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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

2014年09月の記事一覧

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腰痛の生涯有訴率 

腰痛は腰からお尻までを中心に痛みや
不快感が生じるものを言う症状の総称である。
腰痛経験を持った人は非常に多く、
大規模なインターネット調査では
一生のうちに腰痛を経験する人は83.4%である。
仕事(家業や学校も含む)を休んだ人も4人に1人もいる。

慢性的な痛みにおいても腰痛は多く、
仕事や生活の質を低下させるものとしても大きい。
腰痛というのは思っているよりも一般的で、
誰にでも起こりうる可能性のある症状である。
腰痛の生涯有訴率
1)Fuji T,Matsudaira K:Prevalence of low back pain and factors
 associated with chronic disabling back pain in japan.Eur Spine
 J 22:432-8,2013
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Category: 腰椎

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心理社会的要因と痛み 

心理社会的要因の強い疼痛患者は、
脳の機能にも変化を生じている。
具体的には扁桃体や海馬が機能亢進を生じ、
前頭前皮質が機能低下を生じることがわかっている。
不安や恐怖などのストレスが生じると
海馬が過剰に活動1-3)することがわかっている。

感情は人間にとって危機を回避する重要な役割を持っているが、
過剰に働きすぎると理性が効きにくくなり、
考えて計画的に行動することが難しくなってくる。
目先のことに集中し過ぎてしまう状態である。
心を落ち着かせ、前頭前皮質が活動するように
小さな目標から達成していくことが必要である。
脳

1)Wood PB:Mesolimbic dopaminergic mechanisms and pain control.
  Pain 120:230-4,2006
2)Ploghaus A,et a.:Exacerbation of pain by anxiety is associated with activity in a
  hippocampal network.J Neurosci 21:9896-903,2001
3)Geuze E,et al.:Alterd pain processing in veterans with post traumatic stress
  disorder.Arch Gen Psychiatry 64:76-85,2007
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Category: 心因性

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痛みと感情 

痛みと感情が関係することは誰もが経験することであるが、
不思議に感じている人も多いと思う。
心や感情というものは現在、
脳の中の伝達物質やその機能により生じていることが
少しずつ明らかになってきている。
その中で痛みを感じる経路と、感情に関わる経路が関わること。
そして痛みを抑える物質と感情の関係がわかってきている。

例えば、痛みのある人が宝くじで高額当選したとする。
その人は痛いことも忘れて大喜びすることは間違いない。
また、自分の嫌いな人と関わることになったとする。
そうすると、それを考えるだけで痛みが強くなるのを経験する。
これは痛みが嘘だということではなく、
脳によって痛みが影響を受けることが考えられており、
それの作用によるものだということである。

要するにいいことがあると痛みは少なくなり、
悪いことがあると痛みは強くなるのである。
そのため、痛いから落ち込んだり、悩んだりするのだが
その脳の状態が癖になってしまうと
落ち込んだり悩むから痛みがより増強し、
さらに不安が強くなる悪循環を生じてしまう。
これが痛みの悪循環であり、痛みが慢性化するメカニズムとなる。

ではこのメカニズム。脳という目に見えにくい部分になるのだが、
いったいどのようなメカニズムになっているのだろうか。
一部説明していきたいと考える。
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Category: 心因性

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痛みと快の刺激 

よいことがあれば痛みは少なくなる。
これは脳の下行性抑制系という作用によるものであるが、
これはいったいどういうものであろうか。

脳には痛みを抑えるオピオイドという物質が出ている。
このオピオイドは中脳の腹側被蓋野から出るドーパミンが
大脳基底核の線条体に分泌される1,2)
このオピオイドは脊髄に働きかけ、
疼痛を抑制していると考えられている3)

そしてネガティブな思考は
このドーパミンやオピオイドの分泌を減少し、
下行性抑制系の正常な働きを阻害するという問題が生じる。
次はこのネガティブな感情についての
疼痛のメカニズムについて述べる。
下行性抑制系

