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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

2010年12月の記事一覧

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腰痛と社会的支援 

1970年代から1990年前半において
腰痛における長期病欠・社会保障給付
急増した。
これは世界各国で多くの費用が関わった問題である。
これはこの時代に脊椎疾患が急増したということは
考えにくく、個人・医療・社会における
反応の仕方の変化というのが
妥当な考えではなかろうか。

これは腰痛の伝統的な医療モデル
推定上の損傷がありそれが治癒することで
改善するというもので、
安静活動を避けるというものである。
これらを促すことで患者は逆に
疼痛の恐怖活動の恐怖など
精神的・身体的ストレスを受けることになる。
これらの認知・行動パターン
長期就労障害のパターンに陥り、社会復帰を
遠ざけてしまうという傾向が指摘されている。

しかしここ数年で各国ともこれらの傾向に
歯止めがかかったか地域によっては横ばいの傾向が
認められるとイギリスの研究者が発表している。

これは社会的な反応が変化したことが関係しており、
労災補償システム・マネージメントケア方針・
雇用者および労災補償保険者による就労障害管理などの
変更が挙げられる。

要するに今までの腰痛に関する社会保障システムが
合わなくなったことが考えられ、
社会的な変化が医療・個人にも影響を
与えているのではなかろうか。

腰痛により仕事に影響が及べば金銭面での大きな支障が
起きてくる。
しかしながら休むことを推奨しすぎてしまっては
長期的に社会復帰の機会を失わせることにもつながってしまう。

社会的支援就労障害における政策のバランスは
非常に微妙なもので各国ともに対策が練られているものの
いまだ結論には至っていない。
これは腰痛にしても社会保障にしても一つの因子によって
生じている問題ではないことが関係している。
多くの因子が関係する複雑系ではデータのみに頼った解釈は
困難であり、介入による変化を判定しながら
進めていくことが大切になるのではなかろうか。

1)Hoge W,Swedes are out sick longer,and budget is ailing,
 New York Times,September 24,2003:3
2)Hashemi L et ai.,Trends in disability duration and cost
 of workers'compensation low back pain claims(1988-1996),
 Journal of Occupational Medicine,1998
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Category: 腰椎

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可動制限と痛み 

理学療法での関節アプローチ対象
滑膜関節である。
この関節に動きの過剰過小があれば
機能障害を生じることになり問題点になる場合も
少なくない。

可動性の障害がある場合、筋などの収縮性組織
関節包などの非収縮性組織なのか判別すると
アプローチが絞り込みやすくなる。

これには自動運動・他動運動・等尺性抵抗運動による
痛みの出現で判別していく。
収縮性組織の場合、他動運動では収縮性組織は働かないため
痛みは生じないが、等尺性抵抗運動では収縮性組織が働くため
痛みを生じる
また非収縮性組織の場合、他動運動で非収縮性組織は
ストレスを受けるため痛みが生じるが、
等尺性抵抗運動では非収縮性組織はストレスを受けず、
痛みは生じない

また関節副運動テスト(関節の遊び:Joint Play)
を確認することも関節包内運動を把握することができるため
非収縮性組織の硬さを知ることができる。

このような関節の機能障害外傷・炎症・不動・感情的緊張
生じた場合、周辺の筋肉影響を及ぼす
これを筋ガーディング(Muscle guarding)と言う。
筋ガーディングは身体の不具合に対し、過度に動くことを制御する
働きを持つとされている。
しかし、この筋ガーディングが長期間続くことで、関節運動は制限され
循環障害組織の阻血、代謝のうっ滞が生じる。
この状態が続くと筋自体に痛みが発生し、筋そのものが痛みの原因となる
筋スパズム(Muscle spasm)が生じる。

関節の影響が筋に影響を及ぼし複合的な機能障害を
生じてしまうのである。

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Category: 痛み

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口呼吸による悪影響 

日本人は口呼吸が非常に多い国として
認識されている。
口呼吸口腔乾燥いびき顎周囲筋の委縮
睡眠の質の低下など様々な悪影響を及ぼす。
そして整形外科的にも多くの悪影響が生じる。

口呼吸を行うことで口は開いた状態となり
顎関節の下降低く前に出た舌となり
頭部前方姿勢が促される。
また呼吸補助筋群の活動性が亢進
上・中部頸椎前方に、胸部を引きこみ固定してしまう。
それに伴い後頭下は重心位置より前方
後頭下筋群の緊張とともに後頭下を後方に伸展
視線を水平に保つための代償として下部頸椎上部胸椎
屈曲する。

こうしてこれらの姿勢の変化により頚・胸部の背面の筋肉
緊張短縮する。
また1か月以上この姿勢が続けば関節包も制限に関与し、
より元の姿勢に戻すことは困難となる。

運動連鎖はほんの小さな影響からでも
時間が経つと様々な問題に波及していく。
真の改善を考えるのであれば患者の習慣の中の問題に
気づくことが重要になる。
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Category: 頸椎

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オープンループとクローズドループ 

通常の運動には感覚入力という求心性の情報が
その動作における修正に関わる。
それにより回数を重ねることで修正され
より精度の高い動作への変化する。
いわゆるフィードバック機構による修正である。

しかしスポーツなどの素早い動きが必要なもの
になるとフィードバック機構では間に合わないために
頭の中での内的モデルにより運動計画を立てる。
いわゆるイメージによる予測のようなもので
目の前の事柄を目で見て確認して動くのではなく
予測して動くということになる。

前者のようなフィードバック機構を用いた修正
クローズドループコントロールシステムといい、
後者のような内的モデルによるもの
オープンループコントロールシステムという。

スポーツではフォームの確認や修正は
まずゆっくりと動かし感覚を得る。
理屈ではなく"こんな感じ"という
感覚を得ることにより認知していく。
そして練習を繰り返すことでフィードバックなしに
新たなフォームが可能となっていく。
試合ではフィードバックはほとんど用いず
相手の動きやボールの位置関係、ゲームの流れにより
ある程度予測しながら運動が行われていく。
このようにクローズドループからオープンループと
段階的に進んでいくとともに使い分けながら
様々な動作が学習されていく。

