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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

カテゴリー「ケーススタディ」の記事一覧

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膝の内側部の痛み 

変形性膝関節症。
レントゲンでは膝の左内側裂隙の狭小化が認められる。

歩行は立脚初期に左膝のラテラルスラストが認められる。
立脚初期に痛みが生じ部位は内側裂隙。
また鵞足部にも疼痛の訴えもある。

立脚初期の左膝ラテラルスラストが
内側裂隙の圧縮ストレスと
鵞足付着筋への牽引ストレスに
関与している可能性示唆。

歩行をもう少し分析すると
左側立脚では外旋のモーメントが大きく、
内旋モーメントが機能していない。
立脚期の内旋モーメントが機能するためには
 ・第1中足骨は屈曲
 ・足部外返し(内反)
   (横足根{ショパール}関節;
    斜軸で回内、縦軸で回外)
 ・遠位脛腓関節では腓骨の挙上・内旋・開
 ・下腿の内旋
 ・股関節の内旋
 ・骨盤の前傾
が必要になるが足部の外返しが生じておらず
そこから内旋モーメントは上部に連鎖していなかった。
評価ではショパール関節のjoint play減少、
股関節は外旋筋が内旋筋と比べ優位であった。
他の部位には大きな問題は認められなかった。

アプローチではショパール関節のモビライゼーション。
股関節内旋筋の促通と外旋筋の緊張抑制。
また歩行時には外果に意識をしてもらい
内旋モーメントをわずかに促す。

アプローチ後は立脚初期のラテラルスラストは軽減。
内側裂隙の疼痛と鵞足部の疼痛も消失した。

変形性膝関節症そのものは骨性の変化に起因するものだが
アライメントの不整は床反力ベクトルを
関節のストレスにしてしまう。
運動連鎖を意識したアプローチは
疼痛部位そのものにアプローチをするのではなく
全体の運動を考えて行っていく。
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体が左に傾く2 

では骨盤の側方傾斜と右腸骨の前方回旋を
どのようにアプローチすれば良いだろうか。
このようなアライメントの偏位は筋の短縮や緊張、
また関節包の短縮などによる影響を受ける。
end-feelにより筋性の制限を感じるか
(late muscle spasm、"mushy" tissue stretch)
関節による制限を感じるか(hard capsular)
もしくはその混在か。によってアプローチは変わってくる。
また副運動(joint play)検査も行うことで
絞り込むことが可能である。

今回は副運動検査は問題なく、end-feelも
"mushy" tissue stretchであり
関節包の短縮というよりは
筋性の影響を受けていることが示唆される。
(時間が経っていると関節包性の要因も混在することも多い。)
では骨盤の偏位にはどのような筋が関与しているであろうか。
骨は短縮や緊張などにより短くなった筋に引っぱられる傾向がある。
今回は骨盤の側方傾斜と右腸骨の前方回旋であるため
まず骨盤の側方傾斜では右が低く左が高くなっている。
これは左の側屈筋の緊張もしくは短縮、
左の股内転筋の緊張もしくは短縮、
右の股外転筋の緊張もしくは短縮が示唆される。
また相反抑制の影響から緊張・短縮筋の反対側の筋は
低緊張もしくは延長が生じていることが多い。

また右腸骨の前方回旋の偏位では
右側の股関節屈筋の緊張もしくは短縮。
右側の腰伸筋の緊張もしくは短縮がある。
また先ほどと同様に緊張・短縮筋の反対側の筋は
低緊張もしくは延長が生じていることが多い。

よって左の側屈筋・股内転筋、右の股外転筋の
緊張の軽減からアプローチに入る。
また相反する右の側屈筋・股内転筋、
左の股外転筋の低緊張や延長に対しては
促通するようにアプローチを行う。

また右腸骨の前方回旋の偏位では
右側の股関節屈筋・腰伸筋の緊張の軽減。
また相反する右側の股関節伸筋と腰屈筋の
低緊張や延長に対しては促通するアプローチを行う。

今回は緊張筋に対してはダイレクトストレッチを施行し
低緊張筋に対しては筋力増強訓練をMMTの肢位で施行した。
アライメントを確認したところ上記のアプローチ後は
骨盤の側方偏位および右腸骨の前方回旋ともに
改善し見かけ上の脚長差は消失した。
もう一度歩行してもらうよう促したところ
歩行時の右立脚期の伸び上がり歩行は消失し、
左への傾きもなくなった。

