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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

2013年01月の記事一覧

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骨盤後傾に関連するセルフエクササイズ 

姿勢の改善には日常生活での姿勢や動作の
改善が欠かせないが、
自分によるエクササイズも有効である。

骨盤後傾でよくある姿勢変化は
なで肩・猫背である。
なで肩では肩が前方に位置したまま
硬くなって後方への可動性が低下してしまうので
後方への運動が必要になる。
また猫背は胸を張る方向の可動性が低下しているので
胸を張る方向の運動が必要になる。
骨盤の後傾には脊椎の屈曲傾向と
ハムストリングスの柔軟性の低下による
股関節の屈曲傾向がある。
脊椎の伸展運動とハムストのストレッチが有効である。

運動療法を施行することができない休日などでは
こういったセルフエクササイズで
柔軟性の維持向上を考慮すると良いのではないだろうか。

セルフ後傾
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Category: 治療

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骨盤前傾に関連するセルフエクササイズ 

骨盤の前傾でよくある姿勢は
いかり肩と鳩胸である。

いかり肩は肩が持ち上がった状態で
肩を下げる方向の可動性が低下する。
椅子を使い、両手で椅子を持ち固定。
体を徐々に前に倒していくことで
肩を下げていく。

鳩胸は過度に胸を張った姿勢である。
肩が後ろに引けてしまい前方への可動性が低下する。
両手の甲を合わせた状態で
手をゆっくり下に伸ばしていくことで
肩の前方の可動性を改善していく。

また骨盤の前傾では腸腰筋と脊柱起立筋の緊張、
股関節内転筋・内旋筋の緊張の影響も関係する。
膝立ちで足を前後に開くことで
後ろ側の腸腰筋が伸張される。
またあぐらをかくように座り体を前に倒すと、
脊柱起立筋・股関節内転筋・内旋筋の伸張を
促すことができる。

セルフ前傾
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Category: 治療

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S字彎曲に関連するセルフエクササイズ 

S字彎曲の姿勢では
腰椎の左右どちらかが凹で
どちらかが凸となる。
凹側が可動性の低下している側になるため
凹側を伸張するように行なう。

椅子座位で行なう方法では
椅子に座り足を開くことで
骨盤より下をしっかりと固定する。
そこから凹側をゆっくり伸ばしていく。

床上で行なう方法では足を横に伸ばし、
床に手を着いた状態で少しずつ凸側を伸ばしていく。
先ほどの椅子で座る方法よりも
より下部が伸張される。

セルフS字
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Category: 治療

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スタティックストレッチのメカニズム 

ストレッチをするとどうして筋肉が柔らかくなるのだろう?
これは神経の働きが大きく影響する。

筋肉はα運動ニューロンの働きで常時興奮している。
それに対してゆっくりした力で筋肉を伸ばすと、
ゴルジ器官がこれを察知して筋が切れないように
1b線維に抑制をかける。1bが抑制をかけることで
抑制性介在ニューロンを介してα運動ニューロンの抑制が働く。

ポイントはゆっくり伸ばすことと、
ある程度の時間をかけて伸ばし続けることである。
伸張時間は最低10秒は必要であり、
できれば30秒程度かけることが重要である。

レジュメ
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Category: 治療

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脊椎の不安定性 

脊椎の不安定性という言葉は
度々用いられるが案外曖昧に用いられている場合も多い。

脊椎の不安定性とは
脊椎分離症や脊椎すべり症などが
疾患として挙げられる。
安定化筋群の神経制御不良や靭帯の弛緩などにより
過可動性が生じた状態である。

治療のターゲットは過剰な可動性のある分節の
動きを減少させることにある。
日常生活での姿勢や動作での運動性を低下させるために、
姿勢指導や動作指導。コルセットの着用で可動性を制限する。
深層筋の収縮を促すことも重要である。
過剰な運動が生じやすい動作で
協調して深層筋が働くように動作訓練を行なうことも有効である。

また過剰な運動性の関節がある場合は
周囲関節の可動性が低下していることが多い。
可動性の低下している周囲関節が可動することで、
過剰な運動性の関節の動きは少なくなる。

Fritzによれば並進4mm以上または
回旋が10°以上になると外科適応としている1)
外科適応になる前にうまく制御できるような
運動パターンを学習することは
リハビリテーションの上で重要な役割の一つではないだろうか。

1)Fritz,JM,Erhard,RE,Hagen,BF:Segmental instability of the lumbar
 spine.Phys There 78(8):889,1998
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Category: 腰椎

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仙腸関節の役割 

仙腸関節は安定性と可動性の両面が求められる関節である。
安定性では体の土台となり支えることが必要であり、
可動性では腰椎や股関節の運動の際に、
連動して働き円滑な動きを作り出している。

