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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

2014年01月の記事一覧

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脊椎圧迫骨折の受傷 

高齢者になると骨粗鬆症も生じやすくなり、
骨折のリスクが高くなるのは言うまでもない。
脊椎圧迫骨折はその中でも代表的な骨折ではなかろうか。

症状としては軽度から強い背部痛が特徴である。
高齢者が突然、強い腰痛を訴える場合は特に注意が必要である。
背部を療法士の拳でノックするように叩き、
飛び跳ねるような(jump sign)強い叩打痛が出現する場合は、
気をつける必要があるだろう。
また骨折の場合は、骨振動により疼痛が誘発されるので、
痛い場所より離れた所から叩打するとより判別しやすい。

さて有病率はどうだろうか。
国内では和歌山・山梨・広島の調査がある。
それによれば60歳代で7.6〜14%。
70歳代で37〜45%である。1-3)
広島における前向き疫学研究では加齢により上昇する点や、
女性75歳の10万人当たり年間3000人4)という報告がある。
部位としてはTh6-8が多い。
骨折の既往がある場合は圧迫骨折の発生が5倍高く、
骨量・年齢とは独立して危険因子は高まる5)
人種による統計では欧米白人より日本人のほうが
発症率がやや高いということである6)。

高齢者で非常に多い脊椎圧迫骨折。
70歳代の3〜4割以上が発症している。
高齢で骨折の既往がある場合は特に生じやすいので、
もう一度日常生活での注意点を認識していく必要がありそうだ。
欧米白人より日本人に多いのは、
骨格の問題と生活習慣の問題が関係しているのかもしれない。
いずれにしても脊椎の骨折は姿勢不良の原因となり、
それに関連した様々な症状を誘発する可能性がある。
転倒して尻餅をついたり、重いものを持ち上げるときに
受傷することも多いのだが、特に誘因なく骨折する場合もよく聞く。
西洋の格言で
It’s the last straw that breaks the camel’s back
らくだの背骨を折るのは最後の藁(わら)だ。
というのがある。
些細なことでも積み重ねていくと大きな災いとなることもある
といった意味である。
大きな負担がなくとも、繰り返しの前屈姿勢でも
生じることがあるので、日頃から姿勢や運動パターンを
改善させるようにアプローチ介入する必要がありそうだ。

1)Kitazawa A,et al:Prevalence of vertebral fractures in a population based
 sample in Japan.J Bone Miner Metab 19:115-118,2001
2)Yoshimura N,et al:Prevalence of vertebral fractures in a rural Japanese
 population.J Epidemiol 5:171-175,1995
3)Ross PD,et al :Vertebral fracture prediction to Caucasians or Japanese
 in the US.Int J Epidemiol 24:1171-1177,1995
4)Fujiwara S,et al:Fracture prediction from bone mineral density in Japanese
 men and women.J Bone Miner Res18:1547-1553,2003
5)Black DM,et al:Prevalent vertebral deformities predict hip fractures and new
 vertebral deformities but not wrist fractures.study of Osteoporotic
 Fractures Research Group.J bone Miner Res 14:821-828,1999
6)Ross PD,et al:Vertebral fracture prevalence in women in Hiroshima
 compared to Caucasians or Japanese in the US.Int J Epidemiol24:1171-1177,
1995
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Category: 高齢者

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脊椎の圧潰と骨粗鬆症 

脊椎の圧潰には骨腫瘍・循環障害があるが、
原発性が最も多い。
臨床的な症状としては初期に局所の疼痛があり、
椎体圧潰とともに椎間関節の関節包の緊張や、
脊柱周囲筋や周囲靭帯などの筋・軟部組織の痛みが生じる。

70歳以上の骨粗鬆症の44%以上が圧潰が生じている1)との報告もあり、
骨粗鬆症と圧潰の関連性は非常に高いと考えられる。
骨粗鬆症は低骨量でかつ骨組織の微細構造が変化し、
そのため骨が脆くなり骨折しやすくなった病態と定義される。
2000年には1200万人を越え、
80歳以上の男性で40%以上、女性で60%以上が
発症していると報告されている。2,3)