1)Hodges,P,:Motor control.Physical Therapies
in Sport and Exercise(Kolt,G.,Snyder-Mackler,
L.eds.),Churchill Livingstone,107-125,2003.
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腰痛における心理社会学的因子 

重篤な腰痛において主要な予測因子は何か。
構造的因子心理社会学的因子で比較し、
関連を調査したものがある。

構造的因子ではMRIと椎間板造影検査の両方で
異常があるかどうか。
心理社会学的因子ではDRAM評価法
心理的な苦痛増強された恐怖の回避の項目に
異常がないかを挙げた。

結果、構造的因子では
 ・腰痛発作の関連は弱い。
 ・活動障害の関連はなし。
 ・将来医学的治療を受ける関連もなし

そして心理社会学的因子では
 ・活動障害の関連に強い相関。
 ・将来医学的治療を受ける関連にも強い相関が認められた。


重篤な腰痛において主要な予測因子となるのは
構造的因子ではなく心理社会学的因子という結果である。
腰痛に関してセラピストが中止すべき点はレントゲンによる
将来の予想よりも心理的な不安をいかに軽減し、
現実的な活動性に結び付けていくかという点なのかもしれない。

1)Carragee EJ et al.,Discographic,MRI,and psychosocial
 determ:nants of low back pain disability and remission:
 A prospective study in subjects with benign persistent
 back pain,The Spine Jounal,2005;5(1):24-35
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Category: 心因性

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腰痛に対する最近の見解 

腰痛に対して治療できるものであるという
楽観的な考えがここ10年の間で広がってきている。
腰痛は断続的に発生する再発性の高い慢性の症状である。
というのが最近の医学的見解の変化である。

Jeffrey Borkan博士は
ここ15年~20年は解決の難しかった椎間板の異常
重点を置いたものが多く、最近まで生理学的な病因、
診断法、治療法以外は触れられることが少なかった。
と述べている。

Weddel博士は
過去100年の腰痛の話題や治療は解剖学的な損傷を見つけ
それを治すことが中心。
メカニカルな理論での多くの問題点を無視している。
研究者の間では腰痛を様々な要因から生じる
生物・心理・社会的疼痛症候群としており、
神経生理学的に関する機能障害としていると述べる。

Gordon Waddell博士は
重篤な疾患を除外することは必要であるが、
急性の非特異的腰痛に関して自信をつけること強調文
単純な対処療法による医療化の回避が重要と述べている。

要するに構造上の問題に重きを置きすぎたことで
その他の問題見えにくくなっていたということが
述べられている。

それに対してRon Donelson博士は
生物・心理・社会モデルにおいて
生物学的因子は外されつつあるのが現状である。
正確な原因の特定は困難だとしても症状のパターンを
諦めるべきではないとしている。

またCroft博士は
慢性的な腰痛に対し構造的な損傷を強調しすぎないことは
大切。しかし構造上の損傷もあるかもしれない。
なかには真の神経症状を呈し生物学的アプローチにより
改善可能な患者もいる
ことを忘れてはならないと述べ、

Cherkin博士は
複雑な問題に対し単純な解決策を期待することこそ
間違っている。
認知や行動に対する効果的なスクリーニングや
ストラテジ―を明らかにすることが必要だと
述べている。

腰痛に対し、従来の構造的な問題のみに偏った考えは
その他の問題を盲目にしていた。
そして生物・心理・社会的な問題というものが
広まっていった。しかし今度は心理・社会に視点がいくことで
生物学的な問題が抜け落ちてきているのが現状である。
全ての問題を統合しアプローチしていくためには
全ての可能性を考慮したうえで、スクリーニングしていくことが
重要である。

1)腰痛治療における新傾向-楽観的な見方-The Back Letter 2000;15(5):49-58
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Category: 腰椎

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Forword head postureという関連因子 

Forword head posture頭部が前方に突き出し、
顎が挙上した姿勢
である。
頸部症状のある患者に多い姿勢であり、
持続することで
 中部頸椎が過剰運動性(Hypermobility)
 下部胸椎が過小運動性(Hypomobility)
 腰椎の過度な前彎がある場合は
  ・脊柱起立筋、腸腰筋、大腿筋膜腸筋の短縮
  ・腹筋、大殿筋の弱化
 腰椎の過度な後彎がある場合は
  ・脊柱起立筋の弱化
が生じてくる。また他部位にも影響を起こすことにより
症状は連鎖していくこととなる。

頭痛        →後頭下筋群の短縮や過緊張が大後頭神経を拘扼
歯ぎしり、顎関節痛 →咬筋、側頭筋の緊張(口が開きやすくなるため)
胸郭出口症候群   →第1肋骨の挙上
横隔膜呼吸の阻害  →呼吸補助筋が促通されるため
腰椎の不安定性   →胸椎の可動性低下により脊椎の過剰運動性

Forword head postureは臨床上非常に多く認められる。
腰椎の姿勢コントロールより改善は難しいことが
多い。多くの症状を生みだすも原因の特定が姿勢にあると言う
視点が患者自身では難しく適切な助言が必要となる。
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Category: 運動連鎖による影響

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肩関節の運動 

肩関節とは狭義では肩甲上腕関節のことを指す。
広義では肩甲上腕関節の他、胸鎖関節肩鎖関節
第2肩関節肩甲胸郭関節も含めた複合体を指す。
また実際の肩関節の運動体幹の運動も含むことから
鳥口鎖骨間関節胸肋関節肋鎖関節肋椎関節
含めて考える。

関節窩面上(Scapular plane)挙上の報告1)では
上腕骨と肩甲骨の動き2:1
肩甲上腕関節挙上(zero position)の報告2)では
10%程度に体幹の運動を伴っているとされる。

上腕全体の運動100%とした場合、
上腕60%肩甲骨30%体幹10%の割合となる。

肩関節は多くの関節と連動して働くため、
代償動作を把握するのは重要である。
障害が生じ時間がたった場合は体幹の影響も
生じやすいため、広範な範囲の可動域や
ジョイントプレイの確認が必要である。

