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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

2012年04月の記事一覧

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再生医療 

身体の損傷した部分を改善する手段として
注目されているのが再生医療である。
再生医療では幹細胞を自己増殖もしくは
特定の機能をもつ細胞に分化させ
障害部位に移植し再生させることを指す。

最も万能性に優れるのが
受精卵から発生したばかりの初期胚である。
これを壊すことでES細胞(Embryonic Stem Cell)
胚性幹細胞を取り出すのである。
しかしここで2つの問題が立ちはだかった。
初期胚を壊すというのは殺人ではないのか?
そして拒絶反応はどうなのか?

これに対し日本で世界的な論文を発表した。
2007年の京大山中教授らのチームが発表した。
iPS(Induced Pluripotent Stem)細胞
いわゆる人工的な万能細胞である。
これは少しの体細胞(皮膚や口の粘膜など)で
作ることができるといったものだ。

このiPS細胞のおかげで倫理的な問題や拒絶反応を解決することが
可能になるため非常に大きな期待が寄せられている。
ただiPS細胞の研究はES細胞の研究と密接なかかわり合いがあるため、
ES細胞の研究も必須になると考えられている。
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Category: 医療

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iPS細胞の課題 

現在iPS細胞には2つの課題が残っている。
一つ目は分化誘導技術の問題である。
神経系の細胞やインスリン産出細胞など
は作り出すことが可能であるが、
臓器などの3次元構造が
構築できないというものである。
これに関しては動物のES細胞と
人間のiPS細胞を合わせるという方法が
試作されている。
現在はラットとマウスでは成功。
人間とブタも可能だといわれている。
しかしながらヒトの胚と動物の胚の
倫理的な問題が生じてしまう。

もう一つの課題は
奇形種の可能性である。
これは万能な細胞がゆえに、
どんどん増殖していくことで
奇形種や腫瘍が形成されてしまうというもの。
未分化なiPS細胞をいかに目的の細胞や
組織に誘導していくのかのコントロールが必要である。

いずれにせよ再生医療ではiPS細胞、
ES細胞の活躍が大いに期待できる。
障害部位の完全回復という領域に人間は
どこまで踏み込むことができるのであろうか。
また果たして踏み込んでよいものだろうか。
様々な期待と不安が入り交じりながらも
研究は今日も続いている。
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Category: 医療

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療法士の先輩から言われた名言 

理学療法士・作業療法士のサイト 療法士.com
私が実習中に教えていただいた言葉に
「Cool Head, but Warm Hand.」
ってのがあった。
はじめ聞いた時は
「何で英語?でもかっこええ!」
と思った。もちろんその先生ももちろんCool。
頭は常に冷静だが相手には暖かく。
自分に厳しく、人に優しく。
そんなニュアンスだろうか。
その時は「かっこええ!」だった言葉も
時間がたっても不思議と残っている。
後に知ったのだがこの言葉はおそらく
アルフレッド・マーシャルの
Cool Head,but Warm Heart.
(冷静な頭脳を持つ一方で、暖かい心を持とう)
の"Heart"を"Hand"に変えたもの。
臨床家の触れるという行為を"Hand"に込めてあるのだと思う。

マーシャルは、経済学者ケインズが師。
貧民街にケンブリッジの学生たちを連れて行き
「経済学を学ぶには、理論的に物事を解明する
冷静な頭脳を必要とする一方、
階級社会の底辺に位置する人々の生活を
何とかしたいという温かい心が必要だ。」
と言ったらしい。

学問も仕事も冷静な頭脳は欠かせない。
しかしそれ以上に必要なものが人間性である。
論理的な思考や交渉力、リーダーシップだけでなく、
道徳や倫理感、そして温かい心こそ
患者を前にして最も大切だと思う。

実習の頃からずいぶんと時間が経ってしまったが、
よく実習生だった頃を思い出す。
その時は辛かったこともあったが、
毎日が新鮮で情熱的で心が常に動いていたのを思い出す。
早く自分もあんな風になりたい。
もっと結果が出せるセラピストになりたい。
信頼関係をしっかり築きたい。

今はどこまで来たのだろう。
これからどこまで行けるのだろう。
様々な人との出会い、様々な出来事があった。
こういった過去の出来事を
きちんと未来でつなげれるように
今をしっかり生きていこうと思う。
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Category: ブログテーマ

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高額療養費制度 

医療費がたくさん必要になった場合、
国から払い戻される制度がある。
これが高額療養費制度である。
1ヶ月に支払った治療費の自己負担額を合算し、
自己負担額限度を超えた場合、
超過分の払い戻しを行うというものである。
(同一月に同じ世帯でも可能)

※同一世帯で高額療養費の支給が3回以上あった場合、
4回目以降は自己負担限度額が引き下げられる。
70歳以上は該当しない場合あり

条件としては自己負担額が同一月内(月の1日~末日まで)
70歳未満の場合は複数医療機関もしくは
同一医療機関で他科にかかった場合、
入院と外来など2万1000円以上でないと合算できない。
また総合病院内では科が変わっていても
可能となった。(平成22年4月から)

自己負担限度額は年齢と所得で異なる(70歳未満)
上位所得者(月収53万円以上)
 →150000円+(治療費総額-500000円)×1%
一般
 → 80100円+(治療費総額-267000円)×1%
低所得者(住民税非課税世帯)
 →35400円
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Category: その他

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禁煙外来 

2000年代中盤から医療から予防へ
国の政策転換が行われた。
病気の治療より健康維持の方が
全体的な医療費が少ないためだ。
メタボリックシンドロームもこれによるもので
2008年4月から40~74歳の
特定健診・特定保健指導が義務化となったのも
この影響だ。

