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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

2012年03月の記事一覧

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糖尿病の治療薬 GLP-1 

2000年代後半にGLP-1関連製剤
用いられるようになった。
GLP-1はGlucagon-Kike Peptide-1で
ブドウ糖を抑える作用がある。
具体的には
 ・食欲を抑える
 ・インスリン分泌を促す
 ・α細胞に働きかけインスリンと
  逆の作用をするグルカゴンを抑える。
 ・β細胞を増やす。
これにより血糖の高い人にはインスリン分泌を増やし、
血糖の低い人にはインスリン分泌を減少させる。
従来のようにインスリン量が多くなり過ぎて
低血糖が起きるというリスクを防ぐことができる。

しかしGLP-1はDPP-4という酵素によって
分解されてしまうのが難点である。
そこでDPP-4の働きを抑え、
長時間GLP-1を活動させるDPP-4阻害剤
GLP-1の類似の効果はあるが分解されやすい
GLP-1アナログ製剤などが併用されるようになった。
これにより従来よりも思いきって
血糖を下げることができるようになってきている。
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Category: 医療

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もしも療法士でなかったら 

理学療法士・作業療法士のサイト 療法士.com
服屋の店員とか美容師とかに憧れる。
どうしてもイメージ的に医療業界って
堅苦しい感じがあって
自分もそうしなくちゃいけないような
プレッシャーがある。

だからついつい自分を見失いそうになることもある。
プライベートの自分と医療従事者としての自分。
あまりにかけ離れ過ぎてそれぞれでやってきた感じがあるが
少しずつそれらが統合されていってる気がする。

なんだかんだいってやっぱりこの仕事が好きだ。
今はこの仕事以外に考えられない。
だからこそお金とかにこだわりながら働くなら
辞めたいと思うことさえある。

これから厳しい時代になるが
この仕事は好きなままでやっていきたい。
これはただの我がままだろうが。
結局今は、他にしたい仕事はないのかもしれない。
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Category: ブログテーマ

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診療報酬改定 外来関連 

4月から診療報酬改定になり点数が変わる。
外来リハについての内容を簡単にまとめてみた。

外来リハビリテーション診察料
外来リハビリにおいて毎回の診察が必要になっているが
毎回の診察を必要としない患者は医師の包括的な指示で
リハビリテーションを提供できる評価。
 (1)7日につき   69点
  1週間に2回以上リハをしている。
 (2)14日につき  104点
  2週間に2回以上リハをしている。
初診・再診料、外来診察料を算定しない。
カンファでのリハ効果、進歩状況の報告。
※申請必要か?

早期リハ加算
入院中の患者に対し、発症・手術・急性憎悪から
起算して30日以内に限り算定
 (1)14日以内 (イ)リハ科の医師が勤務   75点
        (ロ)その他の場合      30点
 (2)15日以上30日以内           30点

算定日数を超えた維持期リハビリテーション評価
運動器リハ
 (1)175点   →   158点
 (2)165点   →   149点
 (3) 80点   →    80点
算定日超える場合は1ヶ月13単位で

外来リハビリテーション診察料に関しては
不明な点も多く難しい。
今後の疑義解釈も注視しておく必要がありそうだ。

平成24年度 診療報酬改定の答申
第221回中央社会保険医療協議会総会
点数は公表資料「個別改訂項目について」をベース
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Category: その他

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診療報酬改定 介護保険 

医療保険と介護保険の併用期間
介護保険のリハビリテーションに移行後に
医療保険の疾患別リハビリテーションを
算定できる期間を2ヶ月に延長
2ヶ月目は疾患別リハを
算定できる単位数を7単位までとする。

訪問リハビリテーション費
Dr.の診察1ヶ月に1度→3ヶ月に1度
必ずしも必要でない。(緩和)
 305点   →   305点(変わらず)

訪問介護事業所との連携に対する評価
理学療法等と訪問介護のサービス提供者が
利用者の居宅を訪問し身体の状況等の評価を
共同して行いかつ当訪問介護計画を作成する上で
理学療法士等が行う必要な指導および助言。
3ヶ月に1度限定       300点

急性増悪の対応
1ヶ月にバーセルもしくはFIMが5点以上悪化。
6ヶ月に1回、14日に限り医療保険から1日4単位まで
訪問リハを提供することができる。
 同一建物居住者以外    300点
 同一建物居住者      255点
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Category: その他

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軟部組織の障害 治癒率 

軟部組織の障害(soft tissue disease)を指す言葉は
様々あり日本語での使い方も
文献によってまちまちである。
ストレイン(strain):筋・腱単位の分離の程度、過伸展で生じる。
スプレイン(sprain):靭帯の障害を指すことが多い。
過用症候群(over use):亜最大負荷が反復的に加わる→微細損傷1)

軟部組織の治癒率は
 半月  (2週)で50%
 1ヶ月半(6週)で80%
 3ヶ月 (12週)で100%である。
2週間で痛みはある程度落ち着いてくるため、
以前と同じように使って悪化することは多い。
痛みが減少すると前と同じように使えると思うが、
身体内部の損傷の回復は意外に時間がかかる上、
目で確認ができないため管理が難しい。
痛みが楽になったあたりで患者といっしょに喜ぶだけでなく、
運動量を半分程度にしておくことを伝えることは
非常に重要である。もし悪化したらポジティブになっているが故、
精神的なダメージは計り知れないものになりかねない。
また6ヶ月以上経過した場合は慢性化している。
生活様式の変化に着目することが重要である2,3)。

1)Kisner C,Colby LA:Therapeutic exercise.
 2nd edition F.A.Davis 1990
2)Paris SV:Principles of Management.Payton OD(ed):Manual of
 Physical Therapy.Churchill Livingstone,New York,
 1988,pp329-339
3)奈良勲 他:系統別・治療手技の展開 感覚器系(外皮)/
 結合組織/リンパ系/筋系/神経系/関節系 
 改訂第2版,協同医書出版,p17,2007
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Category: 痛み

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軟部組織の障害 生理学的変化 

具体的な回復の生理学的変化は
まず受傷から3日以内に炎症期が訪れる。
炎症期(3日以内)
このとき炎症の4徴候が出現する。
数時間で浸出液が貯留し周辺に浮腫が生じる。
2~3時間で白血球・リンパ球が出現する。
24時間で単球が出現。
これが2~3日増え続ける。
単球と貪食細胞が壊死組織を貪食する。
炎症末期では線維芽細胞による修復が始まる。
増殖期(3日~1ヶ月半)
炎症の沈静化と治癒の時期である。
線維芽細胞による修復が主体である。
改変期(2ヶ月~12ヶ月)
線維芽細胞の働きは落ち着き、貪食細胞も減少してくる。