1)Inman,V.T.et al:Observations on the function
 of the shoulder joint,JBJS26:1-30,1944
2)池田均他:Scapular planeにおける肩関節(健常人)
 の運動解析,中部整災誌25:283-285,1983


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Category: 肩関節

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Scapular plane 

肩甲上腕関節の運動に対し
肩甲骨関節窩の角度個人差がある。
そのためデータを一致させるためScapular planeを
設定する必要がある。
以前は前額面から前方に30%の方向とされていたが
実際は異なることが多い。
現在ではほとんどの場合Scapular plane Nを
Scapular planeと呼んでいる。

体表からの確認は困難であるが肩甲棘の延長線上
理解しておくとよい。

肩関節の可動域訓練を行う時、関節窩の位置を把握することは
非常に重要である。生理的な運動を理解すれば
より精度の高いアプローチが可能になるのではなかろうか。

1)信原克哉:肩ーその機能と臨床ー,第3版,医学書院,東京,2001
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Category: 関節

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行動分析学の基礎 

行動分析学(Behavior analysis)
アメリカのB.F.Skinner元ハーバード大学教授
が提唱したものである。

人の行動個人環境相互作用
によるもので生じ、この相互作用を分析することで
適切な行動を促すことができるというもの。

行動とは家庭や仕事いろいろな場面で
生じ意識や無意識により自動化されている。
これらは何らかの刺激により形成されていったもので
環境に適応していった成果とも言える。

行動は先に起こる刺激と後に起こる刺激で
決まってくる。
先に起こる刺激を先行刺激
後に起こる刺激を後続刺激という。
要するに先行刺激により行動が起き、後続刺激が
自分にとって良いもの(快感や満足など)であれば
行動は強化され、悪いもの(不快、緊張、不安)であれば
行動は弱化され回避行動となる。

例えば学生が見学に来たとする。
見学後質問をしたときにセラピストの発言が
「すごくいいところ見てるな。いい質問だ」と
学生がうれしくなるような刺激が入るとする。
その結果学生は質問をすることが心地よいことだと感じ
質問をするという行動は強化される。

また同じように質問をしたときに
「そんなこともわからないのか。そんな質問恥ずかしいと
思わないのか?自分で調べてこい!!」と叱責されたとする。
その結果学生は質問をすると怒られてしまうと不快な感情が
生じ、質問をするという行動は弱化し回避行動をとるように
なる。

また他の例でいえば歩行訓練をする患者さんがいるとする。
歩行をした後でセラピストが「すごいじゃないですか。
どんどん良くなってますね。この感じで行けば順調に帰れそうですよ。」
と言うとする。
そうすることで歩行にすればよくなって帰れるという
気持ちになり、歩行訓練をするという行動は強化される。

逆に歩行をした後、とくに強化刺激もなくしんどかった。痛かったなど
不快な感覚が後に残った場合、歩行訓練という行動は弱化され
場合によってはリハビリを拒否することもあり得るかもしれない。

このように相手の行動は後続刺激の影響で強化するか
弱化するか変わってくる。
ほめ上手なセラピストといつも細かな指摘ばかりするセラピスト。
楽しいか。苦痛か。運動学習に関与するドーパミンの分泌を考えても
経験的な結果を考えてもどちらが効果的かは想像がつくであろう。
行動を変容させることがリハビリテーションにおいて重要と
するのであれば、行動分析学の知識は必須であるのかもしれない。

1)杉山尚子,他:行動分析学入門,産業図書,1998
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Category: 心因性

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ストレスによる体の反応 

ストレスは体に様々な変化を及ぼす。
そしてストレス反応には2つの経路が存在する。

それはホルモンを介して生じる反応
自律神経の働きによる反応である。

感覚情報大脳皮質で認識されると
扁桃体を通り、視床下部に伝わるようにできている。
扁桃体がストレッサーと感知した場合、その情報が
視床下部に伝わりホルモンを出す命令をしたり、
自律神経に反応を起こしたりの指令を出す。

ホルモンの反応は次のようなものになる。
視床下部の室傍核のニューロンはストレスにより
副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)
放出し脳下垂体前葉の細胞に流れ着くと
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を放出する。
副腎皮質刺激ホルモンが副腎皮質の受容体に結合すると
グルココルチコイドが放出される。
これにより肝臓や筋に作用し、血中の糖が上昇する。

自律神経の働き交感神経幹の末端から
ノルアドレナリンが分泌される。
その結果、心臓に作用し心拍が上昇したり
血管に作用し血管が収縮し血圧を上げたりする。
胃腸も自律神経に支配されているため
胃腸の血液量が減ったり働きが鈍くなったりする。
また腎臓の裏に位置する副腎髄質も自律神経の影響を
受けアドレナリンを放出する。
これもノルアドレナリンと同様心臓や血管、胃腸に
同様の影響を与える。

ストレスは目に見えないものであるが
脳で認知されるとともにこのような身体的な変化を及ぼす。
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Category: 心因性

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PTSD 

PTSD(心的外傷後ストレス障害)
事件・事故・災害などの強いストレス
生じたときに起こる。
具体的な症状は
 1.回避症状
 2.過覚醒症状
 3.再体験症状(フラッシュバック)
などが挙げられ
急性ストレス症状では1カ月くらいで
落ち着くのが一般的だが
これらの症状が1か月以上続くのが
PTSDである。

回避症状ではそれらの出来事のあった場所に
近づかなくなり、過覚醒症状では眠れなかったり
目がすぐ覚めてしまったりする。
また再体験症状では突然その時の状況が
思い出される。

MRIやfMRIでは
海馬の体積の縮小や前部帯状皮質の縮小が
指摘されている。
前部帯状皮質は情動に関わる
扁桃体を制御する働きがあるため
恐怖体験が思い出されやすくなることが
指摘されている。