また予防として対策がとられたのが
禁煙外来である。
喫煙は心臓病のリスクを増加させることが知られている。
喫煙者は非喫煙者と比べ心筋梗塞のリスクが
男性で3.6倍、女性で1.4倍となる。
また突然死のリスクが
男性で10.7倍、女性で4.5倍となる。
禁煙が依頼では2・4・8・12週に通院し、
禁煙アドバイスと呼気一酸化炭素濃度測定を行う。
また煙草の切望感を減少させるため
禁煙補助剤も用いる。
バレニクリン酒石塩酸が
α4β2ニコチン受容体に作用することが影響する。

煙草は身体的依存と精神的依存の両方が関与し、
習慣化されたものであるため辞めるのが難しい。
また精神的なストレスの対処として用いている場合も多く、
簡単に辞めることができないのは
これらの複雑な要素が影響しているためである。
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Category: 医療

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整形外科疾患に対する視点 

整形外科疾患を診ていく上で、
2つの視点が重要である。
それは医学的視点と運動学的視点である。

まず医学的視点では
「どこ」が「どのような」状態か
把握する視点である。
「どこ」では障害を受けているのが
筋?関節?靭帯?骨?神経なのか。
また「どのような」では
病気が急性炎症なのか亜急性期なのか
医学的処置と安静が重視なのか?
運動学的な可動性の改善等が必要なのか
把握することが必要となる。

しかしこれらは動かすべきなのか
動かさないべきなのかを判断することはできるが
これだけでは不十分である。
障害は日常生活の姿勢や動作により
回復を阻害したり、再発を起こしたりする。
我々療法士はそれを見極め
生活指導や身体的アプローチをすることが必要になる。

ここで必要なのが運動学的視点である。
姿勢・運動の修正を行い、
痛みを出さない動き方を学習したり
痛みがでない身体の状態を作り出していく。
ここで姿勢・動作分析と各種理学療法評価が
必要となるわけである。

痛みのアプローチでは
いくつかの考え方がある。
最も一般的な考え方では
症状部位(Source)に着目する。
しかしこうした医学的な視点で
アプローチしても改善が乏しかったり
再発を繰り返したりすることは少なくない。

そして徒手療法などを学び可動域制限
着目する考え方を行うことも多い。
炎症後組織が改善した後も可動性の低下があれば
再び障害を繰り返すことになる。
また他の部位においても可動域制限があると
周辺の関節に負荷がかかり障害を生じる原因になってしまう。
こうしたことから軟部組織や関節に対する
モビライゼーションなどを施行する。

しかしそれだけでも根本的な改善にはいたらないことが多い。
原因(Cause)となる関与因子に着目する考え方も必要である。
障害は日常生活における姿勢と動作の影響が大きい。
どんなに身体の状態が良くても
姿勢と動作に問題が残っていれば
再び障害は起こってしまう。

狭い視点で細かく診ていく医学的視点。
リスクを把握しコントロールすることに優れている。
そして広い視点で大きく診ていく運動学的視点。
よりその人特有の生活様式にも目を向けていく。
疾患を診ていくこととヒトを診ていくこと。
体を診ていく上でも様々な視点があることを
念頭に置く必要があるのではなかろうか。
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Category: 評価

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呼吸器の役割 

呼吸をするということは
何のために必要で体の中に
何が起きているのだろう。
リハビリテーションでも呼吸による影響は大きい。
呼吸状態が悪いと易疲労性を生み、
動作の阻害因子になることも少なくない。

それでは呼吸器の役割と体への影響は
どんなものであろうか。
体の中の物質をエネルギーに変えるためには
酸素が必要である。
グルコースや脂肪酸を燃焼させることで
エネルギー生成される。
その際に酸素が必要なのである。
酸素は水に溶けている場合は1ℓで14mgであるが、
大気中では1ℓで300mgである。
大気から取り入れる方が効率よく
酸素を体に取り組むことができるのである。

取り入れられた酸素は細胞に取り入れられ
二酸化炭素を排出する。
酸素は血液中に流れ赤血球が運んでいく。
血液中の二酸化炭素分圧は40mmhg
重炭酸イオン(HCO3-)となりpH調節に関わっていく。
酸性に傾けば二酸化炭素を排出しpHを一定に保つ。

呼吸は体内のエネルギーの生成や
全身の細胞になくてはならない存在である。
体内に入った酸素は血液によって運ばれ、
pHを調節しながら体内の恒常性を保つ。
目に見えないところで様々な反応が起こり、
ヒトの生命を維持しているということは
じつに神秘的で興味深いものである。
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Category: 内部障害

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起業を考えたことはあるか 

理学療法士・作業療法士のサイト 療法士.com
今回もブログテーマです。
正直やっぱり皆考えたことはあるのではないだろうか。
自分の想いを起業という形にするというのは
すごく熱くなることではないだろうか。

理学療法士という仕事は本当にすばらしい仕事だと思っている。
自分が勉強したり技術を上げたことが
目の前の患者さんに生かすことができて
そして比較的ダイレクトな形で感謝される。
こういった立場の仕事はなかなかないのかもしれない。
だからこそ皆一生懸命勉強したり、
悩んだり試行錯誤しているのだと思う。

世界経済や社会情勢。日本の今後の社会保障のあり方が
現実の私たちの給料に大きく関わってくる。
こうした中で医療という現場でも給料の問題は
起きている。
私にとっては本当に大好きな仕事であり、
お金のことでどやかく言うように
なりたくないというのが本音である。
こんなに大好きな仕事としてやってるのに
お金が・・・とか言うぐらいなら
お金のために他の仕事をしたほうがましだと
思うのである。

