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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

2011年09月の記事一覧

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中枢神経による安定性と運動性 

姿勢と運動を制御するためには
姿勢の調節体軸筋群を働かせ、
安定性に関与する神経系と
四肢の運動の調節を行い、
運動性に関与する神経系が必要である。

これらは脳から脊髄に下行する神経で
安定性に関与するものを腹内側系
運動性に関与するものを背外側系と言われる。

腹内側系(安定性に関与)は
橋網様体脊髄路視蓋脊髄路間質核脊髄路
前庭脊髄路前皮質脊髄路が含まれる。

背外側系(運動性に関与)は
外側皮質脊髄路赤核脊髄路
皮質延髄網様体脊髄路が含まれる。

また体幹の安定性には関節や筋が
全体パターンとしてでなく
協同して動くことが必要であり、
関節間の分節(segmental)や
筋膜連結による多分節(multi segmental)が
重要である。
これにより安定性を準備し、分節を促す。
これは全体パターンの運動から分離した動作を
示すことになり運動効率を大幅に改善することになる。

外部環境を認知し、身体図式(body schema)を
構築する。そして固有感覚のコントロールとともに
運動性(背外側系)と安定性(腹内側系)により
筋・腱、関節、前庭によって姿勢と運動を起こしていく。

人間の体は多くのシステムから
外部環境と内部環境を形成し
適応している。
人間の精密な動きを再現するには
まだまだ機械では難しいのかもしれない。
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疼痛と障害器官 

痛みには各器官に特有の感覚がある。
主観的な感覚であるため人それぞれの
表現があるが、ある程度の
予測を立てることができる。
この指標だけでどの器官の障害かを
特定することはできないが
参考にすることはできる。

筋による痛み
 鈍い、締め付ける 
 ※トリガーポイント形成時は関連痛が
  生じることもある。

神経による痛み
 走るよう、焼けるよう、鋭い
 ※神経支配領域に生じる
  神経根→硬膜にストレスがかかり
      放散痛が生じる。
  神経幹→知覚異常や異常感覚(針で刺すような痛み)

血管による痛み
 脈打つよう、広がる

骨の痛み
 えぐられるような、深い
 ※限局し放散しない

初回の評価では問診から訴えを聴くことが多い。
訴えやこちらの問いかけから
問題となるものを絞り込んでいくが
これらの情報から何を考えていくのか。
クリニカルリーズニングの
はじめのステップとして重要である。

1)Magee DJ:Orthopedic Physical Assessment 4th
 ed.Saunders,Philadelphia,2002
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頸椎と上部胸椎の問題 

頸椎と上部胸椎の問題では
様々な症状の訴えがある。
頭痛肩から上肢の痛みしびれなどである。
限局した痛みであれば筋や関節を疑うが、
広範な痛みの場合判断に戸惑うことは少なくない。
単発の症状がいくつか存在しているのか、
筋のトリガーポイントや関節による関連痛か、
それとも神経痛か。
訴えのみで判断したり、自分の経験による先入観で
決めてしまうのではなく、
ゼロベースから評価で
仮説を積み立てることが重要である。

頸部・肩・上肢痛から問題になるのは
椎間板性椎間関節性筋筋膜性である。
それぞれの症状もまたいくつかに分類され
症状やアプローチが変わってくる。
次回からそれぞれの問題について述べていく。
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頸椎の椎間板性症状 

頸部・肩・上肢痛から問題になるのは
椎間板性椎間関節性筋筋膜性である。
今回はその中でも椎間板性の問題について述べる。
椎間板による症状は
椎間板性疼痛神経根症状
筋筋膜性症状脊髄圧迫症状に分かれる。
いずれも発症の原因は
むち打ちなどの外傷や同一姿勢が
問題となることが多い。

まず椎間板性疼痛について述べる。
椎間板性疼痛の症状は
痛みが生じる方向と運動制限の方向は
一致しない症状が出現する。
痛みは関連痛で数ヶ月程度間欠的に生じる。
アプローチとしては
急性期では局所安静と姿勢指導。
亜急性期から中心化現象※1があれば
伸展運動(顎を引く動作)また姿勢指導や
ADL指導を行う(屈曲動作や姿勢を避ける)。

神経根症状では
頚の運動で痛みやしびれなどの症状が出現。
髄核の後外側の膨隆によるものが多い。
髄節と一致した部位の筋力低下・感覚障害・
腱反射の減弱が認められる。
アプローチは
急性期では局所安静や姿勢指導。
牽引(外傷であれば禁忌)。
亜急性期から末梢化現象※2がなければ
伸展運動を行う。

筋筋膜性症状では
外傷部分の保護の目的で
筋スパズムが生じることが原因である。
筋の痛みや絞扼性症状などが多い。
長期化すると慢性疼痛の
原因となることも少なくない。
アプローチ
急性期ではリラックスやテーピング。
亜急性期から自動運動、ストレッチ、
モビライゼーションを行う。

脊髄圧迫症状
痙性やクローヌス、四肢麻痺などの
不全麻痺が生じる。
運動療法は禁忌となり、
医師報告が必要となる。
その後のアプローチとして
外科治療や脊髄損傷のプログラムとなる。

頸部の症状はいくつかの混在型が多く、
また症状も多彩である。
そのためそれぞれの症状を知っていることが
鑑別の近道となる。

※1中心化現象
 伸展の繰り返しで症状が中心の
 脊椎に収束され改善されること。
※2末梢化現象
 屈曲運動の繰り返しで症状が末梢の
 上肢に広がり(末梢化現象)悪化すること。
 
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Category: 頸椎

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頸椎の椎間関節性症状 

頸椎の椎間関節の症状は
椎間関節ロック頸椎捻挫頸椎症に分かれる。

まず椎間関節ロックから述べる。
椎間関節ロックは椎間関節部で
滑膜ひだが挟まることが原因で
生じる症状である。
緊張や短縮による制限が生じる。
1分節もしくは数分節に症状を有し、
非対称性の機能異常と
特定の運動方向の痛みが生じる。
アプローチは痛みの少ない方向へ
最大可動域を保持し、
等尺性収縮後弛緩で徐々に
可動域を改善していく。
(筋の緊張が軽減されるとともに、関節包に付着する
多裂筋・回旋筋の収縮で関節包が伸張され
滑膜ひだが解放される。)

次に頸椎捻挫について述べる。
頸椎捻挫では頸部支持組織の損傷、
椎間孔・横突孔の出血や浮腫や
その他として椎間板や頚髄に
障害を受けることもある。
筋筋膜性疼痛が多いが、
大後頭神経の絞扼性症状(片頭痛・後頭部痛)、
交感神経症状や神経根症状、
頚髄横断麻痺や中心性脊髄麻痺などが
合併することもある。
アプローチは急性期では安静、姿勢指導。
症状が軽い場合は、損傷部以下のリリーズや伸張
(脊髄損傷がある場合は禁忌)
亜急性期では自動運動や症状に合わせて、
筋筋膜、関節、神経に徒手的アプローチを行っていく。

最後に頸椎症について述べる。
頸椎症は退行変化により
骨棘が形成されることが原因である。
骨棘が関節外に広がり関節包を伸張したり、
関節孔を狭窄、運動時に神経根にストレスをかける。
また痛みの過敏な組織を刺激することもある。
時期によって症状は変化する。
初期では運動痛や防御性収縮が出現する。
中期では特定の運動方向の痛みや骨膜の圧痛。
後期になると同一姿勢で症状悪化、
運動や筋に対するアプローチで
一時的な軽減が認められる。
アプローチは急性期では姿勢指導、物理療法、
軽度のモビライゼーションからはじめ、
亜急性期では筋筋膜、関節、神経に
徒手的アプローチを行っていく。
また自主訓練や日常生活指導も重要である。

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Category: 頸椎

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頸椎の筋筋膜性症状 

筋筋膜性の症状では
前方頭位姿勢(forword head)と
胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome)
がある。

