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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

カテゴリー「脳」の記事一覧

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見えているものの偏り 

人間の脳は1秒間に4000億ビットの情報を受け取る。
全角の文字が16ビットで1文字なので約500億バイトに当たる。
1ギガバイトが1024×1024×1024バイトなので、
だいたい50GB程度なので片面二層のブルーレイと同程度。
DVDは4.7GBなので約10枚分ぐらいになる。

1秒間にDVD10枚分の情報量は扱うことができないので、
フィルターにかけ情報を減らしていく。
これにより自分の関係のありそうなものだけ
残しておくことになる。
ここで大体2000ビット。約250バイトにまでデータを減らす。
2億分の1まで情報を減らしていく。
これくらい自分のみたいものしか見ない。

また人間は1日に6万個くらいのことを考えるが、
そのうちの98%は前日の繰り返しなので、
新しいことを考えるのは1日1000個程度である。
要するに60分の1である。
実際にはほとんどのものを見ていないし、考えていない。
実際の情報から2億分の1しか見ていないし、
新しいことは60分の1しか考えていない。
それだけ人の見方や考え方には偏りがあり、
見ている視点や考えている視点は
本当に一部分にすぎないものである。
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選択する脳 

毎日、人は様々なことを選択している。
例えば、仕事で多くの問題を抱えている場合に、
何から行なっていくべきかや、
学生指導をする時に何に指導の重きを置くか。
また理学療法プログラムを何を選択すべきかや、
患者説明には何を一番に伝えるべきかなど、
少し考えるとこれだけのことを実は行なっている。

選択は置かれた環境において、
感覚を元に無意識に反応するものと違い、
いくつかの要素を導きだし、
それを分析し決断する作業となる。

選択とはいくつかの案を導きだすことから始まる。
A案・B案・C案とある場合に、
どれが将来的に良いものかや、
優先順位やメリット・デメリットを考慮することとなる。

では脳ではどの部位が働いているのだろうか。
fMRIの研究では皮質線条体回路の関連が報告されている。
まず無意識での反応は線条体の働きが強い。
経験や感覚を元に報酬の判断や身体運動の準備を行なう。
反応が早いのが特徴で行動と結びつきも強い。
欲求などの感情による反応もこの部分が強い。
それに対して意識が必要な選択に関しては、
前頭前皮質の働きが強い。
メリットやデメリットを考慮した優先順位や、
長期的な視点や判断においてはここが強い。
理性や論理を元に価値観や態度なども関わるとされる。
人間の線条体も爬虫類と大差ないが、
前頭前皮質は人間が特に発達している。
また前頭前皮質の発達は他の脳の部位と比べ、
20歳半ばまで発達するのが特徴である。

早い対応は線条体が優勢であるが、
反応的で短期的な報酬に向かいやすい。
時間はかかるが前頭前皮質は、
長期的な視点を含めて判断を下す。

食べ過ぎは体に悪いのがわかっているが、
つい食べてしまった。
今日はお酒は1杯だけと思っていたのが、
つい深酒をしてしまった。
などが前頭前皮質でなく、
線条体が優位に働いた状態の例である。
また他にも健康のために運動が必要なのにできなかったり、
姿勢を気をつけないと肩がこるのに、
なかなか直せないというのも、
前頭前皮質の働きが不十分なためかもしれない。

不安や疲れていたりなど精神的に余裕がないときや、
お酒を飲んで酩酊状態の時などに前頭前皮質の働きは鈍りやすい。
「つい」とか「うっかり」が多いと感じる場合は、
疲れていたり精神的な余裕をまずつくっていくことが、
大切なのかもしれない。

無題 1

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人と人が繋がるための脳 



生活をしていく中で、人間関係の問題は尽きない。
コミュニケーションを通じて相手の気持ちを理解していくが、
言葉によるコミュニケーション以上に、
言葉以外のコミュニケーションの影響が大きい。
これらの相手の気持ちを読み取るために、
気持ちを理解したり、顔の表情を読み取ったり、
意思決定をしたりをそれぞれの脳の領域で処理をしている。

気持ちの理解をする情動認知は扁桃体。
顔の表情を読み取る相貌認知は側頭葉下面。
意思決定をするのは眼窩前頭野。
また相手の気持ちを読むために働くのは、
内側前頭前野や側頭頂移行部(後側上側頭溝)1)。
そして共感に関わるとされるミラーニューロンは
前頭葉と頭頂葉が関与する2)とされる。