仙腸関節のもう一つの役割としては
脳脊髄液の循環といわれている。
脳脊髄液は脊髄や脳の栄養や老廃物の排出に関わる。
その際に脳に向かって上に汲み上げられる際は
側頭骨や後頭骨とともに仙骨の前屈・後屈が
関係するといわれている。
呼吸に伴い仙骨の前後屈がポンプとなり、
脳に向かって汲み上げられると考えられている。

脳脊髄液の循環障害が生じると
頭痛、頸部痛、めまい、耳鳴り、倦怠、
不眠、記憶障害などさまざまな症状が生じる。
臨床上、脊椎や骨盤のアプローチ後
これらの症状が軽快することは非常に多い。
しかしながらこれらのメカニズムに関しては
十分な科学的な裏付けが不十分であり、
はっきりしていないことも多い。

しかしながら臨床による結果から
研究が進むことも非常に多い。
療法士として臨床家としてすべきことは
患者の声にしっかりと耳を傾け、
目の前の患者に効果のある方法を
選択していくことではないだろうか。

そして理学療法で用いる治療手技はまだまだ
科学的な裏付けが不十分なものは多いことを
肝に銘じる必要がある。
絶対的な方法は目の前の患者との対話でしか
確認することができないものかもしれない。
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Category: 関節

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恋愛と扁桃体 

恋をすると人は変わる。
これは誰もが経験したことがあるのではなかろうか。
胸がキュンとしたり、毎日の生活が活気に溢れて
まるで今まで見えていた世界が嘘の用に
色鮮やかなものに変化する。
このときには脳内には快感物質である
エンドルフィンやドーパミンが分泌され
活性化した状態である。

このときに扁桃体は抑制されているため
相手のことが何をしてもすばらしく思え許してしまう。
これが恋による盲目でありあばたもえくぼ状態である。
しかしこの状態は最高でも3年で落ち着いてしまうので
つき合って3年も過ぎれば冷めてしまうのである。
相手は何も変わっていないのだが、
脳内物質の影響で自分の主観が変わってしまうのである。

何も努力をせず永遠を願っていても
脳は自分の意志に反して無意識的に
反応的に生きているのである。

いわゆる恋愛初期のトキメキがなくても、
一緒にいることで得られる安心感や満足感。
また何らかのメリットなども必要かもしれない。
いつもトキメキを求めて相手を変えたとしても
そのトキメキは常に賞味期限が設定されている。
相手が問題な訳ではなく自分の脳内物質の関係なのである。

急激に熱くなったら冷めやすいのも
こういったことが関与しているのかもしれない。
熱くなることだけを求めず、
お互い温め合うことができてはじめて永遠に近づけるのかもしれない。
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Category: 男と女

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扁桃体について 

前回の恋愛と扁桃体についてで
扁桃体に少し興味を持った方もいるかもしれないので
今回は扁桃体について詳細に説明したいと思う。

扁桃体は大脳基底核の一部と考えられている
アーモンド状の神経細胞の集まりである。
情動と記憶に関係が深いといわれている。

恐怖や嫌悪そして刷り込まれている情動体験の記憶は
扁桃体を介して恐怖行動を引き起こす。
ストレスホルモンの放出、呼吸や脈拍の増加、
硬直などの症状を示す。

また長期記憶を形成する際に、
記憶の固定や調節をするのに扁桃体の役割は大きい。
扁桃体は情動により活性化するので、
情動が換気されるものほど記憶に残りやすいのである。

脳の奥のアーモンド状の扁桃体が
感情とともに活性化すると
嫌なことを記憶しやすくなるのである。

神経心理学の研究では扁桃体の損傷で
母サルの母性が低下し
虐待や育児放棄をするようになったという報告の他、
扁桃体の過剰な興奮では社会恐怖や
境界性人格障害が多い傾向があったという報告もある。
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扁桃体と主観の変化 

恋により扁桃体が抑制されると
相手の見え方がずいぶん変わってくる。
しかし3年もたてば恋愛ホルモンも減少し
トキメキが薄れてくると変化が訪れる。

かわいいと思っていたものが
幼稚で子供っぽい。
甘えん坊だと思ってたのがだらしがない。
自己投資をする人だと思っていたのが
実は浪費家だ。
男らしいと思っていたのが威張ってる。
よく気がつくと思っていたのが細かい。
その人の良さという個性が
すべて正反対に見えてくるのである。

これだけ主観というものは当てにならないもので
好きか嫌いかだけで同じものでもよくも悪くも見えてしまう。
逆に相手の良いところを見ようとすれば
嫌なところを正反対にすればよく見える。
お互い一緒に過ごすならけなし合うより
尊敬し合いたいものである。