炎症の時期は発痛物質の影響で痛い。
ズキズキやジンジンなどの表現が多い。
その後は修復につれ痛みは減少するが
組織は脆弱であるため運動量の調節が
非常に重要になってくる。
軟部組織の治癒率が参考になるが
あくままで目安であり途中で悪化した場合は
時期が当てはまらなくなる。
顔を歪めるような痛み(grimace sign)がなくなったら、
週に1割ずつ運動量を増やすよう促すことが大切だ。

1)Stearns ML:Studies of the development of connective
 tissue in transparent chambers in the rabbit ear 2.
 Am J Arat 67:55-97,1940
2)Chamberlain GJ:Cyriax's friction massage:are-view.
 JOSPT4:16-22,1982
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Category: 痛み

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病期によって考慮すること 

病期は急性期・亜急性期・慢性期に分類されることが多い。
急性期は生理学的問題により痛みが強い時期で
慢性期は力学的な問題で抵抗の強い時期と言える。

急性期は保護が大切な時期でありRICEが基本になる。
徐々にRestをMovementに切り換える、MICEとなる。
痛みを悪化させる日常生活の影響を
説明し調節することが最も重要である。

亜急性期は運動調節が大切な時期である。
痛みが軽減してくるため治ってしまったと感じる患者も多く、
over useによる悪化が生じやすい。
「今まで動くのを我慢していたので解放されたい」
という心理状態もそれを助長する。
運動調節では2~3日後に出現する遅発性筋痛に注意する。
遅れて症状が出現するためover useが
原因であったと認識できない場合も多く注意が必要である。
運動の程度は2-3時間で疼痛が軽減し、
1日で消失する程度が目安となる。
これは疲労物質に伴う症状であり
損傷を悪化させていないという意味になる。

慢性期は機能回復が大切となる。
症状や部分だけでなく動作全体を通しての動きを確認する。
動きが過剰なところと動きが小さいところを見つける。
小さいところの可動性を改善することで
動きが過剰なところの負担が軽減し、
負担が分散するようにアプローチをしていくことも有効である。
運動量は1週間で1割ずつ増加させる。
疼痛が生じにくい(1部分に負担が集中しない)運動洋式に変える。
また筋のアンバランスを調整するなど
再発予防や運動をシステムとして
トータルマネジメントしていく。
当然患者自身がそれを理解し
能動的な意識付けをすることは必要不可欠である。

急性期では炎症性の痛み、筋の緊張。
亜急性期では筋の緊張や筋の短縮。
慢性期では筋の短縮や関節包の短縮が
症状として出現しやすい。
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Category: 痛み

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頸部痛に関する文献 

頸部痛に関する確立した治療は未だになく
本邦では頸部に関する講習会もかなり少ない状態である。
臨床では交通事故によるむち打ち症が多く、
心理的な問題や自律神経症状、胸郭出口の合併など
様々な症状が混在し評価も難渋する場合も多い。
今回は頸部に関しての文献をいくつか紹介し
治療の参考にしてもらえたらと思う。

まずは痛みと相関がなかったものとして
「加齢と頸部の筋力」1)、「加齢・疼痛と運動覚」2)
またその他で相関のないものとして
「加齢と後頭下筋群」3)があった。

逆に痛みとの相関のあるものとしては
「加齢」「女性に多い」「胸椎後彎増強」4)「頸部前彎減少」5)
頸部前彎減少では疼痛の発生頻度が18倍になるとのこと。
その他の相関があるものとしては
「頭位と頸椎の可動性の相関(回旋制限)」6)
「加齢と後頭環椎関節変形」7)
「加齢と固有受容器低下」8)がある。

これらの文献から頸部痛は女性に多く、
加齢によって強くなる傾向がある。
頸椎の前彎減少や胸椎の後彎増強で
痛みが増強する傾向があるため日常生活での
姿勢や動作指導は影響として大きい可能性がある。
また筋力との相関はないとの報告があり、
一概に筋力をつければ回復するとは解釈しがたい。
個人的にも姿勢の影響は大きいと感じる。
痛い部分の治療に集中するよりも
姿勢を阻害している部分の治療を行うほうが
経過が良い印象を受ける。

1)Petri K.Salo,J.Orthop.Sports.Phys.ther.36,495-502,2006
2)C.CTeng.Man.Ther.2006
3)J.M.Elliott,Clin.Radiol 60:355-363,2005.
4)Kenji Endo,Clin.Biomech.19:1009-1013,2004
5)Jeb Mc Aviney,J.Manipul.Physiol.Ther.28:187-193,2005
6)Stephen J.,Man Ther.10:44-51,2005
7)Von Ludinghausen.Spine.31:E430-E436,2006
8)Harry B.Skinner.Clin.Orthop.184:208-211,1984
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Category: 頸椎

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頸部痛に対するアプローチの文献 

頸部痛のアプローチにおいて
カイロプラティックの効果は不明1)であるが、
オステオパシーは急性・慢性期ともに効果がある2)。
モビライゼーションは可動域改善、
アライメントの改善3)、交感神経症状4)に効果的である。
徒手療法だけでなく全身運動の併用が大切。
単純な筋力強化は効果が薄い5)。
筋力と持久力の併用が効果的6)。
胸椎アライメント姿勢指導
疼痛の軽減7)、深部筋の活性化8)および
FCRのH反射上昇に効果的7)である。

オステオパシーは急性期でも用いられるところで
使用用途が広い。しかし受動的なアプローチとなりやすく
依存性を高めてしまう危険性もある。
他のアプローチとの組み合わせや段階的なアプローチ変更。
指導などを相手にあわせて併用することが必要である。
またモビライゼーションにより可動性の改善や
アライメントの改善が期待できるため、
疼痛の軽減、深層筋の活性化、FCRのH反射上昇なども
関連して改善される期待ができる。
また交感神経症状の改善に効果があることも大きい。
また能動的なアプローチとしては
筋力単独より持久力との併用が効果的と言われている。

1)Skargren Elisabeth I.Spine 22:2167-2177,1997
2)Gary Fryer,I.J.Osteop.Med.8:41-48,2005
3)Raymond Y.M.,Clin.Biomech.20:228-231,2005
4)Sterling M.,Man.Ther.6:72-81,2001
5)Jordan Alan,Spine 23:311-318.1998
6)Mats Hagberg,Arch.Phys.Med.Rehabil81:1051-1058,2000
7)Sami S.Abdulwahab,J.Orthop.Sports Phys.Ther.30:4-12,2000
8)D.Falla.Man.Ther.in pness.2006
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Category: 頸椎

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頸部痛の理学療法 

まず初めに神経症状の確認を行う。
特に下肢症状がある場合は頸部の影響であれば
レッドフラッグである。すぐにDr.報告が必要。
神経根症状であれば上肢や背部の症状だが
下肢症状が出現する場合は
脊髄実質の問題の可能性がある。