前方頭位姿勢では
上部頸椎(0~C2)、下部頸椎と上部胸椎の
可動域制限と筋緊張増加、
中部頸椎の過剰運動性と筋スパズム。
顎関節の機械的ストレスに伴う咀嚼筋の緊張。
具体的には後頭下筋群の緊張に伴う
大後頭神経の絞扼と頭痛。
後頭下筋群、肩甲挙筋、僧帽筋上部線維、胸鎖乳突筋、
斜角筋の短縮やトリガーポイント。
(頭痛・項部痛・肩甲帯周囲の疼痛や上肢痛)
咀嚼筋の緊張と疼痛による顎関節炎や顎関節症。
アプローチとしては
頭部牽引や筋膜リリース、
軟部組織モビライゼーションや
関節モビライゼーション、
神経モビライゼーションを
などを症状に合わせて行う。
また姿勢指導として頭部後退や伸張運動などを
指導しても良い。

胸郭出口症候群
前・中斜角筋の短縮やそれに伴う
弟1肋骨の挙上、小胸筋の緊張などにより
腕神経叢や鎖骨下動脈の圧迫などによって生じる。
腕神経叢の絞扼ではしびれや異常感覚、
筋力低下が生じる。根性症状ではないので
髄節やデルマトームとは一致しない。
また鎖骨下動脈の絞扼では末梢性のしびれや
痛みが生じる。
アプローチとしては斜角筋・大胸筋・小胸筋に
軟部組織モビライゼーションを行う。
第一肋骨や上部胸椎に対し
関節モビライゼーションを行う。
姿勢指導として頭部後退や
肩甲骨の後退・下制などを症状に合わせて行う。

1)Stratton SL,et al:Dysfunction,elevation,treatment
 of the cervical spine and thoracic inlet.Donateli RA,
 et al(eds):Orthopaedic Physical Therapy.
 Churchill Livingstone,New York,1989,pp71-108
2)Saunders HD:Evaluation,Treatment and Prevention
 of Musculoskeletal Disorders.Park-Nicollet Medical
 Center,Minnesota,1985
3)McKenzie R:Treat Your Own Neck.Spinal
 Publications New Zealand Ltd,New Zealand,1983
4)森健躬:頚診療マニュアル,医歯薬出版,1988
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Category: 頸椎

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深層心理とトラウマ:脳との関係 

脳には理性を司る部分と
情動を司る部分が存在する。
胎児期から3歳までは海馬などの
エピソード記憶に関連するところは未発達であるが
扁桃体視床下部など情動と関連する部位は機能している。
そのため、意識にはないが無意識の中で
感情的な記憶として残っている可能性があると言われる。

扁桃体は表情認知機能があり、
相手の表情に体して無意識で
条件反射的に反応し行動を起こす。
3歳以降には海馬が発達してくるため
少しずつエピソード記憶などの
短期記憶が機能しはじめ、
前頭葉でワーキングメモリー(作業記憶)、
側頭葉で長期記憶が機能する。
理性を司るのは前頭連合野になり、
情動のコントロールが行えるようになってくる。

通常は情動を常に監視し、
理性でコントロールを行っている。
しかし、トラウマに関わることになると、
理性は機能せず、情動による無意識の
条件反応が生じてしまう。
扁桃体感情記憶であり、
具体的な内容は意識化されない。
ある出来事に対する感情がそのまま発動し
無意識的に反応を生じてしまう。
基底核に過剰な反応が生じる場合は、
イライラし反発するようなわがままな行動が表出され、
辺縁系に過剰な反応が生じる場合は、
落ち込み過剰に適応しようとする行動が表出される。

幼児期に何かの行動をしたときに
親からひどく怒られてしまったときや
相手にされなかった時など
自分は愛されていないんだ。
と誤って認知してしまうことがある。
大人になると忙しかったからとか
自分のためにいってくれたと解釈できるが、
知識や経験のない子供には理解できず
大人にはわからないような
解釈をすることも少なくない。

しかし、その時の感情記憶は
そのまま感情として残っていることも多く、
それに関わる視覚情報や出来事で
無意識に反応を起こしてしまうのである。
どうして自分はこんなことで怒ってしまうのだろう。
どうしてこんなことで落ち込んでしまうんだろう。
人から見てもおかしいと思うし、
自分で考えてもおかしいと思う。
しかし、また同じような場面で
また同じ行動をとってしまう。

人間は意識で行動しているようで、
実は無意識で行動していることも多い。
なぜか自然とこういう行動をとる。
こうするとなぜか落ち着く。
こういう人は生理的に受けつけない。
こういう行動をとる人の気が知れない。
理由は考えないと答えられないのだが、
なぜか先に反応を起こしてしまう。
厳しく育てられると、
様々なことに反応することも多くなる。
それは自分の意識のようで
まだ感情記憶しかできなかった頃の
条件反応の名残なのかもしれない。
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Category: 深層心理とトラウマ

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深層心理とトラウマ:ストレスによる脳の変化 

何らかの出来事に対して
無意識的に苛立ったり、落ち込んだり、
コントロールできない感情と行動が生じる。
それは幼少期の思い出すことのできない
感情記憶による影響があることはすでに述べた。

人は意識的に動いているようで
実は無意識に依存して行動していることも多い。
うまく他者や社会環境に
適応している場合は問題ないが、
自分の心に翻弄され適応できなくなると
葛藤が生じストレスとなっていく。

本当はそんな気持ちじゃないのに
わがままに接してしまったり、
相手の顔色ばかり伺って、
自分の気持ちが言えなかったりである。

また幼少期に自分の欲求が
満たせてもらえなかった
ことの不満は
「愛されていないんだ。」
という解釈となれば長期にわたって
ストレスに苦しむことになる。

長期間のストレスを受けると
副腎皮質ホルモン放出因子
(CRF:cortictropin releasing factor)
が増加する。扁桃体部分で増加すると
前頭葉の機能低下海馬の萎縮(約10%)などが
認められている。
これらの影響はセロトニン受容体の低下を生み、
やる気の減少や否定的な感情となる。
またそれに伴い、不眠や情動の過活動が誘発され
前頭葉の機能はさらに抑制される。
前頭葉の機能低下が生じると、
理性での判断が効かず、情動で行動しやすくなる。
また記憶の断片化が生じるため、
不快な体験が部分的な記憶となり、
前後の関係性がつかめず
誤った解釈をしやすくなる。

最近マスコミでもよく使われる
PTSD(心的外傷後ストレス障害)※も
副腎皮質ホルモン放出因子の増加が
30%の患者で認められており
関連性が指摘されている。

ストレスそのものが
前頭葉の機能を減少させたり、
海馬を萎縮させたりと
脳の機能を変化させてしまう。
それにより理性が働きにくくなり、
記憶が断片化し悪い解釈を生じやすくなり
悪循環を生み出してしまう。

ストレスの溜まりやすい人が
悪循環となりやすいのは
このようなメカニズムが関連するためである。
三つ子の魂百までとはよく言ったもので
このようなことを祖先は経験的に
知っていたのかもしれない。
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Category: 深層心理とトラウマ

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深層心理とトラウマ:ストレスによる体の反応 

ストレスは万病の元と言われるが、
なんで心の影響が体に影響を及ぼすのか
いまいちピンとこないという人も
多いのではないだろうか。

近年、心は脳に存在し脳が神経を伝って
体中に影響を及ぼすことが知られている。
ストレスによって影響を受けるのは
免疫系・内分泌系・自律神経系である。

免疫系ではドーパミンは免疫に関わる
リンパ球を活性化させる働きがある。
ストレスを受けるとドーパミンは減少し、
リンパ球の働きが減少してしまう。
リンパ球が減少すると免疫に関わるため
病気にかかりやすくなったり、
治りにくくなったりする。

内分泌系ではストレスが扁桃体、
副腎に作用するとストレスホルモンである
コルチゾールやアドレナリン、
ノルアドレナリンが分泌する。
これらのホルモンの分泌は
胃潰瘍・心臓病・糖尿病などの
病気になりやすくなってしまう。