しかし自分の想いとお金が結びつけば
本当にすばらしいことなのだと思う。
実際にはそうもいかないとは思うが・・・・。

今の時点で自分のやりたいことっていうのは
恥ずかしながらまだ見えていない。
今は目の前の患者さんの求めていることや
病院側の求めていることを読み取ることと
実行することで精一杯である。

そんな中で自分だけが持っていること。
社会の役に立てる自分の力が見つかればよいと思っている。
そうしたときに具体的な起業の方向で
動くことできればとっても面白いんだろうと思う。
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Category: ブログテーマ

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新年度の目標 

理学療法士・作業療法士のサイト 療法士.com
新しい年度に入りもう1週間。
自分のところの職場では今まで外来担当だったのが
入院担当に変わった。
外来では短い時間で以下に結果を出せるか。
患者に満足してもらえるかということを
重視していたので、徒手療法・論文などのエビデンス
そして患者自らが体のマネジメントができるよう
日常生活指導などに重きを置いていた。

今度は入院担当言うことで時間も増え、
患者とその家族、住宅などの広い視野、
そして精神的な要素などターゲットとする部分が
微妙に変化することが考えられる。
心理学や精神医学、哲学などヒトとして
向き合う時間がずっと増えると思う。
この部分が私にとって一番大切だと
感じている部分でもあるので
ここに力が注げるということは
今からとても気合いが入ることに違いない。

ただ入院では悲しい出来事を見ていく頻度も多い。
家族との不仲や兄弟間での押し付け合い、
認知症が進んでいったり病状が悪化していくことも多い。
死と向き合うこともでてくる。
きれいなものばかりでないリアルなヒトを
私の器でどこまで見ていけるだろうか。

高齢の患者に比べ私の経験は浅く、
どんなことをしてあげられるのか。
また寄り添うことができるのか。
まだまだ課題は山積みである。
まずはありのままの自分で相手の向き合い、
自分の中の足りないものを明確にしていきたいと思う。
そして具体的になればこの1年で知識と経験をできるだけ
上げていけるように努力していこうと思う。

今年はナラティブベースドメディスンの年として
しっかりと前に進んでいくつもりである。
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Category: ブログテーマ

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不動による可動域制限 

関節可動域の治療効果は
8週間未満かどうかが重要である。
4週間未満であれば骨格筋の問題が大きく1,2)、
4週間以上で8週間未満では関節構成体の問題が大きい2)。
8週以上になると関節軟骨の変化7-9)が生じるため、
治療効果が減少してしまうのである。
(プリテオグリカンの減少が著明)

最も治療効果が出やすいのが
4週間未満の骨格筋の問題のときである。
骨格筋の伸張性の低下粘弾性の影響が大きい。
粘弾性とは力学特性のことで
粘性と弾性を合わせたものである。(他に収縮・塑性)
粘性とは速度に比例する抗力(流体の粘っこさ)のことであり
プリテオグリカン(水分や筋膜:結合組織)が最も関わる。
弾性は変位に比例する効力(加えられた外力に応じ変形し、
力がなくなれば戻る)
直列弾性要素(SEC:series elastic component)
と並列弾性要素(PEC:parallel elastic component)に分類される。
直列弾性要素は腱(筋線維自体と筋線維に直列に繋がっている)
の影響が大きい。
並列弾性要素は筋膜(筋線維と並列に位置し包み込んでいる)
また収縮要素は痛みや筋緊張の影響を受ける。
治療はストレッチングによる効果の報告がいくつかあるが
否定的な論文も多い。
現在のところ30分以上の伸張が必要との考えが多い3-6)。
短時間でのストレッチ効果は伸張効果よりも
1b抑制による緊張の変化やクリープに
よるものの可能性が高いのではないだろうか。

1)岡本眞須美,沖田実,加須屋茜,他:不動期間の延長に伴う
 ラット可動域の制限因子の変化-軟部組織(皮膚・筋)と
 関節構成体由来の制限因子について
2)Trudel G,Uhthoff HK:Contra cures secondary to
 immobility:is the restriction articular or muscular?
 An experimental longitudinal study in the rat knee.
 Arch Phys Med Rehabil 81:6-13,2000
3)Williams PE:Use of intermittent stretch in the preventn
 of sercomere loss in immobilized muscle.
 Ann Rheum Dis 49:316-317,1990
4)中田彩,沖田実,中居和代,他:持続的伸張運動の実施時間の違いが
 関節拘縮の進行抑制効果に及ぼす影響-マウスにおける
 実験的研究-.理学療法学29:1-5,2002
5)沖田実,中野治郎,吉田大輔,他:持続的他動運動(CPM)による
 拘縮の予防効果-ラットヒラメ筋の筋内膜コーラーゲン線維網
 の形態変化から-.日本物理療法学会誌12:61-66,2005
6)西田まどか,沖田実,福田幸子,他:持続的伸張運動と
 間歇的伸張運動が拘縮と筋線維におよぼす影響-関節固定法と
 後肢懸垂法を組み合わせたラットの実験モデルによる検討-,
 理学療法学31:304-311,2004
7)Leroux MA,Cheung HS,Bau JL,et al:Altered mechanics and
 histomorphometry of canine tibial cartilage fallowing
 joint immobilization.Osteoarthritis Cartilage
 9:633-640,2001
8)Jartikka MO,Inkinen RI,Tamm:MI,et al:Immobilisation
 causes long-lasting matrix changes both in the
 immobilized and contralateral joint cartilage.
 Ann Rheum Dis 56:255-261,1997
9)Okazaki R,Sakai A,Ootsuyama A,et al:Apoptosis
 and p53 expression in chondrocytes relate
 to degeneration in articular cartilage of
 immobilized knee joints.J Rheumatol 30:
 559-566,2003
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Category: 可動域制限

