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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

2013年11月の記事一覧

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風邪 治療法 

治療においてはやはり安静と睡眠が重要である。
対症療法が基本となり、総合感冒薬や解熱剤、
咳止めなど複数処方することが多い。
昨今は漢方薬の葛根湯、小青竜湯、麻黄湯を
処方する医師も増えてきている。

抗生物質は風邪などの感染症には効果がなく、
効かないことを警告している。
抗生物質は菌にしか効果がないので
ウイルスによって引き起こされる風邪には効果が無い1)。

実際に抗生物質を飲んでも飲まなくても、
風邪の期間は同じだという調査結果がある2)。
風邪をこじらせ肺炎や気管支炎になってしまった場合は
抗生物質は必要になる。
しかしそれ以外は体の中の常在菌のバランスを崩し、
大腸炎や偽膜性大腸炎、ガンジダによる膣炎などの
副作用の可能性が出てくる。

解熱剤は逆効果になっている場合がある。
発熱は生体防御反応で、体温を高めることで
免疫力を上げているということが明らかになっている。
白血球は、平熱より1度上昇すると5 - 6倍の働きをする。
解熱剤の副作用として脳炎を気をつける必要がある。

風邪のウイルスに効く薬はない。
解熱剤や咳止めや鼻水をとめる抗ヒスタミン剤などの総合感冒薬は
症状を緩和するもので、根本的に治すものではない。
日本人は薬の名前や効果も知らない人多いが、
国民皆保険制度の負の一面の可能性もある。
風邪をひいたら水分を多めに摂って、
自宅で安静にしてみることからはじめると良い。

1) Arroll B, Kenealy T (2005). Arroll, Bruce. ed.
 “Antibiotics for the common cold and acute purulent
 rhinitis”. Cochrane Database Syst Rev (3): CD000247.
2)米山公啓『自然治癒力のミステリー』法研、1998、
 ISBN 4-87954-188-5、p.10
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Category: 健康

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科学的思考の変化 

現代の科学的思考は感染症の解決に大きな貢献をした。
それにより、多くの命を救うことができ
寿命も大きく延ばすことができた。
命を救い、長寿となった今、
問題は慢性疾患や変性疾患の存在である。

医学では何のウイルスや菌が原因かを特定し、
病気の原因をアプローチする因果律にそったものとなりやすい。
それに対して、慢性疾患や変性疾患では
様々な因子が影響を与えることで
症状が軽快したり悪化したりする。
因子すべてを考慮することで、
自然治癒力を適切に働かせたり、
恒常性を保つことが大切になる。

理学療法での臨床思考も
因子すべてが関係する傾向が強い。
歩行できないのはただ筋肉が弱いだけでなく、
痛みが存在したり、関節の可動性が低下していたり、
またその状態をかばうことで別の問題が出現したりと、
多くの問題が複合的に絡み合い、繋がって一つの事象が起きてくる。

慢性疾患や変性疾患を考える上では、
ひとつの原因を改善することでなく、
多くの問題のつながりを理解していくことになる。
それ故に、予測や数値化が困難となり
絶対的な答えが存在しないということが生じてくる。
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Category: 哲学・思想

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物理学の変化 

物理学の考えも発展とともに変化している。
自然界の秩序によるものは測定可能なものと考えられ、
詳細な計算と方程式により、
すべての事柄は予測が可能なものと信じられてきた。
しかしながら自然界の秩序のみでなく、
予測不能なものや不確定要素が混在しているものが
実際であるとの考え方が主流となってきている。
要するにニュートン力学的な予測可能なものでは
すべてを語ることはできず、量子力学やカオス理論のように
不確定要素も存在するため予測困難なことの方が多いということである。

無題 2
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Category: 哲学・思想

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科学的思考の歴史 

人の考えというのはその時代の考え方の影響を多く受けており、
それが常識として基準になっていることが多い。
そのため、時代が変わることで全く違った価値観が存在し、
考え方も大きく変わることも多い。

