Admin   Newentry   Upload   Allarchives

理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

カテゴリー「医療」の記事一覧

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Category: スポンサー広告

TB: --  /  CM: --

top △

インフルエンザワクチンの効果 

インフルエンザワクチンは効くのだろうか?
こういった話題は時々耳にするようになった。
古いデータによるワクチンの無効については、
前回述べた通りである。

では近年の信頼できるデータでの
インフルエンザワクチンの効果は
どういったものなのだろうか。
インフルエンザワクチンは効くのか?という疑問に関しては、
効くほうではないだろうか。このあたりは主観になるので、
実際の数字を見てもらいたい。
65歳以下のインフルエンザ発症のうちワクチン接種で、
70~90%を予防することができる1)といわれている。

また予防よりこじらせないことの効果が大きいといわれる。
これは具体的にどういったことなのだろうか。
高齢者や持病をもたれている方に関しては、
インフルエンザの予防効果は減少してしまい、
30~40%になってしまう。
また重症化に関しては約50~60%防ぎ、
死亡に関しては約80%防ぐことが示されている2)

要するに65歳以下の場合はワクチン接種により、
約70~90%が予防できるのだが、
高齢者や持病のある方に関しては30~40%程度となる。
しかし、重症化は50~60%防ぎ、死亡は80%防ぐ。

腕が腫れたり、ワクチンで体調を崩すこともある。
また風邪をひいて寝込むことにもなるので、
接種するかどうかは本人の意思次第ではある。

現代社会は情報にあふれており、そこから距離を置き、
個人的な価値を追求することも一つの生き方である。
しかし、否定論に代表される個人的な価値観は
フレーミングや確認バイアスにおちいっていることも多く、
一般化しようとするものに関しては
注意する必要があるのではないだろうか。

1)Wilde JA, et al.: JAMA 1999;281:908-13,
 Bridges CB, et al.: JAMA 2000;284:1655-63,
 Palache AM: Drugs 1997;54:841-56, Demicheli V,
 et al.: Vaccine 2000;18:957-1030
2)Patriarca PA,et al.: JAMA 1985;253:1136-9, Arden NH,
 et al.: Presented at the Options for the Control of Influenza
 Conference, 1986:155-68, Monto AS,et al.: Am J
 Epidemiol 2001;154:155-60
スポンサーサイト

Category: 医療

TB: 0  /  CM: 0

top △

インフルエンザワクチンの否定論 

インターネットの普及の影響で、
情報は多く入るものの、情報の選別が難しくなってきている。
最近ではインフルエンザワクチンの効果について。

最近ではネット上で「WHOがインフルエンザワクチンの予防で
有効性を確認できず。」といった内容が流れていようである。
このインフルエンザワクチンの予防で有効性が確認できなかったのは、
高病原性鳥インフルエンザのことである。
WHOではワクチンは最も有効な手段としており、
特に妊婦や高齢者には強く推奨している。

ではインフルエンザワクチンの否定論。
どういった内容が根拠になっているのだろうか。
反対の先駆けとなったのは1980年代母里啓子の著書である。
これをきっかけに前橋市の医師がワクチンに疑問を持ち、
こうした考えは全国に広がっていく。
そして1994年集団ワクチンは中止される。
これにより流行は拡大するのだが、
インフルエンザ患者が増えたため、
ワクチンはやはり効かないと誤った情報がさらに流布される。
こうした影響は高齢者医療に最大1兆円の影響を与えるとされる。

ではこのワクチン否定論の根拠は何なのであろうか。
実はこの根拠となったデータは30~40年前のものになる。
当時の医療技術では風邪とインフルエンザを
はっきりと区別できていなかった。
当時、インフルエンザとされていた基準は
37℃以上の発熱2日以上の欠席の2項目であった。
この時点でもインフルエンザと風邪が曖昧な基準となっている。
また接種地域非接種地域を比較しているものの、
接種地域においても接種していたのは5割程度であり、
ここにも統計的な問題が生じている。
ようするに風邪かインフルエンザかがわかっていないので、
風邪にインフルエンザワクチンが効いていない可能性がある。
また接種地域での接種が5割なので比較したところで、
統計的な問題が生じていることが言える。
この30~40年前のインフルエンザの特定技術や、
統計そのものに問題が多く否定する根拠としては
EBMのない時代のアバウトなデータとなっている。
現在PCR法を用いたデータでは有効性が確認できている。