女が強いのは弱いからである/カント
お互い歳を取ったら、重いものはやはり男が持つべきである。

1)Jensen GF,et al:Epidemiology of postmenopausal spinal
 and bone fractures;a unifying approach to
 postmenopausal osteoporosis.Clin Orthop166:72-81,
 1982
2)井上哲郎:骨粗鬆症の臨床像.The Bone 4:39-47,1990
3)楊鴻生:整形外科的治療とその問題点-超高齢者の骨粗鬆症.整・災外42:
 331-339,1999
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Category: 骨粗鬆症

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MMTの臨床での使用頻度 

全国の理学療法士は学校で習う、
徒手筋力テスト(以下MMT)をどの程度使用しているのだろうか。
この疑問に対して吉村らは全国の現職理学療法士を対象として、
徒手筋力テストに関するアンケート調査1)を実施している。

アンケートは全国212カ所、
理学療法士2240名による調査である。
それによると、適応のある患者などに
使用していると回答したものが796名で全体の52%。
使用していない対象者がいないと回答したものが
751名で全体の48%となっている。

経験年数的に見ると経験年数が高い方が、
MMTを使用せず動作などから評価しているようである。
使用していると答えたものは経験年数1〜2年では約70%に対し、
3〜5年では約60%。そして6〜10年を越えると
約35%と一気に減少し、それ以上の11〜20年で約34%、
21年以上で約33%と緩やかな現象に停まる。

全体的にはMMTを使用しているのは半分程度で、
その数は経験年数5年以降で大幅に減少している。
個人的には個々の筋力を測定しておくことで、
様々な状態を把握することに有用である。
例えば、ある患者が「立ちにくい」と感じるときは
大臀筋とハムストリングスの筋力の低下が見られるとか、
座位時間が長くなると大殿筋・ハムストリングス筋の
出力が一時的に減少するとか。
またMMTの測定肢位では筋力が発揮できるが、
歩行時になると筋出力が低下するといったものなど、
筋力そのものに問題があるのか?
それともその筋力は他の環境に影響されるのか
などを把握することができる。

ただ使用頻度が少ないことに関しては、
段階付けに対しての客観性や信頼性が乏しいと
いった意見が65%にも上り、
それが原因となっている可能性は高い。

筋力は理学療法の改善すべきポイントの一つであるとともに、
世間の関心も大きく注目される部分でもある。
そこに客観性の乏しさがあることは検討すべき部分であろう。
実際に家族にMMTをしているところを見せて、
「ほら力あるでしょう?」と伝えたとしても
家族が「?」という表情になることは珍しくない。


1)吉村茂和 他:徒手筋力テストに関するアンケート調査-
 全国の現職理学療法士を対象として:PTジャーナル39,
 pp87-992,2005
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Category: 評価

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高齢者の骨折とリスク 

日本での高齢者の骨折に関する文献は意外に少ない。
高齢者の転倒発生率に関しては
おおよそ20%という報告がある1,2)。

アメリカにおいては高齢者の骨折は
重大性の高い問題として着目されている。
年齢による骨折頻度は50歳以上の男性で13%。
同年齢女性では40%である。
90歳以上になると約2割が大腿骨骨折を生じている3)。

大腿骨の骨折や脊椎の骨折を生じたものの、
5年死亡率は20%にも上り、
70歳以上ではその割合はさらに大きくなる。
骨折後の死亡率は6ヶ月で最も高い。
骨折後、50%は以前のADLに回復するものの、
1年で60%のものはADLの一部困難。
40%で自立歩行困難となり、
約80%のものがIADLに支障が生じると言われている。

また身体のみではなく転倒後症候群という、
転倒による精神的なトラウマも
50%のものに出現するとも言われる4,5)。
活動制限や自信喪失。転倒の不安などにより、
結果的に廃用症候群が進行し、自立困難になってしまう。

骨折はそれによる問題そのものだけでなく、
それによる活動制限の低下が身体や精神に影響を及ぼす。
骨折後のアプローチも大切であるが、
転倒を防ぐための環境整備や身体機能の向上も
重要になってくると考える。