歴史的には大きな思想として注目されたのは
アリストテレス論理ではないだろうか。
アリストテレスは物事にはすべて目的がある。
つまり目的こそそのものごとの原因とした。
それが「神が人を作った。」
「雨は動物の生命のために存在する。」
などと説き、教会としても都合の良い考えであり、
教義として採用。教会が最高権威を得ることになる。
アリストテレスは重量と重力論や
地球中心説・天体不変性説などを唱えるも
いずれもガリレオ・ガリレイやコペルニクスに否定され、
これらの理論の絶対性が揺らぐことになる。

その後、万有引力で有名なニュートンが物理学を発展させ、
原因と結果の関係性は測定可能であり論証できることを示した。
それにより、ガリレオやコペルニクスの理論を証明することが可能になり、
それらの力学体系を学術的に統一。
物理・数学的な基盤とし近代科学の先駆けを作り出すことになる。
その後、アインシュタインの理論
そして現代の量子力学やカオス理論と発展する。

地上には天国と地獄がある。
地球は平で海の向こうには境目がある。
そういった考えが昔にあったというのは今では驚きである。
しかし、考えというのは知っているものを基準に考えるので
今考えているものも今知っているもので考えるに過ぎないかもしれない。

無題 1
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Category: 哲学・思想

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ニュートン力学・量子力学・カオス理論 

ニュートン力学と量子力学、カオス理論について簡単に述べていく。
ニュートン力学は物体に位置と運動量を設定することで、
ある程度の運動の予測がつくといったものである。
様々な方程式を用いて、運動を予測していくことが特徴である。
ニュートン力学はこのように測定により、
すべてのものは把握することができるとするが、

量子力学はそれに対して、予測の難しさを示す。
量子力学は原子・分子・電子・素粒子を考慮する。
それによりこれらの正確な位置と同時に運動量を測定し、
決定することは現実的には不可能であり、
これが不確定性原理となると主張する。

そしてカオス理論は複雑なものほど予測は困難であるとする。
例えば週間天気予報。予測するにはあらかじめデータを決定する必要がある。
気温・湿度・雲の位置・風向きなどと今までのデータで検証していくが、
気温が30度であれば1週間後は晴れになるが、
30.00000000000000001度であれば雨になるということが起きるのである。
気温一つに置いても詳細に測定することに限界がある。
それに週間天気予報のように長いスパンになると誤差も大きくなる。
このように初期値の設定により、結果が大きく変わるものを
初期値敏感性をもった決定論的システムと言う。
このように週間天気予報や人口分布など初期値の設定で大きく変わるものや、
複合的な問題が生じる場合にこれらが特に影響される。

このように現在の物理学では測定可能なものと
予測不可能な不確定性が混在したものが存在しているとする。
これをニュートン力学、決定論的カオス、カオス理論の3層で表現される。
科学の影響が大きい現代の思想において、
科学ですべてを網羅することができないことは驚きである。
無題 1
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Category: 哲学・思想

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狭く見るものと広く見るもの 

理学療法によるアプローチを考える上で、
根拠に基づいて行うことは非常に重要である。
特に急性期においての重要性は高い。
急性期では再骨折や炎症の増強など
問題点の高いものが集約できる。

しかしながら、家庭生活や本人のニーズを考慮した、
変性疾患や慢性疾患になってくると問題は多様化し、
優先順位も個々において様々になる。
問題点同士の相互関係や、日常生活による影響など
身体面だけでなく心理面や社会的な問題も含まれると
問題を完全に解釈するのは非常に困難なものかもしれない。

何が原因で症状が出現しているのか考えることは大切だが、
生きている人間の場合は多くの条件が存在する。
一つの原因により、一つの問題が起きるというのは
逆に不自然とも考えられる。

理学療法のアプローチ前とアプローチ後で
効果判定をすることはもちろん大切である。
しかし、アプローチの効果だけでなく
姿勢を変えたこと、触れたこと、患者の意識の変化、
心理的な影響など様々な条件の変化がそこに含まれる。
治療者と対象者との信頼関係や周囲の人の状況も
当然関わってくる。