訴えでは脚に力が入りにくくなった。
脚がぐらぐらする。感覚が鈍くなった。
スリッパが脱げやすい。階段がうまく使えない。
などが疑わしい訴えである。
筋力・感覚の評価を確認する必要がある。

その他の神経症状としては神経根の症状がある。
神経根の症状はデルマトームに一致しないことも多い。
これは後根神経根間の吻合があることが指摘されている。
疼痛部位に関しては頚髄神経根レベルでの相関が
確認されている1)。
・肩甲骨上部     C5、6神経根
・肩甲骨内側部    C7、8神経根
・肩甲骨中部から下部 C8神経根

鑑別診断として
頸椎椎間板ヘルニアなのか頸椎症なのか
もしくは胸郭出口症候群なのか確認が必要である。
 ・ジャクソンテスト
 ・スパーリングテスト
 ・イートンテスト
 ・神経伸張テスト
 ・アドソンテスト
 ・ライトテスト
 ・エデンテスト
を行い問題となっている部分の鑑別を行う。

また肩関節の問題なのかの鑑別2)も必要である。
予測鑑別としては
 ・肩関節屈曲可動域<127°
 ・肩関節内旋(1st plane)<53
 ・Neer test 陰性
 ・肩関節痛の服薬がない
 ・羅病期間が90日以内

また近年は椎間関節包の障害も指摘されてきている。
関節包の障害は70%伸張されることで生じる。
関節包の伸張により軸索腫脹が起こる。
平均ピーク変位は21.3mm(12-30mm)
平均ピークストレインは2.9-7.1%。
関節包の障害も頸部痛の可能性として
考慮する必要がありそうだ。

頸部という構造体は腰部以上に
細かな構造の集まりとなる。
どの組織の障害なのかを明確にすることで
アプローチするターゲットを明確にできるのではなかろうか。

1)Tanaka Yasuhisa,Spine 31:E568-573,2006
2)Mintken PE,Phys Ther.2010;90:26-42
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Category: 頸椎

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レッドフラッグとイエローフラッグ 

文献を確認することで今現在の科学的な解釈を
知ることができる。
どこまでわかっているのか?
どの方法が良い結果が出る可能性が高いのか?
そういった情報を取り入れることで、
最低限のラインの底上げは期待できるのではなかろうか。
ただ人の体はすべてが当てはまるとは限らない。
それぞれの個体差を考慮するためには
解剖学・生理学・運動学を考慮した
理学療法評価が必要不可欠である。

重要なのはレッドフラッグの確認である。
レッドフラッグとは重大な病変の可能性があるかどうか。
日本の場合はまず診察を受けるのが前提なので
療法士はある程度、安全が保障されている。
しかしながら絶対ではないことは肝に銘じることが必要である。
アメリカではPTの開業権が認められており、
PTクリニックでは問診・評価の段階で
理学療法が可能な状態かどうか、
医師の診察が必要か判断が求められる。

癌や骨折、脊髄の障害(馬尾神経障害)、炎症、
内臓からの関連痛、薬の副作用など理学療法を行うより
優先順位の高いものの判別や理学療法を行ってはいけないもの
を確認する必要がある。

また慢性的な状態になると心理社会的な要因である
イエローフラッグが回復を妨げていることがある。
この場合は身体的なアプローチでは回復は難しいことも多く、
場合によっては家庭、職場の上司、産業医、精神科医などの
協力も必要になってくる。
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Category: 評価

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頸椎の可動域改善 

急性症状が減少し強い疼痛が減少してきたら、
可動性の改善が必要である。
どの脊椎の可動性が低下しているのかの評価を行ない、
その部位を特定することが重要である。
C7がランドマークとして用いることが多い。
通常は頚を屈曲し最も隆起する場所とされている。
しかし個人差も多く注意が必要である。
C6/C7の片側椎間を指腹で触知し、
屈曲したときに椎体が動くのがC6。
動かないのがC7である。
またC7/Th1の片側椎間を触知し
肩を動かしたときに動く椎体がTh1
動かないのがC7である。

アプローチを行う上では
C0-2を上位頸椎
C3-7を中・下位頸椎
C7-Th4を頚胸椎移行部とし分類する。
それぞれの部位の回旋制限を確認する方法がある。
上位頸椎は顎を引いた状態で頸椎屈曲し、
軽度顎を挙上した状態で回旋を行う。
中・下位頸椎は顎を引き頸椎を中間位に保持。
その状態で頸椎を回旋させる。
頚胸椎移行部は背中で手を組んで、
肩甲骨内転・胸椎伸展位で頸椎を回旋させる。
これにより左右差の確認と
上位、中・下位頸椎、頚胸椎移行部の
どの部位に可動域制限があるか鑑別する。

中・下位頸椎は脆弱1)であり
モビライゼーションを使う頻度は少ない。
筋性のアプローチで改善する場合がほとんどである。

上位頸椎頚胸椎移行部は椎間関節の過小運動が生じやすく、
モビライゼーション対象になることが多い。
筋性のアプローチでは等尺性収縮後弛緩
(PIR:Post Isometric Relaxation)が使いやすい。
即効性が高いため評価兼治療として鑑別も行うことができる。
左の回旋制限がある場合は、
患者に左の制限のあるところまで自動運動を行わせ、
そこから頸部を止めるよう指示する。
患者に右に眼球を動かすように指示し
頸部が動かないように療法士は固定する。
(頸部運動は眼球運動により誘発される。
療法士は手に抵抗を感じるか確認。)
5~7秒の抵抗を2~3回繰り返し、
もう一度左回旋を行う。
その際、ゆっくり息を吸って
吐くタイミングで可動するとリラックスを得やすい。
これにより筋の緊張は軽減するため
改善があれば筋の緊張による制限であることが
判別することができる。

これにより主症状の可動域制限を伴う疼痛が
軽減すれば姿勢指導を行う。
姿勢が改善しなければ疼痛の軽減や
可動域制限の改善も一過性のものになってしまうためである。
姿勢を改善するために必要な疼痛の軽減や
可動性の改善、深部筋の活性化をあわせて行うこと。
また日常生活や仕事の姿勢動作指導も重要である。
アプローチは一過性の改善で根本的な治療は
姿勢や動作にあることを十分に理解しておくことが必要である。

1)Nikolai Bogduk,Clin.Biomech.15:633-648,2000
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Category: 頸椎

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頸部に関連する頭痛 

頸椎捻挫など頸椎に問題が生じた際、
アプローチが迷うのは頭痛がある時ではないだろうか。
頸椎に障害が起きて生じる頭痛は大きく分けて2つある。
筋緊張型頭痛と片頭痛だ。
しかも対処と考え方が違うので
きちんと把握しておかなければ指導やアプローチが
逆に頭痛を強くしてしまうことになる。