1)眞野行生(編):高齢者の転倒とその対策,pp2-24,76-82,126-132,
 133-139,医歯薬出版,1999
2)渡辺丈眞:高齢者の転倒の疫学,理学療法18:841-846,2001
3)星文彦:高齢者の加齢変化と転倒要因:PTジャーナル36,
 pp307-314,2002
4)Bougie JD,and Morgental AP:The Aging body,Conservative
 Management of Common Neuromusculoskeletal Condititions,
 pp1-45,McGraw-Hill,New York,2001
5)Perell KL,et al:Fall risk assessment measures:an analytic review.
 J Gerontol A Biol Sci Med Sci56:M761-766,2001
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Category: 高齢者

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脊椎圧迫骨折の症例A1 

脊椎圧迫骨折の患者の1例について
考え方とアプローチについて私見を述べていきたいと考える。

転倒し臀部を打撲してから腰痛出現。
歩行困難となり第4腰椎圧迫骨折と診断される。
下肢の感覚障害や筋力低下の神経学的問題ない。
他に大きな問題となる部位はなく、
起き上がりや立ち上がり時の運動時痛と、
臥床時の疼痛が主訴である。
また歩行が小股でしか歩くことができない
との訴えもあった。
疼痛緩和のため座薬使用し、
コルセット着用にて2週間経過しているものの、
運動時痛は変化がないとのことである。

PT介入し、動作を確認したところ
起き上がりでは骨盤の回旋が
認められる際に疼痛が出現する。
立ち上がりは臀部がベッドから挙上し、
体幹を起こす際に骨盤の前傾が生じ、
その際に疼痛が誘発しているようである。
また背臥位で下肢を伸展すると疼痛が生じる。
円背はない。(円背が強い場合は背臥位にて
骨折部の離開方向へストレスが加わるので注意が必要)
歩行では両側股関節の伸展が大きくなると、
骨折部の腰痛が出現するようである。

臨床ではよく生じる症状であるが、
ここからどのように評価し考え、
アプローチに繋げていけば良いだろうか。
次回はその詳細について述べていきたいと考える。
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Category: 症例検討

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脊椎圧迫骨折の症例A2 

起き上がりでは骨盤の回旋時に骨折部に疼痛が生じている。
これは骨盤回旋時に骨折部の第4腰椎に、
回旋ストレスが加わっていることが可能性として考えられる。
そのため、回旋が生じないように
肩と骨盤が同時に回旋するように
丸太が転がるように動作指導を行うことで
疼痛軽減が図ることができた。
その他の立ち上がり時の骨盤前傾、背臥位での下肢伸展、
歩行時の股関節伸展時の痛みに関しては
いずれも腰椎の前彎の増強が認められるため、
腰椎前彎方向のストレスが骨折部に
疼痛を生じていることが予測できる。

腰椎の前彎を動作時に
減少させる方法はいくつかある。
関節運動で考えれば、脊椎の伸展運動の際に、
胸腰椎の伸展制限や股関節伸展に制限があれば
腰椎の前彎は生じやすくなる。
骨折部の運動が生じないようにするためには
周辺関節の運動制限の改善が必要になる。
関節副運動の低下は関節モビライゼーションが有効である。

また筋で考えれば、前彎が増強する筋の緊張や短縮の改善。
その拮抗筋の促通が必要となる。
具体的には腰椎前彎の増強には大腰筋・脊柱起立筋・
大腿直筋の緊張や短縮は関係する筋となる。
またそれに拮抗する腹筋群・大殿筋・
ハムストリングスの低下も前彎増強を助長する。
特に前彎の増強には大腰筋の緊張・短縮の改善は重要である。

今回の症例では股関節の副運動の低下はないものの、
胸腰椎移行部の椎間関節の副運動の低下と
大腰筋の緊張が理学療法評価によって認められた。
第4腰椎の可動が生じないように注意しながら
胸腰椎移行部の椎間関節関節モビライゼーション。
大腰筋のリリースを行う。
再評価により椎間関節の副運動の改善と
大腰筋の緊張の軽減が認められるとともに、
立ち上がり・背臥位・歩行時のいずれの疼痛も消失した。