こういったことを考慮すると細かく見ることと
大きく見ることの二つの視点はとても大切である。
アプローチによる効果を客観的に示すことと、
笑顔の一声で生じる主観的なもの。
どちらか一方ではなく両方が合わさってこそ、
大きな効果の出せるアプローチになるのだと感じる。

無題 1
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Category: 哲学・思想

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Hans Selyeのストレス説 

ストレスについて最も研究した人は
生理学者のHans Selyeではないだろうか。
ストレスを医学で初めて用い、
1700以上の論文39の著作がある。

Selyeはストレスを
「要求に適応しようとする体の非特異的な反応」とし、
ストレスに対する考え方を体系化している。

ストレスは個人の身体的・精神的な反応のことで、
外部ストレスと内部ストレスがある。
外の環境から生じるストレスを外部ストレス
自分の内から作られるストレスを内部ストレスと呼ぶ。
またストレスも良いものと悪いものがあり、
良いものを良性ストレス(ユースストレス)、
悪いものを悪性ストレス(ディスストレス)と呼ぶ。
人はストレスがなしに生きていけないが、
良性ストレスが多く、悪性ストレスが少ない状態が
健康を保つ上では重要である。

ストレスに対する体の反応はSelyeによると3段階に分かれる。
3段階の反応ではまず警告反応期、それから抵抗期、
最後に枯渇期となる。

まず警告反応期は一時的にショック反応が生じる。
短期間ストレス反応が低下するのが特徴である。
次の抵抗期だがストレッサーという有害因子に対して、
体が対抗を始める時期である。
アドレナリンとコルチゾールの分泌を増やすことで
感覚が鋭くなり、運動制御が向上し、
覚醒度が高く新陳代謝が亢進されるようになる。
最後の枯渇期はいわゆるバーンアウト(燃え尽き)である。
ストレスに対応できない状態であり、
休息・栄養・治療が必要な他、
ライフスタイルの見直しが必要となる。
体の反応は抵抗期と枯渇期に出現する。
調節が容易であるのは警告反応期と抵抗期で
その間に何らかの対策をしておくことが必要である。
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Category: 心因性

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ストレスによる症状 

ストレス反応ではどういった症状が出現するのであろうか。
症状は多種多様であるが、次のようなものがある。
・頸・背中の痛み
・慢性的な痛み
・慢性疲労
・偏頭痛
・神経過敏もしくは集中力低下
・不眠や過眠
・拒食や過食
・胃腸障害
・アレルギー
・感染症
・月経前症候群
・うつ傾向
・薬物依存(ニコチン・コーヒー・アルコール・薬物)

脳や神経に影響を及ぼすので、
様々な問題が生じる。
過剰に働く場合と過小に働く場合がある。
食欲や睡眠などはその傾向が強い。
また痛みに関することや免疫機能に関わるもの、
そして依存傾向が強くなる傾向もある。
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Category: 心因性

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ストレスに反応する臓器 

Selyeはストレスに対する体の反応を
全身性適応症候群(GAS)と呼び、
抵抗期と枯渇期にストレスの反応が生じるとした。
動物実験では大量のストレスは死を招くこともあり、
ストレスの増加により特に胃・胸腺・副腎の臓器が
反応しやすいことが認められた。
胃は胃潰瘍、胸腺は縮小と機能低下、
副腎は脂肪増加と機能低下が生じる。

は食欲の低下を示し、胸腺は免疫力の低下に関わる。
副腎についてはわかりにくいが多くの問題を生じる1-3)。
具体的には免疫機能障害によりアレルギーやホルモン機能障害、
体重増加、胃腸障害、慢性疲労、関節炎、低血糖、
学習困難や情緒不安定などである。
臨床検査ではラグランドサインが用いられることもある。
ラグランドサインは臥床から立位になったときの
血圧の変化を確認する。血圧が変化なかったり低下するようなら、
副腎の機能障害を示している。
副腎は通常、立位でノルアドレナリンを分泌するため、
血圧を8mmhg程度上昇させるためである。
また瞳孔に光を当て、瞳孔収縮を見る方法もある。
瞳孔が収縮ない場合や、30秒以上収縮しない場合に、
副腎機能の障害を示す。
副腎機能が低下すると、ナトリウムが減少し、
カリウムが増加する変化を示す。
過剰なカリウムは瞳孔の収縮を妨げるためである。

