムに誤差が生じ適切な運動を阻害する。
また動かすことに過剰に意識がある場合は、
運動野に関わる大脳皮質が過度に働き、
相反抑制の働きを打ち消してしまう。
主動筋と拮抗筋が同時収縮を起こしてしまい、
円滑な動作が困難となる。
運動に対する意識ではなく、感覚に対する意識に重きを置き
運動イメージの想起するように促す。
痛みの不安や運動に意識を置いている場合は、
過剰な緊張が生じ、同時収縮を生じやすい。
その状態では筋紡錘や腱紡錘が正常に機能しないので、
位置覚・運動覚が脳に入力されない。
感覚に意識を集中させることで過緊張は解除され、
位置覚・運動覚の入力とともに運動イメージの想起が可能になる。

それぞれの問題にどう対処していくか。
評価での情報が非常に重要になるが、
仮説が必ずしも一致するとは限らない。
またいくつもの要素が混在していることも多い。
治療前と治療後の効果判定を行い、
一つ一つのアプローチを検証していくことが
今後のアプローチの参考に繋がっていくと考える。
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Category: 股関節

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股関節の伸展 アプローチ1 

それではそれぞれの問題に対しての
アプローチについて述べていく。
今回は痛みと可動性についてである。

まず痛みについてだが、
痛みでは病期が重要である。
急性期・亜急性期・安定期かによって
保護なのか活動なのかが変わる。
一般的には顔が歪むような(Grimace sign)痛みは
非常に強い疼痛であり保護が主体となる。
痛みが減少し、表情が変わらない程度になってきたら、
少しずつ可動域を改善させていく。

ある程度の強い痛みが改善したら、
今度は硬さによる痛みが表出してくる。
可動性では制限因子が
筋なのか関節なのかを評価する必要がある。
4週以内であれば筋による制限が多いが、
4週以上であれば関節による制限も多くなる。
joint playやend feelを確認し、
関節副運動の低下があるかどうかが一つの目安となる。
股関節の伸展であれば大腰筋の伸張性は大切である。
筋による制限であれば、マッサージ・ストレッチ・
相反抑制・等尺性収縮後弛緩など
筋の緊張を軽減するアプローチが中心となる。
副運動の低下がある場合は
関節モビライゼーションを併用する。

次回は筋力と心因性について述べていく。

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股関節の伸展 問題の細分化 

まず痛みがあるかどうか。
股関節を伸展すると腰部の前彎増強での腰痛、
脊柱起立筋の収縮痛、反対側の大殿筋や
腸腰筋の固定筋作用による収縮痛、
同側大臀筋の収縮痛や反対側の腸腰筋・四頭筋の伸張痛など。
これらの痛みがあれば
痛みによる反射で筋出力が低下している場合がある。

次に可動性である。
痛みがなくても可動性が乏しければ、
筋力は発揮されない。
股関節の伸展角度はもちろんだが、
仙腸関節の前方回旋、腰椎の同側回旋や
伸展の可動域も重要である。

痛みと可動性に問題がなければ、次に筋力である。
筋力も固定筋である同側の脊柱起立筋や
共同筋であるハムストリングスの働きも大きい。
これらの筋力は筋膜連結による運動連鎖を促し、
股関節伸筋をより発揮させるように促す。

最後に心因性の問題である。
股関節伸展による痛みへの不安やそれに伴う過緊張は、
運動野の働きが低下したり、
過緊張に伴い筋紡錘・腱紡錘からの感覚入力の減少が
運動イメージの低下を生じることになる。

一つの動作においても機能的な問題はいくつかある。
また問題となる組織も
筋・関節・神経・脳と様々である。
評価によりこれらを明確にすることで
対象となるアプローチが明確になる。
次回はそれぞれのアプローチについて述べていく。

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股関節の伸展  

歩行時の立脚中期から後期にかけて、
股関節の伸展は重要である。
heel off(踵離床)の時期には股関節の伸展は20°にもなる。
この可動性が困難な場合は、前方への推進力が減少するため
体幹を前傾させることとなる。
よって体幹を前傾させず、歩行するためには
股関節の伸展は非常に大切である。

股関節の伸展が低下した場合、
腹臥位で下肢を挙上することが困難である。
膝伸展位であればハムストリングスと大殿筋。
膝屈曲位であれば大殿筋単独の収縮となる。

動作が阻害される場合は、
痛み・可動性・筋力・心因性の
いずれの機能に問題があるか確認する。
当然それらの機能が混合して問題となっている場合もある。

次回よりこの股関節の伸展の改善について、
問題を細分化していきたいと考える。

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大腰筋の触診とアプローチ 

それでは腸腰筋の中でも影響の大きい
大腰筋のアプローチについて述べる。
大腰筋は脊椎から大腿骨小転子に付着する。

大腰筋の緊張や短縮による症状は
座位よりは立位で症状が誘発しやすく、
腰椎の過度な前彎の原因にもなる。
背臥位で下肢を伸展すると腰椎の前彎が増強し、
疼痛が誘発され下肢を屈曲することで
症状の緩和が認められる。

触診では腹部筋群の深部になるので
深い触診が必要になる。
手指の力を抜き、治療者の体の重心移動で
ゆっくりと深部に手が入っていくのを
待つような触診が重要である。

腹部の筋では腹直筋が中央部で硬さも強いため
避けて触診することを勧める。
腹直筋の外側から第1腰椎に向かい
頭側・背側・そして内側方向に進めていく。
触診に自信がない場合は各筋を収縮することで
確認をとることもできる。
頭部をベッドから持ち上げると腹直筋の収縮が確認でき、
股関節の屈曲を行なうことで
大腰筋の収縮を確認することができる。