骨折部の疼痛そのものは
骨癒合によってでなれば軽減しないが、
周辺関節の可動域制限や筋の過緊張が
骨折部のストレスを増加させている場合は、
間接的に疼痛を緩和することが可能である。
骨折部の痛みだから経過観察と安易に判断するのではなく、
運動学的により詳細に評価していくことができれば、
運動連鎖とともに間接的に疼痛軽減を図ることが可能なこともある。
その際には、骨折部にストレスが生じないように十分に注意する必要がある。
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Category: 症例検討

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頸部痛と頭重感の症例A1 

2ヶ月前に自動車運転中、信号待ちの際に
後方から衝突され受傷する。
衝突時はシートベルトを締めており、
大きな音とともに頭が大きく前方に振られたとのこと。

次の日より、頸の痛みが徐々に強くなっていき、
それに伴い頭重感が出現する。
受傷当時と比べると、疼痛は減少しているものの
そこからはなかなか軽減しないので、
整形外科を受診しリハビリテーション開始となる。

病院内での待ち時間では前方頭位で
胸椎の後彎が強い姿勢をとっていることが多い。
またスマートフォンでゲームをすることも多い様子である。
仕事は事務仕事であり、夕方になると症状が悪化する。
また運転中も事故現場を通ると
痛みが強く出るなどの症状がある。
寝ていると楽とのことである。

交通事故による頸椎捻挫と頭重感。
臨床でも多い症状である。
ではどのように考えて進めていけば良いだろうか。
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Category: 症例検討

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頸部痛と頭重感の症例A2 

まずリスクの確認が重要である。
頸部運動にて意識を失ったり、手がしびれたりがないか
血管・神経系の問題はリスクに繋がりやすいので確認する。
今回はそのような症状はないとのことである。

次に評価を進めていく。
2ヶ月経過しているとのことで通常であれば、
急性期は過ぎている可能性が高い。
疼痛も鈍痛主体であり、発赤・腫脹・熱感などの
炎症症状は認められなかった。

頸部運動では左回旋時に左頸部に疼痛あり。
右回旋時にも左頸部に疼痛あり。
屈曲は問題なく可能であるが伸展時に頸部中心に疼痛あり。
側屈は両側とも制限あるが疼痛は左頸部が強いとのこと。

頭重感は日によって症状が違うものの、
左の頭が重いことが多いとのこと。
入浴後は一時的に楽になるとの発言が得られた。
エンドフィールを確認するといずれも
筋性の制限("mushy" tissue stretch)が感じ取れる。
また左頸部の胸鎖乳突筋および頸板状筋に圧痛あり。
また副運動では第2頸椎と第6頸椎から第10胸椎に
両側椎間関節の副運動の低下。
また第12胸椎から第3腰椎左椎間関節にも両側副運動の低下あり。
両側脊柱起立筋および胸鎖乳突筋・僧帽筋上部線維は過緊張が特に強い。
不良姿勢を修正するように支持すると、
頸椎中心部の疼痛があり、胸腰椎移行部の可動性が少ない。
次回はこれらの評価結果からどのように解釈をしていくのか
述べていきたいと考える。
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Category: 症例検討

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頸部痛と頭重感の症例A3 

まず神経血管系の問題もなく、炎症症状もないため
危険性の高いリスクは低いことが考えられる。
左頸部を中心に運動時痛が出現しており、
姿勢を正そうとすると頸椎中心部に疼痛がある。
左頸部の運動時痛は圧痛とエンドフィールから
筋筋膜性の疼痛の可能性が高い。
ただ症状が4週間以上経過しているので、
軟部組織性の問題だけでなく、
関節にも問題性が波及している可能性もあることを
視野に入れておく必要がある。
実際に副運動テストでは
多くの椎間関節の副運動低下が認められている。

また姿勢を正す際にも疼痛が出現しており、
不良姿勢を改善できない要因となっていることが示唆される。
疼痛や長期間の不動化に伴い、
筋の過緊張から関節機能異常にも問題が波及し、
姿勢を修正できないことで
不良姿勢による悪循環が生じているものと考えられる。
それでは次回よりアプローチについて述べていく。
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Category: 症例検討