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病理と運動のモデル 

身体活動は
基礎として筋骨格系
調節として神経系
生体力学として静的・動的なもの
そして維持として心肺代謝がある。
これらがすべて機能することによって
身体活動は遂行することができる。

病理運動学モデルでは
病理的な変化が起こることで
運動に影響が出ると考える。
なんらかの異常や外傷が要素的な機能障害を生じさせる。
そしてそれが運動機能障害を引き起こすことで、
機能的制約や活動制限が生じるというものである。

それに対し、運動病理学モデルでは
運動が病理的な変化を
引き起こすというものである。
これは持続的な姿勢や反復運動などの
特定運動方向が繰り返された時、
要素的な機能障害が連鎖し、
運動機能障害が生じる。
そしてその運動機能障害は
運動系の機能障害症候群となり、
神経学的・画像診断での異常を示し
機能的制約も生じさせるというものである。

理学療法教育では疾患から学ぶことが多いため、
どうしても病理運動学的モデルで考えることが多い。
しかしながらなぜ病理学的変化が起こるのか?
という本質的な部分を考えてみると
日常生活の影響が非常に大きい。
どういった姿勢やどういった反復動作が
障害を生じさせているのか。
そこを導きだし、患者とともに修正していくことこそ
真の改善に繋がるアプローチになるのではなかろうか。
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Category: 評価

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運動が障害をつくる 

運動病理学的モデルでは
疾患が運動を阻害するのではなく、
運動が疾患を作り出すという考えである。
要するに習慣が障害を作り出しているのである。

習慣とは日常生活での姿勢や動作が関与する。
長時間の姿勢や繰り返しの動作は
筋のアンバランスや関節機能異常を生じさせる。

筋は繰り返しの刺激で微細損傷が生じる。
顕微鏡レベルの損傷で画像や生理学的所見では
確認することは困難である。
また筋の長さが変化することで
硬さや短縮が生じたり、
延長してしまうことも少なくない。
筋の長さと張力は相関するため
いったん変化してしまうと
ますます元長さに戻すことが難しくなり、
悪循環となることも考えられる。

関節においても関節包の変化が生じ、
可動性の変化が生じる。
また関節機能異常も筋スパズムを
生じさせる要因となる。
筋と関節は両者とも関与し合うので
両方の評価が必要であろう。
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Category: 運動連鎖による影響

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筋の微細損傷 

筋の微細損傷は繰り返しの動作や
強いストレス(特に遠心性収縮)などで生じることが多い。
筋線維は痛みを感じることはない。
損傷された筋線維から浮腫が生じ、
筋膜まで広がることで痛みが生じるとも言われる。
(乳酸蓄積によるだるさとは分別;乳酸蓄積と
疲労に関する医学的根拠は乏しい)

臨床症状としては
圧痛・収縮時痛・筋の延長を伴うこともある。
筋の損傷が主症状なのでストレッチは行わない。
しかしながら緊張の改善や循環の改善で
それに伴う痛みは軽減されることもあり
判断が難しいところでもある。
訴えや運動時痛・触診感などの
わずかな違いを注意深く観察する必要がある。

筋の微細損傷が示唆される場合は
短縮位での保護や日常生活でのコントロールが
必要になってくる。
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Category:

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筋の硬さ・短縮と延長 

筋は長時間での肢位や繰り返しの負担や
長さが変化する。
変化の仕方としては短くなる場合は
硬さや短縮が関係し、
長くなる場合は延長が関係する。

筋の硬さは肥大で並列の筋節が増加。
ミオシンが増加し、細胞内の収縮タンパクである
タイチンの増加も認められる。
筋力を高めすぎることでも生じることが多い。

筋の短縮は
直列の筋節が減少した状態。
3週間あれば短縮は生じる。
改善には30分以上の伸張を
数週間~数ヶ月必要。

硬さと短縮の違いは
アプローチで一過性の効果が出るほうが
硬さによる影響。
アプローチにて短時間では効果がでないのが
短縮によるものである。
最低でも30分以上の伸張が必要な点と
数週間~数ヶ月必要な点がそれに関係する。

筋の延長は
筋節が増加している状態である。
短縮位にすることで筋出力が向上する。
アライメント変化に影響を受けやすい。

これらの影響を複雑に関与し、
要素的な機能障害を引き起こし、
連鎖的な機能障害に影響する。
硬さを改善するとともに延長した部分の改善や
日常生活まで視野を広げなければ
短縮の改善までは繋げることは難しい。
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Category: 可動域制限

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物理的ストレス理論 

身体活動のためにはストレスが必要不可欠である。
しかしながらストレスは一定量を超えてしまうと
かえって害になることもある。
ストレスが小さすぎても大きすぎても
生体組織は死んでしまう。
ストレスが少なすぎるとストレス耐性は低下し、
適度なストレスで生体組織は維持することができる。
ストレスが少し増加するとストレス耐性は増加するが、
大幅に増加すると組織は負担に耐えきれず
損傷し障害を起こすことになる。
日常生活による障害とは
ストレス耐性を超えて負担になることで生じる。

ストレスは量・時間・方向の影響を受ける。
量では面積あたりの強さが関係する。
面積が大きければ強さは分散されるが
面積が小さければ強さは一カ所に集中する。
時間では速度や長さが関係する。
速い動きでは遠心性収縮も利用されることも多く、
負担は大きくなりやすい。
また弱い力でも長い時間ストレスがかかってくると
徐々に負担は蓄積していく。
また方向では圧迫・剪断・捻れの力が関係する。
痛みがある場合、どの運動方向で負担がかかっているのか
明確にすることで日常生活指導や
アプローチするターゲットを絞り込むことができる。