ケチだと思っていたけど節約家でしっかりしている。
外面だけいいと思ってたけど社交性がある。
嘘つきと思っていたけど大人で思いやりからのものかも。
こうやって考えていくことで相手の良い部分が見えてくる。
恋愛感情がなくなってからのお互いの関係は
相手次第よりも自分次第なのかもしれない。
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Category: 男と女

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哺乳類脳と爬虫類脳の関係 

人間の脳は深部に魚類・爬虫類脳である本能の脳。
旧皮質に旧哺乳類脳である情動の脳。
新皮質に新哺乳類脳である知性の脳がある。

哺乳類脳の部分には理性を司るため、
ここの働きが悪くなると爬虫類脳が全開となり、
野蛮な悪い行動が生じやすくなる。
この状態は論理的な思考が困難であり
イメージや感覚といった主観的なものでしか
判断ができない状態になる。
他人や社会性といったものは考えることができないため、
悪いことを起こしやすい人間になってしまう。

悪いことをする人はこういった論理的な思考が困難で
イメージや感覚のみの主観的な判断が主体となる。
長期的なストレスが脳に蓄積されると
海馬が萎縮することは知られている。
物覚えが悪くなり、忘れっぽくなる。
子供の頃に過度なストレスが長期間かかると、
哺乳類脳の発育に影響を及ぼす。

悪いことをするのは単純に人格や性格
そして倫理の問題だけではない。
脳そのものの物理的なメカニズムの異常が
関与していることも大きいのである。
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Category: 行動心理学

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お酒の分解と食べ物の影響 

忘年会やお正月などお酒を飲む機会も多かったが、
お酒を飲むことで体にはどのような影響があるのだろうか。

肝臓がお酒を分解する時間は以外とかかる。
1時間でだいたい0.3合。おちょこで2杯分程度である。
空腹で飲むと吸収の速度は約3倍に上がるので
より酔いやすくなってしまう。
寝不足や体調が悪かったり、
女性の場合生理のときなどは分解能力が低下する。

分解を助けるのにはタウリンの多く含まれる
イカは肝機能を高めるのに有効である。
するめやあたりめなど昔から口にするものは
理にかなっているものも多い。
また胸焼けや胃炎の予防には
食べ物の消化を助ける酵素を多く含んだ食材が有効である。
果物や生野菜などがこれにあたる。
サラダやフルーツ盛りなどが有効である。

お酒を飲むことで必要な栄養素が変化する。
飲むだけ栄養を取らなければならないので
バランスが難しくなる。
ほどほどにすることを心がけることで
バランスのとれた生活が過ごせるのかもしれない。
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Category: 栄養学

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お酒と脂肪肝 

お酒で肝臓に負担がかかると気になるのが脂肪肝。
肝臓に脂肪が沈着しているものであるが、
肝臓がアルコールを分解することで
脂肪の分解が後回しになるのが原因の一つである。
また最近では過度に炭水化物を抜いたダイエットによる
脂肪肝も注目されているようである。
炭水化物を取らなければ、
体のエネルギーに用いられる糖が不足するため
タンパク質を分解することで糖を作らなければならなくなる。
タンパク質は中性脂肪の運搬に必要な栄養素なので
タンパク質が少なくなると中性脂肪は肝臓にとどまることが
脂肪肝に繋がるのだという。
タンパク質は卵や豆、肉や魚に多く含まれる。

またお酒のあとは男性だとラーメン。
女性だとアイスが欲しくなることが多い。
これはアルコールの分解に糖が使われるので、
飲酒後、糖が低下した状態になるためである。
糖が不足しているので補いたいが、
これが肥満の原因にもなる。
糖が足りなくなるほど飲まないことが
大切になるのではなかろうか。

お酒の生理学的なことを述べていったが、
お酒は飲み過ぎるのはよくないが
害だけではない。
お酒を飲むことで気が緩み
いつも以上に解放して笑うことができる。
これがリラックスするホルモンを促し、
ストレスホルモンを減少させる効果がある。
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Category: 栄養学

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つまづきやすい歩行 

「歩くときにつまづきやすい。」
と訴えられる高齢の患者さんは多い。
歩行状態を見ると足先が地面を擦るように歩いている。
スリッパやツッカケを履いている場合も
こういった歩き方になりやすい。

歩行全体を見てみると、頭部は地面を向いており
体幹は常時前屈させている。
立脚中期〜後期の股関節の伸展、
膝の伸展、足関節の背屈がいずれも乏しい。
立脚の不安定感や外側シフトが生じやすい。

このような歩行をする場合は
転倒の既往があったり、転倒不安感がある場合が多く
杖歩行をしている場合が多い。

ではどのように考えてアプローチをしていけば良いだろうか。
次回はつまづきやすい方のアプローチを考えていきたいと思う。
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つまづきやすい歩行のアプローチ 

それではつまづきやすい歩行に対して
どのようにアプローチを展開していくのだろうか?