脳は人間のエネルギーのうちの20%を消費するといわれる。
社会的に適応するために脳は他の組織よりも
多くのエネルギーを必要としていると考えられる3)。
これらのことからも人と関わるためには、
脳の状態が良好であることが必要である。
睡眠状態やストレスコントロールを十分に行なえてこそ、
人と人とは円滑な関わりが可能になるものだろう。

1)CD Frith,U Frith.Interacting minds-a biological basisi
 Science:1999,286(5445);1692-5
2)Giacomo Rizzolatt:,Laila Craighero.The mirror-neuron system.
 Annu.Rer.Neurosci.;2004,27;169-92
3)Humphrey N.in Growing Points in Ethology:The social function of
 intellect,eds Bateson PRG.,Hinde RA(Cambridge University Press,
 Cambridge,),1976,pp303-317

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小脳の内部モデル 

ひらめきや直感は大脳基底核の他に、
小脳も関わっているのではないかと言われている。
大脳皮質の知識や経験などの記憶を
いったん小脳に保存することで
無意識で活用できるものと考えられている。

小脳で保存することで内部モデルとして利用することができるので、
前頭前野と連携をとることで計画•判断することができる。

大脳皮質の頭頂葉や側頭葉などの知識や経験などの連合記憶は
尾状核→淡蒼球→視床による基底核による経路や
小脳による経路でひらめきや直感を作っているとされる。
ひらめきや直感はたまたま浮かんでくるものではなく、
自分の中にある知識や経験が作っているもので
自分の中のデータの集大成ともいえる。
そう考えるとひらめきや直感ももっとうまく利用することは
大切なのかもしれない。

小脳の内部モデル

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ひらめきや直感 

ひらめきや直感は記憶をどのように使っているのか。
無意識の中で頭で生じていることを説明していく。
このような思考は瞬間的な状況把握とともに、
今までの経験や知識の蓄積をもとにした判断によるものとされる。
このときの判断は頭の中でいくつかの候補が思い浮かび、
その中から最もよいと考えられるものを選択し、
再び意識に浮かんでくることになる。

ではこのような複雑な頭の働きはどういったものであろうか。
まず大脳皮質から内部にある大脳基底核に情報が送られる。
この時の活性化する順序は尾状核→淡蒼球→視床
そして再び大脳皮質の順である。
これは多くの候補の情報を導きだしている
状況ではないかといわれている。

またそのときにもう一つの経路が活性化する。
それは大脳皮質→視床下核→淡蒼球という経路である。
この経路の役割は不明だが、これらの多くの候補を
絞り込む際に働いているのではないかと考えられている。

ひらめきや直感というのは当てずっぽうではなく、
今までの知識と経験の多くの要素から候補を絞り込み、
一つに導かれたものが意識に浮かんできているものだと言える。
直感やひらめき1

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無意識の記憶 

無意識の記憶は手続き記憶というものがある。
体で覚えているとよく表現されるが、
運動や音楽の演奏などで忘れにくい特徴がある。
久しぶりに自転車に乗っても案外うまく運転できるのは、
(可動域や筋力に変化があれば話が変わるが・・・)
こういった手続き記憶の影響である。
大脳皮質の運動野から送られてきて、
大脳基底核の被殻に保存される。

また習慣も無意識の記憶と言える。
習慣は大脳皮質の前頭前野から尾状核に送られる。
進化的には古い場所の脳であるが、
訓練を積むうちに意識しなくても出来るようになるのは
これらの働きによるものである。

ではひらめきや直感など現実に用いられる脳の働きは、
記憶をどのように使ったものなのだろうか。
次回説明していく。
無意識の記憶

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意識できる記憶 

記憶にはいろいろと種類があるが、
意識できるものとして思い出などのエピソード記憶
単語や年号などの意味記憶がある。

エピソード記憶海馬に運ばれ、
長期記憶となるように処理された後、
大脳皮質の元の領域に戻されて保存される。
そのときに扁桃体では快・不快・恐怖などの感情が形成され、
大脳皮質の感覚とともに結びつけれる。
一般的な知識である意味記憶は大脳皮質の側頭葉で保存される。

意識できる記憶はこのように大脳皮質や側頭葉に
最終的に保存されているが、
運動や習慣、ひらめきや直感などの無意識の記憶は
どのようなメカニズムになるのだろうか。
次回はそれについて説明していく。
意識できる記憶

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モチベーション 

目標を設定し、段階的に問題をクリアしていくことは、
身体の機能という細かな要素を
能力という統合したシステムにしていくために有効である。

一つ一つの機能を陳述的に認知することと、
運動を感覚的にとらえ統合していくことに
どうしても差が生じてしまうので
その差を埋め合わせることが必要である。
こうした流れをより円滑にする上で、
外すことのできないものがモチベーションである。