また副作用に関しても課題に評価されている。
死亡例はインフルエンザによるものという因果関係は不十分であり、
ギランバレーについては新型豚型ワクチンのみでの副作用と
日本神経学会が述べている。
アレルギーによる問題も20年前にアレルギー物質であるゼラチンを中止。
現在は精製品質が向上し卵白も微量になっている。
(アメリカは精製がやや粗い)

インフルエンザワクチンの有効性は多くの論文で実証されている。
流行を有為に減少するという結果も観測されている。
今後もさらに研究が進んでいくこととなるだろうが、
否定的な意見ほどフレーミングにより印象に残りやすいものである。
肯定的な意見と否定的な意見両方を吟味することが、
真実に近づくためには大切なことなのかもしれない。
次回はインフルエンザワクチンの効果について、
もう少し詳しく述べていく。

Category: 医療

TB: 0  /  CM: 0

top △

マスクの効果 

インターネットの普及で情報は入手しやすくなったものの、
情報の信憑性についての解釈が難しくなっている部分もある。
今回はマスクについて。
インフルエンザの予防目的でマスクをつけている人も
街中で多くみられるようになった。

冬は風邪やインフルエンザが流行しやすいものである。
風邪は200種類を超える病原体によって、
鼻や喉に症状が出現するものを指す。
ウイルスは脂質に覆われている構造をしているので、
冬には溶けにくくなって安定するのが特徴である。
肉の脂が冷えると白く固まるのをイメージするとわかりやすい。
暖かい季節であれば脂質は溶けやすいので、
人間に接触する前に死滅しやすくなるのである。
また寒くなると湿度が低下し、体温も低下しやすくなる。
それに伴い、人間の抵抗力が減少するのも
風邪やインフルエンザが流行する一つの理由でもある。

さて本題に戻るが、
「マスクをつけてもあまり効かないらしい。」
そんなことをちらほらと耳にするようになってきた。
「ウイルスって小さいからマスク通り過ぎちゃうんだって。」
なるほど。確かに理屈が通っているような気がする。
ウイルス飛沫・花粉を99%以上カットするサージカルマスク。
これは3μmぐらいの粒子を95%以上除去するといわれる。
ちなみにスギ花粉で30~40μm
ウイルスが0.08~0.12μm
確かにマスクを通り過ぎてしまう。
しかし、ここでポイントはインフルエンザは空気感染は少なく、
飛沫感染や接触感染が主の感染となることである。
ウイルス飛沫とは要するに咳やくしゃみのしぶきであり、
5μm以上の大きさとなるため、
サージカルマスクで十分防ぐことができるわけである。
さらに口の湿度も高めることができるので、
体の抵抗力も向上することが期待できる。

またもっと高性能のマスクであれば
ウイルスそのものも防ぐことができる。
アメリカのN95や日本のDS2がこれにあたる。
0.08μm前後の微粒子を95%除去するので、
ウイルスそのものも防ぐことが可能である。
デメリットとしては値段が高価、
顔に密着させなければならない。
そして息苦しいなどがある。

こうした知識を元に胸を張って
堂々とマスクをつけることができるのではないだろうか。

Category: 医療

TB: 0  /  CM: 0

top △

社会情勢とニーズ 

医療現場では病院があり、職員がいて患者さんがいる。
基本的には患者さんのニーズやデマンドを捉えて、
病院を変えていくことが必要である。

これは飲食店でも同じであり
お客さんが欲しいと思い求めるものを
提供するお店が人気が出る。
しかし、飲食店はサービスの内容や値段設定などを
お店独自で工夫し変更することが可能であるが、
病院は基本的には国がサービスや値段の設定を決めている。
これに関わるのが診療報酬であり、
今までコーヒー1杯250円売るのにホールスタッフ1名でよかったものが、
診療報酬が改訂になるとコーヒー1杯が
100円でしか売ってはいけないことになり、
ホールスタッフも2名でないのいけないということが起きてしまう。
もしホールスタッフが2名集まらない状態で、
運営を続けていたら不正請求ということになってしまうのである。

そういうわけで患者さんのニーズやデマンドを
捉えることがもちろん大切ではあるが、
国の診療報酬の改定が直接大きく売り上げに関わり、
私たちの給料に関わってくることになる。
こういったころから社会情勢の影響を病院は非常に受けやすい。

