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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

カテゴリー「高齢者」の記事一覧

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慢性疾患の考え方 

高齢化に伴い慢性疾患が多くなっている現在、
リハビリテーションに対する考え方も変化が必要である。
組織の損傷として考えた場合は、
組織の回復とともに機能改善を進めていくことになる。
しかし、慢性疾患を考えた場合はこの考えは当てはまらないことも多い。
受傷機転が曖昧で、症状も良かったり悪かったりする。
組織は通常回復していくはずなのに、
なぜ良かったり悪かったりするのだろうか。

慢性疾患を考えるとき、炎症を伴う強い症状の場合は
組織の損傷として捉えることも場合によっては必要である。
しかしながら、悪化が日常生活によって生じているのであれば、
根本的に改善すべき問題は身体機能ではなく、
日常生活での姿勢や使い方になってくる。

例えば座っていると痛くなってくる人がいたとする。
この場合、どうしても患者さんは
「この腰は悪いんじゃなあ・・・。」と思ってしまう。
療法士も「椎間板が・・・。」とか「どうしても歳の関係で・・・。」
など話してしまうこともあるかもしれない。
確かに、画像所見による変性や加齢の影響などもあるかと思うが、
おかしなことがある。
痛みは良かったり悪かったりするが
変性や加齢は急激に変化するものではない。
痛みが楽な時は変性が改善しているわけでもなく、
年齢も若返っているわけでもない。
筋の緊張であれば変化しやすいものなので一理あるが、
この緊張に影響しているものは何だろうか。
ようするに姿勢や使い方である。

炎症がなく、骨折もない。神経症状もないなどの
レッドフラッグからはずれる疼痛の場合は、
症状はそこまで緊急性の高い重大な問題ではないことも多い。
こういった症状は身体は
体が痛んでいることを教えてくれているのではなく、
「この使い方だと、後々痛んでしまうよ。」
ということを教えてくれているのである。
「この痛みは正常なもので体が異常なわけではないですよ。
 ただ、今の姿勢や使い方が体の負担になっているのを教えてくれてるので、
 痛みが出ない姿勢や使い方に変えるとうまくいくことが多いです。」
などと話をすると、安心するとともに、
日常生活を気をつけるという動機付けに繋がりやすい。

一度強い痛みを経験するとどうしても、
痛みに敏感になり不安となりやすい。
痛みの意味をしっかりと把握し、日常生活そのものを見直すことが、
慢性疾患を考える上で重要な部分といえるのではないだろうか。
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Category: 高齢者

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姿勢と緩みの位置 

高齢になると体のあちこちの関節は硬くなりやすい。
よく使う部分は炎症や変形を繰り返し可動性が低下するが、
使わない部分も廃用に伴い可動性の低下を生じる。
可動性が低下すると関節の副運動も低下するため、
関節包内の運動も低下し、関節内のストレスも生じやすくなる。
それに対して、体は緩みの位置をとることで
関節の副運動を増加させ関節内のストレスを緩和させようとする。

年齢とともに生じやすい姿勢変化は、
曲がっていって開いていく。
要するに前方頭位や胸椎後彎が増加し、
それに伴って下肢は屈曲する。
骨盤は後傾し下肢は外旋する。
これが関節の緩みの位置になるため、
関節が硬くなった状態でも副運動を維持することとなる。

高齢者の姿勢変化は、こういった可動域の低下に伴う
緩みの位置への適応であり、注意する必要がある。
姿勢と関節の位置

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高齢者の骨折とリスク 

日本での高齢者の骨折に関する文献は意外に少ない。
高齢者の転倒発生率に関しては
おおよそ20%という報告がある1,2)。

アメリカにおいては高齢者の骨折は
重大性の高い問題として着目されている。
年齢による骨折頻度は50歳以上の男性で13%。
同年齢女性では40%である。
90歳以上になると約2割が大腿骨骨折を生じている3)。

大腿骨の骨折や脊椎の骨折を生じたものの、
5年死亡率は20%にも上り、
70歳以上ではその割合はさらに大きくなる。
骨折後の死亡率は6ヶ月で最も高い。
骨折後、50%は以前のADLに回復するものの、
1年で60%のものはADLの一部困難。
40%で自立歩行困難となり、
約80%のものがIADLに支障が生じると言われている。

また身体のみではなく転倒後症候群という、
転倒による精神的なトラウマも
50%のものに出現するとも言われる4,5)。
活動制限や自信喪失。転倒の不安などにより、
結果的に廃用症候群が進行し、自立困難になってしまう。

骨折はそれによる問題そのものだけでなく、
それによる活動制限の低下が身体や精神に影響を及ぼす。
骨折後のアプローチも大切であるが、
転倒を防ぐための環境整備や身体機能の向上も
重要になってくると考える。