短期的なモチベーションの向上には
強化刺激が不可欠であり、
褒められたり、達成感を感じたりすることが、
次のリハビリテーションに繋がる。
ドーパミンが分泌することで学習効果が高まり、
より機能回復を促すことに繋がる。

長期的には、はじめに設定した目標を絶えず思い出し、
今の練習に繋げていくことが大切である。
短期的なモチベーションについて
強化刺激が不可欠と述べたが、
強化刺激も徐々にマンネリ化し慣れてしまう。
そうなった時でもモチベーションを維持するには
長期的な目標を忘れないことである。
ご褒美と最終的な目標の両面が、
円滑な学習には必要不可欠である。

こういった部分を考えていくと、
ただ運動療法を漠然と行なうのではなく、
今行なっていることの成果はどうなのか。
目標のどういう部分に繋がっているのか。
こういった声かけを絶えず行なう必要がある。
一つ一つの意味をお互いに共有し、
目標に向かっていく為にサポートしていくことが
私たち療法士の大切な役割なのかもしれない。

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目標と運動の繋がり 

運動機能疾患や疼痛患者においても
中枢神経を考慮したアプローチでは
何を注意していけば良いのだろうか。

リハビリテーションにおいて
運動機能の向上と脳の身体地図の変化と拡大を図るのに、
課題志向型学習段階的難易度が重要である。

課題志向型学習では目標を明確にすることが大切なのだが、
「○○能力を向上させる」という曖昧なものではなく、
より具体的に結果がわかるものに設定することが必要である。
例えば「歩行能力を向上させる」ではなく、
杖歩行で100m歩行するや300mを○○秒で歩行するなど、
具体的になればなるだけやるべきことが明確になり、
また進歩の度合いも見えてくるようになる。

そしてそれに段階的難易度が設定できれば
具体的な長期目標と短期目標となる。
患者さんが「自分で買い物ができるようになりたい。」
というニーズに対して現在は5分の歩行が可能だったとする。
買い物では15分の歩行が必要とのことである。
まずは今週中に7分を目指し、来週は10分を目指す。
そうすると長期ゴールは自分で買い物ができる為の
15分の歩行が可能になること。
短期ゴールは7分歩行を可能にすることとなる。
これが課題志向型学習と段階的難易度となる。
療法士による機能的改善が目に見えない物でなく、
実際に課題の達成につながるように
どのようにプログラムしていくのかが大切になってくる。

痛みや不安感で身体が前のように動かせなくなった場合、
一つ一つの機能を改善していったところで、
患者さんの身体の感覚はなかなか元には戻らない。
どう動かしていたのか。どう動かせばいいのかは
一つ一つの分解した動作や認知から学ぶことも大切であるが、
今度は情報量が多すぎて統合することが困難となる。

そもそも理屈と身体の動きは脳の働く場所も違うので、
うまく身体に繋がらないことも多い考えられる。
陳述記憶と非陳述記憶なので、
うまくかみ合ってくれないことも多い。
課題志向型学習では動くことから、
身体で以前の動きを思い出し動作を繋げていく。
さらに達成できなければ、自信を失う学習性無力感が生じるため
段階的にクリア可能な状態に持っていく。

次回はさらにこれらの状態を円滑にするための
モチベーションについて述べていきたいと考える。

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中枢神経を考慮したアプローチ 

運動機能疾患や疼痛患者においても
近年では皮質の再組織化が生じることが知られており、
中枢神経を考慮したアプローチの必要性は迫られている。

痛みがあったり、動きにくい部分があると、
動きが生じないだけでなく様々な問題が生じる。
痛みをかばうために過剰な筋肉の収縮があったり、
筋の過緊張から位置覚・運動覚の入力が乏しくなったり、
適切な運動イメージが形成されなかったり、
運動出力が行なわれないなどのことが同時に生じると考えられる。

こうしたことを考えると、痛みが減少したり、
可動性が改善したとしても、
筋の収縮に異常なパターン(いわゆる癖)が生じて、
適切な運動が行なえなくなることがある。
痛くないけど、ちゃんと動かせない。
自然と変な動きになってしまう。
自分の足じゃない気がする。
などの表現が生じることも少なくない。

こうしたことを考慮し神経の可塑性、機能回復を考えると
ニューロリハビリテーションを用いることも必要である。
では具体的にどういったことを考慮して
実際の臨床に応用していくことが必要なのだろうか。
次回はその点について述べていく。

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2017-03
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