近年、寝たきりにならぬように動くことの重要性は
広まっているが過度な運動による障害は
未だに認知は乏しい印象がある。
慢性的な整形外科疾患では
日常生活による症状の変化は経験することも多い。
運動を進めることは大切なことだが、
どういった運動を気をつけるのか。
またどの程度の運動にしておくのかなどの
具体的な指導をする上でこれらの知識は有効に
なるのではなかろうか。
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Category: 日常生活の影響

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動きやすい方向に障害 

姿勢や動作は繰り返しの習慣で固定化される。
筋や関節も時間が経つにつれ、
習慣化された運動方向に動きやすくなる。

運動は最小抵抗の軌道で動く性質がある。
それが最も効率的であるためである。
抵抗の少ない方向に動きやすく
習慣の動きはさらに強化される。

硬くなったり短縮した筋。
反対側では延長した筋。
関節においても関節の遊びが
過剰な方向と過小な方向が出現する。
筋の運動様式などの神経系や
ニュートラルである認知をする中枢神経も
それらをより固定化したものに強調する。

習慣を変えるにはまず害があることを認識すること。
それが習慣を変える動機に繋がる。
しかしこういった「~すべき」という
外発的動機付けの観念は2~3日で消失することが多い。
長期化するために必要な動機付けは
習慣を変えることで得られるものを認識することである。
姿勢を変えることで凝りが少なくなった。
動作を変えることで痛みがでなくなった。
こういったメリットは当たり前になるため、
意識しないと気付かないことが多い。
セラピストはそれを意識するよう促し、
患者自身がメリットを得られると感じることが
非常に重要になってくる。

学習効果にはドーパミンが必要不可欠なのである。
楽しく習慣を変えていくことで
症状の変化を促していく。
それを可能にするためには評価や治療技術だけでなく
信頼関係を構築する人間性や納得する指導ができるための
コミュニケーション能力など様々な能力を磨いていく必要がある。
理学療法の世界は非常に奥が深く限りがないところが
また大きな魅力なのかもしれない。
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Category: 運動連鎖による影響

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姿勢や動作のアプローチ 

姿勢や動作をアプローチするためには
姿勢・動作の観察とともに
視診・触診・自動/他動運動などを観察する。
それによりどの部分の動きが大きく
どの部分の動きが小さいのか確認する。
また可動制限が筋なのか関節なのか
動きが小さい原因を確認する。

動作観察ではまずアライメントを確認する。
関節の位置関係でその後の可動性や
筋の出力に影響を与えるためである。
動作では初動がどこかや過剰運動の部位を
明確にする。
症状の出現する動作があればその動作を
口頭指示、筋活動の促通、
療法士の介助により修正する。
修正することで症状が出現しなくなれば
その運動方向を抑制すれば
症状のコントロールが可能となる。

また過剰運動を抑えることのみで
コントロールが不十分な場合は
可動域制限を改善することが必要である。

姿勢と動作は全体を診る視点と
部分を診る視点が必要になる。
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Category: 運動連鎖による影響

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立位の評価 

立位で評価できるものはいくつかある。
ここではWeshington University School of Medicine
Program in Physical Therapyの
Lower Quarter 下部体幹1/4の運動系診断のための検査項目
Quarter Examination改変を参考に述べていく。

体型・特徴
 身長の高低、筋の発達、姿勢などを観察し
 おおまかな傾向などをとらえる。
 
アライメント
 脊椎の回旋側屈の変位があったり、
 骨盤の側方傾斜があれば腰椎は回旋に過剰に動きやすい。
 骨盤の側方傾斜は1.25cm以上あるかどうかがポイント。
 下肢の高位側が股外転筋の延長。
 低位側が股関節外転筋の短縮が疑われる。
 また胸骨下角の角度も内外腹斜筋の短縮の目安となる。
 胸骨下角は90°が正常範囲で70°以下が狭小。
 100°以上が拡大とされる。
 
前屈と前屈の修正
 腰椎は軽度伸展位(20~30°)から動き始める。
 腰椎屈曲が1/2までの間に股関節が動き始める。
 この2点がポイント。腰椎の屈曲は20~25°(第1腰椎上)  
 異常がある場合は股関節の屈曲が生じる前に
 腰椎が1/2以上動いてしまう場合。
 最大屈曲時に腰椎部が過剰に屈曲する場合(25~30°以内)
 彎曲の不連続性(分節間のアンバランス)
 
前屈からの戻り動作
 骨盤後傾位(股関節伸展位)から運動開始。
 その後、股・腰椎の運動が生じる。
 異常がある場合は腰椎伸展から
 運動開始(股関節の動きが少ない)。
 足関節背屈による過度の股関節前方移動。
 (股伸展の代償→sway back)
 
側屈
 均整のとれたカーブになるかどうかがポイント。
 側屈という運動はカップルムーブメントの関係で
 回旋と組み合わさって動く。(右側屈なら左回旋も生じる)
 異常がある場合はカーブがなく棒状になったり、
 胸椎や上部腰椎の動きが少なくなることが多い。
 →骨盤を固定すると上部の動きが誘導しやすくなる。  
  
片脚立位
 骨盤の傾斜や回旋、股関節の回旋は通常生じない。
 異常がある場合は
 立脚側の体幹側屈
  →外転筋弱化・腰椎は回旋しやすい
 立脚側の股関節内旋(外旋筋弱化)
  →外旋筋弱化・股関節内旋と膝関節外反しやすい。
 立脚側膝過伸展
  →膝が過伸展しやすい。
 