交通事故後の頸部痛にもこれらの症状が
重複することも多いので
社会復帰に際しては念頭に置く必要がある。

1)Voxel-based analysis of MRI reveals anterior
cingulate gray-matter volume reduction in
posttraumatic stress disorder due to terrorism.
PNAS USA.2003 Jul 22;100(15):9039-43.
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Category: 心因性

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オペランド行動とレスポンデント行動 

行動分析学においてオペラント行動
レスポンデント行動は柱となる理論である。

オペラント(Operant)行動とは
随意的な行動である。
先行刺激があり行動が生じ
後続刺激により強化されるか
弱化されるかが変わってくる。(行動分析学の基礎参照)
このように行動は環境刺激との関係によって
変化するものという考えである。

随意的な行動であるオペラント行動に対し
レスポンデント(respondent)行動
不随意的な行動で自動的に生じる。
嫌悪刺激による不安・緊張・興奮・苛立ち
など動物が本能的に持っているもの。
これらの行動は回避行動に繋がり
不適切なオペラント行動を形成する。

回避行動により嫌悪刺激がなくなった場合
嫌悪刺激の除去による強化となり
回避行動の定着が起こる。

レスポンデント行動の例としては
歩行訓練をしたときにすごく怖く、後でしんどく痛みが
出現したとする。
そして次の日の療法士の「リハビリしましょう。」
という問いかけに対し「きのうしんどくて今日は休みます。」
と回避行動をとったとする。
そうすることで怖くもしんどくなく痛みもなかったため
「嫌悪刺激の除去による強化」が生まれる。
次の日も次の日も理由をつけて断るようになる。
これが「回避行動の定着」というわけである。

行動の問題を捉えるとき適切な行動と
不適切な行動に分けることができる。
ポイントは不適切な行動を減らすことでなく
適切な行動を増やすことにある。
行動は適切な行動と不適切な行動が合わさったような
ものであり、適切な行動が増えていくことで
自然と不適切な行動は減っていく。

リハビリテーションにおいて
適切な行動に対しいかに強化刺激を与えていくかが
重要である。
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Category: 心因性

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行動分析学によるアプローチ 

行動分析によるアプローチの介入では
ターゲット行動(target behavior)
具体的・客観的に設定する。
数字などを用いてできたかできてないかを
明確に表すことが重要である。

不適切な行動減らすのではなく
適切な行動増やすことがポイントである。

先行刺激(Antecedent stimulus)によるアプローチでは
先行刺激ははじめは多め徐々に減らしていき
自発的行動を定着させることが重要である。

はじめは介助や誘導を多く用いていく
身体ガイド法(physical guidance)から入り
介助や誘導を少しずつ減らしていく
プロンプト・フェイディング(pronpt-fading)
移行していく。(プロンプト:弱められた刺激、
フェイディング:徐々に弱くしていく)
また周りの人でお手本になる人がいれば
モデリング法(modeling)を行うことでより
イメージがつきやすく円滑な移行が行いやすくなる。
このように若干オーバー気味の介助や誘導から始め
確実に成功するように促す(無誤学習:errorless learning)ことが
有効である。
先行刺激のルールはポジティブ・ルールが効果的だ。
ポジティブ・ルールとは「もし・・・ならば○○できる。」
ネガティブ・ルールは「もし・・・できなければ○○できない。」
というもの。ネガティブ・ルールには強化刺激が得られない
という点が行動を促しにくいという欠点である。

行動に関するアプローチでは
行動形成法(shaping)がある。これは一つの行動を
いくつかの相(行動要素)に分けステップアップさせていく流れをつくり
ステップアップごとに強化刺激を行う。
また逆向連鎖化(backward chaining)では
最後の行動要素を自分で行うように促す方法である。
最後の行動要素は直後に強化刺激が生じやすいため
有効である。
行動を促すうえでは行動をいくつかの要素に分け
行動連鎖させていくと失敗を軽減し、小さなステップでも
強化刺激を与えやすくなる。

後続刺激(consequent stimulus)アプローチ
正の強化刺激が鍵になる。
年齢・生活経験・症状により個人個人で異なる
という点を考慮する必要がある。
強化刺激の内容はいくつかあるが
言語刺激や非言語刺激。悪い刺激のあと良い刺激。
グラフや表によるフィードバック。
自己記録・自己評価などがある。
効果的な強化刺激には
即時性(60秒以内)、多様性、明示性、関連性が大切である。
また嫌悪刺激(叱責など)による強化は一時的な効果となり
より強い刺激でないと強化されなくなり
最後は効果が一切なくなってしまうのでやはり
正の強化刺激のほうが有効である。

このように行動分析学は適切な行動になっていない場合
先行刺激・行動・後続刺激いずれかに問題があると
仮定し環境の在り方を修正するという方法になる。
そして少しずつ刺激を減少させていきながら
他者教示を自己教示に。
行動要素を行動連鎖に。
他者強化自己強化に移行させていくことで
自立的な行動を促していく。

褒めるということは人間の自己肯定評価という
本能的に求めているものを刺激し、
より適切な行動に促すものとなる。

1)実森正子,他:学習の心理:行動のメカニズムを探る,サイエンス社,2000
2)山本淳一:理学療法における応用行動分析学の基礎,PTジャーナル35:135-142,2001
3)杉山尚子,他:行動分析学入門,産業図書,1998
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Category: 心因性

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zero position 

ゼロポジション(Zero Position)はインドの
整形外科医Saha.A.Kにより開発された
患者に資金や手間をかけずに治療するための
肢位の事が元の意味である。

ちなみにこのような機能的な肢位を述べたのは
Sahaが最初ではない。
肩関節では名の知れているCodmanも
「ハンモック・ポジション」として
同様の肢位をすでに述べている。
ハンモック上で両手を頭の後ろに組んで
その手を枕にして横たわる姿勢で、
一番余分な力の入らないポジションというのが
理由。