このような評価を用いることで、ストレスという主観的なものを
ある程度定量化して確認することができるかもしれない。

無題 1

1)Gerz,Applied Kinesiology
2)Schmitt,Common Glandular Dysfunctions in the General Practice
3)Goodheart:You'll Be Better
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Category: 心因性

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ペインマトリックス 

痛みは末梢の受容器が受け取り、
脳で感じることで認識する。
傷めたときなどに出現する急性の疼痛は
侵害刺激と言われ、脳では痛み関連領域が活性化する。
痛み関連領域はペインマトリックスとも呼ばれ
 ・一次体性感覚野
 ・二次体性感覚野
 ・前帯状回
 ・島
 ・前頭前野
 ・視床
がこれらに当たる部位である1,2)

その他に痛みを活性化する領域があり、
 ・補足運動野
 ・扁桃体
 ・海馬
 ・小脳
 ・中脳水道灰白質
 ・側前頭前野
 ・前頭眼窩皮質
がこれらに当たる1-3)

痛みは気持ちの影響を受けるということは
一般的にも知られてきているが、
具体的には脳のどの部位が活性化しているのか
次回から少しずつ述べていきたいと考える。

1)Apkarian AV,Bushnell MC,Treede RD,
 et al.Human brain mechanisms of pain perception
 and regulation in health and disease Eur J Pain:
 findings from functional imaging studies Cell Mol Life
 Sci 2009;66:375-90.
2)Seifert F,Maihofner C.Central mechanisms of
 experimental and chronic neuropathic pain:
 findings from functional imaging studies.
 Cell Mol Life Sci 2009;66:375-90.
3)Tracey I,Imaging pain.Br J Anaesth 2008 ;101:32-9.

無題 1
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Category: 痛み

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痛みの内側系と外側系 

痛みの識別は外側系の経路と内側系の経路の二つに分かれる。
外側系の経路は実質的な痛みの識別に関わり、
内側系の経路は痛みの情動や認知・評価などに関わる。
これら二つは異なる様相を示すものの、補完し影響し合う働きがある。
要するにこの二つが客観的な痛みと主観的な痛みとなり、
痛みが感情の影響を受ける一つの根拠である。

外側系
 視床外側→一次体性感覚野・二次体性感覚野
内側系
 視床内側→前帯状回1)

その他の部位として島は
内側・外側の中間的性質を持つ部位1)であり、
高次脳機能の最高中枢である前頭前野は
痛みの認知・評価に関わってくる。
痛みは感情で影響する経路があり、
実質的な痛みは変わらないものの
痛みの認識を強くしてしまうことも多々ある。
次回は意識と痛みの変化について述べていく。

1)Apkarian AV,Bushnell MC,Treede RD,
 et al.Human brain mechanisms of pain perception
 and regulation in health and disease Eur J Pain:
 findings from functional imaging studies Cell Mol Life
 Sci 2009;66:375-90.
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Category: 痛み

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意識の違いによる痛みの変化 

脳の意識の違いによって痛みはどのように変化するのだろうか?
臨床でも意識の持ち方の違いで痛みを感じやすい人と、
感じにくい人がいることは経験することと思う。
では脳の領域ではどの部位が活性化しているのだろうか。

まず痛みを感じやすい人の特徴では
一次体性感覚野・二次体性感覚野・前帯状回・前頭前野の
活性化が強い傾向にある。1-3)
いわゆる急性刺激で生じる痛み関連領域が活性化している。
また痛みの注意がそれた場合は、
前頭前野の一部と中脳水道灰白質・前帯状回が活性化する4)
痛みの予測をした場合は、
一次体性感覚野・前帯状回・中脳水道灰白質・
島・前頭前野が活性化する4)
また強い痛みを予測すると
視床・前頭前野・前帯状回が活性化し、
痛みが増幅されやすくなる。
弱い痛みを予測すると
一次体性感覚野・島・前帯状回が減少5)し、
痛みは減少しやすくなる。
注射の針をさす時に「少しだけ痛いですよ。」とか
「細い針だからそんなに痛くないですよ。」というのは
痛みを軽減させるのには実は有効な手段なのである。