筋緊張性頭痛は字の通り
筋肉が緊張することが頭痛の原因である。
姿勢や動作、精神的な緊張などによって生じやすく
マッサージや入浴によって軽減する。
重い感じや頭を締め付けられるような感じと
表現されることが多い。

片頭痛は血管が拡張し神経が圧迫されることにより
生じると言われている。
セロトニン学説では脳がストレスを感じると
大量のセロトニンという物質が放出される。
このセロトニンは血管を収縮させる働きがある。
しかし時間の経過とともにセロトニンが分解されると、
今度は血管が一気に拡張することで
頭痛が生じるというものである。
他には三叉神経血管説がある。
三叉神経は脳血管の太い血管の周りを取り巻いており、
刺激を受けやすいとされている。
三叉神経が刺激されると神経ペプチドが分泌され、
これが炎症と血管拡張を引き起こす。
これが頭痛の原因になるというものである。
入浴やマッサージで逆に悪化。
冷やすと一時的に軽減することが多い。
音や光に反応。吐き気も誘発されることがある。
ズキズキやガンガンなど脈を打つような痛みと表現される。
空腹や寝不足・寝過ぎなどが誘発する要因となる。

筋緊張性頭痛は血行が改善する方が楽になり、
片頭痛は血行が良くなると悪化する。
これが2つの頭痛の大きな違いであり注意が必要である。
血管収縮作用があるものとして
チーズ(アミン)、チョコレート(フェールチラミン)、
みかん(オクトアミン)、コーヒー(カフェイン)があるが
反動で血管拡張するのであまり摂取しない方が望ましい。
また血管拡張作用があるものは
ソーセージ(亜硫酸ナトリウム)、赤ワイン・バナナ・
たらこ(チラミン)、うまみ成分調味料
(グルタミン酸ナトリウム)などがある。
ソーセージはホットドック頭痛。
うまみ成分調味料は中華料理症候群としても有名だ。

また頭痛をやわらげる食べ物として
マグネシウムが挙げられる。
マグネシウムが不足すると
ストレスがたまりやすく疲れが易くなる。
血管の痙攣や痛みに敏感になるなどの症状も誘発する。
あさり、納豆、イワシの丸干しなどに多く含まれる。

アプローチでは筋緊張性頭痛に関しては
筋の緊張を軽減させることで頭痛が減少することも多い。
片頭痛では睡眠やストレスの関与が大きいため、
心理的なアプローチも有効である。
また胸椎・肋骨の可動性の改善も
呼吸や睡眠に影響を与えるため効果的なこともある。
ただ血管拡張が誘発され頭痛が増強する可能性もあるため、
アプローチ前にしっかり患者に説明しておく必要がある。
アプローチに対する不安に繋がることがあるため。
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Category: 頸椎

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新人療法士のワンポイントアドバイス 

理学療法士・作業療法士のサイト 療法士.com
知識や技術ではなかなか先輩には勝てないと思うが、
すぐにやろうと思えば勝てるものがある。
「元気」だ。
職員は新人に「新しい風」や「若さ」
などを期待している場合は少なくない。

新しく入った子は元気がいいな。
俺も若い頃を思い出した。もっと頑張るか。
とかそういう気持ちになるとすばらしい。

大きな声で、さわやかな笑顔で。
挨拶や会話ができるだけで
優しく面倒を見てあげたくなるものだ。

患者にとっても元気な若い子だったら
そっちの方が良いといってくれる人もいるだろう。
リハビリテーションは体だけでなく気持ちも
とっても大切である。

あなたの元気が少しでも多くの人の元気に繋がるように。
そこからすべてが始まり
すべてがそこに向かっていくと私は思う。
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Category: ブログテーマ

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筋の長さの変化 

筋は短縮位で固定されると長さは短くなる。
筋原線維では2~4週間で急速に直列の筋節が減少1-4)し、
その後筋節を増加させるよう要求されるということが起こる。
(生理学的修正機能)
このように筋の長さが変わるというのは
内部では構造的な変化が起きているのである。

筋の長さは生理的な刺激によって生じるのだが
その刺激というのが張力という力学的な要素である。
張力が高ければ筋節は増加し、
張力が低ければ筋節は減少する。
これによりアクチンとミオシンの適度な重なりを維持し、
筋収縮を維持することができるのである。

筋の長さを元に戻すためには
ストレッチが用いられることが多いが、
そのくらいの張力で筋節が増加したり減少するかは
今のところわかっていない。
しかしながら短時間(15~20分)で強引なストレッチは
筋フェラメントのアライメントを破壊し、
筋の損傷を招くことは知られている。
適切に行うためには関節を保護しながら
低負荷で長時間行うことが必要である。

可動域制限も短時間で変化する要素と
長時間必要な要素に分かれる。
短時間で変化するものではクリープ(Creep)がある。
筋の10~15%程度の変化は
短時間の筋組織の変化であるクリープの関与が大きい。
また長時間必要な要素では筋の変化が著しくなる。
具体的には筋節の減少や
コラーゲン線維の癒着や短縮が関与していると考えられる。

1)Tabary JC et al:Physiological and structural
 changes in the cat's soles muscle due to
 immobilization at different lengths by plaster casts.
 J Physiol 224(1):231,1972.
2)Tardieu C et al:Adaptation of sarcomere numbers to
 the length imposed on muscle.In Guba FMG,
 Takacs 0,editors:Mechanism of muscle adaptation to
 functional requirements,Elmsford,NY,1981,Pergamon Press.
3)Williams P,Goldspink G:The effect of immobilization on
 the longitudinal growth of striated muscle fibers,
 J Anat 116:45,1973
4)Williams P,Goldspink G:Changes in sarcomere
 length and physiologic properties in immobilized
 muscle,J Anat 127:459,1978
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Category: 可動域制限

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クリープ 

クリープ(creep)とは持続的に
低負荷の刺激を与えた後に、
軟部組織に生じる進行性の変化や
形態の変化のことである。

McGillによると脊椎屈曲で約20分間伸張した場合、
約5°の可動域が変化する。これがクリープに当たる。
脊椎を元のアライメントに戻すと
2分で50%元に戻る。
30分以上で元の長さに戻ると報告している1)。

こうしたことを考えると姿勢による影響は大きく、
良い姿勢に戻してもすぐに元の筋の長さにはならず
その姿勢でしばらく姿勢を維持することが大切である。
日頃から良い姿勢を維持するということは
非常に重要な意味を持つのではなかろうか。

1)McGill SM,Brown S:Creep response of the lumbar
 spine to prolonged full flexion,Clin Biomech
 7:43,1992
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Category: 可動域制限

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感覚の種類 

感覚(sensory)は単純な要素刺激を
主観的に感じるもので
それを知覚(perception)という刺激の強度や
時間的経過を弁別した上で、
認知(cognition)という物の概念や識別といった
高度の働きを行う。