定義は、肩甲骨の棘突起上腕骨の長軸が一致し、
肩周辺の筋収縮力が均等になり、
自発的な筋力発揮では回旋運動が不可能になる
ポジショニングということ。

ゼロというのは二つの意味があり
 1.上腕骨の機能軸が解剖軸に一致する
 2.上腕骨が外旋も内旋もない  というものである。

上腕骨の機能軸が解剖軸に一致するとは
上腕骨の軸肩甲骨の軸の両軸は挙上140°で一致する。
つまりなす角はゼロとなるということである。

また上腕骨が外旋も内旋もないでは
ゼロ・ポジション時の筋の配列が
棘上筋棘下筋小円筋がすべて上腕骨に向かって
きれいに配列するため、回旋の張力がかからない
力がゼロになるというものである。
これを利用し脱臼の整復を行いやすくしたり
医療現場でも牽引や固定に用いるのはこのため。

投球動作やラケットスポーツでこのポジションは重要。
最もスピードのある時ボールリリースボールヒット
させる必要があるが別の力が余分に加わると最高速度にブレーキを
かけること
になりスピードが落ちる。
そのため回旋という力のかからないゼロポジションで
リリースやボールヒットをすることが重要となる。
また回旋力がかからないため怪我の予防にもつながる。
「ボールを体の前で捉えなさい。」という指導は
ゼロポジションでミートさせるという点で非常に理にかなった
方法である。

また体幹のスタビリティーがしっかりしている場合は
体幹を側屈し肩甲骨を下げることで
高い打点からでもゼロポジションを作り出すこともできる
という裏技もある。

1)信原克哉:肩ーその機能と臨床ー,第3版,医学書院,東京,2001


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Category: 肩関節

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欲求と価値基準 

人は自己の欲求が満たされないときに
苛立ち不安感じることがある。
本当はこうなのになぜこうなんだろうを。
それは他者や環境に向けられるだけでなく
自分に向けられることもある。

欲求が満たされることで自己肯定され自信がつく。
欲求が満たされないことで自己否定不安になる。

リハビリテーションを行う上でも
患者が自信をなくしていることは多い。
場合によってはそれをモチベーションが低いと
ひとくくりにされる場合も少なくない。
以前はこうだったのになぜこうなってしまったんだろう
それが自分の身体や精神に向かうものもあれば
社会や環境に向かうこともある。
また人によっては同じ状況でもそれに対する認識は
変わってくることも多く不思議に感じる。

問題は満たされない欲求ではなく
そう感じる価値基準である。
価値基準は自分の物差し理想などで
その基準が厳格であればあるだけ
真面目ということになる。
この価値基準は自分の中の常識であり
全ての真実ではない。

人としてこうあるべきだ。
プロとしてこうあるべきだ。
母親としてこうあるべきだ。
夫としてこうあるべきだ。
子供はこうあるべきだ。
家族はこうあるべきだ。
上司と部下の関係はこうあるべきだ。
恋愛とはこうあるべきだ。     

など両親からしっかり躾を受けた場合などに
起こりやすい。
子供の時に両親に褒められたいという
自己肯定的な欲求を満たすために
親に評価されるように行動するようになる。
それが習慣になってくると本当の自分の気持ちは
わからなくなり親の言ってたことを
価値基準として考えるようになる。

そうなると自分が持ってはいけない気持ちを
持ったときに「こんな気持ちになるべきでない。」
「こんなこと考えてはいけない。」と抑圧をかけ
知らず知らずのうちにストレスがたまってしまう。
それが不安や苛立ちの原因となり、八つ当たりしたり
不安になったりする。

他者や環境常に変化する。
価値基準が厳格であればあるだけ
自然の摂理からは逸脱する。
一部の環境しか適応することができなくなる。
新たな環境になったときほど
誰かのモデルに頼ろうとし無理をする。
環境に適応することは大事であるが
適応するということは他者を否定することでも
自己を否定することでもない。
全てをひっくるめて肯定することに他ならない。
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Category: 心因性

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強い痛みの時期の対応 

強い痛みがある時期の患者の対応に迷うことは
多いのではなかろうか。
grimace sign(顔をしかめるような痛み)陽性、
jump sign(飛び跳ねるような痛み)陽性などの時である。

まず炎症がないかの確認を行う。
炎症の4徴候の確認である。
問診では安静時痛がないか入浴時に疼痛が悪化しないか。
を確認する。

ただ炎症の徴候がない強い痛みを経験することも少なくない。
痛みを伴う筋緊張である筋spasm深部での炎症
可能性がそれにあたる。

仮説を検証するためには試験的治療を行うという方法がある。
要するに筋spasmによる痛みであると仮説をたて
筋spasmに対するアプローチを行い、効果があるかどうかで
仮説の検証を行うというものである。

もし炎症であれば痛みの軽減はない。
しかし筋spasmであれば痛みは減少もしくは消失する。
炎症と筋spasmの混在であれば筋spasmによる痛みのみ
軽減
するという結果となる。

もし筋spasmが否定され炎症による痛みの場合は
どのような対処をすればよいか。
疼痛部位に対しては基本的にはRICEによる処置となる。
 R:Rest(安静)
 I:Ice(冷却)
 C:Compression(圧迫)
 E:Elevation(挙上)

また疼痛部位に負担のかからないように
他部位のアプローチを行っておくことは重要である。
関連因子となる周囲関節の可動域制限
筋力のアンバランス良好な姿勢の阻害因子の
アプローチ
など。また増悪因子となる姿勢動作
指導も忘れてはならない。悪くなる因子を
コントロールできなければ回復は困難である。

約3~7日経過し、再評価にて炎症が減少していれば
RICEをMICE(M:Movement運動)に切り替え、
徐々に可動域の改善筋力の向上に段階を上げていく。

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Category: 痛み

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筋力をトータルで考える 

筋力を考えていくうえでトータル
考えることは非常に重要だ。
実際の日常生活では一つの筋のみが
働くわけではなく多くの筋連動協調して
はじめて動作として成り立つからである。
そこには中心を安定させる深層の筋も必要であるし、
速い動き強い動きをする外層の筋も必要である。
そして相反する筋のバランス周辺の筋のバランス
大切である。

まず中心を安定させる深層の筋からアプローチを
していく。深層の筋が働くことで身体の安定性が
向上
し、良好な姿勢の保持外層の筋の過負荷の
軽減
につながる。また持久力系に有効な筋群なので
持久力の向上にも有効である。