1)Coghill RC,Mc Haffie JG,Yen YF.Neural correlates of
 inter individual differences in the subjective experience of
 pain.Proc Narl Acad Sci USA 2003;100:8538-42.
2)Jackson PL,Meltzoff AN,Decety J.How do we perceive
 the pain of others?A window into the neural processes
 involved in empathy.Neuroimage 2005;24:771-9.
3)Saarela MV,Hlushchuk Y,Williams AC,et al.
 The compassionate brain:humans detect intensity of pain
 from another face.Cereb Crtex 2007;17:230-7
4)Valet M,Sprenger T,Boecker H,et al.Distraction
 modulates connectivity of the cingulo-frontal cortex and
 the midbrain during pain-an fMRI analysis.Pain 2004;
 109:399-408.
5)Sawanmoto N,Honda M,Okada T,et al.Expecttation of
 pain enhances responses to non painful somatosensory
 stimulation in the anterior cingulated context and parietal
 operculum/posterior in sulfa:an event-ralated functional
 magnetic response imaging study.J Neurosci 2000;20:7438-45.
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Category: 痛み

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痛みと心の関係 

痛みは心の影響を多く受ける。
心の痛みは痛み関連領域が活性化することがわかっており、
痛そうな表情の写真などによる痛みの連想1,2)
前頭前野や前帯状回(他者の痛みや心の痛みに関連)の活性化を示す。
心により痛みの軽減が図れることも知られている。
痛みを意識からそらしたり、弱い痛みの予測をすることも痛みを減少させるが、
他にもねたみや瞑想が痛みを軽減することがわかっている。

ねたみという感情は人の不幸を願うというもので、
前帯状回・前頭眼窩皮質・腹側線条体が活性化する。
この部位は報酬系と相関がある3)もので、
人の不幸は密の味というのは脳の活性化の領域からもうなずける。
人の不幸による喜びで痛みが軽減しているのである。
瞑想では痛みの関連領域の働きが低下することが知られている。
その他に中脳被蓋野・前頭葉・頭頂葉などは
安静時には活性化しない瞑想特有の活性化を示す。
これらは下行性抑制系の働きに重要4)な部分で、
痛みを減少させる働きに関わる。

これらのことから気持ちをどのようにもっていくかは、
痛みを減少させるのには非常に重要である。
また余裕のないときには他人の不幸により、
気分が良くなるということは趣味は悪いが
実際に効果があることは否定できないのである。

1)Jackson PL,Meltzoff AN,Decety J.How do we perceive
 the pain of others?A window into the neural processes
 involved in empathy.Neuroimage 2005;24:771-9.
2)Saarela MV,Hlushchuk Y,Williams AC,et al.
 The compassionate brain:humans detect intensity of pain
 from another face.Cereb Crtex 2007;17:230-7
3)Takahashi H,Kato M,Matsuura M,et al.When your gain is
 my pain and your pain is my gain:neural correlates of envy and
 shcadenfreude.Science 2009;323:937-9.
4)KakigiR,Nakata H,Inui K,et al,In tracerebral pain processing
 in a Yoga Master who claims not to feel pain during medication.
 Eur J Pain 2005;9:581-9.
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Category: 痛み