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頸部痛と頭重感の症例A4 

まず不良姿勢は症状の悪化させる可能性が高いため、
初回から生活指導をすることは必須である。
能動的に治療参加してもらうことも、
依存傾向を防ぐ目的としても重要である。
今回は姿勢を修正すると疼痛が出現するため、
まず同部のアプローチを最優先とした。
改善するべきポイントは姿勢を修正した際に出現する疼痛である。
この疼痛が消失すれば、能動的に姿勢改善を図ることができる。
姿勢修正時に出現する疼痛は頸部中心であり、
第6頸椎付近であった。周辺筋の疼痛の訴えもあるものの、
疼痛部位を尋ねるとfinger sign(指を指すしぐさ)で
第6頸椎部をさすことから、椎椎関節局所である可能性が高いと考えた。
炎症症状はなく副運動の低下が認められるため
関節モビライゼーションを施行する。

アプローチ後は副運動の改善とともに周辺筋の疼痛も消失する。
再び姿勢を修正するように支持すると、
疼痛は出現することなく、姿勢を正すことが可能となった。
ある程度、脊椎を伸展していくと
次に第12胸椎から第3胸椎にかけて、疼痛の訴えが出現する。
これも同様に同部関節モビライゼーションにより、
疼痛消失ある程度姿勢を修正することが可能になる。

ただ前方頭位は変化しておらず、
頭位の修正時には左頸部の筋筋膜性疼痛の訴えあり。
これは回旋時の運動時痛と同じ部位であることが確認できた。
左頸部に関してはマッサージと圧迫リリースにより
2割程度は過緊張の軽減と疼痛の緩和が得られるも、
それ以上の効果は得られなかった。
次に第2頸椎の副運動低下に対して、
関節モビライゼーションを行うことで、
左頸部の過緊張も大幅に軽減し、回旋時の疼痛も消失した。
症状が改善したことで患者も非常に喜んでおり、
初回のアプローチを終了した。

初回のアプローチで改善が示せた場合でも、
症状が再燃することは少なくない。
アプローチとともに効果判定を行い、
悪化する要因をどのように絞り込んでいくか
次回説明していく。
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Category: 症例検討

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頸部痛と頭重感の症例A5 

2~3日後、再び来院される。
アプローチ後はよかったが車に乗ると元に戻ったとのこと。
アプローチで効果があったということは、
仮説は間違っていなかったと考えられる。
しかし、症状が一時的な改善しか示さないということは、
症状を悪化する要因がまだ残っていることが考えられる。
この場合、大きくくくると日常生活で負担が生じているか、
心理的なストレスが影響していることが比較的多い。

問診を進めていくと、姿勢を意識することができていないことと
スマートフォンでゲームをよくやっていることなどが
関連しているのではないかと推測できた。
不良姿勢は直後に疼痛が出現しないので本人は気づきにくいが、
時間をかけてじわじわ悪化してくるのが特徴だ。
痛みがあまり強い痛みではない点と、
特にここ2~3日に変わった活動はしていないことが
姿勢による影響を推測する一つの理由となる。

姿勢を修正すると再び第12胸椎から第3胸椎の
副運動の低下が認められる。
一度、改善が認められたものの不良姿勢により
再び副運動の低下が生じた可能性が高い。
再び関節モビライゼーションを行い、
副運動の改善を得られたので姿勢指導を再度説明する。
また、姿勢の修正の際に背筋の過緊張があり
短期間しか姿勢維持が困難だとの訴えもあった。
これはアウターマッスルによる筋収縮で姿勢保持をしているため
筋収縮が短時間しか行うことができない収縮様式である。
インナーマッスルのエクササイズとともに、
インナーマッスルを収縮させた姿勢保持のトレーニングを行う。
インナーマッスルは持久力系に働く赤筋が優位である。
上記のアプローチに納得をし、
姿勢を気をつけるとの同意を得ることができた。
ではその後、どうなったであろうか?
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Category: 症例検討