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体が左に傾く1 

歩いていると体が左に傾いてくるという訴え。
右の立脚期に伸び上がり歩行が認められる。

評価では左右の筋力に大きな左右差はない。
感覚にも異常なし。
ただ見かけ上の脚長差があり、
右足が左足に比べ2.0cm程度長くなっている。
骨盤の評価では腸骨稜の位置が
右が低く、左が高い。
また上前腸骨棘の位置は右が低く、左が高い。
後上腸骨棘の位置は右が高く、左が高い。
骨盤の側方傾斜により右が低くなるとともに
右腸骨の前方回旋が生じ、
見かけ上右足が長くなっているようである。

要するに下肢長に問題ないが、
骨盤の傾斜と回旋による見かけ上の脚長差が
右足を長くし伸び上がり歩行の原因になっている。
さらに右足が長いため相対的に左足が短く、
左に傾く要因となっていることが推測される。

それでは次回はアプローチについて述べていく。

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つまずく足2 

今回の症例はつま先が地面にこすり
つまずきそうになるとのことである。
体幹の前屈姿勢が関与しているようである。
しかし体幹を起こすように促しても
長く続かないことから体幹を起こして歩く能力が
乏しいことが推測される。
異常が認められる場合は、
どうしても異常のある部位に目がいきがちである。
しかし前屈させなければいけない理由というものに
視点を向けることが重要である。

下肢の評価を確認すると股関節の伸展の可動域と
筋力の低下が認められる。
これは下肢の伸展モーメントの低下を示唆しており、
代償的に腓腹筋の活動性が高まり緊張が高くなっている。
伸展モーメントが減少すると立脚期で
地面を蹴ることが難しくなる。
要するに前方の推進力を得ることが難しくなる。
これにより体幹を前屈させることで
重心を前方に移動させ前方推進力を
カバーしているのである。

下肢の伸展の可動域低下はend-feel
で筋の伸張感の制限があった。
そのため筋へのアプローチが適応となる。
緊張を軽減させるために等尺性収縮後弛緩を用いて
可動域の改善が認められた。
股関節伸展5°→10°
その後大殿筋とハムズトリングスの筋力の低下も
改善が認められる。
(筋の長さの変化から収縮力の改善)
その後、平行棒内で体幹を起こした状態で
股関節の伸展運動を行い、筋の促通を行う。
もう一度体幹を起こすように声かけしながら歩行をすると
体幹の前屈を行わなくても歩行することが可能になる。
歩幅が改善されると足関節の背屈も自然と生まれ
地面の引っかかりはなくなった。

しかし少しの間歩くと体幹は
前屈傾向になってしまうようである。
どうやら体幹を支持することにも問題があるようである。
体幹深層筋の収縮が不十分と評価から示唆されていたので、
ドローインを促し、股関節の伸展と協調して
運動を行うように促す。
また歩行時にお尻の穴を少しすぼめるように
イメージしてもらい体幹深層筋の収縮を促す。

これにより体幹の前屈は歩行時に認められなくなり、
足関節の背屈も促され、つまずきはなくなった。
自主訓練としては股関節の伸展運動。
ドローイン。またその両方を合わせたエクササイズを指導。
歩行時にまた引っかかるようであれば
お尻の穴をしぼめるようにイメージしながら
体幹を起こすことを伝えた。

足がつまずくという訴え。
足関節の背屈を促すだけでも。
体幹を起こすだけでも不十分なことは多い。
股関節の伸展モーメントに目を向けてみると
何か手がかりがあるのかもしれない。

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つまずく足1 

歩くとつま先がよく引っかかるとのこと。
こけそうになり危ないので
なんとかならないかという訴え。

歩容は体幹が前屈傾向であり、
前方頭位で胸椎の後彎が強い。
股関節・膝関節は両側とも軽度屈曲位。
遊脚期では前方の振り出しが見られるが
立脚期での股関節の伸展は不十分。
歩行時に体幹を起こすよう促すが、
長く続かずに次第に体幹の前屈は強くなる。

という訳で評価を行う。
両側腓腹筋の緊張は高く、若干だるさがあるとのこと。
可動域では股関節の伸展が両側とも5°
end-feelは"mushy" tissue stretch
筋の伸張感による制限が示唆される。
膝関節の伸展は制限なし。
MMTでは大殿筋とハムストリングスに両側とも
筋力の低下が軽度認められる。
また体幹深層筋の収縮は困難である。