1)Leknes S,Tracey I:A common neurobiology for
 pain and pleasure.Nat Rev Neurosci 9:314-20,2008
2)Scott DJ,et al.:Placebo and nocebo effects are defined by opposite opioid and
 dopaminergic responses.Arch Gen Psychiatry 65:220-31,2008
3)Eippert F,et al.:Activation of the opioidergic descending pain
 control system underlies placebo analgesia.Neuron 63:535-43,2009
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Category: 痛み

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痛みと不快な刺激 

快の刺激は下行性抑制系に作用し、
疼痛を減少させることは前回述べた。
次は不快な刺激がなぜ痛みを強くするのかについてである。

不快な刺激というのは不安や恐怖など
一般的にはストレスといわれるものである。
こういった刺激は扁桃体や海馬が過剰に働くことがわかっている。
扁桃体は感情を司る部分で、特に不快な刺激に反応する。
海馬は短期記憶を司る部分である。
この二つは影響し合うことが多く、感情が伴った記憶は
覚えやすいのはこのことからも言える。

具体的には楽しかったキャンプのときのことや、
ものすごく嫌いな感じの人の名前などは意外と覚えているものである。
食べたものでも好きなものや嫌いなものが
でたときはわりと覚えているが、
特に普通のものが出たときは覚えていないものである。

さて海馬や扁桃体が過剰に働くと、
嫌なことなどが目につきやすく根に持ちやすくなる。
いつもだとすぐに忘れるものの、
いつまでも気になって腹が立つというのも、
こういった働きによるものなのかもしれない。

また海馬や扁桃体の過剰な働きとともに、
もうひとつ影響が出るのが前頭前皮質の機能低下である。
扁桃体や海馬が過剰に反応し、ドーパミンの分泌が減少すると
下行性抑制系の減少、脊髄後角の侵害情報の抑制、
中枢性感作により痛覚過敏が生じる。
それらはセロトニントランスポーターに影響し、
セロトニンの働きが減少、前頭前皮質の機能低下に繋がる。
この前頭前皮質の機能低下は目標をもった行動をする働きがあり、
意欲のない後ろ向きの人間となることが予測されます。

不快な感情は脳の痛みを抑える働きを減少させるとともに、
意欲のない後ろ向きな人間になりやすくなる。
それは痛みに関しても脳に関しても悪循環として、
慢性化しやすいというデメリットもはらんでいる。
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Category: 痛み

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特異的腰痛の判別 

腰痛の中でも全身の病気が原因のものがいくつかある。
これは特異的な腰痛といって、一般的な腰痛と違い、
病因がはっきりしている腰痛である。

腰痛を病院で診てもらう必要があるのは、
これらの腰痛でないかどうかであり、
特にred flagとなる感染性脊椎症
癌の転移などの脊椎腫瘍の確認は重要である。

では特異的腰痛の簡易なチェックを述べていく。
まずは転倒や尻もちのあと痛みが続く
これは骨折の可能性が示唆される。
骨粗鬆症のやステロイド剤を用いられている患者は
特に注意が必要になる。
次に痛みがお尻や膝下までひろがる
これは神経根症の可能性が示唆される。
坐骨神経痛と呼ばれるもので椎間板ヘルニアや
腰部脊柱管狭窄症が頻度として多い。
そして踵歩きが難しいなど足の力が入りにくい場合。
これは筋力低下が疑われる。
筋力低下は椎間板ヘルニアによる原因が多い。
尿が出にくかったり歩いていて漏れそうになる
性器や肛門のしびれや熱い感じ馬尾症候群の可能性
また安静にしても疼いたり鎮痛剤を
1ヶ月使っても痛みが取れない
場合は
脊椎以外の病気や脊椎の重篤な病気の可能性が示唆される。
大動脈疾患、泌尿器疾患、婦人科系疾患、膵臓、胆嚢、胃腸などでも
症状が誘発されることがある。