感覚にはいくつかの種類がある。
・特殊感覚(special sense)
 味覚・視覚・聴覚など高度なもの受容器と脳で伝達する。
・体性感覚(somatic sense)
 表在(superficial)や深部(deep)の感覚。
・内臓感覚(visceral sense)
 臓器の感覚
・異常感覚(abnormal sense)
 機能異常で生じる

これらの感覚はどの感覚も刺激が強くなると
痛み(侵害刺激)となる。

1)永冨史子:感覚:PTジャーナル41,pp925-930,2007
2)永冨史子:感覚,内山靖:(編):理学療法評価学第2版,pp109-114,医学書院
3)田崎義昭:ベッドサイドの神経の診かた,pp85-94,南山堂,1987
4)加藤洋:感覚(知覚),吉利和(監修):新内科学体系,pp239-261,中山書店,1976
5)川上義和:身体所見のとりかた,pp214-218,文光堂,1993
6)小嶺幸弘:神経診察ビジュアルテキスト,pp137-152,医学書院,2002
7)松澤正:知覚検査,岩倉博(監修):理学療法評価法,第3版,pp91-97,南光堂,1995
8)佐藤邦洋:体性感覚をあなどるな 奈良勲(編):理学療法のとらえかた,pp150-155,文光堂,2003
9)平井俊策(編):目で見る神経学的診察法,医歯薬出版,1993
10)寺本民生(編):感覚障害,診察の技法と考え方,pp174-179,中外医学社,2001
11)和木嘉昭,嶋田智明:測定と評価第2版,pp285-307,医歯薬出版,1987
12)田村康二:臨床身体検査法,pp191-195,金原出版,1985
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Category: 神経

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感覚の経路 

表在感覚は受容器は皮膚になる。
運動覚や位置覚などの
固有受容感覚(proprioception)
の受容器は筋紡錘と腱紡錘内になる。

感覚の検査を行う目的
 ・神経病変の部位や障害の程度
 ・神経症状の変化
 ・治療のリスクと阻害因子
 ・理学療法計画と手術予測のための情報 などになる。

温痛覚が障害された場合は
脊髄視床路のどこかが障害を受けていることになる。
脊髄視床路は温・痛覚の刺激が入力されると
後根→脊髄後角(ニューロンを換える)→左右交差し
→反対の前側索→視床という経路になる。

また深部感覚が障害された場合は
後索路のどこかが障害を受けたことになる。
後索路は深部感覚の刺激が入力されると
後根→脊髄後角→同側の後索を通り
延髄(ニューロンを換える)→左右交差し
→内側毛帯→視床という経路になる。

感覚路はすべて視床でニューロンを換え
中心後回(大脳の一次感覚野)に向かう。

感覚障害のパターンによって
障害の推測を行うことができる。
視床・錐体路障害では
半身の感覚障害(片麻痺)。
延髄の障害では
感覚解離(wallenberg syndrome)
脊髄の障害では
髄節レベルの障害
末梢神経の障害では
該当する神経領域の感覚障害。
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Category: 神経

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感覚検査の概要 

感覚検査をする上で確認しておくことがいくつかある。
被験者の主観により評価をするため
 ・意識
 ・注意力
 ・理解力
 ・疲労
 ・協力
が検査結果に影響を生じさせる。
まずはそれを念頭に入れた上で進める必要がある。
準備としては
 ・騒音などの環境に注意する
 ・被検部が見えないようにする
 ・健常部位から確認する。
 ・どのように答えるか説明や言い回しを注意
ポイント
 ・誘導や会話などの余計な情報を与えない
 ・刺激しないときにたずねるなど信頼性を確認
 ・「わかりますか」は鈍麻を見逃す
境界の判定
 ・点状の検査からはじめ判定が不明なときに
  線上の評価に切り換える
判定困難な場合
 ・疲労は精度が落ちる
 ・「行わなかった」や「行えなかった」ことも記載する
 ・「そこはわかりません」という発言や感覚消失領域の矛盾から
  推測していく。
感覚検査の記録の記載
神経支配領域図を用いるとわかりやすい。
感覚ごとに色や模様で分ける。
異常感覚は主観的表現をそのまま記載する。
(例えば「ビリビリする」など)
神経支配領域図の欠点としては支配領域を意識しすぎるため
真の検査結果とずれてしまうことがある。
体性感覚の評価結果の記載法は
 ・正常・鈍麻・脱失・過敏を評価者が判定する。
 ・正常を10としてどの程度か被験者に表記してもらう。
 ・VAS(Visual Analogue Scale)でどの辺りかを問う。
などがよく用いられる。

1)永冨史子:感覚:PTジャーナル41,pp925-930,2007
2)永冨史子:感覚,内山靖:(編):理学療法評価学第2版,pp109-114,医学書院
3)田崎義昭:ベッドサイドの神経の診かた,pp85-94,南山堂,1987
4)加藤洋:感覚(知覚),吉利和(監修):新内科学体系,pp239-261,中山書店,1976
5)川上義和:身体所見のとりかた,pp214-218,文光堂,1993
6)小嶺幸弘:神経診察ビジュアルテキスト,pp137-152,医学書院,2002
7)松澤正:知覚検査,岩倉博(監修):理学療法評価法,第3版,pp91-97,南光堂,1995
8)佐藤邦洋:体性感覚をあなどるな 奈良勲(編):理学療法のとらえかた,pp150-155,文光堂,2003
9)平井俊策(編):目で見る神経学的診察法,医歯薬出版,1993
10)寺本民生(編):感覚障害,診察の技法と考え方,pp174-179,中外医学社,2001
11)和木嘉昭,嶋田智明:測定と評価第2版,pp285-307,医歯薬出版,1987
12)田村康二:臨床身体検査法,pp191-195,金原出版,1985
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Category: 神経

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感覚の障害部位の絞り込み 

まず評価部位を絞るために
・診断名と病変部位に関するカルテ情報
・筋力の評価
・問診
を注意深く行っていく。
問診技術も重要であり、
主観的表現なので人によって表現は変わってくる。

しびれが感覚障害とも限らず、
筋力低下のこともあるので注意が必要である。
また神経疾患の患者は感覚異常の訴えがなくても
検査が必要である。

簡易に行う方法としては
スクリーニング検査がある。
触覚・痛覚・振動覚などの
左右差を確認することで
大まかに障害部位を特定していく。
ある程度絞り込むことができれば
感覚別の検査手技を行っていく。