では次回はアプローチについて載せていく。

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stiff knee gait2 

アプローチでは左右差を感じてもらった。
非障害側は「軽くて動かすのは楽。」
障害側は「重い。」とのことである。
おそらく過剰な筋の収縮により主動筋の動きと
拮抗筋の動きが反発し合っているのかもしれない。
「感覚はどうか?」と訪ねると、
非障害側は「股関節・膝・足首・
指の先が全部はっきりわかる。」
障害側は「股関節と足首と指はわかるけど、
膝はわからない。」とのこと。
過剰な筋の収縮により筋紡錘が正常に機能しなければ、
その筋の長さの変化をとらえることができず
位置覚は的確に認知されなくなる。
要するに足がどこにあるのかどのように動いているのか
わからなくなってしまうのである。

過剰な筋収縮が減少すれば位置覚の認知も正常化され、
stiff knee gaitも改善する可能性がある。
しかし力を入れることは意識的にできても
力を抜くというのは意識をしないことリラックスすること。
これは案外難しいことである。
こういう場合は感覚に集中するように促すと
うまくいくことが多い。
「こっち(非障害側)の足を動かすとき何考えてますか?」
「じゃあこっち(障害側)の足は?」
患者さんの答えは
「こっち(障害側)は痛くないか気にしてますね。
あと動かそうと一生懸命になってる気がする。」
というものであった。
痛みの感覚に集中するとともに、
運動の意識は過剰になっているようである。
誘導として「それじゃあ膝に集中して下さい。
どのくらい曲がってるのか感じてみて下さい。
まずこっち(非障害側)を動かして、しっかり感じますね。
同じようにこっち(障害側)も感じることができますか?」

「だんだん感じるようになってきました。」
そう発言が変化したときに
「今は足が軽くないですか?」
と問いかけをする。そうすると感覚を感じるようにすると
力が抜け力が抜けると軽くなるのに気がつく。
あとは歩くときにも足を感じながら歩くイメージで
平行棒内から歩いてもらい、自主訓練として行うように促す。
そうすることでstiff knee gaitは解消され、
自分でも何が原因だったのか不安がなくなった。

整形疾患でも痛みや習慣により
中枢に影響を受けることは少なくない。
体は脳で動き脳で感じるので当たり前ではあるが
障害のある部分以外のところからも
影響していることを意識する必要性は大きい。

Category: ケーススタディ

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stiff knee gait1 

車の車輪止めで引っかかり、膝を強打。
膝蓋骨の骨折。保存治療。
1ヶ月経過し、装具を除去しての歩行。
痛みはないが膝は伸びきったままで、
遊脚期の膝の屈曲が認められない。
膝の屈曲角度は120°、膝の屈筋の筋力は
伸筋と比べるとやや劣るものの
問題はないレベルである。
しかしながら遊脚で膝の屈曲が認められない。
stiff knee gait。臨床でよく見る歩容である。

さてどのようにアプローチを
考えていけば良いだろうか?
さまざまな要因が関係し、仮説が立てられるが
まずは患者さんに直接聞くのが
ヒントになることも多い。

「歩くとき膝が曲げにくいですか?」
まずはオープンクエッション(開かれた質問)で
できるだけ患者さんのオリジナルの表現を聞き出す。
うまく引き出せない場合は少しずつ質問を狭める
クローズドクエッション(閉ざされた質問)を用いる。
「怖いですか?」
「少し痛みが出ますか?」
「支えにくい気がしますか?」
いくつか提示すると選択しやすくなる。
しかしながらはじめからクローズドクエッションでいくと
その中から選ぼうとしてしまい、
患者さんが本当に感じている感覚を
表現するのを阻害する可能性がある。

今回は本人から「自分の足じゃない気がするとのこと」
さらに評価を進めると位置覚に誤差があるとともに
膝の屈伸ではぎこちなさが感じられる。
痛みはないが膝の伸筋が特に過緊張気味。
屈曲の動作を阻害している印象を受ける。

しばらく装具で固定をしていたこと。
痛みや不安がある状態が続いていたことなどから
うまく動かせない。動かし方がわからない。
痛みが出るのではと不安。
などの訴えもあった。

意識では動かすことに過剰に
一生懸命になっている印象である。
動作時に表情筋から頸部に緊張、
手掌を握るしぐさが認められる。
反対側の動きの際はそれらの緊張は見られず
スムーズな運動を行うことができる。

それではアプローチはどのようにしていけばよいだろうか。
次回は私なりのアプローチのやり方について記載していく。

Category: ケーススタディ

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2017-04
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