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筋の持続的な収縮のメカニズム 

筋は痛みが生じた際に、持続的に収縮することがある。
この筋の持続的な収縮がさらに痛みを起こしたり、
可動域制限に繋がり更なる問題となったりする。

では筋の持続的な収縮は
どのようなメカニズムによって生じるのであろうか。
まず侵害受容器が痛み刺激を受けると、
(1)γ運動ニューロンと介在ニューロンが刺激される。
(2)γ運動ニューロンの刺激は筋紡錘に伝わり、
(3)筋紡錘からは1a線維と2線維(1と2はローマ数字)に伝わる。
 1a線維はα運動ニューロンへ
 2線維は介在神経とγ運動ニューロンへ伝える。
(4)これにより痛み刺激による筋収縮が生じる。
(5)さらにこの筋の収縮により化学受容器が反応、
 γ運動ニューロンが刺激されるとともに、
 また筋紡錘に刺激を伝え、連続的なループが形成される。

これが持続的な筋収縮のメカニズムとなる。
急激に筋が引っ張られるなどのきっかけにより、
持続的な筋収縮が形成されることも多い。
痛みが続く理由の一つに
こういった症状が関連することも多いのである。

筋紡錘を考慮したアプローチ

1)Knutson GA:The role of the gamma-motor system in
 increasing muscle tone and muscle pain syndromes:
 a review of the Johansson/Sojka hypothesis.
 J Manipulative Physiol Ther 23:564-572,2000
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立毛筋反射 

視診をしていると不調の部位には特徴がいくつかある。
不調のある部位は交感神経優位となっており、
立毛筋反射が生じていることが多い。
立毛筋反射は毛を逆立てたり、皮脂を分泌したりする。
逆立った毛は摩擦によりすり減って短くなったり、
毛が薄くなっていたりする。
また皮脂の分泌により黒ずみや湿疹が生じる。
また分泌された皮脂が酸化すると
細胞毒性があるため毛根を痛めるなどの症状も出現する。

慢性的な疼痛症状がある患者はこのような
皮膚上の変化もひとつの指標となるため
注意深く観察していく必要もある。

無題 1
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Category: 評価

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筋の促通と抑制 

筋肉が収縮するときには多くの筋が
停止部の筋は起始部に近づくように移動する。
要するに末梢から中枢に近づくように動く。
また筋肉が弛緩するときには、
停止部の筋が起始部に離れるように移動する。
要するに中枢から末梢に離れるように動く。

筋を末梢から中枢に近づくようにさすると、
筋出力は向上する。
また中枢から末梢に離れるようにさすると、
筋出力は低下する。

筋力テストで低下している筋に
末梢から中枢に近づくようにさすると
筋出力は向上する。
この操作は非常に短時間で
変化を生じさせることができるので、
歩行障害に対して、一つの筋を変化させると
どのように歩容が変化するのかを
確認するのに有効である。

また歩行中に過度に力が入らないように
中枢から末梢に離れるようにさすり、
筋出力を低下させるのも効果的である。

レジュメ
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Category: 治療

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筋の促通と抑制2 

筋は末梢から中枢にさすると筋出力が向上しやすく、
中枢から末梢にさすると筋出力は低下しやすい。
健常者でも筋出力が低下しやすい筋はある。
調子の良いときは問題ないのだが、
体調の悪いときや精神的なストレスを受けると
筋出力が低下しやすい筋がある。

ふくらはぎが張りやすい人は
前脛骨筋の筋出力が低下しやすいが、
これは相反抑制の関係での1a抑制によるものと考えられる。
前脛骨筋の筋出力が減少しているため、
腓腹筋の筋出力が過剰になっているのである。

この場合、一般的には症状の出現している
腓腹筋の緊張を減少させるようなアプローチを行うが、
効果が思わしくない場合も多い。
それは腓腹筋の緊張を減少させても、
前脛骨筋の筋出力は低下したままであるため、
1a抑制のバランスは変化しない。
緊張した筋のアプローチのみでなく、
大切なのは筋出力の低下した前脛骨筋の促通である。

逆に言うと前脛骨筋のアプローチのみでも
相反抑制で腓腹筋の緊張は減少する。
同様に大腿四頭筋部に疼痛が出現し、
大腿四頭筋の過緊張や圧痛がある場合も、
ハムストリングスに対してアプローチすることも重要である。

アプローチにより症状が一過性に軽減するようであれば、
その症状が出現する日常生活の要因を
見つけることが重要である。筋紡錘を考慮したアプローチ
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Category: 治療