自律神経系では視床下部から
中脳に刺激が伝わり
自律神経中枢が反応する。
交感神経の興奮に伴い、
副腎髄質から扁桃体に刺激が伝わっていく。
交感神経が興奮すると
闘争(fight)か逃走(flight)の反応が生じ、
副交感神経が興奮すると
すくみ(freezing)の反応が生じる。

このようにストレスは脳だけでなく
体の内部に影響し病気を作り出したり、
自律神経の影響で行動に
影響を及ぼしたりする。

またストレスに対する反応は
環境による影響もあるが
生まれもっての
遺伝によるものも影響する。

次は生まれもっての遺伝について
どういったものが関係するのか
述べていきたいと考える。
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Category: 深層心理とトラウマ

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深層心理とトラウマ:遺伝の影響 

たとえ親と子であっても
受け継がれる遺伝子は
一緒ではないため、
親のことがわからない。
子供のことがわからない。
ということはよくある。

神経質な親とのんびりやの子供。
お互いが正反対なので
神経質な親はイライラするし、
のんびりやの子供は落ち込んでしまう。
こういったことが愛されていないと思う
きっかけとなることも少なくない。

元気いっぱいの子もいれば、
落ち着いている子もいる。
気持ちを爆発させる子もいれば、
気持ちを普段から抑えている子もいる。
親も同じで一人一人違う。

ではどういったものが
遺伝の影響を受けるのだろうか。

ドーパミンセロトニンの分泌量は
遺伝子である程度決まると言われている。
快感を感じたり、エネルギッシュに動いたりや
精神的なコントロールがうまいかどうかが
これらに関係する。

また精神的に依存しやすい傾向も
依存の遺伝子であるD2R2遺伝子
保有しているかどうかが大きい。
D2R2遺伝子は依存症の人の50-80%が
保有していると言われている。
このD2R2遺伝子は対立遺伝子で
ドーパミンの受容を阻害。
普通の人より快感を
得られにくい体質となり、
これが報酬不全症候群に結びつくのである。

また民族性の違いも影響する。
国によって言語だけでなく、
性格の特性も違う。
これも遺伝子の影響を受けている。

日本人は傷つきやすいS遺伝子を多く持つ。
S遺伝子はセロトニン再取り組み
レセプターの数が少なく、
セロトニンを伝達しにくいため
不安や悩みを抱えやすくなる。
それに対しL遺伝子はセロトニン再取り組み
レセプターの数が多く、
不安や悩みを抱えにくい。

日本人はS遺伝子のみが約68%、
S遺伝子とL遺伝子の両方が約30%、
L遺伝子のみは約2%と言われている。
アメリカ人はS遺伝子のみが約19%、
S遺伝子とL遺伝子の両方が約49%、
L遺伝子のみは約32%。

アメリカ人がポジティブなのは
遺伝の影響もあるのかもしれない。
ストレスの多い現代社会において
日本人はストレスを受けやすいことを
認識しておく必要がある。
ストレスをいかにして対処していくのか
逃げ方と攻め方をしっかりと
学んでいく必要がありそうである。
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深層心理とトラウマ:脳の改善と生活習慣 

脳の改善には
睡眠・運動・食事が関係する。
生活習慣において基礎となることであるが
現代社会では多忙と効率重視の社会環境により、
このような教育を受けずに育っている場合も多い。

またわかって入るけれども
なかなか変えることができず、
ついついそのままクセが
ついてしまっていることも多い。

睡眠は量も大切であるが、が重要である。
昼間に活動を高め、夜に活動を低下させる。
昼寝は30分以内にする。
こういったことで交感神経と
副交感神経のバランスを整え、
脳や体の回復を有効に行うことができる。

運動はストレス発散だけでなく、
脳の神経細胞を回復させるBDNF
(神経栄養因子)の分泌を高める。
そのためストレスなどでダメージを受けた
神経細胞を回復させるために重要な役割を果たす。

また栄養ではドーパミン・
ノルアドレナリンなどの
原料となるアミノ酸
セロトニンの原料になる、
トリプトファンが特に重要である。

ドーパミンノルアドレナリン
気力の向上やストレスに対抗するために
必要であり、
フェニルアラニン→チロシン→カテコールアミン
→ドーパミン→アドレナリン→ノルアドレナリン
と分解される。

セロトニンは気分の調節を行うのに
必要であり、
トリプトファン→インドールアミン→セロトニン
と分解される。
セロトニンが基底核部分で不足した場合、
前頭葉→線条体→黒質・淡蒼球→視床→前頭葉
のサイクルが過剰に興奮してしまう(特に視床)。
さらに基底核で「何だろう」
前頭葉の眼窩面で「何かおかしい」
帯状回で「注意を向ける」が
過剰に働き様々なことが気になり、
注意を切り替えることが難しくなり
不安やイライラを引き起こしてしまう。
(強迫神経症)

またコレステロールは男性ホルモンを作るが、
脂肪細胞のアロマターゼにより女性ホルモンも
生成される。コレステロール不足は
これらホルモン生成の異常を生じさせる。

過度なダイエットは
これらの栄養素の吸収を阻害し、
体だけでなく精神機能の障害も
生じてしまう可能性がある。

睡眠・運動・食事。
目先のストレスの対処や発散も大切だが、
日頃の生活習慣の見直しが
先決なのかもしれない。
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深層心理とトラウマ:スキンシップによる触覚刺激 

スキンシップによる心理的な効果は
経験したことがある人も
少なくないのではなかろうか。
子育ての分野でも見直されており、
しっかり子供を抱きしめることは
重要と育児書を中心に書かれていることは
多くなってきている。

ではスキンシップにより体の中では
どのようなことが起きているのであろうか。
誰かに触れられることによって、
触覚刺激が入力されると脊髄、間脳を通り、
大脳皮質で認知される。
ここで頭で触られているということが
理解されるのである。
その後、辺縁系、視床、視床下部、脳下垂体と
深部の脳に伝わっていき、
精神的な作用も現れる。

とくにA-10神経、側坐核、中隔核では
ドーパミンが分泌されることにより、
心地よい感覚が感じられることになる。
またこのドーパミンはリンパ球と結びつき、
免疫も高めることになる。
普段から楽しく過ごしている人は
ドーパミンの分泌も高く病気にも強い。

またドーパミンの他にも気持ちを穏やかにする、
セロトニン、オキシトシン、エンドロフィンなどの
物質も分泌される。

幼少期に十分なスキンシップを
受けることができなかった場合、
ピアス、タトゥー、過剰なアクセサリー、
リストカットやセックス依存症、
自分の体の一部を触る癖など
皮膚に刺激を与えるような行動を
とりやすくなるとも言われている。

またスキンシップ以外には「笑う」というのも
効果的である。笑うことでもドーパミンや
エピネフリンなどの分泌が増加することが
知られており、免疫も高まることが知られている。

馬鹿は風邪を引かないというが、
「ストレスを受けにくい人=馬鹿」や
「よく笑ってる人=馬鹿」という意味であれば
ある意味、当たっているのかもしれない。
心が満たされ、常に笑顔で物事を取り組んでいれば、
体の外の世界が良くなっていくだけでなく、
体の内部まで良くなっていくのは驚きだ。
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深層心理とトラウマ:トラウマによる条件反射 

なぜか突然怒ってしまう。
なぜか突然悲しくなってしまう。
そんな経験はないだろうか。
他の人に話しても
なかなかわかってもらえない。
また自分で考えてもよくわからない。
理屈じゃ説明できないけれど、
そんな感覚や行動が当然衝動的におこって、
理性では抑えきれなくなってしまう。

こういう反応が生じる場合は
トラウマが関与していることが多いとされる。
幼少期の感情記憶しか機能していない頃の、
純粋な心。純粋が故に大人の心がわからず、
知識や経験がないために
悲しみの記憶として残っている。

幼少期の記憶は長期記憶や
理性が働いていない時の記憶なので、
無意識な条件反射として残っており、
普段は意識化されず、抑圧されている。
またとても悲しい出来事ほど抑圧し、
普段は意識には上がってこないため
自分でも気づかないことも多い。