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頸部痛と頭重感の症例A6 

1週間後、再び来院される。
以前と比べずいぶんと楽になり、調子が悪いときは
姿勢がよくないことにも気づけたとのことであった。
この部分は自己管理に大きく関わる気づきであり、
改善する可能性が高くなることやリハビリテーションに対する、
過剰な期待や依存を防ぐためには非常に大きい。
しかし、車に乗っていると痛くなることがあり、
姿勢も気をつけているが、心臓がドキドキして、
体中が痛くなるような感じがするとのことである。

疼痛が出現する場面が運動時ではない点、
姿勢を調節しても関係ないことから
心理的な要因が関わっている可能性も高い。
体中が痛くなるというあいまいな表現も心理的な要因を表す
ひとつの理由とも言える。
細かく聞いてみると赤信号で止まっているときに、
特に胸がドキドキして体が痛くなるとのこと。
「このまま車を乗るたびにこのようになったら、
大好きな旅行にもいけなくなる。」と発言があり、
とても不安になっている様子である。

これは事故による影響で、
車に乗るとまた事故に遭うのではないかという
恐怖にかられた状態である。
一種の恐怖症であり、繰り返し運転をすることで
改善していくことも多い。
1回1回事故に遭わなかったという経験が
不安をゆっくりと軽減してくれる。
現に初めほどは怖くなくなっていると発言もあり、
徐々に軽減はしている様子である。
1/100ぐらいの程度かもしれないが
少しずつ慣れていくことが多いと説明し、
これからも運転を続けていくとのことであった。

また極度のストレス反応を示し、
車に乗ることも困難な場合はイメージトレーニングにより、
段階的に運転に近づけていく方法もある。
まずは自分の家の中で目を閉じハンドルを持った気分になる。
徐々にドキドキしなくなったら、
エンジンをかけずにまず座るだけにする。
近所のみを走行する。そして最後に事故現場に近づいてみる。

不安は現実には起きていないことに対して、
精神的に恐れてしまう状態である。
少しずつ慣らしていくことで現実と向かい合い、
修正していくことが一つの方法である。
怖い思いをした場合、どうしても不安になってしまうものである。
しかし、実際にやってみるとたいしたことないというのも案外多い。
絶対的な保障はない現実世界でいかに信じることができるか。
これは事故に限らずいろいろなことに繋がることかもしれない。

その後、数回通われるものの、徐々に改善し
現在は問題なく日常生活を送ることができている。
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下腿の倦怠感A1 

「右のふくらはぎが痛い。」との訴えあり。
痛みはだるいような感じの痛みで
よく自分でマッサージをしているとのこと。
してるときは気持ちいいが、
そのときだけで良くなる感じはないとのこと。
長距離歩行にてふくらはぎの痛みは顕著に出現する。

ふくらはぎの倦怠感ということで
腓腹筋の過緊張の可能性を考慮することが多い。
評価としては膝伸展位での足関節背屈での
伸張痛と可動域制限。
触診での過緊張や圧痛などが挙げられる。
この患者さんも同様の評価結果を示した。

筋力テストでは右腓腹筋とヒラメ筋の
筋力低下は認められない。
大殿筋とハムストリングスは左側と比べて低下を示す。
また右前脛骨筋は3レベルと明らかな低下を示した。
筋による痛みは過緊張によるものが多い。
過緊張の場合、痛みが強くなければ筋力テストでも
低下を示さないことも臨床では多く見受けられる。
むしろ相反抑制の影響を受け、過緊張の拮抗筋が
低下を示していることも多い。
これらの評価をどのように繋げて考えていくか
次回述べていきたいと考える。
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Category: 症例検討

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下腿の倦怠感A2 

訴えは腓腹筋の過緊張である。
しかし自分で行うマッサージでは
効果がないとの発言があることから、
同部のアプローチのみでは効果が持続しない可能性が高い。
当然、セルフマッサージは技術的な問題(方法や強度)があることも
考慮する必要があるのでどのようにしているかチェックすることも
場合によっては必要かもしれない。