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心理的な問題と身体の影響 

心理的な問題は身体機能に影響を及ぼす。
理屈では理解できても、今ひとつ納得するのは難しい。
臨床では筋力テストに問題ないのだが、
歩こうとすると力が入らなくなる。
といったことが生じる。

力が入らなくなる時の感情を注意深く確認していくと、
すごく不安である。怖い。自分の足じゃない気がする。
痛みを探してしまう。力が自然と入ってしまう。
などの主観的な感覚が主で、
客観的な問題に目を向けると、足が重い、感覚が鈍い、
悪いイメージが先行するなどの訴えがある。
実際に位置覚・運動覚が一時的に消失もしくは減弱しており、
過緊張を解除すると感覚は元に戻ることから、
過緊張に伴う筋紡錘の機能不全もしくは、
脳の注意に伴う認知機能の障害が考えられる。
運動時に想起するイメージもネガティブなものが多く、
失敗体験の想起や破壊的なイメージ想起が多い。
(転倒するのでは、再骨折するのではといったもの)

ではこれらの現象のメカニズムについて
次回から述べていきたい。
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Category: 心因性

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心理的な問題と身体の影響2 

PTSD(心的外傷後ストレス障害)では扁桃体の過活動とともに
前頭前野の低下が認められることは有名である。
ここ10年の研究で前頭葉の体積や脳領域の相互接続の減少は
鬱病、自殺、犯罪、薬物中毒者などが
生じやすくなることが示唆されている。

扁桃体は基底核の一部で情動の処理・記憶や
恐怖条件付けと関連している。
一般的に恐がりの人は扁桃体が過活動している場合が多い。

また前頭前野は脳の高次の最高中枢で司令塔で
人間の心そのものと言われる。
・思考と決定
・情動・行動の抑制
・注意の集中と分散
・記憶のコントロール
などが主な働きである。
本能が過活動しているときには理性は働きにくくなる。
人間は自己の生命を守るため、大きなストレスに対して
本能的な行動を起こすことで瞬時に対応するようにできている。
これが短時間で戦うか・逃げるかを判断し対処することになる。
もしライオンが襲ってきたときに、理性的に考えていたら
その間に食べられてしまうからである。

身体活動には前頭前野の働きにより
情動の抑制・注意や集中、運動の決定を行うことで
イメージ通りの運動が可能になる。
扁桃体が過活動している場合には、
これらは機能しないため、動くことよりも守ること(生命維持)に
重きが置かれた行動様式になるのである。
では次回は実際の実例について述べていく。

筋紡錘を考慮したアプローチ
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Category: 心因性

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心理的な問題と身体の影響3 

こういった状況は健常人でも生活の中で起こることも少なくない。
これはおれおれ詐欺に引っかかる人間の心理も同じである。
テレビのニュースで見るときには
何でこんなのに引っかかるのかと思うが、
実際に身内から緊迫した状況での電話がかかってくる。
今なんとかしなければ助けられない。
そういった心理状態になると理性は働かないのである。

私自身もこのようなことを書いているにもかかわらず、
こういった状況になった経験はある。
子供の訪問販売の学習教材である。
はじめは子供の無料テストを行い、次ぎに来たときに
売り込みをかけてくることは予測できていた。
二回目の訪問の際には子供のテストの結果を褒めてもらい、
とても上機嫌になってしまった。
その後、いくつかの部分で弱い部分があることを説明された後、
今の学校での成績の二極化の話を新聞の切り込みや
データを示して話してくれる。
落ちこぼれてしまった例などの話を聞き、
自分の子供が落ちこぼれた状態を想像してしまう。
そういった不安が生じた後で、
教材40万近くする教材が今なら3割も安くなるというのだ。

妻が離れて聞いていてなんとか購入せずに済んだのだが、
私一人ではハンコをついていたに違いない。
訪問する前にはあれだあけ構えていたにもかかわらず、
感情にスイッチを入れられると、
こうも簡単に理性が効かなくなるのかと驚かされた例である。
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Category: 心因性

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2013-11
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