こうした無意識にある条件反射は
あれ出来事の状況が重なったときに
理性では制御できず、無条件で働いてしまう。
一種の癖のようなもので
簡単に修正することは困難なのである。

このときにでてくる条件反射は
大きく分けて2通りあり、
わがままに反発する問題児型
落ち込み過剰に適応しようとする
優等生型に分かれる。
正反対ではあるが自己を守ろうとする
過剰な反応であり、
個人の生まれもった遺伝子や環境によって
これらの行動は決められる。
不安や緊張が強くなる場合は問題児型となりやすく、
落ち込みや顔色を伺う、尽くしすぎる場合は
優等生型となりやすい傾向がある。

こういった無意識の反応がうまく機能し、
社会と適応している場合は問題ない。
しかし、社会と自己との間に不適応が生じた場合
慢性的なストレスとなりやすく、認識が必要となる。

人の心は意識で動いているようで、
実は無意識で動いていることの方が多い。
自分の意識で決めていると思い込んでいるが、
実は無意識で決めていることの方が多いのである。
いつも同じ場面で失敗する場合、
無意識の条件反射という
自分を縛り付けているのかもしれない。
こうして生じた葛藤は、
苛だちを怒りに変え、友情を嫉妬に変え、
快楽を中毒に変え、愛を独占に変えてしまう。

物事があまりにも悪い方に傾くことに対し、
周りのせいにしてなんとかその場を凌ぐ。
しかも何度も同じことが繰り返されると
これが自分の運命なのではないかと
あきらめてしまう。
運命ではなく、幼く無知な頃の
ちょっとした解釈の間違い。
その考え方の癖が未だに残っているだけ。
問題は目の前の出来事や相手ではなく、
過去を受け止め自分の考え方を変えていくこと。
そこに今までの流れを変えるヒントが
隠されているのではないだろうか。
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Category: 深層心理とトラウマ

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深層心理とトラウマ:誤帰属による認知 

ある結果が起こるためには
その原因となる過程が存在する。
良い結果が生まれるには
良い過程があるからで、
悪い結果が生まれるには
悪い過程があるためである。

こういった日頃の行ないが原因をつくり、
今の結果を生んでいて自分に帰ってくる
というのを仏教では因果応報と言われる。
しかし人は自らのストレスを軽減するために
誤った認知をすることがある。

人間は無意識的に欲望に負けることがある。
しかし、自分が欲望に負けたと受け入れるのは
まじめな人ほど受け入れがたい。
そこでそれに対し理由づけを考える。
自分が悪くない言い訳を理性で作り出し、
本当とは違う対象に帰す。
これを心理学用語で誤帰属という。

自分が悪いとするより、
他者や環境のせいにするほうが
ストレスにならないからである。
他にも相手に嫌われているのではと考えるとき、
相手が嫌っているのではなく、
自分は元からああいうタイプは嫌いなんだと
認識することもある。

目先で考えると楽なのだが、
相手や環境に問題があると認知すれば
問題をどうすることも
できないことに陥ってしまう。
そのため、自分自身の行動を
変えることで解決するという道が断たれ、
自分ではどうしようもできない問題として
解釈されることになる。
そういった誤帰属はどうにもできないため
慢性的なストレス状態を作り出し、
海馬や前頭葉のダメージを作り、
より理性の働きにくい脳へと
変化してしまうのである。

また幼少期のストレスも
こういった誤帰属を生じさせやすいので、
認識を難しくしていることも多い。

ストレスを感じるとき、
いつも誰かのせい環境のせい
していないだろうか。
誤帰属はストレスから一時的に
自分を守ってくれるが、
自分の可能性をたってしまうことにも繋がる。

辛いこと悲しいことは本当にきつい。
逃げても反発してもその場では避けられても、
ずっと自分の心の奥にモヤモヤと残ってしまう。

実は自分で自分の首を
締めているのかもしれない。
理屈で理解するのではなく、
受け止めた上で、心で納得すること。
そのためには誤帰属の呪縛を取り払うことが
必要になるのだと感じる。
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深層心理とトラウマ:トラウマとその対処法 

トラウマには大きく分けて2種類ある。
一時的で強烈なトラウマのことを
シングル・トラウマという。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)も
これに分類される。
また幼少期だったり、
長期間もしくは複数のものを
コンプレックス・トラウマという。
このコンプレックス・トラウマが
無意識的な条件反射を起こす。
両親に対してトラウマがある場合、
成人後、親に触れられるもしくはそれを
想像したときに緊張・不快・拒絶感という
負の感情が生じる。こうした反応が
コンプレックス・トラウマを確認する
ひとつのテストとして用いられることもある。

幼少期に親に甘えたり、
しっかりスキンシップがとれることで
精神的な発達が起こり
アイデンティティーは確立される。
依存性が低下し自立することで
他人の自由を受け入れられることが
できるのである。

両親の愛が不足すると、
反発し問題児になるか、
過剰適応し優等生になりやすい。
そうして社会と自分の間で
不適応を生じることで
長期的なストレスをうける。
前頭葉による理性的な
判断が困難になることで
誤帰属が起き、より対処不能になる。
こういった悪循環をいかに断つかが大切になる。

こうしたトラウマの反応が特に問題になるのが、
恋人ができたときや結婚したときである。
子供の頃の寂しい気持ちが
コンプレックス・トラウマとなり、
無意識の条件反応を起こす。
その反応を起こす相手は
恋人妻・夫などのパートナーに
向かいやすいのである。

どんなにパートナーに要求しても
親ではないので満たされることはない
しかしながら誤帰属を起こしており
自分では自覚できないため、
満たされないのは相手のせいだと
錯覚してしまう。
さらに依存性を愛情と錯覚し、
過剰な要求により相手を
管理しようとしてしまうのである。

さてこのようなトラウマによる
条件反射に対して
どのように対処していけば良いのだろうか。
まず自分自身から
まず誤帰属に気づきトラウマを認識する。(理解)
苛立ったり、落ち込んだりの
感情の傾向を把握する(納得)。
 →社会適応するため不適切な感情表出を抑制する。
情動と切り離す(アプローチ)。
トラウマを認識することで
標的となる情動を把握できる。
そこではじめて理性による
抑制が効いてくるのである。

次に相手がトラウマによる反応を起こした場合、
どう対処すれば良いだろうか。
ここでは理屈で落ち着かせようとしても
無意識での条件反射なので
抑まらないことを留意しておく必要がある。
そして次に大切なのは相手のその反応を
受け入れないことである。
同情したり優しく接することで
どんどんエスカレートしていく。
コンプレックス・トラウマが本質であり、
他の人がどんなにがんばっても
満たされることはない。
そうすると満たされないことが誤帰属により
相手のせいだと認識するために
わがままや不満はより強くなってしまう。
自分が楽になるためには
相手が変わってくれればいいと
考えてしまうのである。

同情や優しさは
より傾向を助長してしまったり、
心の病に導いてしまうということも
起こりえるのである。

前に進もうとしてもなかなか進めないとき、
思ったようにいかないとき、
少し立ち止まることが必要なのかもしれない。
目の前のことに必死になっていたが、
本当の問題は自分自身という
身近なところに存在するのかもしれない。
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深層心理とトラウマ:親から受け継いだ価値観 

自分の持っている価値観は
親から受け継いだものが意外に多い。
これだけは許せない。
こんなの常識だろう。
なんでこんなことも知らないんだ。

こう無意識に感じてしまうが、
それは自分自身で作ったものではなく
親から受け継いだものが多いのである。
なぜ許せないのか?
本当に常識なのか?
みんな知ってることなのか?
どんどん掘り下げて分析していくと
具体的な部分は見えてこないことも多い。

そのため、いざそれを誰かに教えようとすると
相手にわかるように説明することが難しいのである。
自分で自発的に学んだことや
経験は相手に説明しやすいが、
人から聞いたことは説明が
うまくできないのである。

こうした人から学んだ価値観
自分の中で思考回路を作り、
理性的な行動基準をつくる。
しかしながら、まじめな人の場合は
こういった価値基準が多すぎて
いったいどれを選べばいいのか
混乱してしまうのである。
またそのような価値基準はによって、
環境によって、時代によって
適応できない場合もでてくるため、
多くの価値基準がある人ほど
悩むことが多くなってしまうことも多い。