まず評価をしていく上で、問題となるものが
 1.痛み
 2.可動性
 3.筋力
 4.心因性
の順で確認していく必要がある。
痛みでは体幹を前屈させて疼痛を逃避しているのであれば、
伸展によってどこかしらに痛みが出る場合がある。
脊柱管狭窄などによって伸展で
臀部や下肢に疼痛が出現する場合は
このように前屈させることが多い。
この場合は下部腰椎が過剰に伸展しないために
胸椎から上部腰椎の伸展可動性の改善と
股関節の伸展の可動性改善が必要である。

次に痛みはないが可動性がない場合。
伸展させようとしても伸展する可動域がないために
屈曲させている場合である。
これは言うまでもなく可動域の改善が必要である。
4週間以内であれば筋の問題が大きく、
改善はわりと容易に行なうことができる。
しかしながら4週以降では関節の問題も混在してくるため、
関節モビライゼーションによる靭帯や関節包の伸張も必要である。
脊椎・股関節などは重要であるが足関節は見逃しやすい。
足関節の背屈制限は立脚期の下肢の運動の影響は大きい。

次に筋力。屈筋が強すぎると反対の伸筋は相反抑制により
弱化していることが多い。
筋力テストにより弱化している筋の向上とともに、
過緊張筋のリラクゼーションも大切である。
またアウターマッスルが過緊張の場合は
インナーマッスルの働きが不十分なことも多い。
インナーマッスルの促通とともに
動作時の収縮などのエクササイズも必要である。

最後に心因性の問題である。
過度に下肢の筋を緊張させていると、
足部の位置覚が入力されにくくなる。
それにより下肢の感覚が入力されないことにより、
視覚による代償が必要となる。
また不安感やクセによりつい下を向いてしまうことも
心因性の問題として大きい。

これらの問題はまず動作で確認したあと、
修正したい動作をしてもらうように誘導する。
そうした際の症状や問診により
問題の輪郭が見えてくることが多い。
そこを頼り評価をしていく。
高齢者になると脊椎の強直や
関節の制限も改善が乏しいこともあり、
どの部分を改善していくかが重要となってくる。
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Category: 運動連鎖による影響

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立脚期の不安定性 

障害部位の痛みはないのに、
大きな可動域制限はないのに
「どうもこっちの足だけ不安定な気がする。」
「しっかりと地面を踏みしめられない。」
こういった訴えを聞くことはないだろうか。

大きな問題はないから気のせいだろう。
慣れれば問題ない。そう考えることも多いかもしれない。
じゃあ何が起きているのか?

立脚期の不安定性に関与しやすいものとして、
立脚期の体幹深層筋の収縮の低下
立脚期の下肢内旋の運動連鎖の減少が挙げられる。
下肢に何らかの障害が生じると、
障害部位のストレスを軽減させるために
疼痛性跛行を呈する。
立脚期のストレスを減少させるために
力を逃がすのである。

立脚期に下肢を外旋させ、体幹深層筋を働かせず
床反力を逃がしつつ素早く反対側に荷重させる。
結果、障害側の立脚期は短縮される形になる。

立脚期は網様体脊髄路の関与も大きいため、
皮質を関与しない無意識的な運動が大きい。
患者の無意識での反応が大きいので
立脚期は療法士の動作分析が重要である。
ではこの立脚期の不安定性。
どのように対処していけば良いのだろうか。
次回はアプローチについて述べる。
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立脚期の不安定性のアプローチ 

立脚期の不安定性に関与しやすいものとして、
立脚期の体幹深層筋の収縮の低下。
立脚期の下肢内旋の運動連鎖の減少
というのは前回述べた。
ではどのようにしてアプローチをしていけば良いだろうか。

体幹深層筋の収縮の低下では
まず収縮をドローインなどで行なってもらう。
その後、下肢との協調的な収縮などを行ない、
不十分であれば深層筋の関与の可能性も高いと考える。
何度か収縮を促したあと、歩行が改善するのであれば
深層筋の関与は極めて高いと判断できる。

下肢内旋の運動連鎖の減少に関しては
問題をより詳細に掘り下げていけば良い。
原因は内旋方向への可動域制限なのか?
それとも内旋方向の筋出力の低下なのか?
もしくは単なる習慣化による運動学習のみによるものか?
それぞれ評価をしていく。

可動域制限であれば足部・足関節・膝関節・股関節・
仙腸関節・腰椎と可動域の制限や副運動の低下を評価していく。
筋出力の低下であれば外旋の筋力と内旋の筋力の差や、
患者本人がどちらが力が入りやすいかなどの主観を
評価していく。
これらの関節と筋の構造的な問題に問題がないのであれば
習慣化によるクセのようなものだと考えることができる。