1)永冨史子:感覚:PTジャーナル41,pp925-930,2007
2)永冨史子:感覚,内山靖:(編):理学療法評価学第2版,pp109-114,医学書院
3)田崎義昭:ベッドサイドの神経の診かた,pp85-94,南山堂,1987
4)加藤洋:感覚(知覚),吉利和(監修):新内科学体系,pp239-261,中山書店,1976
5)川上義和:身体所見のとりかた,pp214-218,文光堂,1993
6)小嶺幸弘:神経診察ビジュアルテキスト,pp137-152,医学書院,2002
7)松澤正:知覚検査,岩倉博(監修):理学療法評価法,第3版,pp91-97,南光堂,1995
8)佐藤邦洋:体性感覚をあなどるな 奈良勲(編):理学療法のとらえかた,pp150-155,文光堂,2003
9)平井俊策(編):目で見る神経学的診察法,医歯薬出版,1993
10)寺本民生(編):感覚障害,診察の技法と考え方,pp174-179,中外医学社,2001
11)和木嘉昭,嶋田智明:測定と評価第2版,pp285-307,医歯薬出版,1987
12)田村康二:臨床身体検査法,pp191-195,金原出版,1985
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Category: 評価

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表在感覚の評価 

表在感覚(superficial sensation)の評価では
触覚・痛覚・温度覚がある。
触覚(tactile sense)では筆などを使い触れていく。
感じたら「触った」と表現してもらったり、
程度を表現してもらう。
胸部や体幹などは肋骨と平行に行い、
四肢は長軸方向に行う。
痛覚(pain)は歯車や針などを使う。
「痛い」と表現してもらったり
痛みの程度を表現してもらう。
特殊な痛みとして視床痛(thalamic pain)がある。
視床の障害で異常に強い痛覚過敏が生じる。
また脊髄瘻は触覚刺激をはじめは触覚と感じ、
2~3秒遅れて痛みが生じる。(遅延痛覚)
温度覚(sense of temperature)
試験管を用いて温水(40~45℃)と冷水(10℃程度)を用意し、
触れたかどうかではなくどんな感じかを問う。
接触時間を一定にする(熱移動時間を考慮して3秒程度)
高齢者や末梢循環不全がある場合は
神経障害がなくても温度覚鈍麻を認める。

1)永冨史子:感覚:PTジャーナル41,pp925-930,2007
2)永冨史子:感覚,内山靖:(編):理学療法評価学第2版,pp109-114,医学書院
3)田崎義昭:ベッドサイドの神経の診かた,pp85-94,南山堂,1987
4)加藤洋:感覚(知覚),吉利和(監修):新内科学体系,pp239-261,中山書店,1976
5)川上義和:身体所見のとりかた,pp214-218,文光堂,1993
6)小嶺幸弘:神経診察ビジュアルテキスト,pp137-152,医学書院,2002
7)松澤正:知覚検査,岩倉博(監修):理学療法評価法,第3版,pp91-97,南光堂,1995
8)佐藤邦洋:体性感覚をあなどるな 奈良勲(編):理学療法のとらえかた,pp150-155,文光堂,2003
9)平井俊策(編):目で見る神経学的診察法,医歯薬出版,1993
10)寺本民生(編):感覚障害,診察の技法と考え方,pp174-179,中外医学社,2001
11)和木嘉昭,嶋田智明:測定と評価第2版,pp285-307,医歯薬出版,1987
12)田村康二:臨床身体検査法,pp191-195,金原出版,1985
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Category: 評価

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深部感覚の評価 

深部感覚(deep sensation)には
振動覚・運動覚および位置覚・
複合感覚(2点識別覚・書画知覚・立体覚および
立体認識・局所識別覚)がある。

振動覚(vibration sense)では
骨の隆起部分に音叉(C型)を振動させて当てる。
具体的な部位としては
 ・指の末端
 ・鎖骨
 ・胸骨
 ・上前腸骨棘
 ・膝蓋骨
 ・内果、外果   などがあたる。
高齢者の下肢では障害がなくても
減弱していることがある。

運動覚(sense of passive motion)および
位置覚(sense of potion)
運動覚は閉眼で手指や足指の側面を保持し、
上方あるいは下方に動かしどちらに動いているか問う。
位置覚は動かした後にどちらに向いているかを問う。
口頭か反対側で真似をしてもらう。
運動覚と位置覚は同時に検査し運動覚として記載する。

複合感覚(combined superficial sensation)は
表在感覚と深部感覚が複合したような高度な感覚。
視床より上位(特に頭頂葉)の病変が関係する。
触覚障害があれば刺激を感じることができないため
評価適応できない。
1.二点識別覚(two-points discrimination)
二点同時に身体の長軸に沿って刺激する。
圧はかけずに検査具の重量のみで刺激。
被験者は2点と感じた時は「2」
1点と感じた時は「1」と答えてもらう。
2点からはじめ徐々に距離を縮めていく。
(随時1点のみで刺激を与え信頼性を確認)
正常な2点識別覚閾値は
 ・口唇   2~3mm
 ・指尖   3~6mm
 ・手掌足底 15~20mm
 ・背面   40~50mm
2.書字知覚(skin writing)
先端の鈍なもの(鉛筆やマッチ)で数字や
○△□を書き答えてもらう。
検者と被験者と同じ向きになるように留意
3.立体覚・立体認識(stereoesthsia・stereognosis)
開眼し日用品(鉛筆・はさみ)を握らせ、
それが何か答えてもらう。
積み木の形の大小を答えてもらう。
4.局所識別覚(topographic sense)
先端の鈍なもので皮膚の一点を触覚刺激を行う。
被験者は手に持った定位棒で
刺激されたと思う点を指示する。
指し直しはOK。
正常誤差は2.5cm程度。
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Category: 評価

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疾患別の感覚障害 

皮膚障害・褥瘡のサイン
→感覚障害が出現する。

意識障害や人工呼吸器装着者
→意識レベルの障害の確認が必要。

会話できない、失語症がある
→触覚と痛覚の検査は可能
 表情やしぐさ(逃避・払いのけ)など
 刺激の感知はできる。

脳血管障害
→感覚が重要。
 視覚・前庭覚・体性感覚は姿勢制御に重要。
 感覚の混乱が筋緊張や姿勢異常に影響。

脊髄損傷
完全損傷の場合は境界判定が重要。
 感覚の残存・鈍麻・脱失の判定が重要。
 不全損傷の場合は感覚障害の変化を追うことが重要。
 感覚障害は運動障害と一致しないこともある。
 触覚が最も下のレベルまで残存しやすい。
 姿勢変化の認識は健常域と麻痺域をまたぐ
 筋肉(bridge muscle)からの固有感覚と視覚になる。

切断
→糖尿病からの切断。
 末梢循環障害では触覚・痛覚・
 振動覚が鈍麻したり異常感覚が生じる。
 表在感覚でソケットの傾きや圧の変化を感じ、
 路面や継ぎ手の状況を認識する。
 深部感覚で義肢の位置の感覚を確認する。