では価値基準を形成するのに影響の多い、
親の叱り方についていくつか挙げていく。
あくまで傾向であり、遺伝的な傾向や
本人の解釈によって変わってくるため
絶対的なものではないことを付け加えておく。

人前で過度に緊張する
 →・親が自分をけなすような
   言葉を良く使っていた。
  ・親が世間話が好きだった。
  ・比べられることが多かった。
  人にどう見られているのか不安になりやすい。

引きこもり
 →・親の価値観を押し付けられた。
  親の価値観が社会の価値観だと思い込みやすく
  期待通りできない自分は社会に
  受け入れられないのではと悩む。
  実際は繊細で純粋な人に多い


パートナーに不満を感じやすい
 →・親がよくパートナーの悪口を言っていた
  対人関係で相手の悪いところを
  見つける神経回路が作られやすい。


何が問題でどこを直せばいいのかわからない
 →・親がせっかちでとにかく
   「急いで!」「早くして」とスピードだけを
   求められてきた。


毎日がつまらない。自分から何かを変えることができない
 →・親が怒りやすく顔色を
   見ながら生活することが多かった。
  ・与えられることが多かった。

パートナーや友達を束縛してしまう
 →・両親の不仲・離婚・死別
   いなくなるのではと不安になる。
   人間関係は不安定なものだと思い込む。
   束縛が激しくなる場合と尽くしすぎる場合がある。


反省できない。自分の直すところには意識が向かず、
いつも誰が悪いかばかり考えてしまう。

 →・親が叱るときに「お母さんが悪いの?
   あなたが悪いんでしょ?」とか
   「誰が悪いんか言ってみなさい!」
   など誰が悪いのかという叱り方をされ、
   どうすればいいのかを考えたり、
   教えられる機会がなかった。

公私の区別をつけることができない
相手の考えを認識できない

 →・自分のものと人のものの区別を教えられなかった。

自己主張ができない。自分の目的や生き方がわからない。
 →・自分で決めながら成長できなかった。
  親の顔色が自分の行動基準だった。

親が怒ったり褒めたりすることだけでは
子供は育たない。それだけでは親の価値基準のみで
判断してしまい現実社会では適応するのが難しくなる。
モラルは教えなければ子供はわからないが
怒ったり褒めたりする以上に大切なのは
子供自身にいかに経験をさせるか。
いっぱい痛い思いをすることで、
次に痛い思いをしないために
どうしたらいいのか考える。

経験からストレスに対応する能力
(問題解決能力)が身につき、
それが選択したり、判断したり修正したり
様々な思考を行なうことになる。
学校教育のように問題から答えを導くのではなく、
現実社会では目標を設定し、
そこから問題が何かを
考えていくことが必要である。

問題を探す優先順位を立てる選択肢を選ぶ
行動を起こす結果と修正点を検討する。
こういった論理的な思考は
経験がなければ養うことができない。
親の言う通り行ない、学校でまじめにしているだけでは
こういった能力は身につくことがない。

外で自然とふれあって遊び、いろいろなものに触れ、
たくさんの人と出会い、いろいろな話をし、
いろいろな感情と触れ合いながら
泣いたり、笑ったり、怒ったりそういった中で
自分がどうすればいいか一生懸命考える。
そうやって情動の出し方や抑え方、
理性の使い方を様々な人や
環境に合わせていくことができる。

動物と違いヒトだからこそ
精神的な成長をしていくことができる。
こうした人間のすばらしい能力を
人生の中で生かしていけるよう
生活していきたいものである。
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深層心理とトラウマ:人間らしく生きる 

人間は情動理性の間で揺れ動く。
情動だけでも理性だけでも
生きていくことはできない。

賢く生きようとして苦しみ、
競争、妬み、残忍性などの
無意識の感情に振り回される。
現実は人を利用する側利用される側か。
支配する側支配される側か。
気を使わせる気を使うか
反発するか過剰適応するか。
のいずれかになる場合が多い。

これらを環境や個人によって
社会に適応させていく。
情動と理性を調和させることにより
はじめてそれが可能になる。
これらがうまく調和できないときに
トラウマが影響していることが多い。

トラウマは幼少期の経験によって生じるが
決して親が悪いわけではない。
親も未熟であったり、
そういう教え方しか知らなかったり、
また子供もそういう親の気持ちはわからなかったり、
解釈が間違っていたりしているだけである。
親が本当に愛していなかったわけではないが
自分の子供の頃の未熟さゆえの勘違いで、
大人になるまで納得できずにいただけである。

そういう悲しく思ってた自分を納得することができれば、
今まで無意識で、相手や環境のせいにしていた
意味不明な行動が理性でコントロールできるのである。
主観誤帰属し、「自分がわからない。」「親のせいだ。」
「これは自分の運命なんだ。」ではなく、
客観癖を知り、意識で修正する。
過去を変えることで失敗を繰り返さない
時間をかけ条件回路を修正する。
という順序を経て、新たな自分と人生を
手に入れていくことができるのではなかろうか。

過去を受け止めることで
過去を後悔していたものを
過去を理解していく。

自信は他人の評価ではなく、
自分自身が生きることを楽しむことで生まれる。

生きることは我慢して耐えることではなく、
人の目やプライドにとらわれず
希望や願いを求め続け、それに向かえるよう
考え行動し続けていくこと。

生きるにはテクニックやスキルだけでなく
精神性を磨くことが最も大切なことだと
最近になって思うようになった。
まだまだ学ぶことは多い。
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深層心理とトラウマ:まとめ1 

長くなったが深層心理とトラウマは
これで終わりとなる。
最後に今までの内容をまとめていきたいと思う。

日常生活で脳は情動を抑制しながら、
生活を送っている。
本能的な欲求をすべて表現していたら、
社会環境に適応できなくなるためである。

しかし、無意識での怒り落ち込み
コントロールできず、それが原因で
社会適応が困難になり苦しむことは少なくない。
頭でわかっていても
体がいうことをきかない状態である。
このように情動が抑制できない状態は
脳が不調を起こしている状態か
トラウマによる反応
起こしている状態の二通りある。

脳の不調では食事・睡眠・運動・ストレスなど
基本的な生活習慣が影響する。

食事では元気や快楽を感じるドーパミン
米などの穀物からとることが必要で、
精神のコントロールを行なうセロトニン
肉をとることが必要である。
男性ホルモン女性ホルモンの原料となるのは
コレステロールである。
こうした栄養素により、
体のホルモンの生成が行なわれ、
精神状態はコントロールされている。
実際に食事の20~25%のエネルギーは脳で消費され、
体内のブドウ糖、脂肪酸、トリプトファンの減少で
体は空腹を感じるようにできている。

睡眠では睡眠時間睡眠の質の2つが重要である。
睡眠時間は寝るのが遅い場合や、
休日に起きるのが遅くなったりすると、
時間が短すぎたり、長過ぎたりと
リズムが崩れる原因となる。
睡眠の質ではストレスが増加した場合、
神経系が過剰に働き
浅い眠り(レム睡眠)の割合が多くなる。
また昼間に動くことが少なくなり、
夜に頭を働かせると深い眠りが起こりにくくなる。
こうしたことにより脳の休息が十分行なえなければ、
脳の機能は低下してしまうのである。

運動自律神経系の働きを活性化させ、
神経スイッチのオン・オフが円滑に行なえるようになる。
また運動はBDNF(神経栄養因子)の分泌を高めるので、
ストレスなどでダメージを受けた脳神経を
回復させるのに重要な働きを行なう。

脳は食事ホルモンを作り、睡眠と運動回復する。
日頃の過度なストレスはこれらのバランスを崩すため、
うまく管理する必要がある。
脳は非常にデリケートな組織である。
どんなに修行した達人でも
長期的なストレス(3ヶ月間自分の弱点を言われ続けるなど)や
ドラッグによって容易にバランスを崩してしまう。
忙しい生活の中でこういった日常生活は
ついおろそかになってしまうことは多い。
女性がよく行なうダイエットも
精神的な問題を引き起こす危険性を
持っていることを認識していなければならない。
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深層心理とトラウマ:まとめ2 