腓腹筋が過度に働かざる得ないことがあると想像すれば、
それに繋がる思考になっていく。
上記の評価結果から大殿筋とハムストリングスの
筋力の低下がわずかながらある。
この患者さんの訴えとして長距離歩行で
症状が強くなるとのことから歩行は悪化する因子として考えられる。
歩行で大臀筋とハムストリングスが低下している場合に
立脚中期から後期で踏切りからの加速期で
腓腹筋の負担が大きくなる。
この状態で歩行距離が長くなればその負担はより蓄積し、
症状が強くなることが想像される。

また前脛骨筋の筋力低下も気になるところである。
腓腹筋の過緊張が主訴であるためそちらに視点を置きがちだが、
前脛骨筋の筋力低下が相反抑制の影響で
拮抗筋である腓腹筋を過緊張にさせている可能性も否定できない。
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下腿の倦怠感A3 

前回までの評価と解釈から
腓腹筋のマッサージやストレッチとともに、
前脛骨筋の促通と大殿筋とハムストリングスの促通を
アプローチの中で組み入れた。
上記のアプローチとともにセルフエクササイズにおいても
前脛骨筋と大殿筋とハムストリングスの促通を行うことで
症状の緩和を得ることができた。
以前と同じ距離歩いても症状は出現しないとのことである。

また今回のアプローチの中で大臀筋とハムストリングスの低下が、
腸腰筋や大腿四頭筋の過緊張によることもあり、
同部の評価をすることも必要な場合もある。
相反抑制を考え、過緊張の筋と弱化している筋の
双方の評価をしていくことは非常に重要になる。
筋の神経的な繋がりを把握することで、
より広い部分のアプローチを行うことができるのではないだろうか。
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Category: 症例検討

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数値に頼る評価の弱点 

理学療法評価では関節の可動域や筋力など
数値化するかによって客観的な変化を示す。
それにより、他の人と比べてどうなのか?
アプローチの介入で変化したのかを確認することができる。
それぞれの機能面を把握することは大変重要だが、
こういった評価はあらかじめ代償を止めたり、
基本肢位から測定する必要がある。
これは数値化する上で統一化しないと
数値の意味がなくなってしまうからである。

ただ数値化を細かくしていると、
患者さんのことがわかるかといったらそうではない。
動作ではそれぞれの患者さんのクセがあり、
動きやすい姿勢や動作があるので、
その肢位での可動域や筋力は数値化したものとは
一致しないことも多くあるのである。
動作においてはその人の自然な動きが重要であり、
不良姿勢であったり代償があったりが多く見受けられる。
療法士はそれに対して正しい姿勢や動きを指導しようとするが、
本人の可動域や筋力等の問題で正しい動きが
必ずしも動きやすいとは限らないのである。

これは数値化する評価を否定しているのではない。
数値をとることで数値の変化と動作の変化が一致した場合、
その数値が変化した機能と動作に相関があることが認識できる。
また、数値化することで思い込みを軽減することができ、
本当に改善があったのかどうか確認することもできる。
しかし、人は数値を測定することで数値を過剰に信頼しすぎることがある。

例えば、膝の伸展角度が低下している場合。
可動域での制限があることを確認すると、
動作をみるときに膝が伸びないことを予測し、
視点は膝に集中してしまう。
その数字の変化が問題であると断定し動作をみてしまう。

実際の動作はひとつの機能の問題ではなく、
多くの機能の組み合わせになっている。
いわゆる複雑系というものである。
多数の要素が複雑に絡み合い相互作用しながら、
まとまっているようなシステムである。
よってそれぞれの要素からは予測できない特性が出現したり、
微細な変化が全体に大きく影響を及ぼすこともある。
それを数値で判断してしまうと異常値が高いものが
問題の大きな要素だと錯覚してしまいがちになってしまう。

動作を評価する上では局所のみでなく全体をみる視点も必要である。
全体というとあまりに抽象的なので具体的に
どういった部分を全体的にみれば良いのだろうか。
動作の評価のポイントを次回は述べていきたいと思う。
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動作の評価のポイント 