股関節・膝関節の屈曲(Partial squat)
 足底を床に接地したまま膝を45°屈曲させる。
 足部は軽度回内し、第2趾から伸ばした垂線に膝が位置する。
 異常がある場合は
 膝が母趾より内側
  →股関節が内旋しやすく、脛骨も外反しやすい。
 膝の位置が第4趾より外側
  →股関節は外旋しやすい。
 その他には過剰な回内(扁平)、縦アーチが減少しない(回外足)、
 膝の屈曲制限がある。
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座位の評価 

アライメント
  腰椎の左右の非対称化、腰椎の平坦化、腰椎前彎増強(伸展)、
  腰椎前彎減少(屈曲)などの確認。
  大腿骨の回旋や膝関節の回旋などもチェックしておく。
  脛骨遠位端で内外果を結んだ線と
  前額面がなす角で20~25°外捻が正常。
  またそれぞれを修正した時の症状の変化も確認する。
 
 片膝自動伸展
  膝完全伸展で足関節背屈10°可能。
  徒手抵抗にて伸展位を保つことが可能(大腿四頭筋MMT)
  異常がある場合
  膝伸展位が-15°以下
   →ハムストリングス短縮。
  膝伸展時の骨盤後傾・腰椎屈曲
   →1側脊柱起立筋延長、ハムストリングスの相対的硬化か短縮、
    腰椎は屈曲しやすくなる。
  膝伸展時の骨盤回旋・腰椎回旋
   →1側脊柱起立筋延長、ハムストリングスの相対的硬化、
    腰椎は屈曲しやすくなる。
  股関節内旋優位
   →内側ハムストリングス硬化・短縮もしくは
    大腿筋膜張筋優位。
  膝伸展位を保つことができない
   →大腿四頭筋の筋力低下
  膝蓋骨の過剰な外側滑り
   →内側広筋の機能低下・膝蓋骨は外側に滑りやすい
  下肢にしびれ感や張り感の左右差
   →神経伸張による症状との鑑別(slump test)
 
 股関節屈曲(腸腰筋)MMT
  股関節最終屈曲位にて保持が可能。
  異常がある場合
  最終屈曲位で保持不可能でも、10°屈曲角度を減少すると保持可能
   →股関節屈筋群の延長か腸骨筋の弱化
    (トーマステスト変法・MMTにて鑑別)
  股関節内旋傾向
   →大腿筋膜張筋優位
  外転・外旋傾向
   →縫工筋優位
  内転傾向
   →内転筋優位

 股関節回旋筋のROM・MMT
  ROMは内・外旋ともに30~45°可能
  異常がある場合
  外旋と比べ内旋の角度が大きい、
  腹臥位で内旋50°以上、外旋15°以下
   →前稔股
    (Craingテストにて検証)
  座位・腹臥位ともに内旋とくらべ外旋が大きい
   →後捻股
  筋力の低下
   →短縮位で改善するなら筋の延長。
    筋力に変化がないなら筋力の低下
  自動運動中のPICRの軌道が一定でなく痛みがある
   →軌道修正による症状の変化を観察。
    変化があれば関節の不適合による痛み。
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療法士として人生を変えた出来事 

理学療法士・作業療法士のサイト 療法士.com
影響として大きかったのは実習だと思う。
勉強なんてかっこ悪いって
心の中で思っていたところもあった。
正直あまり勉強が得意でなかった
自分なりのいいわけだろう。

しかし実習に行って患者さんを目の前にした時、
そんな考えは変わった。
目の前で必死に頑張ろうとしている人がいる。
自分は今まで言い訳ばかりで
勉強してないからできないなんて逃げ道を作ってただけだ。
ぎこちない自分のことも目の前の患者さんは
慕って話を聞いてくれている。

もし自分が関わらなかったらもっとよくなるんじゃないか。
本当に今やってるアプローチでいいのか。
自分の思ってる問題点は間違っていないのか。
いろいろな疑問が浮かんでくるものの、
それを考える知識すら持ち合わせていない。
考える力すらない情けない自分。
一生懸命頑張っている患者さん。

勉強してないとか頭悪いとかそんなこと関係ない。
こんなに頑張っている人が目の前にいるのに
自分は何もできないのか。
何もしようとしないのか。
本当にかっこ悪いと思った。

それから文献をひたすら読んだ。
頭に入ってこないとかそんな言い訳は辞めた。
自分が関わらなかったらもっとよくなるんじゃないか。
そんな考えも辞めた。
そんなこと考えたって患者さんはよくならない。
自分と関わってよかったと思えるようになればいい。
前に進むと覚悟すれば答えは思いのほかシンプルなものだ。
答えを導きだすのが怖かっただけ。
逃げれなくなるから。

情けない自分と本当に向き合うことができたのが
実習という場面と今まで出会って来た患者さん。
相手と向き合うってことは自分と向き合うってこと。
本気でぶつかるのは痛いけど得られるものは大きい。
一度きりの人生。
何も起こらないことを祈ってじっとしているより
いろいろあった方がきっと充実するんだと思う。

こういうことに初めて気付かせてくれたのが
私にとっては実習だった。
少しは自分と関わってよかったと思ってくれる
患者さん増えたかな。
まだまだこれからやることもたくさんありそうだ。
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脳卒中患者の起き上がり 

脳卒中患者は感覚閾値の変化や
頭・頸部の姿勢緊張に異常が生じ
視覚情報に固執しやすい傾向がある。

感覚情報が少なくなることで
質的な異常が生じてしまう。
こういった状態は患者の感覚としては
「落ちていく」「吸い込まれる」といった
感覚を生じさせ不安から過剰な緊張を生んでしまう。

こういった不安から来る過剰な緊張は
ベッド上の動作にも影響を及ぼす。
患者は感覚の異常による不安から
ベッドに過度に押し付けようとする。
頭をベッドに押し付け、胸椎伸展、骨盤前傾で
安定させようとし各分節の連結を高める。