こうした仮説はアプローチで結果がでるかどうかで
効果判定をすることになる。
アプローチにより変化が得られないのであれば、
評価の数が足りない、評価の技術不足などの評価の問題。
仮説の誤り。アプローチの技術不足。
などが挙げられる。
評価を多く挙げれば効果が得られる可能性は高くなるものの、
多くの要素を統合し仮説を導きだすスキルが必要になる。
動作からいかに問題を導きだしていくのか。
また既にいくつかの仮説を頭の中で用意できているのか。
こういったことが重要になる。

※今回の仮説はあくまで一つの例であり、
 見る視点、患者の希望や療法士の技術。
 求める方向性により様々な答えが存在する。
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Category: 運動連鎖による影響

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手のしびれ 

「手がしびれるんですけど、脳梗塞じゃないですよね・・・。」
診察室ではなくリハ室でもよく聞かれる質問である。
場合によってはすぐに診察が必要な場合もあるので
ある程度の鑑別は必要にはなる。

今回は脳梗塞などの重大な病変以外の手のしびれについて。
後縦靭帯骨化症の術後。片側にしびれが残存。
しびれの部位は母指から中指の前腕にかけてで曖昧である。
しびれは日によっては強いときと弱いときがある。

頸部の運動にて症状の悪化はない。
神経そのものの症状であれば日によって
症状が変化するというのは考えにくい。
神経伸張テストでは症状側のみに反応あり。
頸部の肢位でさらに伸張位となることで悪化する。
しびれが末梢のみではないので循環系によるしびれは否定的である。
症状から胸郭出口症候群の混在も考えられるので
評価すると障害側の小胸筋部の緊張が高く、
上腕骨は前方に変位、同側の肩甲帯は外転していた。
上腕骨と肩甲骨を元の位置に戻そうとすると、
同側の胸椎の回旋可動性が低いためか抵抗感を感じる。

では次回はこの症例のアプローチについて
私見を述べていく。
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手のしびれのアプローチ 

手のしびれの場合、どの部位にしびれがあるか、
症状はどのようなものかの問診で絞り込むことができる。
今回の症例は日によって症状に変化があることと、
母指から示指あたりに曖昧なしびれがあるとのこと。

神経伸張テストでは症状側のみに反応あり。
頸部の肢位でさらに伸張位となることで悪化。
神経モビライゼーションにより症状の軽減はあるも
完全な症状消失はない。
小胸筋部の緊張が高いので小胸筋の緊張を軽減することで
しびれ症状は消失する。

根本的なアプローチは小胸筋の緊張の軽減である。
その他の評価とし上腕骨は前方に変位、
同側の肩甲帯は外転が認められる。
胸椎の回旋可動性が低くそれにより
上腕骨・肩甲帯のアライメント不良が
誘発されている可能性が高い。

これらのアライメントの変化は
日常生活の影響を受けていることも少なくない。
アライメントのアプローチとともに
日常生活における不良肢位の影響も
確認していくことが必要である。
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脳は10%しか使われていない? 

結論から言うとそんなことはない。
もし10%しか使われてないとすれば
残りの90%を使うとどうなるのか?

そもそもこの情報はどこから広まったのだろうか。
いくつかの説がある。

アメリカのコマーシャル説
1998年のアメリカのサテライト放送の全米規模の雑誌に
「あなたは自分の可能性のうち11%しか使っていない」と記載された。
また同じ年のABCテレビの番組「The Secret Lives of Men」の番宣で
「男は脳のたった10%しか使っていない」と表示された。
これらのコマーシャルから生まれたとされる。

グリア細胞説
脳のグリア細胞の働きが十分知られていなかった頃、
グリア細胞は脳の伝達信号には使われないと考えられていたので
これが脳が10%しか使われていないと誤解されたのではないか。

サイエントエリア説
19世紀の脳研究では脳に電気刺激を与える研究が盛んに行われた。
ここで刺激をしても変化なく役割がわからない部分が見つかった。
これが脳が10%しか使われていないと誤解されたのではないか。

近年ではグリア細胞は脳の伝達信号に
関わっていることもわかっており、
サイレントエリアも機能していることがわかっている。
PETを使えば脳は常にどこかが稼働していて、
未使用の部分が90%になることはない。
脳はしっかり使われているのである。
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プレッシャーが脳を強くするか? 