1)永冨史子:感覚:PTジャーナル41,pp925-930,2007
2)永冨史子:感覚,内山靖:(編):理学療法評価学第2版,pp109-114,医学書院
3)田崎義昭:ベッドサイドの神経の診かた,pp85-94,南山堂,1987
4)加藤洋:感覚(知覚),吉利和(監修):新内科学体系,pp239-261,中山書店,1976
5)川上義和:身体所見のとりかた,pp214-218,文光堂,1993
6)小嶺幸弘:神経診察ビジュアルテキスト,pp137-152,医学書院,2002
7)松澤正:知覚検査,岩倉博(監修):理学療法評価法,第3版,pp91-97,南光堂,1995
8)佐藤邦洋:体性感覚をあなどるな 奈良勲(編):理学療法のとらえかた,pp150-155,文光堂,2003
9)平井俊策(編):目で見る神経学的診察法,医歯薬出版,1993
10)寺本民生(編):感覚障害,診察の技法と考え方,pp174-179,中外医学社,2001
11)和木嘉昭,嶋田智明:測定と評価第2版,pp285-307,医歯薬出版,1987
12)田村康二:臨床身体検査法,pp191-195,金原出版,1985
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Category: 神経

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痛みの評価 

痛みは異常感覚の一種。
外からの刺激(触覚・痛覚)はparesthesia。
自発的に生じるものをdysesthesiaと呼ぶ。

痛みで確認することは
 ・部位と範囲の確認
 ・睡眠状態やストレスの確認
 ・性状の確認
性状の確認ではOPQRSTで覚えておくとよい。
O:Onset(発症様式)
 発症は突然か、徐々に悪化したか
P:provocation(誘因)
 何が痛みの引き金か
 どういうときに痛みが強くなりどういうときに弱くなるか
 (安静時・運動時・圧迫・寒冷時・雨天時)
Q:Quality(性質)
 どのような痛みか(表現をそのまま記載)
 (圧痛・鈍痛・鋭痛)
R:Radiation(放散)
 痛みは放散するか
S:Severity(重症度)
 痛みの程度はどのくらいか(VASなど)
T:Time course(時間経過)
 持続的・周期的・発作的・間歇的
 まったく感じない時があるか
 痛みは軽減しているか悪化しているか

1)永冨史子:感覚:PTジャーナル41,pp925-930,2007
2)永冨史子:感覚,内山靖:(編):理学療法評価学第2版,pp109-114,医学書院
3)田崎義昭:ベッドサイドの神経の診かた,pp85-94,南山堂,1987
4)加藤洋:感覚(知覚),吉利和(監修):新内科学体系,pp239-261,中山書店,1976
5)川上義和:身体所見のとりかた,pp214-218,文光堂,1993
6)小嶺幸弘:神経診察ビジュアルテキスト,pp137-152,医学書院,2002
7)松澤正:知覚検査,岩倉博(監修):理学療法評価法,第3版,pp91-97,南光堂,1995
8)佐藤邦洋:体性感覚をあなどるな 奈良勲(編):理学療法のとらえかた,pp150-155,文光堂,2003
9)平井俊策(編):目で見る神経学的診察法,医歯薬出版,1993
10)寺本民生(編):感覚障害,診察の技法と考え方,pp174-179,中外医学社,2001
11)和木嘉昭,嶋田智明:測定と評価第2版,pp285-307,医歯薬出版,1987
12)田村康二:臨床身体検査法,pp191-195,金原出版,1985
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Category: 評価

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痛みの場所が変わる 

痛みの場所が変わったけどなぜでしょうか?」
臨床で患者から聞かれることの多い質問である。
シンプルだがなかなか奥が深い質問である。
こういった質問にどのように答えるだろうか。
私の場合はさらにいくつか質問をし
答えるようにしている。

痛みの場所が変わったけど痛みは減ってきた
→最も痛い部位が回復してきたため、
 潜在的に痛みを生じていた場所の痛みを
 感じている。

痛みの場所が変わったけど新しい場所の方痛みが強い
→最も痛みを感じた部位を代償することにより、
 他部位に負担がかかってしまった。
 そのため前の部位を上回ることになってしまった。
 
脳は多くの痛みがあっても
最も痛い刺激のみを感じる。
そうでなければ脳は混乱してしまい、
どのように代償すれば良いのかわからなくなってしまう。
痛みが既に存在していても机の角で足の小指をぶつけたり、
太ももに刃物が刺さった場合は
今までの痛みは瞬時に消え、
最も痛い場所しか感じないのはそのためである。 
また痛みは脳で感じているため、ストレスがかかり
気分が悪くなるとより強く感じることになったり、
宝くじが当たると痛みなんか忘れてしまうということが
起きてしまうのである。

痛みというのは目に見えないものだ。
他人にはけっして理解されるものでもない。
だからこそ自分自身の影響を非常に受けるものでもある。
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Category: 痛み

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大切な質問 

患者の気持ちは療法士にもわからない。
質問は現実的な臨床症状のみを
把握するだけのものではない。
質問により患者の精神的な要素を知ることにより、
患者の精神的な要素にもアプローチすることができる。
どんなに身体症状が改善しても
不安や気になることがあれば患者にとっては
よくなっていないのと変わらないのである。

大切な質問とは
不安なことはないか?気になることはないか?
である。臨床上でこの点が改善されない限り
患者はリハビリテーションを卒業することはできない。
逆に早期からこの部分に積極的に取り組むことができれば
スムーズにリハビリテーションを終了することができる。
不安や気になることがなければ精神的には改善しているので
後は身体的なアプローチに周知すればよいのである。

私はこの「不安なことはないか?気になることはないか?」
という質問を非常に大切にするように心がけている。
では患者が不安なこと気になることというのは
どのようなものが多いであろうか?
実際にはオープンクエッション(開かれた質問)から
導きだす方が患者のオリジナルの言葉を知ることができる。
しかしなかなか本人自身がその質問に対し、
漠然とし過ぎて返答に困るようであれば
次の4つを確認してみるとよいかもしれない。
患者が不安になっていることとしてよくあるのが

何が起こっているのか?
 自分の症状は何なのか。何によって起きているのか。
 見えないものや経験したことのないものに対して
 人間は不安になる。
 脳は一貫性を保手なくなることをとても嫌うためである。
 これには問診とともに理学療法評価を行い、
 障害組織の特定を行うことが必要となる。

どうなるのか?
 この症状はいったいどうなってしまうのか。
 よくなっていくのか。それとも悪くなっていくのか。
 これには軟部組織の治癒日数の知識が役に立つことが多い。
 また本人自身が症状を悪化させる(いわゆる過用症候群)
 場合は通常の治癒日数のみでの予測は困難であり
 それも踏まえての説明をすることが大切になる。