これらは症状とともにその他の検査によって、
総合的に判断される。
腰痛の診察はまず特異的腰痛がないかの判別。
特にred flagにおいては早期に発見して治療する必要がある。レッドフラッグ
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Category: 腰椎

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仕事での目標の必要性 

よく目標を立てることは大切と言われる。
リハビリテーションでも短期的な目標や長期的な目標を設定する。
仕事においても目標を立てることは非常に重要である。
時間の経過とともに、仕事がマンネリ化し
やっつけ仕事にならぬよう常に考慮する必要がある。
ではなぜ目標が必要なのだろうか。

目標なくただマンネリに無意識で仕事をこなすようになると、
得られた結果がうまくいったか、うまくいかなかったか。
どうでもよくなる。
目標があるからこそ一つ一つの仕事に目的が見えてくる。
目的が見えるからこそうまくいったか、
うまくいかなかったかが明確になる。

マンネリ化すると喜びと悲しみの感情は乏しくなる。
しかし、感情はなくなるのではなく怒りやすくなる。
怒りやすくなると上の方針に腹が立つことが増えたり、
下のやることが理解できなかったりする。
今は何をすればよいのか。
次は何をすればよいのか。
短期的な目標と長期的な目標。
それは自分にとって必要なものを明確にし、
今の仕事に目的を与えてくれる。
仕事に追われ、次第に慣れていきマンネリ化するよりも、
常に仕事を追いかけていく気持ちが大切だと思う。
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Category: 仕事の戦い方

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腰痛の原因 

医療機関で腰痛の原因や予後についてはっきり説明を受けられず、
不安になる経験は少なくないと思う。
これは画像所見や診察で原因を特定できる腰痛と
原因が特定できない腰痛に分かれるためである。

原因が特定できる腰痛を特異的腰痛というが、
骨折や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症の他、
脊椎関節炎、脊椎腫瘍、動脈瘤、
尿路系・婦人系・消化器疾患がこれにあたるが
これらの腰痛は全体の15%に過ぎない。
その他の85%の腰痛は非特異的腰痛1,2)と呼ばれ、
原因はさまざまな要素からなるもので
はっきりとわかりにくい場合もある。

画像所見では椎間板の変性や脊柱管狭窄症などの
構造上の異常所見は見つかるが、
これは加齢によって生じることも多く
腰痛や坐骨神経痛がない場合も異常所見が認められる場合も多い3)。
またMRIによる画像所見と腰痛の関連性がない場合や、
腰痛患者の47%の所見は正常であった4)という報告もある。

要するに画像所見では腰痛の原因を説明することは困難で、
画像所見の状態を悲観的に考えることは、
かえって治療の阻害因子となる可能性もある。
そして悲観的な解釈は腰痛の予後を悪化させるということも
しっかり認識しておくことが必要である。
腰痛の原因
1)Deyo RA.et al.:What can the history and physical
 examinationon tell us about low back pain?JAMA 268:
 760-65,1992
2)Deyo RA.Weinstein JN:Low back pain,N Engl J Med 344:
 363-70,2001
3)Boden SD,et al.:Abnormal magnetic-resonance scans of
 the lumbar spine in asymptomatic subjects.Aprospective
 investigation.JBJS[Am]72:403-8,1990
4)Savage RA,et al.:The relationship between the magnetic
 resonance imaging appearance of the lumbar spine and
 low back pain,age and occupation in males.Eur Spine J 6:
 106-14,1997
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Category: ブログテーマ

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歯の噛み合わせと肩こり 

顎関節症や肩こりの原因に歯を接触させる癖
TCH(Tooth Contacting habit)がある。
このTCHは作業などに過度に集中しすぎることや
ストレスが関連するといわれる。

そして頭部の位置とTCHの関連について。
頭が上を向いている時、要するに頸部の伸展の時は
自然と口は開いてくる。
前方頭位で目線を前に向けると、このような状態になる。
一方、スマートフォンなどを見る姿勢は、
頭が下を向いている状態。頸部の屈曲が起きており、
自然と口は閉じTCHが生じやすくなる。