時間ギリギリになって猛スピードで仕事ができた。
テストの直前になったら勉強する気になる。
そんな経験はないだろうか。

ならばプレッシャーをかけ続けていれば
どんどん脳は力を発揮して強くなるのではないか?
そう考えられるかもしれない。

しかし実際にはこういったプレッシャーの中で
脳は通常よりよく働いている訳ではなく、
むしろストレスにより
脳の働きは悪くなっていることのほうが多い。
確かにストレス下で高まるホルモンがあるが、
これは短期的なものですぐに落ち着いてしまう。
長期的にストレスを与え続けた場合は
むしろ脳細胞は破壊されていくことにもなる。

しかしプレッシャーを受けたあと、
仕事が無事に終わると緊張からの解放により
安堵感はより多く感じられることになる。
こういった快感がいつもぎりぎりの仕事を
行なわせるひとつの原因となっているのかもしれない。

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高齢者の転倒 

長期ケア環境では高齢者の転倒は
保健医療上での重大な問題となる。
しかしカナダ・サイモンフレーザー大学の
Stephen N Robinovitch氏らによると
現場ビデオ画像で解析した結果、
歩行中の転倒は少なかったという調査結果が報告された。
現在は高齢の転倒状況や原因に関するエビデンスは
ほとんどないのが現状だというのは驚きである。

転倒の既往がある患者ではどういった状況で転倒したのか
個別のケースに合わせて検討する必要が高いことが考えられる。

1)Robinovitch SN et al. Video capture of the circumstances of
 falls in elderly people residing in long-term care: an observational
 study. Lancet. 2013 Jan 5;381(9860):47-54. Epub 2012 Oct 17.
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Category: 高齢者

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ネットによる脳の影響 

ネットをやり過ぎると脳に悪影響があるのでは?
そういった声は時々聞く。
実際にはどういったことが起こりえるのだろうか。
ワシントン大学のデービッド・リービー教授は
ネットなどの早く多くの情報と違い、
現実社会は遅く少ない情報でのやり取りが多い。
このような情報の差により減じる社会での
反応が鈍くなる可能性がある。

スタンフォード大学の社会心理学者クリフォード・ナス氏は
こういった早く多くの情報のやり取りを繰り返すと
人間の感情の読み取り能力が低下する可能性があると指摘している。
研究では早く多くの情報のやり取りに慣れた人は
人の顔からの感情の見極めが困難な傾向があるという。
人との交流は学習により獲得するものであり、
経験が少なければこういった学習が阻害する可能性がある。

ネット環境が習慣化している現在、
早く多くの情報を扱う脳の使い方が増加している。
しかしそれにより人間の表情などの
微妙な変化の読み取り能力が減少する。
本当に大切なものは何なのか。
テクノロジーに支配されず、
自分の道具としてうまく扱うことができるように
今一度見直しが必要なのかもしれない。
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経過途中で生じやすい不安 

理学療法を開始してある程度の経過を過ぎた頃、
患者が不安になってしまうことは少なくない。

「少し使ったら痛みがひどくなった。」
「最近よくなっているのかわからない。」
「いつよくなるのだろう。」

これらの訴えは症状に対する焦りによるものが多い。
痛みは時間の経過とともに減少する。
しかしながら痛みの減少は徐々に緩やかになるため
はじめの頃の回復の速度と比べ時間とともにゆっくりになる。
はじめの2週間でこれだけ良くなったから
1ヶ月経てばもう痛みはなくなるな。
こういった期待を持つためその予測が外れることで
不安になってしまうのである。

軟部組織の治癒日数と治癒率

できれば痛みが減少して気持ちに余裕が出てきた時期に
こういった説明をしておくとよいのではないだろうか。

例えば軟部組織の受傷から2週間経過し
痛みがだいぶ良くなったと喜ばれている患者さんに対して
「この時期の回復のスピードが最も速いです。
 ここから回復の速度は半分ぐらいに落ちていくので
 予測よりは痛みの回復に時間がかかると思います。
 回復としては半分程度なので以前の動きの半分程度であれば
 許容できると思います。」

この話をしておけば、もし悪くならなければ
ラッキーと思うことができるし、
悪くなればあの療法士に言われた通りになったと
信頼関係が向上するかもしれない。

自らの予測通りにいかなかった場合や、
悪かった状態が改善し、期待を持ったときなどに
人は不安に陥りやすくなる。
様々な状況を想定し、精神的に安定した状態で
リハビリテーションを行なうことは
非常に重要である。
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Category: 治療

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伸展による腰痛 

「腰は立っているときと反らしたときに痛くなる。」
「また足を伸ばして上を向いて寝ると足がしびれる感じがする。」
「どちらかというと左足のほうがよくしびれる。」
「あと階段を上るときに足が持ち上がりにくい感じがする。」
こういった訴えを持った患者さんがいたとする。

物理療法による腰の牽引および干渉低周波は
続けていたが症状の改善はなかったとのこと。
ではどのように評価を進めていけば良いだろうか。
次回は評価について私見を述べていきたいと思う。
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伸展による腰痛の評価 

では前回の続きで評価の方を進めていく。
触診では腸腰筋、脊柱起立筋、大腿直筋の
緊張が高く圧痛も強い。
骨盤は前傾が強く、右前方回旋・左後方回旋変位が
わずかにある。
脊椎はL2凸の右側屈変位である。