動作の評価は全体をみることが必要である。
局所の細かな要素が全体的にどのように影響し合い、
動きを作っているのかが重要である。
重要な動きは3次元測定装置であっても、
ノイズとして抽出するようなわずかな動きとして現れる。
運動時のわずかな副運動などは
やはり機械でも捉えきれないものである。

では動作ではどういったものをみていけば良いのだろうか。
繰り返しになるが動作では局所全体をみる必要がある。
これは角度の変化だけでなく動き全体をみることが必要。
まずは基本姿勢。動く前の姿勢は動きを作る上での基礎になる。
基本姿勢が変化するだけでも次からの動作は変化を示す。
次に動きの円滑性。動きが滑らかに行うことが可能か。
それとも途中で動きにブレが出たり、止まったりしないだろうか。
筋肉の収縮がどこの部位が優位に働くのか、
可動域の制限があるのかなどがこれに関わる。
また代償動作はどうか。目的の動作を行うときに
機能面で問題がある場合は代償動作が生じる。
代償動作はなんらかの問題を補完しているもので
短絡的に悪いと判断するべきではない。
代償をしないように促すことで、疼痛が生じたり、
目的動作が行えなくなる場合も多い。
逆に機能が改善しているにもかかわらず、
習慣により代償を行っている場合もある。
最後に初動と終末運動
初動は神経系の働きから筋の収縮に移る。
また終末運動は可動性の制限をみることができる。
それぞれの動きの間やスピードの変化は
多くの問題のヒントを与えてくれる。

こうしたものを全体的に捉えることで、
評価の前にある程度の問題を把握することができ、
また治療の前後の比較で機能の改善と
動作との関連を確認することが可能になる。
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動作評価の例 

例えば初動の動きに遅延があり、
その後の動作には問題がなかった。
表情が乏しく、眼瞼は下垂傾向。
いつもと比べ話をするスピードが遅く、
語尾が間延びするような印象を受ける。
そこから問診で睡眠不足だということが確認できれば、
覚醒度の低下が初動の動きの遅延を
招いている可能性が考えられる。
その他の評価とアプローチそして効果判定をすれば、
他の要素の関連も確認することが可能になる。

また終末運動が緩やかに止まるので筋の伸張性の制限を疑ったり、
また途中で急激に止まると同時に疼痛表情があると、
痛みによる可動域制限が予想される。
また動作の前から疼痛表情が表現される場合は、
痛みより先に疼痛不安感が生じていることが考えられる。
これらの動作の後に問診や評価を行うことで、
機能的な問題と動作の関連をより密接に確認することができる。

数値化することは客観視するために大切である。
しかし、全体を把握するときはかえってバイアスになる可能性もある。
その数値を人間が扱う以上、主観影響することは考慮しなければならない。
数値化しているからこそ客観視できているという過信も気をつけなければならない。
それぞれの考えはメリットとデメリットがあるため、
どのように扱っていくのか。それぞれのデメリットを補完し合うことで
真実の動作が見えてくるものなのかもしれない。
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動作の修正と問題 

動作を評価した際、一般的に異常動作を
見つける場合が多い。
しかし、その異常動作は疼痛を生じさせないための
代償動作であることも少なくない。

疼痛を生じさせないように
過緊張させている部位があるとする。
動作では通常動く部分が動いてないことが確認され、
評価によりその部位の筋の過緊張が検出される。
アプローチにより同部の緊張を軽減することで
アプローチを終了する。
アプローチ中は心地が良いと発言があり、
緊張を緩和させることは効果的に思われた。
しかし、アプローチ後に自宅に帰ると
少しずつ痛くなったとのことである。

これは代償動作により疼痛を回避している状態。
アプローチにより緊張を軽減することで、
疼痛回避を行うことが困難になったことが予測される。
これは異常動作を正常に戻そうとするあまり生じた結果である。
ではどのようにしていけばよいのだろうか。

動作の際に異常な動作が認められたときに、
その場で動きの修正をする。
もしその異常動作が疼痛を回避するための代償の場合は、
動作を修正することで疼痛が誘発される。
動作の修正により、真実の問題を明確にする。
そうすることで本当に改善すべき問題が
明確になるのではないだろうか。
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2014-01
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