1)眞野行生(編):高齢者の転倒とその対策,pp2-24,76-82,126-132,
 133-139,医歯薬出版,1999
2)渡辺丈眞:高齢者の転倒の疫学,理学療法18:841-846,2001
3)星文彦:高齢者の加齢変化と転倒要因:PTジャーナル36,
 pp307-314,2002
4)Bougie JD,and Morgental AP:The Aging body,Conservative
 Management of Common Neuromusculoskeletal Condititions,
 pp1-45,McGraw-Hill,New York,2001
5)Perell KL,et al:Fall risk assessment measures:an analytic review.
 J Gerontol A Biol Sci Med Sci56:M761-766,2001

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脊椎圧迫骨折の受傷 

高齢者になると骨粗鬆症も生じやすくなり、
骨折のリスクが高くなるのは言うまでもない。
脊椎圧迫骨折はその中でも代表的な骨折ではなかろうか。

症状としては軽度から強い背部痛が特徴である。
高齢者が突然、強い腰痛を訴える場合は特に注意が必要である。
背部を療法士の拳でノックするように叩き、
飛び跳ねるような(jump sign)強い叩打痛が出現する場合は、
気をつける必要があるだろう。
また骨折の場合は、骨振動により疼痛が誘発されるので、
痛い場所より離れた所から叩打するとより判別しやすい。

さて有病率はどうだろうか。
国内では和歌山・山梨・広島の調査がある。
それによれば60歳代で7.6〜14%。
70歳代で37〜45%である。1-3)
広島における前向き疫学研究では加齢により上昇する点や、
女性75歳の10万人当たり年間3000人4)という報告がある。
部位としてはTh6-8が多い。
骨折の既往がある場合は圧迫骨折の発生が5倍高く、
骨量・年齢とは独立して危険因子は高まる5)
人種による統計では欧米白人より日本人のほうが
発症率がやや高いということである6)。

高齢者で非常に多い脊椎圧迫骨折。
70歳代の3〜4割以上が発症している。
高齢で骨折の既往がある場合は特に生じやすいので、
もう一度日常生活での注意点を認識していく必要がありそうだ。
欧米白人より日本人に多いのは、
骨格の問題と生活習慣の問題が関係しているのかもしれない。
いずれにしても脊椎の骨折は姿勢不良の原因となり、
それに関連した様々な症状を誘発する可能性がある。
転倒して尻餅をついたり、重いものを持ち上げるときに
受傷することも多いのだが、特に誘因なく骨折する場合もよく聞く。
西洋の格言で
It’s the last straw that breaks the camel’s back
らくだの背骨を折るのは最後の藁(わら)だ。
というのがある。
些細なことでも積み重ねていくと大きな災いとなることもある
といった意味である。
大きな負担がなくとも、繰り返しの前屈姿勢でも
生じることがあるので、日頃から姿勢や運動パターンを
改善させるようにアプローチ介入する必要がありそうだ。

1)Kitazawa A,et al:Prevalence of vertebral fractures in a population based
 sample in Japan.J Bone Miner Metab 19:115-118,2001
2)Yoshimura N,et al:Prevalence of vertebral fractures in a rural Japanese
 population.J Epidemiol 5:171-175,1995
3)Ross PD,et al :Vertebral fracture prediction to Caucasians or Japanese
 in the US.Int J Epidemiol 24:1171-1177,1995
4)Fujiwara S,et al:Fracture prediction from bone mineral density in Japanese
 men and women.J Bone Miner Res18:1547-1553,2003
5)Black DM,et al:Prevalent vertebral deformities predict hip fractures and new
 vertebral deformities but not wrist fractures.study of Osteoporotic
 Fractures Research Group.J bone Miner Res 14:821-828,1999
6)Ross PD,et al:Vertebral fracture prevalence in women in Hiroshima
 compared to Caucasians or Japanese in the US.Int J Epidemiol24:1171-1177,
1995

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長寿とともに新たな問題 

病気を治す。
医療ではその概念を元に健康と不健康に分け、
正常から逸脱したものを病気とし、
治療する行為を行ってきている。

1928年のペニシリンの発見が
感染症のアプローチに大きな変革を与える。
さらに食生活の見直しや禁煙とともに、
コレステロール降下剤などの薬の発達も大きい。
これにより、寿命は数十年延びることになる。

米国疾病予防センター(CDC)による最新のデータで、
1950年から2007年の米国における死因の比率の変化を示している。
がんにおいてはほとんど変化していないものの、
他の慢性疾患に関しては大きな成果を上げている。

1950年から2007年を比べた10万人あたりの死亡者数は
 ・心疾患   67%減少
 ・脳血管疾患 77%減少
 ・急性肺炎・インフルエンザ 66%減少
 ・がん    8%減少
となっている1)。

心疾患や脳卒中はコレステロール降下剤、
肺炎や感染症は抗生物質や抗ウイルス剤の効果によるものだろう。
平均寿命が伸びることで、いかに質の高い生活が送れるか。
といったことが重要になってくる。
これには変形性疾患にともなう筋骨格系の問題が関わる。
身体に応じて適度な運動量を遂行し、
質の高い日常生活を送っていくこと。
私たちの高齢者におけるリハビリテーション分野の発展は
まだまだこれからのところである。