深層筋の働きが行えるようになってきたら
深層筋が働いた状態での外層筋による
四肢の協調動作に移していく。
深層筋の活性化→四肢の協調→実際のパフォーマンス
の順で行うことで段階的なアプローチにつながる。

また障害予防を考えていくと、その他周辺の筋の
バランスを見ていく必要がある。
これはトータルの筋を見ていくうえで弱い筋があると
周辺の筋が過剰に働きover useの原因となるためである。

上下、左右、内外、前後などを見ていき、
差が大きくないように筋力のバランスを整える
(相反抑制の関係上片方が過剰に働けば
反対側は弱化しやすいため)

筋力は単一で働くわけでなく多くの筋の協調
行われている。
深層を活性化し、外層と協調させ、全体のバランスを
整える。それらが機能的に働いてこそ
動作としても機能的な役割を果たすことができるのでは
ないだろうか。
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Category: 筋力

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腰痛に対する新たな概念 

高齢社会、医療費の高騰、効果のあいまいな医療、
患者意識の向上などの対応策として
医療業界ではEBMが大きな流れとなっている。
EBMにより科学的に効果の有効性が立証された医療
第3者に納得できる内容となるように発展してきている。

しかし近年、腰痛の病態脊椎の障害という
XPやCTによる形態的な異常から
生物・心理・社会的症候群という
形態・機能障害に概念が変わってきた。

そして腰痛の症状は自分で予防しながら
予後は良好という考えから、生涯にわたり
再発を繰り返すもの
というように変わってきている。

ここでEBMによるサイエンスの部分と
NBMによるアートの部分が重要になる。
NBMでは病気でなく人を診るという視点が重要であり
プラセボの再認識を考慮する。
対話に基づく医療により医療従事者と
患者の信頼関係の確立
現代医療が全て科学的に立証できないからこそ
数字に表せないものの因子への理解
も必要なのである。

脊椎の障害から生物・心理・社会的疼痛症候群として
捉えることで、問題となる因子は非常に幅広いものとなる。
科学的介入のみではそれらの問題全てを
網羅することは困難なのは間違いない。
医療の原点である人を診るという点では
ある意味原点回帰なのかもしれない。
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Category: 腰椎

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自己肯定感と相反する価値基準 

人にはそれぞれ自分を認めたい認めてもらいたいという
自己肯定感がある。
自分を認め、他者を認め、自分自身を認めてもらえれば
どれだけ穏やかに過ごすことができるのだろう。
しかし現実には自分を認められず、他者も認められない
というジレンマが生じその葛藤が
落ち込み(自己に向く)や怒り(他者に向く)が生じる。

では自己肯定感や他者肯定を阻害するものは何であろうか。
おそらくそれは自分自身のもつ価値基準ではなかろうか。

価値基準とは物事を解釈するときの
"モノサシ"や"理想"となる。
この価値基準が厳格であればあるだけ
認められるものは少なくなり否定的に見ざる得なくなる。
自己に向けば自分が認められなくなり、他者に向けば
人を認められなくなる。

この価値基準とは両親の教育であったり、学校社会などで
学習されていく。
厳しければ厳しいだけ自分や他者が価値基準に合わないことに
なり、その不満は抑圧することで適応しようとする。
いわゆる我慢である。

"こうあるべき"、"こうでなければいけない"、"こうしてくれれば"
などの価値基準があるからこそ自己に対し、他者に対し
肯定することが困難にさせてしまう。
自分を許す。他人を許すということは
自分の中にある価値基準をなくすことではじめて可能となるのである。

では価値基準とはなんであろうか。
絶対的な価値基準というのはそもそもない。
何が正しいか、どれが正解かは人によって環境によって
常に変わってくる。結果を出すためにはそのときの
状況によって常に変わってくるのである。
ちなみに価値基準で人のタイプを考えていくと
 優しい、思いやりがある←→優柔不断
 繊細、よく気がつく  ←→神経質
 冷静、客観的     ←→冷たい  
 
 頼りになる      ←→横暴
 面倒見がいい     ←→おせっかい
 溺愛する       ←→独占欲強く、束縛
 情熱的        ←→浮気性
良い部分と悪い部分は表裏一体。あばたもえくぼである。
好意のあるときはよく見えるものの
好意がなくなれば悪く見えてしまう。

自分を許す。他者を許すことで肯定感は生まれる。
それは自分の中にある価値基準をなくすことで
はじめていろいろな価値観を理解することができる。

ただこれは理想論であり、現実には長年の習慣が支配しており
そう簡単に変えることは難しい。
そこですぐに変える方法としては
自分と他人の境界線を引くという方法がある。
真面目な場合は多くの価値観を認める聖人君子になろうとするが
無理をすることで逆にフラストレーションがたまってしまう。
それは自らの本心にウソをつくためであり、
自分の本心と価値基準の間にギャップが生まれるからである。
自分にウソをついた場合は自己肯定感は得られない。

それではどのようにすればよいか。
演じればいいのである。相手の価値観に合うように
ただ演じればいい。自分に理想を押し付けて
自分にウソをつくのではなく、自分というものは置いといて
演じればよいのである。

そのあたりは価値基準を厳格にもっている真面目な人ほど難しいが
人間関係や仕事でのバランスをとるためには必要なスキルでは
なかろうか。
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Category: 心因性

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記憶の種類 

記憶には大きく分けて2通りある。
一つは体で覚えた記憶である手続き記憶
もう一つは頭で覚えた陳述的記憶である。

手続き記憶は自転車の運転や楽器の演奏、
スポーツなど時間がたっても割と体が
動いてくれるのがこの記憶だ。

また陳述的記憶
さらにエピソード記憶意味記憶に分かれ
情報に基づいて頭で覚えている記憶である。
エピソード記憶はいわゆる思い出と言われるもので
経験の中で蓄積された記憶になる。
また意味記憶は単語や歴史の年号など
反復することで記憶される種類のものである。