触診できたらゆっくりと深部に触診手を進めていき、
持続的に圧迫して伸張したり、
ゆっくり軽く揺さぶることでマッサージをしたりし
緊張の軽減を促していく。

患者さんが心地よく感じられるように
刺激量や方向などの調節を
しっかり行なっていくことが大切である。

腸腰筋6

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腸腰筋の関連痛 

関連痛(Referred Pain)は、ある部位の痛みを
異なる部位の痛みと脳が勘違いをすることにより発生する。
神経は枝分かれをし伝わるため、
脳は同じ神経束や、隣接する神経束を
痛みが発生している場所と勘違いをする場合がある。

有名なのはアイスクリーム頭痛ではないだろうか。
かき氷などを食べ、咽頭神経が刺激されると
後頭部またはこめかみに痛みが生じる。
食べているのは口であるが脳の誤認知により、
他の部分に疼痛が生じる。

心筋梗塞では肩や上腕部の痛みと誤認知したり、
歯茎や顎の痛みが目や胸などに関連してることも分かっている。

腸腰筋の場合は腰や大腿前面に関連痛が生じやすい。
痛みの部位の関節や筋にアプローチしても症状の変化がない場合。
訴える部位と圧痛が一致しない場合など、
問題の箇所は別の部分にある可能性がある。
腰部の疼痛や臀部の疼痛がある場合は
大腰筋の関連痛も確認する必要があるかもしれない。

腸腰筋5

Category: 股関節

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大腰筋の多覚的視点 

大腰筋を全面から側面まで
他覚的な視点で見てみようと思う。
腰から下肢まで繋がっている唯一の筋であり、
体の動きの中では非常に重要である。

この筋が硬くなれば前傾姿勢をしていなければ、
腰椎の過度な前彎を誘発してしまう。
前屈姿勢は過度な前彎を防ぐための代償であることも
多いことを考慮しておく必要がある。

腸腰筋4

Category: 股関節

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腸腰筋の緊張・短縮のスクリーニング 

トーマステストも有効であるが、
ベッドで背臥位をとるときにもヒントは隠れている。

背臥位になって下肢を伸ばすと、
大腿骨は伸展方向に動くため
大腰筋は引っぱられ、腰椎の前彎と骨盤の前傾が強くなる。

前彎が強くなるため背中が浮いてくるので、
検者は背中に手を入れると浮き具合を感じる。
また骨盤の前傾は両側の上前腸骨棘を診ることで
判断することができる。

このように腰椎の前彎と骨盤の前傾により
疼痛が誘発されたり神経症状が誘発されれば、
伸展方向がこの患者さんの
症状の悪化する方向だということが推測できる。
脊柱管狭窄症、分離症、辷り症などで
このような症状が誘発されることが多い。

また腸腰筋の問題であれば
股関節を屈曲することで症状が軽減する。
股関節が屈曲すれば腸腰筋の起始と停止は近づき
伸張されなくなるためである。

このように背臥位で下肢を伸ばすと症状が誘発し、
股関節を屈曲すれば症状が軽減する場合、
腸腰筋のアプローチが有効である。

また腸腰筋のアプローチ後、
再び背臥位で下肢を伸展し
症状が消失するか確認することで
効果判定も行なうことができる。

腸腰筋2

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腸腰筋と歩行 

腸腰筋は脊椎〜大腿骨まで続いているので、
歩行に大きく関わってくる。

立脚中期〜後期では股関節伸展が生じるが、
腸腰筋が緊張・短縮していると
可動域制限が生じてしまう。

また遊脚期ではスイングに腸腰筋の収縮が生じるが、
筋出力が低下すると初動が遅れたり、
重たい感覚が生じることがある。

股関節の伸展は高齢になると低下しやすい運動方向である。
股関節の伸展と歩行参照
評価では股関節の伸展可動域は十分にチェックする必要がある。

腸腰筋1

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FAIは変形性股関節症の原因になるか? 

1936年Smith-Petersen1)は臼蓋縁と大腿骨頸部の
衝突による股関節障害の報告。
FAI(femoroacetabular impingement)の病態と
臨床的意義について体系的に報告したのはGanz2)らである。

FAIは変形性股関節症の病因のひとつとして近年注目されている。
 ・pincer type 臼の後捻による
 ・cam type  頸部offsetの減少による
の2つに分類される。
現在のところ画像所見と股関節屈曲内旋位での疼痛で診断される。

手術は股関節鏡視下手術や
外科的脱臼法でimpingementの原因を除去する治療が発展しつつある。
2010年のエビデンスでは
外科的治療の11編の論文(エビデンスレベルIII;2編、IV;9編、
外科的脱臼法6編、鏡視下手術5編)において
痛みと機能改善はすべての論文で示され(68-96%)、
術後、人工股関節置換術を必要とした症例は0-26%であった3)
しかし今後長期的な経過観察が必要である。

FAIによる治療は現在のとこと短期的に効果が示されているものの、
長期的な効果や変形性股関節症の進行の予防に効果があるか
FAIが変形性股関節症の発症因子であるか否かは現在のところ不明である。

1)Smith-Petersen MN. Treatment of malum coxae senilis,
 old slipped upper femoral epiphysis, intrapelvic protrusion
 of the acetabulum, and coxa plana by means of
 acetabuloplasty. J Bone Joint Surg Am. 1936;18:869-80.
2)Myers SR, Eijer H, Ganz R. Anterior femoroacetabular
 impingement after periacetabular osteotomy.
 Clin Orthop Relat Res. 1999 Jun;363:93-9.
3)Clohisy JC, St John LC, Schutz AL. Surgical treatment of
 femoroacetabular impingement: a systematic review of
 the literature. Clin Orthop Relat Res. 2010 Feb;468(2):555-64.

Category: 股関節

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2017-06
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