1)1950 Mortality Data-CDC/NCHS,NVSS,Mortality Revised.2007
 Mortality Data-National Center for Health Statistics,Centers for Disease
 Control and Prevention,2010.http://www.cdc.gov/

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認知症やアルツハイマーの予防に運動 

運動は多くの観察研究において
高齢者の認知機能の低下を抑制する
という結果が出ている。(グレードB)
またアルツハイマーの進行を抑制する効果の報告もある。
現在のところRCTによる介入研究が乏しいこともあり、
どのような運動をどの程度や頻度で
行うべきかなどの結論は出ていない。

運動による予防機序としては
脳血流量の改善や血圧低下、血清脂質の低下、
血小板凝集能の抑制、神経成長因子の増加、肥満の抑制が推定されている。

1)Laurin D,Verreault R,Lindsay J,et al.Physical activity
 and risk of cognitive impairment and dementia in
 elderly persons.Arch Neurol.2001;58(3):498-504.
2)Abbott RD,White LR,Ross GW,et al.Walking
 and dementia in physically capable elderly men.
 JAMA.2004;292(12):1447-1453.
3)Karp A,Paillard-Borg S,Wang HX,et al.Mental,physical
 and social components in leisure activities equally
 contribute to dementia risk.Dement Geriatr Cogn
 Disord.2006;21(2):65-73.
4)Yoshitake T,Kiyohara Y,Kato I,et al.Incidence and risk
 factors of vascular dementia and Alzheimer's disease in
 a defined elderly Japanese population:the Hisayama Study.
 Neurology.1995;45(6):1161-1168.

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高齢者の転倒 

長期ケア環境では高齢者の転倒は
保健医療上での重大な問題となる。
しかしカナダ・サイモンフレーザー大学の
Stephen N Robinovitch氏らによると
現場ビデオ画像で解析した結果、
歩行中の転倒は少なかったという調査結果が報告された。
現在は高齢の転倒状況や原因に関するエビデンスは
ほとんどないのが現状だというのは驚きである。

転倒の既往がある患者ではどういった状況で転倒したのか
個別のケースに合わせて検討する必要が高いことが考えられる。

1)Robinovitch SN et al. Video capture of the circumstances of
 falls in elderly people residing in long-term care: an observational
 study. Lancet. 2013 Jan 5;381(9860):47-54. Epub 2012 Oct 17.

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転倒危険度 

転倒しそうかどうかは主観によるものになりやすく、
注意が必要かどうかチーム内で統一しておく必要はある。
そこで転倒危険度を評価する指標がある。
転倒のリスクの度合いを示すものでは
よく使われるものであるが次のうち
6点以上が転倒危険度としては要注意とされる。
高齢者の転倒
「過去1年で転倒した人」は転倒の可能性が最も高い。
さらにその他一つの項目があれば要注意となる。
「過去1年で転倒した人」以外の項目は
3つの項目が当てはまれば転倒要注意に該当する。
入院患者のリスクマネジメントや
他職種との共有する概念として利用できるのではなかろうか。

1)Okochi j,Toba K,Takahashi T,et al,:
 Geriater Gerontol Int,6(4):223-227,2006

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転倒の多い場所 

どういった場所での転倒が多いのであろうか。
転倒事故の発生場所の半数以上は居住空間である。
過ごす時間が長いことが大きな理由になるのではないだろうか。
次に道路上、その次に公衆の場と分かれる1)。
屋外は過ごす時間が短い上に、
注意力は高まっているため案外転倒は少ない。
臨床上よく聞くのは駐車場での車輪止めでの転倒である。
駐車場では周りの車に意識が向きやすかったり、
店の入り口を探すなど足下での意識が低下しやすいようだ。

半数以上の転倒を生じる居住空間。
介護保険を利用した住宅改修も有効な武器となる。
転倒経験がある場合は室内のどの場所だったのかや、
そのときの状況(急いでいたり、眠剤を使用していたか)
を確認し再転倒の予防をしっかりとしていく必要がある。

1)東京消防庁「平成22年版火災と日常生活事故のデータからみる高齢者の実態」

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高齢者にとっての転倒 

高齢者の事故では転倒が72.1%。
転落や滑落が8.8%と言われている1)。

高齢者の死亡事故の2割は
転倒・転落によるもので
そのうちの半数はつまづきやよろめき、
スリップなどによる
同一平面状での転倒となっている2)。

寝たきりの原因としても
85歳以上の約2割。
75~84歳の約1割が転倒によるものである3)。

転倒は高齢者の事故の中では70%と非常に多い。
つまづきやよろめき、スリップなどによるもので
死亡や寝たきりの原因にもなる。
またその他の様々な障害のきっかけになることは
容易に想像することができる。

1)東京消防庁「平成22年版火災と日常生活事故のデータからみる高齢者の実態」
2)厚生労働省「人口動態統計」(2009)
3)厚生労働省「国民生活基礎調査」(平成13年)

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2017-07
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