トラウマによる反応では
前頭葉や海馬が未発達の幼少期に
原因となるコンプレックス・トラウマ
存在することが多い。
この時期の扁桃体中心の活動では
理性では考えることができず、
感情的な記憶が主となっている。
そのため、大人の気持ちや行動を
的確に認識しておらず、「愛されていない。」
誤った解釈を起こしていれば、
大人になってもこういった無意識の条件回路が残り、
それに近い状況や出来事において、
無意識での反応を起こしてしまうのである。

コンプレックス・トラウマは
扁桃体による感情記憶であるため、
無意識でわかりにくい。
ひとつの方法としては
親に触れられるイメージをしたときに
緊張・不快・拒絶の感情が起こるかを確認する。
そういった負の感情が起これば、
コンプレックス・トラウマがある可能性が高い。

こうしたトラウマは無条件的で
理性のコントロールが難しい反応や行動となる。
反発するような行動をとる問題児タイプ
過剰適応する優等生タイプに分かれる。
こうしたタイプは脳の生まれつきの影響や、
環境や経験などにより個人差がある。
こうした行動が社会的な不適応を起こすと、
慢性的なストレスとなり、ストレスホルモンの影響で
前頭葉や海馬がダメージを受ける。
こうなると理性が働きにくい脳となり、
より情動が反応しやすい悪循環を形成してしまうのである。

こうした問題は無意識で抑圧しているため、
頭で理解できても感情で納得できなければ、
扁桃体に刻み込まれた条件反射は
コントロールできない。
また誤帰属が感情に気づくのを邪魔し、
目先の対処ばかりに目がいってしまうことも少なくない。
誤帰属では相手や環境が悪いと認識することで
自分が悪くない言い訳を作り
自分へのストレスを回避する。
脳の機能が低下しているときの
短期的なストレス回避には有効だが、
長い時間、誤帰属で対処しても、
本質的な問題は解決できない。
常に問題は相手や環境にあると考えれば、
毎日の生活が自分ではどうしようもないもので
どうすることもできず我慢し耐えていくような
考えで過ごさざる得なくなる。
誰が悪いかが本質的な問題ではなく、
「自分はどうしたいか。」
「どうすればいいか。」に意識を置き、
本質的で現実的な対処をする必要がある。

本質的な対処とは
無意識の条件回路が起こる出来事を見つけ、
誤帰属ではなくコンプレックス・トラウマに意識を向ける。
こうすることでトラウマを認識し、
どんな感情が表出しているのか納得することができる。
それにより不適切な感情表出を抑制し、
情動と切り離すことで理性的な抑制が機能するのである。
頭で理解するだけでは不十分であり、
心で納得した上で行なえるかどうかが鍵となる。

大切なのは過去を受け止めること。
過去を後悔するのではなく、
そのときの自分の感情に気づき、
子供だったから親の気持ちは
わからなかっただけだった。
そして自分の誤った勘違いだったと
受け止めることが大切である。
そうすることで無意識での条件反射が出現したときに、
「相手や環境のせいじゃなく、過去の勘違いだ。」
と素直に認めることができ、徐々に条件反射は薄れていく。

他者にどう評価されるかを気にせずに、
生きること自体を楽しむことができれば
自信はおのずとついてくる。
我慢して耐えることが生きることではなく、
希望や願いを求め、行動し続けることが
生きるために最も大切なことではなかろうか。
人の目やプライドを気にするのではなく、
自分自身の本当の素直な気持ちに気づくことができれば、
今まで出会った人やこれから出会う人と
心から向かい合うことができるのではないだろうか。
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関節モビライゼーションの使い分け 

関節モビライゼーションは理学療法の1分野である
徒手療法(Orthopedic Manual Therapy:OMT)の
ひとつである。
関節機能異常による痛みや不快感、可動域制限を
改善するための選択肢の一つとして用いられる。
関節包内運動の制限がこれらの症状の原因と考え、
関節副運動(accessory movement)、
関節の遊び(joint play)を改善する。

世界理学療法士連盟(WCPT)の傘下組織である
国際整形徒手療法連盟(IFOMT)の教育認証基準を満たす
NS:Nordic System=Kaltenborn-Evjenth-Concept
Australian Approach=Maitland Concept
2つが世界的にも有名である。
また近年では自動運動とともに関節包内運動を行なう
Mulligan Conceptも注目されている。

モビライゼーションを行なう上で、
症状が痛みや不快感であるときは
Maitland Conceptでは振動法(oseilation)
グレード1-2を1~2Hz程度の
振動(oscillatory movement)を繰り返す。
Kaltenborn-Evjenth-Conceptでは
持続伸張法でグレード1-2を10秒間程度維持する。

関節の硬さ(関節包内運動制限)が主症状の場合、
Maitland Conceptでは振動法で
グレード3-4を2~3Hzを1~2分繰り返す。
Kaltenborn-Evjenth-Conceptの持続伸張法
ではグレード3を6秒、グレード1-2を4秒間繰り返す。

さらに筋スパズムなく、痛みがない
関節モビライゼーションで効果がでない患者の場合、
スラスト(thrust)を用いることもある。
スラストは関節包の緩みをとり、
緊張を感じたところで振幅の小さい速い運動を加える。
しかしながら、リスクがある手技となるため
熟練であっても十分な考慮が必要である。

グレードは強さを表す表現だが、
痛み伴う場合はグレードを低めで行ない、
痛みが少なく可動域制限が強い場合は
グレードを高めで行なう。
Maitland Conceptは振動による振幅を用いることで、
疼痛や防御性収縮が出現しにくくする。
Kaltenborn-Evjenth-Conceptは持続伸張を用いるので、
可動域制限に有効で物理的な関節包の伸張に
効果的である。

関節可動域制限では筋に対するアプローチのみでは
改善度合いとしては完全といえないことも多い。
時間が経過してしまった可動域制限では
関節包内運動の改善も必須となる。
筋のアプローチのみで可動域の回復が頭打ちになったら、
次が関節モビライゼーションが必要なのかどうか
end feel関節の遊び関節包パターンを評価する必要が
あるのではなかろうか。
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関節モビライゼーションのグレード 

関節モビライゼーションでは手技の強度を
グレードと表現し状態に応じて使い分けている。

Maitland Conceptでは
グレード1~4(スラストは5)に分類され、
Kaltenborn-Evjenth-Conceptでは
グレード1~3に分類される。

Maitland Conceptでは
グレード1は可動域開始位のところでの小さな振幅。
グレード2は可動域範囲内での大きな振幅。
(硬さやスパズムのない範囲)
グレード3は可動いき範囲の大きな振幅。
(硬さやスパズムのある範囲)
グレード4は可動域最終域付近での小さい振幅。
(硬さやスパズムのある範囲)
 ※スラストはグレード5に分類される。
痛みが主症状のときはグレード1-2を用い、
可動制限が主症状のときはグレード3-4を用いる。

Kaltenborn-Evjenth-Conceptでは
グレード1は緩み(loosenig)といわれ、
正常にかかっている圧力をわずかに軽減するような牽引。
グレード2は緊張(tightening)といわれ、
関節包内のたるみ域(slack zone)がなくなり、
移行域(TZ:transition zone)になる。
生理的な可動域が終了し始めの抵抗感(first stop)が
生じるところを指す。
グレード3は伸張(stretching)といわれ、
始めの抵抗感(first stop)後の動きを指す。
痛みが主症状のときはグレード1-2を用い、
可動制限が主症状のときはグレード3を用いる。

グレードの分類は
Maitland Conceptはグレード4まであり、
Kaltenborn-Evjenth-Conceptでは
グレード3までである。
痛みに対して用いる場合は両者とも、
硬さやスパズムのない始めの抵抗感(first stop)まで
治療範囲としている。
可動制限に対しては
硬さやスパズムのある始めの抵抗感(first stop)からを
治療範囲としている。

1)Maitland GD:Vertebral Manipulation 5th
 ed.Butterworth,London,1986
2)Maitland GD:Peripheral Manipulation 3rd
 ed.Butterworth-Heinemann,Ltd,Oxfoprd,1993
3)Kaltenborn FM:Manual Mobilization of the Joint-
 the Kaltenborn Method of Joint Examination and Treatment,
 Volume II The Spine 4th ed.Norlis,Norway,2005
4)Kaltenborn FM:Manual Mobilization of the Joints-Joint
 Examination and Basic Treatment,Vol I The Extremities
 6th ed.Norlis,Norway,2006
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Category: 治療

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専門書はどこで選びどこで買うか? 