一般的に手続き記憶は長期間持続して
憶えているものであるが、
陳述記憶は年月がたつことで忘れ去られやすい
記憶になる。

経験は知識に勝るのはこのためかもしれない。
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記憶される場所 

記憶短期記憶から反復することで
長期記憶に移行することがある。

短期記憶は大脳辺縁系にある海馬で記憶される。
短期記憶は一時的な記憶ですぐに削除されてしまため
パソコンでいうメモリのような存在である。

また長期記憶は陳述記憶(頭で覚えた記憶)と
手続き記憶(体で覚えた記憶)の二つで
それぞれ記憶される場所が違う。
まず陳述記憶から。陳述記憶は最初に海馬にいき、
ジャンル別に整理される。そして不要な情報は
削除され必要な情報だけ大脳新皮質に記憶される。
パソコンでいうハードディスクの役割である。

手続き記憶のハードディスクは小脳
大脳基底核の被殻尾状核である。
小脳は体のバランスをとる運動学習の器官である。
大脳基底核も他の部分と連携しスムーズな動きを
できるように調節する。

短期記憶は海馬で行われ、反復により
長期記憶に移行する。
頭で覚えた記憶は大脳新皮質で、
体で覚えた記憶は小脳、被殻、尾状核で
記憶されていく。
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ラケットでボールを打ち返すときの運動指令 

ボールを打ち返すときは考えることなく
無意識に体が動く。
ではどのようなメカニズムで
体は反応しているのだろう。

まず最初にボールが目に入る。
その目から入った視覚情報は視覚野から
側頭連合野へ送られて「ボールだ」と認識される。
そして頭頂連合野でボールの距離や方向、スピードを
割り出す。
そしてそれらの情報がまとめられ、
前頭連合野から指令が出る。
そして運動連合野に「打ち返せ」という指令が伝われば
運動野から脊髄に命令がいく。
その時大脳基底核ではどんな運動を行うのかを選択し、
小脳では動きのずれを微調節している。
そしてそれらの情報が脊髄神経、筋肉と伝わり
運動が生じる。

 視覚野:目から脳へ最初の刺激
  ↓
 側頭連合野:物体が何かの認識
  ↓
 頭頂連合野:距離・方向・スピードなどの空間認識
  ↓
 前頭連合野:情報をまとめ行動の決定
  ↓
 運動連合野:運動の命令を発する
    ※大脳基底核:運動の選択
  ↓
 運動野:筋肉に運動の命令を送る
    ※小脳:運動のズレの修正  
  ↓
 脊髄:運動神経から筋肉に命令
  ↓
 筋肉:ボールを打ち返す         

ボールを打ち返すという動作においても
これだけ多くの脳の部位が働いている。
そして人によってこれらの能力の高い低いがあり
それらを補正しあいながら運動が行われる。
一概に筋力をつけるのではなく、
繰り返しの練習によりこれらの能力の活性化や
補正により上達していくのである。
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体のリズム 

体には1日のリズムであるサーカディアンリズム
備わっている。
これは一日の周期で体温の上下を
コントロールしており体内時計のようなものである。
体温が上がれば体は目覚め
体温が下がれば眠くなる

この目覚めと眠気に関わるのが
睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンである。
メラトニンは脳の松果体でつくられ、
太陽の光によって反応する。
光が当たることでメラトニン(睡眠ホルモン)は下がり、
暗くなることでメラトニン(睡眠ホルモン)は上昇する。

よく朝方と夜型と言われるが、
朝方の人は起床とともに体温上昇が生じ、夕方に体温は
ピークに達する。その後徐々に下がり眠気が起こる。
夜型の人は起床時にはなかなか体温が上がらず、
夜に体温上昇のピークを迎え、夜になってもなかなか下がらない。
就寝前の体温を測っていけば自分が朝型か夜型か判別しやすい。
徐々に体温が下がっていけば朝方。
体温が下がらない場合は夜型である。

時差ぼけではこれらの刺激が変化するため
体のリズムが崩れることも原因となる。

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頸椎の鑑別 

頸椎の障害で、頸~上肢に症状がある場合
何による障害なのかの鑑別は徒手的治療を行う上で
大切である。

頸椎の場合
 椎間関節症
 椎間板性障害
 椎間孔狭窄症

 その他として胸郭出口症候群が必要である。

椎間関節症では伸展で痛みが生じ、関連痛が生じることも多い。
圧痛による再現がなく運動時痛は鋭い痛みが特徴。
(安静時は鈍痛があることも多い)モビライゼーションにより
伸展時の痛みは軽減もしくは消失する。

椎間板性障害では圧迫テストで重だるい痛みが
再現されることが多い。
下を向いてると徐々に症状が出てくる場合や
フォワードヘッドの人に多い。
頸のマッケンジーを行うことで軽減もしくは消失する。
1日あたり80回(40回を2回、10回を8回でもよい)
を目安に行うことで、下部頸椎の伸展可動性改善と
フォワードヘッドの改善が期待できる。

椎間孔狭窄症ではスパーリングテストにより
上肢への放散痛が特徴である。これは神経根へ
ストレスを与えるため、限局的な痛みではなく
放散痛が出ることが重要である。
神経根炎があれば、安静時でも症状が出現していることもある。
椎間孔の狭窄があれば、頸椎のモビライゼーションや
反体側へのストレッチなどにより狭窄部の開放が
必要となる。開放することで炎症のない神経根は
症状が減少もしくは消失する。

その他では胸郭出口症候群がある。
アドソンテスト、ライトテスト、エデンテストなどで
斜角筋症候群、小胸筋症候群、鎖骨下症候群を確認する。
斜角筋、小胸筋症候群であれば筋の緊張・短縮の改善を。
鎖骨下症候群の場合は斜角筋の緊張・短縮の改善と
第1肋骨の尾側モビライゼーションを行う。
これらのアプローチにより症状は軽減・消失する。

これらの症状は混在していることも多く、
アプローチ前とアプローチ後に症状の確認をすることで
仮説の検証を行うことができる。
また日によって他の障害に変化することもあるため
先入観を持たずに評価していくことは
重要である。
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Category: 頸椎