関節副運動テストでは
L3-5脊椎に過剰運動性。
L2からTh10に過小運動性あり。
筋力においては腸腰筋の筋力低下がある。
また体幹深層筋の筋出力低下が認められる。

ちなみに感覚障害はなく、SLRテストも陰性であった。
次回はレントゲンの確認を行なっていく。

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伸展による腰痛のレントゲン 

レントゲンでは腰部のOA変化およびL5のすべり症あり。
ただ脊柱管の前後径はL2ーL5まで15mm以上あり、
脊柱管の狭窄の影響は少ないと考えられる。
脊柱管形状は角田の分類にて
L3がOval型、L4がDeltoid型、
L5がTriangular型のType1で問題ない。
すべり症の程度分類MeyerdingではGrade 1である。
椎間板部のAir像はL1-2、L2-3、L5ーS1および
L3-4には軽度あり。

これらの評価とレントゲン画像から
仮説を導きだし治療プログラムを立案していく。
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伸展による腰痛の仮説 

それでは今までの情報を整理していく。
「腰は立っているときと反らしたときに痛くなる。」
「また足を伸ばして上を向いて寝ると足がしびれる感じがする。」
「どちらかというと左足のほうがよくしびれる。」
「あと階段を上るときに足が持ち上がりにくい感じがする。」
これらの情報から腰椎の伸展で疼痛が誘発することと、
下肢の挙上に問題があることが示唆される。

腰椎の伸展で疼痛が生じるということは
腰椎の伸展を助長するものがあるか確認が必要である。
腰椎の伸展を生じるには
骨盤の前傾に関与する腸腰筋と大腿直筋。
脊椎の伸展に関与するのは脊柱起立筋である。
これらの筋の緊張が高いということは
これらの筋により腰椎の伸展を助長している可能性がある。

関節副運動テストでは
L3-5脊椎に過剰運動性。
L2からTh10に過小運動性あり。
下部腰椎が動きやすくその周辺関節の硬さが
より過剰運動を助長している可能性がある。

伸展による影響で問題になりやすいのは
脊柱管狭窄であるが脊柱管の前後径は15mm以上。
脊柱管形状も角田の分類にて
Type1で狭窄症状は影響が少ないことが伺われる。

これらのことから
構造的にはL5過剰運動性に伴う
すべり症が現在の疼痛の可能性高い。
L5過剰運動性に関与する運動学的因子としては
体幹深層筋の弱化と脊柱起立筋、
腸腰筋、大腿直筋の緊張が挙げられる。
階段昇降時の下肢の拳上困難感は
腸腰筋の短縮に伴う筋出力低下が疑われる。。

セルフエクササイズとして体幹深層筋の賦活。
疼痛誘発動作での動作変更。
アプローチとしては過小運動関節の可動性の改善と
緊張筋である脊柱起立筋、腸腰筋、大腿直筋の
伸張性の改善を考慮した可動域訓練を中心に行っていく。
また相反する筋の腹筋群、大殿筋、ハムストリングスの促通も
考慮していく必要がある。
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パーキンソン病における理学療法とプラセボまたは無介入との比較 

パーキンソン病は時間の経過とともに
能力障害は進行していく。
理学療法によって二次的合併症を最小にし
生活の質を高めていくことは重要である。
ではパーキンソン病に対する理学療法の効果は
具体的にどういったものに効果があるのであろうか。

多数のRCTの文献データベースをハンドサーチし、
関連性のある試験を同定した。
理学療法の介入を行なった群と
理学療法を受けなかった群を比較。
バイアスの可能性を低下させるため、
参加者はランダムに割付けを受けた。
1,518名の33件のランダム化試験を
本レビューに適格として同定した結果である。

理学療法によりいくつかの改善が認められた。
歩行では
 ・歩行速度
 ・歩行持久力
 ・歩幅
移動能力およびバランス指標では
 ・移動能力検査
  ・Timed Up & Go検査
 ・バランス検査
  ・Functional Reach 検査(バランスを失うまで到達できる距離)
  ・erg Balance 尺度(バランスの複数の側面を評価する検査)
能力の検査では
  ・Unified Parkinson’s Disease Rating Scale (UPDRS)
   臨床医評価による能力障害の検査
これらの結果が理学療法の介入により効果が示された。
しかし転倒および患者評価の生活の質については
理学療法の介入をする群としない群に差はなかった。

これらのレビューから理学療法の
短期的利益に関するエビデンスが得られた。
差は小さいものの歩行、バランス、
臨床医評価による能力障害で改善が認められることは重要である。
しかし転倒と患者評価の生活の質に関しては
効果が得られなかったということは
受け止めなければならない事実である。

1)Tomlinson CL, Patel S, Meek C, Clarke CE, Stowe R, Shah L,
 Sackley CM, Deane KHO, Herd CP, Wheatley K, Ives N.
 Physiotherapy versus placebo or no intervention in Parkinson's
 disease. Cochrane Database of Systematic Reviews 2012,
 Issue 8. Art. No.: CD002817. DOI: 10.1002/
 14651858.CD002817.pub3.
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FAIは変形性股関節症の原因になるか? 