その状態で起き上がりを促すと
押し付ける動作が強調され
頭をベッドに押し付け、胸椎伸展、骨盤前傾で
足をベッドで蹴るような動作となる。
そのの結果重心は後方に残ったままとなり、
重心移動を前方移動することができない。
セラピストの介助としては次に移動する先の
ベッド面の情報を強調することが重要である。
重心移動する方向の支持基底面に
しっかり荷重がかかるよう促したり、
その部分の感覚を確認するように
促すことが有効である。

療法士は目に見える患者の動作に
意識を向けがちであるが
その動作は感覚による異常から生じていることを
認識しておく必要がありそうだ。
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姿勢制御に必要な要素 

姿勢を維持するためにはいくつかの要素が必要となる。
大きな分類で分けると
空間における姿勢のためには運動が必要である。
視覚やその他の情報を知覚し支持基底面を
作っていくこととなる。
また動的コントロールには感覚が重要である。
歩行などの動作は予測行動が必要になり
感覚はそれらの基盤となる情報である。
またバイオメカニカルな部分では
認知機能が重要である。
自由度や安定性を適格にコントロールする。
筋肉のコントロールも認知的な要素が大きい。

姿勢は重心線が股関節より後方に落ちていれば良好であるが、
股関節より前方に落ちてくると負荷が大きくなってくる。
(踵から約40±5°前方が良好なCOPである。エネルギー効率が良い)

前屈が強くなるか脊椎の前彎が強くなることで
腰部のストレスは非常に大きくなる。
これにより長期間の同一姿勢を取ることが困難になると
代償動作でそれをカバーしようとする。

その際に骨盤を後傾することが多いが、
股関節で代償しsway backをとるか
膝で代償し膝を軽度屈曲位にすることが多い。
また膝屈曲角度が30°を超えると
膝を支持するのが困難んとなるため
膝に手をつく姿勢をとる。
バランスをとるためには重心線は
常に身体の真ん中付近に持っていくことが多く
上半身が前に位置する場合は骨盤は後方に、
上半身が後ろに位置する場合は骨盤は前方に
移動させることが多い。

姿勢はアブノーマルな部分があったとしても、
なんらかの代償を行っていることが多い。
その姿勢は痛みをかばうためか
エネルギー効率を高めるためか
なんらかの意味を持っている。
単純にノーマルな姿勢に戻すことは困難である。
バランスのよい姿勢を考慮する場合は
部分を見るだけでなく、
運動連鎖を含めた全身を見ることが必要になってくる。
しかしながら様々な関節の運動を考慮するには
非常に困難である。
常にイメージを持って体に触ったり、
観察することがアプローチの上で大切になってくる。
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Category: 運動連鎖による影響

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呼吸器疾患の離床のポイント 

長期臥床による廃用症候群予防のため
近年では早期離床が常識になってきた。
しかしながら今の時期の離床は安全か?
という不安も多いのが事実であろう。

呼吸の評価というと
胸部打診や呼吸音の聴診などの
フィジカルイグザムが
一番に浮かんでくるかもしれない。
しかしこういった単発の情報だけでは
患者の病態の全体像を把握するのは困難である。
どういった順序で評価をすればよいか
述べていきたいと思う。

まず全体をつかむ材料として
大きいのは情報収集である。
これによりおおまかに病態を
予測することができるので
その後の評価が楽になるし、
情報の整理も行いやすくなる。
次に視診・触診・打診・聴診と進めていく。
診て触って感じながら情報を集めていく。
視診では
胸郭と頸部の確認。
触診では
胸郭の可動性と声音震盪・胸郭震盪の確認。
打診では
胸部の清音・濁音の部位を確認。
聴診では
呼吸音を確認していく。
その他のアセスメントとしては
パルスオキシメトリーと胸部レントゲンがある。

これらの評価を行うことにより
離床が安全かの開始基準中止基準が明確になる。
呼吸状態が確認できる。
阻害因子が確認できることで
的を得たアプローチが可能になる。
早期離床中の呼吸状態の変化を確認し
効果判定ができる。など期待できることが多い。
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Category: 内部障害

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呼吸器の離床禁忌 

離床を行ってはいけない状態がある。
これらを把握していない状態で
離床を進めてしまえば
状態が悪化するだけでなく
最悪命に関わることもある。
そういった場合、
医師からストップがかかることが多いが
そういった徴候を療法士が初めて見つけることも
少なくない。
リスクマネジメントを行った上で
離床を進めることは何よりも大切なことである。

では呼吸器の離床の禁忌には
どういったものがあるのだろうか。
まずは意識状態や循環動態など
呼吸器以外の問題がないか確認する。
呼吸器では通常の呼吸パターンから逸脱した
以上呼吸パターンが出現する。
こういった状態ででる症状としては
・極度の呼吸数異常(RR<10、RR>40)
・緊急処置を要するリズムの異常
・重症呼吸不全(PaO2/FiO2<200 torr、ナルコーシス)
・安静時より努力性呼吸、呼吸困難感が強い
 (修正ボルグスケール≧7)
・急性呼吸不全による意識障害
・未治療の気胸(胸腔ドレーン未挿入)
・喀血を伴う肺内出血
・急性の肺塞栓症
・肺瘻を伴う膿胸
・フレイルチェストや脳挫傷
などが挙げられる。
これらはいずれも重症の症状が多く、
離床を行うにはリスクが高いものである。
これらの項目はぜひ注意をする必要がある。
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正常の呼吸パターン 