理学療法士・作業療法士のサイト 療法士.com
私はもっぱらAmazonさんにお世話になっている。
常にお気に入りに欲しい本はストックして、
お金の余裕ができたら買う。
レビューも参考にしながら
買った人の意見が聞けるのもうれしい。
特に批判的な意見は重要。
そこで自分の許容範囲であれば
間違いなく「買い」という判断をする。

大きな書店で欲しい本があれば
少し閲覧してみることができる。
しかし専門書は大きな書店に行っても
探すのが大変で、ない場合はがっくりして他の本を
つい衝動買いして後悔したり・・・。

ということでやはりAmazonが多いです。
本はモチベーションが大切なので
買ったらできるだけ熱の冷めたいうちに
その月に読む。
これが私のコツである。
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1年でどのくらい自己投資しているか 

理学療法士・作業療法士のサイト 療法士.com
今回も「療法士.com」様のブログテーマから。
子供が生まれる前、講習会は1ヶ月に1回は
行くようにしていた。
子供が生まれてからは優先順位が変わって、
しばらくお休みしていた。
そろそろ講習会行きたい。
以前はあれこれと何でも行ってたが、
お金や時間を考えもっと吟味していくようにしていこう。
金額は1万~3万円程度が多い。
ただうちの病院は1回の勉強会で
3万円までは負担してくれる非常にありがたい病院だ。
上からもどんどん参加するように言われ、
全体ミーティングで表彰までしてくれる。
こういったシステムもあるのでもっと有効に
使っていきたい。

書籍の購入に関しては、講習会に行けない分
ここしばらくは特に力を入れてきた。
月に3~4冊は購入していると思う。
実習中に「本は惜しまずに買った方がいい」
とその頃のバイザーにいわれたのが頭に残っている。
それまで本なんてほとんど読むことはなかったが。
長い時間かけて得た筆者の経験を
数時間で学ぶことのできる本はすばらしいツールだと思う。
言語のボキャブラリーを増やすにも有効であり、
様々な患者にわかりやすく説明するためには
より多くの言葉や表現方法を身につける必要がある。

自己投資のほとんどが講習会と書籍になっている。
講習会に行ってた頃は1年で12万円~36万円。
(ただしほとんどが病院負担)
書籍メインの最近は1年で15万円~30万円。
(ほとんどこづかいから)
こうやってみると書籍でも結構かかっている。
しかもこづかいから...。
これは早急な見直しが必要だ(汗)

お金はストレス発散や欲求のはけ口より、
自己成長に繋がる使い方をしていきたい。
この違いでマイナスになっていくか、
プラスになっていくか分かれ道になるような気がする。
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療法士ブロガーに聞きたい 

理学療法士・作業療法士のサイト 療法士.com

今回もブログテーマから。
私が療法士ブロガーに聞いてみたいこととして
「現場で困っていることは何?」
右上のスペースにもアンケートスペースを
設けたので時間のあるときに
ぜひ意見を聞かせてもらいたいと思う。
またこのブログでも
そういった内容を提供できたらと
考えているので「こういったことをテーマをやってほしい。」
「こういうテーマが好き。」などコメントやメールフォームから
送っていただければと思う。
(人それぞれの好み等があるので
全て反映できるわけではないが
やれることはやっていけれたらと。)

投票結果は
人間関係(職場間)   3票
人間関係(患者)    1票
コミュニュケーション 1票
評価         0票
治療         0票
業務内容       0票
その他        0票

という結果。票を入れてくれた方ありがとうございます。
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トップダウンとボトムアップ 

理学療法においての機能的アプローチ
運動療法や徒手療法が一般的である。

それを選択する上で、適格な評価が必要となるが
評価の考え方として大きく分けて
トップダウンモデルボトムアップモデルの2通りある。

まずトップダウンモデルでは、
患者の主観的情報を聞き取り、
問診から困っていること、その具体的な内容、
症状を問診で絞り込んでいき、
消去法で可能性の高いものを評価し、確認する。
問診で評価項目を絞るため、評価を行う数を減らすことができる。
患者の主観によるオーダーメイドとなるため、
訴えやニーズに合わせた対応が可能になり
満足度も高い。
また問診を重要とするため、
症状を悪化させる日常生活の動作(増悪因子)の特定も
得意とするのがこのモデルである。
患者の中での最高のものを目指すのが特徴である。

一方、ボトムアップモデルでは、
できるだけ必要な多くの評価を行い、
多くの問題要素から、改善の必要なものを
問題点として挙げていく。
多くの評価を行うので、疾患やリスクの洩れを
減少させることが可能である。
また多くの問題要素から障害部位が他の部位の
運動連鎖の影響を受けている(関連因子)ことを把握しやすい。
エビデンスも考慮し易いことが特徴であり、
それにより知識があれば誰でも一定の効果をあげる
治療者の最低限ラインの底上げが可能なのも
このモデルである。

臨床現場ではトップダウンとボトムアップを
同時進行で思考展開していき、
患者の主観と科学的な客観を結びつける。
患者優先で価値観から問題を考えていく
トップダウンモデルと
科学優先で機能から問題を考えていく
ボトムアップモデル。
どちらか一方では真の問題は見つからない。
医療の難しさは患者の主観が治療の前提にあり
それを客観的にアプローチすることに
他ならないのかもしれない。
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評価の手順 

患者のニーズ訴えを改善することを
重点的に考える場合、評価は広い視野から
狭い視野へと移していく。
患者の訴えから、外見的な観察を通し、
少しずつ体の中の情報を得ていく。
客観的な評価を行っている際も、
聴取していきながら行なうことで
患者の主観と治療者の客観が食い違うのを防ぐ。

具体的には
 1.病歴の聴取
 2.観察と姿勢
   体型と特徴,全体像の観察
 3.スクリーニング
   四半分のスクリーニングテスト,上部四半分のスクリーニングテスト,
   下部四半分のスクリーニングテスト
 4.運動検査
   関節運動を評価する,関節機能異常と評価
 5.神経学的検査
 6.触診
   触診のテクニック(Palpation) ,触診と圧痛

病歴の聴取から患者の訴えを確認し、
その訴えとなっている症状を
客観的に確認していく。
はじめから客観的な評価を行うと、
多くの評価項目が必要になるほか、
患者の訴えの問題点がどれなのか
困惑してしまいやすい。

しかし病歴の聴取で思い込みを防ぐことは
非常に大切である。
患者の声を遮って自分の経験で
誘導してしてしまえば
患者の訴えと客観的評価に
食い違いが生じるためである。
また疾患特有の症状リスク
患者の訴えのみでは評価洩れを生じやすい。
診断名、合併症、既往歴を確認し、
問題点やリスクとなりうるものであれば
評価をしておくことが必要である。

1)藤縄理:神経筋骨格筋の評価と治療の原理.
 奈良勲,他(編):系統別治療手技の展開 
 弟2版,協同医書出版社,2007,pp21-42.
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Category: 評価

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文化依存症候群 

文化依存症候群(CBS:Culture-Bound Syndrome)
は文化拘束症候群や文化結合症候群とも呼ばれる。
特定の地域や文化環境で発生しやすい精神疾患のこと。