自分に何ができるのか?
 症状をよくするためには患者自身が何をすればよいのか。
 少しでもよくなるためには何をしたらいいのか。
 こういった悩みも多いようである。
 よくすることも大切であるが、悪くすることの方が
 影響も大きく長く引きずりやすい。
 そこで日常生活の見直し(姿勢や動作)や休息と運動の
 タイミングと度合いなどの説明が必要になる。

療法士には何ができるのか?
 療法士のみの力では症状の改善は困難である。
 痛みの強い時期では負担をかけないように
 日常生活でのコントロールが最重要になるし、
 組織の回復においては細胞による影響が大きいためである。
 療法士ができることとしては組織のこわばりの改善や
 運動パターン変化のきっかけといったものが多いのではないだろうか。
 しかしこれらは一時的な変化に過ぎず、
 やはり日常生活での時間というものが一番となる。
 姿勢・動作そして心因性の影響を療法士が把握し、
 患者にあった指導により患者がコントロールすることが必要になる。

初回からできるだけこれらを患者自身が理解できるよう
説明することを心がけている。
これらが理解でき納得できれば症状が悪化したとしても
笑顔で話せるようになるから不思議である。
結局患者は痛みそのものよりも痛みによる不安や苦悩に
苦しんでいるとも言えるのではなかろうか。
体の痛みを改善するためにはまず心の痛みを改善することを
肝に銘じておく必要があるのではないだろうか。
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Category: 評価

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依存と自立そして相互依存 

人は大きく分けると受け取る側と与える側に分かれる。
受け取る側というのは
・自信がない、落ち込みやすい
・甘えたい、自分だけ得したい
・与えると損した気分になる
・自分がわからなくなり次第に自由がなくなる
といった傾向がある。これが依存側である。

逆に与える側というのは
・自信過剰でイライラしやすい
・自分が中心でいたい
・人間関係は希薄である
・受け取ることをしない
・愛も受け取れないので満たされない
・次第に心が干からびる
といった傾向がある。これが自立側である。
自立側の人間には依存側の人間が集まってきやすい

依存側が受け取ることに依存し、
自立側が与えることに依存した状態が共依存である。
共依存状態は長くは繋がらずどちらかが疲弊していく。
受け取る側が自由がないと感じたり、
与える側が満たされず要求に応じれなくなったとき
バランスが崩れてしまう。

仕事環境は絶えず変化が起こり、
多くの人間も存在する。
こうした中でいかに社会適応するかというのが
人間としていきていく上で重要である。
依存だけでも自立だけでもうまくいかないのが
こうした社会環境である。

様々な環境に適応するには目の前のものを
受け入れることが必要である。
これは相手や環境に自分をねじ曲げるのではなく、
別の視点を持つことである。
こうやって依存と自立のバランスを
とっていくことが相互依存である。
受け取ることと与えることとを臨機応変に
相手に合わせてや場合によって変化させ
バランスをとっていくのである。
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Category: 哲学・思想

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相互依存の必要性 

相互依存をとる方法としては2つある。
まず一つ目の方法は
弱点を意識する方法である。
自立側の人は受け取る側に意識をする。
依存側の人は与える側に意識をする。
割合的には得意:苦手が7:3ぐらいの感じなら
行いやすいのではないだろうか。

もう一つ目の方法は
常に中間をとる方法である。
どちらかに偏ることなく常に中心を崩さない、
自然にあるがままに過剰な意識を持たない方法である。
割合的には得意と苦手が5:5ぐらいのイメージである。
これらのバランスは10:0になると社会適応は破綻する。

こうした精神的なエネルギーは
無意識的な本能のようなもので実際には
なかなかコントロールは難しいものである。
日本人は遺伝子的にも
セロトニンが働きにくい性質を持っている。
(深層心理とトラウマ:遺伝の影響)
昔から日本文化には礼儀・マナー・思いやり
といったものを重視する傾向があった。
これは敵をなるべく作らないようにし
こういったことでのストレスから守ろうと
長年の知恵なのかもしれない。

社会は高度経済成長から戦う意識が強くなってしまった。
農家でのんびりと生活しながら、
礼儀・マナー・思いやりを大切にし
敵を作らないようにしてきた日本人にとっては
生きづらくなってしまったのかもしれない。
環境から相互依存が作られていた頃と比べ
自分から相互依存を作っていく必要があるのかもしれない。
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Category: 哲学・思想

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脂質異常症 

以前は高脂血症と呼ばれていたが
現在では脂質異常症という呼び名となっている。
血液の中には脂質が溶けている。
その溶けている脂質とはリン脂質、遊離脂肪酸、
コレステロール、中性脂肪があるが
脂質異常症に関わるのはコレステロール中性脂肪である。

コレステロール
善玉といわれるHDLコレステロール
(高比重リポタンパクコレステロール)と
悪玉といわれるLDLコレステロール
(低比重リポタンパクコレステロール)に分類される。
HDLコレステロールがなぜ善玉かというと
不要なコレステロールを回収して肝臓に
運ぶ役割があるためである。
またLDLコレステロールが悪玉な理由は
動脈の血管壁に付着し動脈の壁を厚く硬くさせることで
動脈硬化を促進させるためである。

中性脂肪は増えてしまうとHDLコレステロールが減少し、
LDLコレステロールが増えてしまうので
間接的に動脈硬化を促進してしまうことになる。
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Category: 医療

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脂質異常症の治療 

脂質異常症の治療の第一段階
適正なエネルギー摂取量と
栄養バランスの把握を行い、
それを維持することにある。

それでも無理な場合には第二段階に入り、
脂質異常症のタイプに応じた食事療法を行うことになる。
LDLコレステロールが多い場合は脂質の抑制を行う。
総エネルギーの20%以下にすることが目標となる。
中性脂肪が多い場合は炭水化物を抑制する。
禁酒と炭水化物を総エネルギーの50%以下にする。
これらでもコントロールが難しい場合は

第三段階となり治療薬を用いることになる。
治療薬ではスタチンがよく使われる。
スタチンはコレステロールを合成する
HMG-CoA(Hydroxy Methyl Glutaryl CoAreductase)還元酵素
の働きを阻害するものである。

コレステロールに関する学説は対立している。
(2010年の時点において)
日本脂肪栄養学会はLDLコレステロール値が高いと
死亡率が高いと主張している。
しかし日本医師会日本医学会日本動脈硬化学会
慢性肝疾患や虚弱体質などの患者に対しての
統計処理が不十分な可能性を指摘しており
根拠としては乏しいのではないのかという批判がある。

また近年ではトランス不飽和脂肪酸が体にとって悪影響だと
いわれることが多くなってきている。
トランス不飽和脂肪酸をとると
HDLコレステロールが減少し、
LDLコレステロールが上昇する
中性脂肪と同じ働きを示す。
WHOはトランス不飽和脂肪酸は最大で
総エネルギーの1%未満にするよう提唱している。
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Category: 医療

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2012-03
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