異常のある呼吸パターンを知るためには
正常の呼吸パターンを知ることが必要である。
正常の呼吸パターンは以下の通りである。
・呼吸数は12~20回/分
・換気の70%は横隔膜によるもの
・吸気は横隔膜と肋間筋の収縮、
 呼気は筋収縮は伴わない
・吸気と呼気は1:1.5~2
・吸気の終末には小休止が入る
・胸部と上腹部の運動は連動し、
 胸郭の運動には左右差がない。

これらが正常の呼吸パターンである。
正常の呼吸パターンから逸脱した
異常な呼吸パターンに気付くためには
まずこれらの確認が重要である。
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Category: 内部障害

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呼吸の異常パターン 

呼吸の異常パターンは視診で確認することができる。
正常の呼吸では
成人で12~20回/分,一回換気量500ml程度,規則的である。
小児では20~30回/分,新生児30~50回/分である。

呼吸のパターンは
深さと数、リズム、努力呼吸、体位の異常に
分類することができる。

深さと数では
頻呼吸・徐呼吸・多呼吸・少呼吸・
過呼吸・低呼吸・無呼吸がある。
またリズムでは
チェーンストークス呼吸・ビオー呼吸・
クスマウル呼吸がある。
努力呼吸では
鼻翼呼吸・下顎呼吸・陥没呼吸がある。
体位の異常では
起坐呼吸・偏側臥位呼吸・仰臥位呼吸がある。

藤崎郁:胸部(肺・胸部)のフィジカルイグザム.
フィジカルアセスメント完全ガイド.学習研究社;2001,p60
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Category: 内部障害

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呼吸の異常パターン 呼吸数と深さの異常 

呼吸数と深さの異常には
いくつか分類することができる。
まず呼吸数のみ変化するものでは
頻呼吸・徐呼吸・低呼吸がある。
頻呼吸は呼吸数が増加(25回/分以上)するが
深さは変わらない。
発熱や肺炎、間質性肺炎、気管支喘息、呼吸不全、
ARDS、代謝性・呼吸性アルカローシスがある。
徐呼吸は呼吸数の減少(12回/分以上)するが
深さは変わらない。
頭蓋内圧亢進、アルコール摂取時、麻酔、
睡眠薬投与時などがある。
低呼吸も同様に呼吸数の減少で
深さは変わらない。
睡眠時、胸水や腹水の貯留、神経筋疾患、
肺切除後などがある。

次に深さのみ変化するものとしては
過呼吸がある。
過呼吸は深さが増加するが呼吸数は変わらない。
神経症・過換気症候群・運動後などがある。

また呼吸数と深さの両方が変わるものとしては
多呼吸と少呼吸がある。
多呼吸は呼吸数と深さがともに増加した状態で
運動時、低酸素血症、高炭酸ガス血症、
過換気症候群、肺塞栓などがある。
少呼吸は呼吸数と深さがともに減少した状態で
肺胞低換気症候群、麻痺、死亡直前などがある。

またその他には呼吸が一時的に停止した状態(安静呼気位で)
となる睡眠時無呼吸症候群がある。

藤崎郁:胸部(肺・胸部)のフィジカルイグザム.
フィジカルアセスメント完全ガイド.学習研究社;2001,p60
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Category: 内部障害

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呼吸の異常パターン リズムの異常 

リズムの異常では
チェーン・ストークス呼吸、ビオー呼吸、
クスマウル呼吸が一般的である。

まずチェーン・ストークス呼吸
呼吸の深さが周期的に変化するのが特徴である。
数秒から数十秒の無呼吸の後、徐々に呼吸が深くなっていき
一時過呼吸になる。その後少しずつ呼吸が浅くなっていき
また無呼吸になるような特殊な状態である。
中枢神経系疾患(脳出血・脳腫瘍)や尿毒症、
重症心不全がある。

次にビオー呼吸
周期性はなく不規則にリズムが変化する。
浅く速い呼吸から無呼吸そして
また戻ったりと変化する。
脳腫瘍・髄膜炎・脳外傷など
中枢神経疾患による
呼吸中枢活動の低下などがある。

クスマウル呼吸
深くゆっくりした規則的な呼吸が発作性に見られる。
糖尿病性家とアシドーシス尿毒症などがある。
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Category: 内部障害

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呼吸の異常パターン 努力呼吸 

努力呼吸では鼻翼呼吸、下顎呼吸、
陥没呼吸が一般的である。

まず鼻翼呼吸では
気道を大きく広げようとするために
鼻翼を張って鼻孔を広げる。
また咽頭を下に大きく動かす。
重篤な呼吸不全で生じる。

次に下顎呼吸では
口・下顎をパクパク広げ、
必死に空気を取り入れようとする。
重篤な呼吸不全で生じる。

陥没呼吸は胸壁が未完成な新生児や
未熟児の呼吸障害を示す。
吸気時に胸郭内が強い陰圧となり
胸壁(肋間腔・胸骨部など)がへこむ。
突発性呼吸窮迫症候群(IRDS)で生じる。
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呼吸の異常パターン 体位の異常 

体位の異常では
起坐呼吸、偏側臥位呼吸、
仰臥位呼吸が一般的である。

まず起坐呼吸
背臥位により坐位で
前かがみの方が呼吸が楽な状態である。
重篤な呼吸不全や左心不全で生じる。

偏側臥位呼吸では
片側上位の側臥位で呼吸困難が軽減する。
健側肺を上にすることで楽になる状態である。
換気血流比の改善から患側肺を上にして
軽減することもある。
片側性肺病変(無気肺・胸水貯留・肺炎など)で生じる。

最後に仰臥呼吸
仰臥位から坐位になった場合、呼吸困難。
換気血流比の不均等や低酸素症で起こる。
肺底区における肺線維症や動静脈奇形などで生じる。
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2012-04
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