韓国の火病 (Hwa-Byung)は有名だが、
日本でも対人恐怖症
アイヌのイム (imu)
中国、東南アジアのコロー (koro)
オーストラリアの身体醜形障害
北米・西欧に多い拒食症(anorexia nervosa)
マレーシアのアモック (Amok)
ジャワ島などのラタ (latah)
北米のオジブワインディアンのウィンディゴ (windigo)
南米のスストー (susto)
アフリカ、ポリネシアなどのヴードゥー死 (voodoo death)
西アフリカ、ハイチに多いブフェ・デリラント (bouffée délirante)
西アフリカの学生に多い脳神経衰弱症 (brain fag)
シベリア、グリーンランドエスキモーのピブロクト (piblokto)
など数多くのものがある。

日本では多国と比べ、人種があまり多くないため
あまり聞き慣れないことも多い。
しかし他国では精神領域での診断の際には
考慮すべき点となっている。
遺伝環境が人格に影響すると言われるが、
地域による遺伝的な要素や文化や食事などによる
環境的な要素が関連していると思われる。
今後グローバル化が進み、様々な国の文化や
思想が入っていく中で、
より複雑な影響を考慮することが
必要となるのかもしれない。

1)池田光穂 他:医療人類学のレッスン,pp219-241,学陽書房
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Category: 心因性

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病歴の聴取 

病歴の聴取は患者と対面して
早い段階から行なうことが多い。
患者の主観的な評価を行うのに重要である。
具体的には疼痛現病歴既往歴社会的背景
家族歴などを聴くことになる。

疼痛では
部位、性質、期間、発症の状況、影響する因子
などを聴取する。
現病歴では
以前の症状、関連した症状、治療を受けた経験、
体全体の機能を聴取する。
既往歴では
全身的な病気、手術、事故経験、他の部分、
精神機能を聴取する。
社会的背景では
仕事、スポーツ、仕事とけがの影響、
家の状態を評価する。
家族歴では
両親、兄弟、子供のことを聴取する。

これらにより障害や病気を絞り込み
その後の評価に繋げやすくする。
またその障害がどのように仕事や家庭などの
社会環境と影響しているのか把握する。

疼痛は特に重要な項目であり、
疼痛が減少していれば回復傾向。
広がっていれば悪化傾向。
疼痛の部位が移動する場合は
複数の障害か関連痛を示唆する。
病期を特定したり、関連症状の
予測を立てるのに重要である。

1)藤縄理:神経筋骨格筋の評価と治療の原理.
 奈良勲,他(編):系統別治療手技の展開 
 弟2版,協同医書出版社,2007,pp21-42.
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Category: 評価

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鎮痛剤と胃腸炎 

整形外科で頻繁に用いられる薬剤は
やはり鎮痛剤であろう。
よく用いられる薬剤は非ステロイド性抗炎症薬
(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)である。
ステロイド以外の抗炎症薬を指す。
民間療法で鎮痛作用があると用いられていた
ヤナギの樹皮からサリチル酸が分離ことから
薬剤として用いられるようになった。

そしてこのNSAIDs副作用として多いのが
胃腸炎である。

胃はpH1~2に調整され、
塩酸タンパク質を消化する酵素
覆われている。
しかし自己消化を防ぐために胃の粘膜を分泌し、
胃酸をバリアーしている。
NSAIDsはシクロオキシゲナーゼ(COX-1、COX-2)の
両方の働きを阻害する作用がある。
ちなみに
COX-1胃の粘膜を作らせる物質
COX-2痛みの原因となる炎症物質
よってこの二つがNSAIDsにより阻害されると、
痛みも減るが、胃の粘膜も減ってしまうのである。
これが胃腸炎を起こしやすくなる理由となるようだ。

鎮痛剤と一緒に胃薬を処方されるのは
こうした理由があるからなのである。

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Category: 痛み

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自己実現理論(欲求段階説) 

人間の欲求は段階的であり
それに伴った行動が生じる。
これがアメリカの心理学者A.H.Maslow(1908~1970)の
唱えた自己実現理論(欲求段階理論)である。
欲求は段階的なものであり、
生理的欲求以外の低次の欠乏欲求が満たされなければ
それを満足させるための行動を行なう。
欲求が満たされると高次に段階的に移行する。
高次の段階にいる場合でも病気などで
低次の欲求が満たされないと段階を降りて、
欲求の回復を行ない、満たされれば元の次元に戻る。
また特別な場合として、欠乏欲求は何度か満たされることで
満たされなくても理性的に
コントロールできるようになる場合もある。

では各段階の欲求を低次のものから示す。

まずは生理的欲求(Physiological need)
食事・睡眠・排泄など
動物は通常このレベル。
人間は通常はこのレベルには達している。

次に安全の欲求(safety need)
身体の安全、経済の安全、保証や事故の防止など
ある程度の良い暮らしができることで満たされる。

そして所属と愛の欲求(social need/love and belonging)
他者や所属に受け入れられているという感覚。
これが満たされない状態が孤独感や社会的不適応となる。

さらに承認の欲求(esteem)
集団から価値のある存在と認められる欲求。
これには2つのレベルがあり、
低いレベルの承認では他者評価が主体で、
地位、名誉、名声、利権、尊敬などで
長期間この欲求の段階にいるのは危険とされている。
高いレベルの承認では自己評価が主体で、
自立、自己尊重、自己信頼、
技術や能力の習得などがこれに当たる。
これらの欲求が満たされない場合は、
劣等感や無気力感が生じる。

これら生理的欲求安全の欲求所属と愛の欲求
承認の欲求欠乏欲求(deficiency needs)に分類される。
これらが満たされることで次の段階として
自己実現の欲求(self actualization)となる。
自己実現の欲求存在欲求(Deficiency needs)に分類される。
これは自分に適した能力の実現の欲求であり、
自分の能力の可能性を生かしたいというものである。
自己実現者の特徴として
 ・現実を有効に知覚し快適な環境を保つ。
 ・自己・他者・自然に対する受容。
 ・自発性で自然、シンプル。
 ・常に課題を立てることができる。
 ・プライバシーにとらわれず自分を隠さない。
 ・周りの環境に流されない。
 ・常に新しいものを取り入れる。
 ・神秘的や崇高な体験を感じることができる。
 ・社会と一体化した感情を持てる。
 ・相手に対し心が広く深い。
 ・民主主義的な性格。
 ・手段と目的、善悪の判断を区別できる。
 ・悪意なく哲学的なユーモアセンス。
 ・創造性が高い。
 ・文化そのものに飲み込まれることなく自分を確立している。

そしてさらにそれを超える者として
人間の2%程度の割合しかいないとされるのが、
自己超越(self transcendence)である。
自己超越者の特徴として
 ・現実をよく知っている。
 ・現実の中で生きている。
 ・意識が自分自身で統合されている。
 ・穏やかで瞑想的な認知ができる。
 ・深い洞察を得た経験がある。
 ・他者の不幸に罪悪感を感じる。
 ・創造的である。
 ・謙虚である。
 ・聡明である。
 ・多視覚的に思考することができる。
 ・外見にはあまりこだわり過ぎない。

世界的な不況の中で社会そのものも価値を見失っている。
日本でも高度経済成長の頃の学歴神話が崩れ、
不況では資格取得と言われてきた
資格神話も揺らいでいる。
これから前例のない時代へと入っていく中で、
前例の知識や両親の教えだけでは
生き抜くことが困難であることは容易に推測できる。
お金を追い続けていた世の中にも疑問を感じ、
いったい何に価値を求めていけばいいのか。

マズローは人間としての価値を
どのように考えていけば良いのか
ヒントを与えてくれているのではないだろうか。
自分が今どの段階にいて、何を満たそうともがいているのか。
こんな時代だからこそ価値を外の世界から見いだすのではなく、
自分自身が価値ある存在になるために
努力していくという考えが必要なのかもしれない。

1)Mook, D.G. (1987). Motivation: The Organization
 of Action. London: W.W. Norton & Company
 Ltd (ISBN 0-393-95474-9)
2)Wahba, M.A. & Bridwell, L. G. (1976). Maslow
 Reconsidered: A Review of Research on the Need
 Hierarchy Theory. Organizational Behavior and
 Human Performance 15, 212-240
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Category: 心因性

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2011-09
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