顎を動かす筋は口のみでなく頸や肩とも連結がある。
咬筋、側頭筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋などが、
持続的に収縮し血流やリンパの循環も低下させることになる。

慢性的な肩こりがある方は今一度、
歯を噛み締めていることはどんな時が多いか。
そして下向きはどういう時が多いか。
確認する必要があるかもしれない。
tch.jpg
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消化にかかる時間 

食べたものは約10秒程度で胃に運ばれ、
約1〜3時間で消化されて、そこから腸に運ばれる。
約30〜120時間で排出される。
S字結腸まで約1日、直腸まで約1〜5日というところである。

そして食べ物によっても消化にかかる時間は変わる。
果物は消化にほとんど時間はかからず20〜30分
野菜1時間〜2時間
炭水化物にはでんぷんを分解するために、
酵素も必要であり時間も8〜12時間かかる。
そしてタンパク質にはタンパク質を分解するための
酵素も必要であり10〜24時間かかる。

果物を食後に食べると果糖が分解されず
腐敗したり分解されなくなる。
また利用されなかった糖質が肥満の原因になることがある。
そのため、消化の良いものから先に食べ、
あとから消化に時間がかかるものを食べるとよい。
また、果物や野菜を先に食べることで、
糖の吸収を穏やかにすることもできる。
無題 1
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Category: 栄養学

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肩こりは日本人特有?肩こりの不思議 

日本では肩こりというのは一般的である。
「肩がこるんよ~。」といえば、
だいたいどういったものか想像がつく場合も多い。
診断では頸椎疾患や胸郭出口症候群、
内科的にも高血圧や更年期障害などで生じるとも言われる。
しかし、この肩こり。実は海外では通じないことがある。

海外で肩こりが通じないとはどういうことなのか。
海外では肩がこるという訴えはほとんどないようである。
それどころか英語圏やドイツ・フランス・中国では、
肩こりという言葉そのものが存在しないのである。
言葉そのものが存在しないので説明しても通じない。
要するに肩こりという概念そのものがないのである。

このことは肩こりの不思議であり、謎である。
日本人は体が小さく、筋肉も細いため。
また頭は欧米人と比べ日本人のほうが重たい。
このような症状が生じやすいというのも理由といわれている。
また「疲れると肩がこる」という先入観も、
症状を作り出す原因となる可能性も指摘されている。

体というものは実に不思議なものである。
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Category: 肩関節

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ストレスもクセになる? 

職場ではヤマのような仕事。
自宅では夫婦喧嘩。
職場でも家でもストレスばかり。

できれば穏やかな日々が理想だとは思いながら、
いざ何にもないとつまらなく暇。
刺激がないと物足りない。
むしろ何かしてないと落ち着かない。
何かしている方が落ち着く。

1人1人価値観は違うものの、
本当は穏やかな生活をしたいと思っているのに、
つい忙しい環境においてしまう場合は
少し考えるとよいかもしれない。

ストレスホルモンであるコルチゾールやアドレナリンは
気持ちを奮い立たせる効果もある反面、
依存してしまうことも少なくない。
要するにストレスに依存している状態、
ストレス依存になっているのかもしれない。

何でもかんばってしまう傾向があると、
なかなかリラックスすることが難しくなる。
休憩が取れなかったり、寝る時間がなかったり。
自己犠牲ばかりしていると体はバランスを崩してしまう。
ワーカホリックといういわゆる仕事が生きがいという、
仕事依存症である。
全て自分で抱えてしまい、相談もなかなかできず
平日は残業で、休日も出勤してしまう。

医療や介護の分野では相手が人であるが故、
ついつい自己犠牲の度合いが強くなりすぎる傾向がある。
たしかに仕事にやりがいを感じ、
前向きに取り組むことはよいことだが
うまくいかないときに逃げ道がなくなってしまう。
慢性的な疼痛の危険因子に週労働時間が60時間以上というのがある。
仕事をばりばりやっていた人が突然調子が悪くなり、
やる気がなくなってしまうというのは少なくない。