1936年Smith-Petersen1)は臼蓋縁と大腿骨頸部の
衝突による股関節障害の報告。
FAI(femoroacetabular impingement)の病態と
臨床的意義について体系的に報告したのはGanz2)らである。

FAIは変形性股関節症の病因のひとつとして近年注目されている。
 ・pincer type 臼の後捻による
 ・cam type  頸部offsetの減少による
の2つに分類される。
現在のところ画像所見と股関節屈曲内旋位での疼痛で診断される。

手術は股関節鏡視下手術や
外科的脱臼法でimpingementの原因を除去する治療が発展しつつある。
2010年のエビデンスでは
外科的治療の11編の論文(エビデンスレベルIII;2編、IV;9編、
外科的脱臼法6編、鏡視下手術5編)において
痛みと機能改善はすべての論文で示され(68-96%)、
術後、人工股関節置換術を必要とした症例は0-26%であった3)
しかし今後長期的な経過観察が必要である。

FAIによる治療は現在のとこと短期的に効果が示されているものの、
長期的な効果や変形性股関節症の進行の予防に効果があるか
FAIが変形性股関節症の発症因子であるか否かは現在のところ不明である。

1)Smith-Petersen MN. Treatment of malum coxae senilis,
 old slipped upper femoral epiphysis, intrapelvic protrusion
 of the acetabulum, and coxa plana by means of
 acetabuloplasty. J Bone Joint Surg Am. 1936;18:869-80.
2)Myers SR, Eijer H, Ganz R. Anterior femoroacetabular
 impingement after periacetabular osteotomy.
 Clin Orthop Relat Res. 1999 Jun;363:93-9.
3)Clohisy JC, St John LC, Schutz AL. Surgical treatment of
 femoroacetabular impingement: a systematic review of
 the literature. Clin Orthop Relat Res. 2010 Feb;468(2):555-64.
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Category: 股関節

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つま先を上げて歩くと良い?本当にそれだけよいのか 

「歩くときにつま先を上げて歩いた方がいいのか?」
「踵からついたほうがいいのか?」

転倒予防を考えてこのような質問も増えてきている。
たしかにつまづきやすい患者は
歩行時にすり足となりやすい傾向があるかもしれない。
つま先が上がっていればつまづかないのでは?
こういった仮説によるものだと思われる。
しかしもう少し深く考えていくと
つま先が下がる理由は様々である。
よくあるポイントとして次の3つを挙げる。

目線が下方にある
歩行時の精神的な不安感や足底感覚が不十分な場合に生じる。
「こけたらいけない。」と他人に過度に言われたりすると、
歩行時の不安は強くなる。
またそうした不安により下肢の筋肉が過剰に収縮すると
筋紡錘の働きが減少し位置覚・運動覚の入力が減少する。
その結果足底感覚が不十分となるのである。
目線を下方に向けずに歩行するには繰り返し様々な環境で歩行し、
自信をつけていくことと、足の力を柔らかくし
しっかり地面の感覚を感じることである。

体幹が前屈傾向
体幹が前屈するとつま先荷重となり、
つま先は上がりにくくなる。
脊椎の伸展に制限があると体を起こすことが困難となり、
前屈した状態で歩行することになる。
また脊椎の伸展に制限がなくても
体幹深層筋の収縮が不十分であれば
持続的に体幹を起こしておくことが困難となり、
時間とともに前屈してしまう。
脊椎の柔軟性と体幹深層筋の収縮も重要な要素である。

前方への推進力の代償
これは体幹を前屈させる理由に繋がるものである。
下肢の伸展方向の力が少ないと立脚期に
地面をしっかり蹴ることができない。
そのため前方の推進力が得られず、それを代償するために
体幹を前屈し体が前に倒れる力を推進力にする。
これは股関節の伸展制限や大殿筋やハムストリングスの
筋力低下やタイミングの障害が関与する。

つま先が上がらない患者さんの本当の原因は
実はこのようなものが影響していることは少なくない。
目線が下にある、体幹が前屈傾向、前方への推進力の代償。
こうした問題を分解すると精神的な不安や
体幹の伸展制限や体幹深層筋の筋力低下。
そして股関節の伸展制限や伸筋の筋力低下。
こうしたあまり関係なさそうな部分が
連鎖的に影響し合うのが体の動きの難しいところである。
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Category: 日常生活の影響

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2013-01
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