職員はこうした状況を把握した上で、
いかに患者さんに説明し納得してもらうかが大切である。
今後、2025年問題や年金問題など
医療や介護に関わる問題は山積みである。
国の大きな舵取りとともに病院も大きく方針を変える必要も出てくる。
私たち職員はある程度の大局を捉えつつ、
どういう方向に流れが生じているのかを見定めた上で、
それぞれのやるべきことを考えていく必要が出てくる。
私たちはプロとして専門的な知識と技術で患者さんをアプローチする。
しかし、その前にこうしたプロとした力を生かすための
環境づくりが必要になってくるのではないだろうか。医療情勢とデマンド

Category: 医療

TB: 0  /  CM: 0

top △

2014年診療報酬改定について2 

今回の改訂で7体1看護配置の基準が厳しくなり、
急性期の受け皿として地域包括ケア病棟を設立された。
それに伴い大病院やグループ病院は
医師・看護師のリストラや再編に追われており、
人員や給料に関する不安も生じている。
それに伴い都会の医師は地方へ
地方の看護師は都会へと流れているとも言われる。

今後は病床機能報告制度が注目される。
各病院の質というものが目に見える形で公表される。
おそらくドナベディアンの分類を元にしたもので、
ストラクチャ・プロセス・アウトカムを公表し
病院の質を明確に表していこうという取り組みである。

リハビリテーションにおいては現在、人員が多い方が
施設基準を上げることができ収益を上げることことができる。
人員が多い方が評価される方向である。
これはPT配置したほうがADLや
入院日数が短縮できるという根拠に基づくもので、
医療費削減としても注目されている部分でもある。

企業の場合は人を減らすことで経営を立て直すが、
病院の場合は労働集約型産業であるため、
生産部門職の人員を増やし、収益を上げることが重要である。
今後は人員の増加とともにマネジメントや教育について
より力を入れていくことが必要となってくる。
時代の流れにおいて、いかに適応していけるかが
生き残るために最も必要な力ではないだろうか。

Category: 医療

TB: 0  /  CM: 0

top △

2014年診療報酬改定について1 

今回の診療報酬改定から約2ヶ月。
少しずつ、落ち着きを取り戻しつつある。
今回は消費税の増税とも重なったことで、
大きく動きをとった病院も少なくない。

まず消費税の増税に関しては、
設備投資の部分で入浴関連設備にお金をかけ、
介護分野での設備を増強したところが多いと聞く。
また消費税は外注コストの増加に関わるため、
病院内の食事や掃除などその他業務を委託している場合、
コストが上がることが余儀なくされた。

今回の診療報酬改定は一言で言うと、
ふるい落としであろう。
回復期リハの大幅な報酬削減と
7対1看護配置の引き下げが大きなところ。
それに対しての受け皿として地域包括ケア病棟が設けられた。

地域包括ケア病棟は24時間対応が求められるところが
ハードルが大きい部分となる。
リハビリテーションにおいても
1日平均2単位以上が義務づけられている。
またリハビリテーション料入院料に含まれず、
包括相当部分と考えた方が良いかもしれない。
そう考えると、亜急性期でのリハと比べるとマイナス改訂であり、
出来高払いとして残っている回復期の方がメリットは大きい。

今回の7対1看護配置の引き下げは、
国の予想以上に各病院が7対1看護配置に移行したことがある。
国の予想は4万床としていたのだが、
実際は36万床まで膨れ上がりそれが原因で看護師不足も生じた。
今後7体1看護配置の基準を厳しくし、
7対1の看護基準を4分の1にまで減少させようと考えている。

国としては今後の医療費削減は急務となるが、
2025年問題もひかえるため、病床は減らすことができない
そこで急性期の受け皿として地域包括ケア病棟を設立した。

次回はそれに伴う流れについてもう少し述べていきたい。

Category: 医療

TB: 0  /  CM: 0

top △

2025年問題 

2025年問題。マスコミでもときどき耳にすることはあるだろう。
第一次ベビーブームの時に産まれたいわゆる団塊世代が
75歳になる時期のことを指す。
それにより後期高齢者は2179万人となり、
5人に1人が75歳以上の高齢者という超高齢社会が到来する。

要支援と要介護は755万人。
介護保険費用は約20兆円を越える。
それに伴い介護職員は249万人必要になると言われている。

ベッド不足、医師不足が生じ、
病院のベッドの取り合いが生じることになる。
これに対し、国も大きな舵取りを迫られている。
医療業界においても非常に大きな問題である2025年問題。
今後の診療報酬改定においてもこの部分は
意識されたものとなることは間違いない。
今後の動向については注視する必要がある。