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指の痛み 

手指は細かな作業を行うのによく使う部位である。
昔は指の節が太い人は器用な人が多いと言われたのは
指をよく使い関節が変形しているため
(へバーデン結節)とも言えるのではなかろうか。
おそらくよく使うから器用になる。変形する。
という関係なのだろう。

指の痛みにはその他に
腱腱周囲炎・筋膜炎・腱鞘炎がある。
腱腱周囲炎・筋筋膜炎はいずれも機械的ストレス
繰り返し起こることで生じ、腱鞘炎は
腱鞘炎は腱鞘部のストレスによる腱鞘滑膜の
炎症とそれに伴う肥厚
が原因である。

手指を使った繰り返しの作業による
過負荷誤使用が繰り返される機械的刺激となる。
その後、炎症→浮腫→組織の線維化→機能障害
と段階的に変化し局所のストレスはさらに増大する。
それがさらに機械的刺激となり悪循環が形成されるのである。

また腱鞘は靭帯性腱鞘滑膜性腱鞘の2層構造となっており、
その中を腱が通る。
滑膜性腱鞘が炎症を起こしたり肥厚することで
靭帯性腱鞘を通る時に、弾撥現象を起こすことがある。
いわゆるバネ指である。
バネ指は構造的問題が大きいので保存療法での改善は
困難である。過負荷や誤使用を軽減し、炎症に伴う
症状の減少と日常生活管理が基本となる。

また腱鞘炎のテストではFinkelstein testが有名である。
上記テストの陽性、自動・他動・等尺性抵抗での筋収縮時での
痛み。炎症の四徴候。圧痛点の部位などが臨床所見となる。
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Category: 手指

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問診からどのようにつなげていくか 

患者を動かす前に
 聴く→問診
 診る→視診
 触る→触診
が大事である。今回は問診について。
問診は聴くことによって
社会的な問題、能力的な問題、機能的な問題
把握し明確化するとともに問題を絞り込むこともできる。
適格に問診することにより、余分な評価を省略し
より必要な情報を絞り込むことができる。

まず生活の関連を聴きとる場合に、
「何に困っているか?」
「何が不安か?」の二つを聴くとよい。
まず「何に困っているか」は現実的に
問題になっている部分を明確化
することができる。
また「何が不安か?」を聴くことで本人の精神的な
苦痛を理解
することができる。
何が起きているのか?いつよくなるのか?どうすればいいのか?
などの情報を引きだすことができる。

また症状を聴く場合に
「どこ?」    解剖学
「どんな?」   生理学
「どうしたとき?」運動学
で考えることができる。これら症状から予測することで
必要な評価の絞り込みを行うことができる。

主要な因子が確認できたら、次は
「どうしたときに悪化するか?」を聴くことで
増悪因子を見つけることができる。
これにより悪化する原因を排除し、より回復を円滑に
進めることが可能
になる。

また他にも
「なにがきっかけか?」→受傷機転、増悪因子の把握。
                 日常生活での注意点がわかる。
「家族構成や仕事は?」→手伝ってもらえるマンパワーや
                仕事での必要能力、増悪因子の理解。
「他の病気は?    」  →内臓系の問題・リスク管理
などがある。
治療効果を判定する際も、いかに聴くかは重要である。
また質問をする場合はOpen-ended question(開かれた質問)
Non-directive question(閉ざされた質問)を使い分ける。
Open-ended questionではセラピストの先入観を排除し、
できるだけ患者の情報を多く取り入れることができる
デメリットは多くの情報の為、整理する必要があることと
時間を多く必要とする。
またNon-directive questionはこちらの欲しい情報のみを
聴きだすことができる。
デメリットはセラピストの先入観があると客観性を
損ねる場合があるのと、質問により誘導してしまう可能性があること。

これらのバランスによりより質の高い評価や治療そして
効果判定が行えるだけでなく、
ニーズやデマンドの把握といった満足度にも影響は波及する。
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Category: 評価

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記憶の忘却 

長期記憶も使わない記憶は時間とともに忘却される。
長期記憶には限度があり多くため込むことで
神経ネットワークが複雑になるのを防いでいるのである。
これはハードディスクの容量が多くなると
検索に時間がかかるのと同じ理由だ。

また年齢とともに集中力の低下や検索力の低下が起きてくる。
ネットワ―クの複雑化も影響してくる。
これは記憶力の低下が脳細胞の数が減少から生じるものでなく
これらの影響によるものである。

ストレスも記憶に関与する。
グルココルチコイドが増えると海馬は萎縮を生じやすくなる。
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認知症の症状 

認知症とはいったん発達した知的機能の低下により
社会生活や職業生活に支障をきたす状態のことをいう。

原因は脳血管性のものが約15%。
アルツハイマー型のものが約60%を占めると
言われている。

認知障害が主症状となるが具体的には
・実行機能の障害
・抽象思考の障害
・判断の障害
・失行
・失認
・失語
が中核症状といわれるものである。
また直接的ではなくこれに伴い出現する症状を
周辺症状といい、
・妄想     ・せん妄
・不安     ・焦燥
・幻覚     ・睡眠障害
・多弁     ・多動
・依存     ・異食
・過食     ・徘徊
・不潔     ・暴力
・暴言
などがこれに当たる。

現在、認知症に対する知識や技術を有する人材が不十分である点、
効果的な評価法が確立していない点など課題が残っている。
また学術的な根拠に基づいた予防の取り組みは少ないのが
現状である。
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目次(H22.8.13~12.26) 

今年8月から12月までブログ件数は160件を
超えることができました。
これも皆様のおかげと感謝しております。

皆さまからの要望で
「目次を作って見やすくしてほしい」
という意見がありましたので
今回有料記事で目次を作らせてもらいました。
H22.8.13?12.26
までの記事を
カテゴリー別に分け
別窓で表示できるようになっております。
まとめて記事を読みたい方は
使いやすいのではないでしょうか。
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それではこれからもよろしくお願いいたします。
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2010-12
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