Category: 医療

TB: 0  /  CM: 0

top △

医療の質 ドナベディアンの分類 

病院を選ぶ時に医療の質が重要になってくる。
医療の質は科学的根拠に基づいたものが
できているかといったEBM、
そして患者や家族の経験に基づいたものである
NBMといったものが関係する。
要するに客観性と主観性の二つの要素である。

EBMに関しては近年、病院に対する情報公開が進んでいる。
日本医療機能評価機構によるものの他にも、
2007年からは医療広告ガイドラインができたことで、
広告の緩和も行なわれる。
また病院のランキング本や医療機能情報提供制度もでき、
インターネットで提供されるようになっている。
今後は病床機能報告制度といった、
より細かな内容を公表する流れになっている。

ではこの医療の質。とてもわかりにくいものだが、
いったいどうやって評価していくのだろうか。
アメリカのアベティス・ドナベディアンは
「質の高い医療とは、治療の全過程で期待しうる効果と、
予期しうる損失とのバランス上でもたらされる
患者の福祉(Patients Welfare)を
最大限できる医療である」と定義している。
そしてこの質の評価とは構造・過程・成果の
3つの側面から評価されている。

ではそれぞれ説明していく。
まず構造。設備やスタッフの量や質、教育や研修の実施。
要するに物や人などの資源のといえる。
次に過程では医療者の態度や行動を示す。
治療内容やスケジュールがわかりやすいように、
クリティカルパスを実施しているか。
カルテ開示の有無などもこの部分になる。
最後に成果。治療後の患者の状態を指す。
再入院率、平均在院日数、感染症、合併症、死亡、
褥瘡発生、転落転倒、血糖コントロールや
患者満足度、医療者の満足度など。

今後の病床機能報告制度を頭に入れた上で、
こうした準備の取り組みをしていく必要が
あるのではないだろうか。
医療の質が情報公開されることは、
患者さんにとっては選択肢が増えるメリットもある。
私たち医療従事者も医療の質に対して、
もう一度しっかり考えていく必要があるのかもしれない。

1)Avedis Donabedian. Exploration in Quality Assessment
and Monitoring Volume I, Definition of Quality and
Approaches to Its Assessment. Ann Arbor, Michigan:
Health Administration Press; 1980.

Category: 医療

TB: 0  /  CM: 0

top △

軟骨を再生させ移植 

ついに平成25年4月1日から「膝軟骨」の
自家培養軟骨「ジャック」が保険適用になる。
自家培養軟骨移植術は、膝関節から採取した軟骨を
ゲル状のアテロコラーゲンと混ぜ約4週間培養したものを
患者の膝関節に移植する方法である。
その後、膝を適切に動かすことで刺激され
軟骨が少しずつ厚みを増しながら機能を取り戻すことになる。
その際に関節運動を考慮したリハビリテーションが
重要になってくる。

特定保険の算定に関わる留意点としては
変形性膝関節を除く離断性骨軟骨炎と
外傷性軟骨欠損症で他に治療法がないことと
さらに軟骨欠損面積が4cm2以上の軟骨欠損部位に
使用することなどが定められている。

また算定できる施設としては
CT・MRIがあり膝関節の手術を
100症例(骨軟骨修復術10例)以上実施した
5年以上経験を有する常勤医師が必要なことなどの
制約はあるが膝の障害に対する
治療の幅が広がることに関しては間違いない。

無題 1

Category: 医療

TB: 0  /  CM: 0

top △

骨形成と骨破壊のカギ 

骨は常に入れ替わっており、
骨を作る骨芽細胞と骨を壊す破骨細胞にわかれ、
それぞれがバランスをとっている。
今まではこの骨芽細胞と破骨細胞の制御が
どのようになっているのか不明であった。

natureの2012年5月13日で
東京医科歯科大学の林幹人博士によると
マウスの実験によりこれら制御に関わる
タンパク質が明らかになったとのこと。

このタンパク質はSem3A(セマフォリン3A)というものである。
マウスにこのSem3Aを投与すると
骨再生が促されたことが発見することができた。

骨・関節疾患の今後の新たな治療として期待されている。

無題 1

Category: 医療

TB: 0  /  CM: 0

top △

2017-03
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。