働くことも大切だが休むことも同じぐらい大事。
人のためも大切だが自分のことも同じくらい大事。
のんびり屋の人は少し働くことや
人のためと意識することは大切かもしれない。
しかし、頑張り屋の人は働き過ぎたり、
人のために意識し過ぎたりが多くなりがち。

うまくバランスをとってあげられるのは、
自分自身しかいない。
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Category: 心理学

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人工甘味料は糖尿病や肥満のリスクを高める 

最近使われているサッカリンなどの人工甘味料は
代謝に関わる腸内環境のバランスを崩し、
血糖値が下がりにくくなる作用がある。
9月17日に科学誌ネイチャー電子板に発表された。
イスラエルの研究チームによる研究で、
スクラロースやアスパムテールにも同じ作用があることが
マウスの実験で示されている。

日本で使われている人工甘味料はサクラロース、アスパムテールの他、
サセスルファムカリウム、ネオテームなどがある。
かつて大量に使われていたのがサッカリンで発がん性の有無で
議論され制限付きで使用が許可されたものである。

また人工甘味料は太るというデータは
テキサス大学の研究も有名である。
ダイエットソーダを飲んだグループと飲まなかったグループを
追跡比較すると飲む人は飲まない人に比べ5〜6倍太ることが
わかっている。
またパデュー大学のマウス実験でも人工甘味料と天然甘味料の
入ったヨーグルトでの実験もある。
ここでも人工甘味料入りのヨーグルトの方が食べ過ぎによって
太ったとされている。

こうした人工甘味料はコカイン以上の中毒性を
持っているとも言われており、
たまに嗜好品として食べるのはいいが、
毎日、習慣的に摂取するのは考える必要があるかもしれない。
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Category: 栄養学

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腰痛に関するマルチメディアの効果 

腰痛に関してマルチメディアにより
大きな功績をおよぼした有名な研究がある。

オーストラリアのビクトリア州のキャンペーンで
腰痛に屈するな!」といった内容になっている。
具体的な内容としては
腰痛は重篤な疾患でなく、不必要な検査や治療を避け、
過度に医療対象にしないこと。
腰痛があっても活動的な生活や仕事は続け
安静を避けることを推奨した。

これにより従来の腰痛は安静や休息が重要というものに対し、
意識の変化があった。
身体活動に関する恐怖回避思考の改善が認められた。
医療費が15%も減少した。などの効果があった。

またスコットランドの保健教育局の全国教育キャンペーンもある。
このキャンペーンにおいては活動的な状態を保つ。
単純な疼痛緩和を試みる。
必要であればアドバイスを求めること。

こうしたキャンペーンにより一般人の腰痛の認識や
医師の行動においても変化が起きている。
腰痛に対する安静は見事に20%逆転して現れ、
活動することの重要性が支持されるように変化した。

病は気から。こうしたことの重要性が
改めて示されているのではないかと感じる。

1)Buchbinder R,et al.:Effects of a media campaign
 on back pain beliefs and its potential influence on
 manageement of low back pain in general practice.
 Spine 26:2535-42,2001
2)Buchbinder R,et al.:Population based intervention to
 change back pain beliefs and disability:three part
 evaluation.BMJ 322:1516-20,2001
3)Waddell G,Working backs Scotland,presented at the
 Mckenzie Institute Eighth International Conference,Rome,
 Italy,2003;see www.workingbacksscotland.com.
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Category: 腰椎

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不眠 

不眠は生活の質を著しく落とす問題である。
また認知症の71%になんらかの睡眠障害が認められ1)
介護をする上でも夜間に眠れない患者がいた場合、
その家族の負担はよりいっそう大きくなる。

不眠にできるケアというものはどういったものだろうか。
不眠にはサーカディアンリズムが関係する。
サーカディアンリズムは約1日で変動する
生理的な体のリズムで、体内時計とも呼ばれる。
睡眠の他、摂食や脳波、ホルモン分泌や細胞の再生などに関わる。
このサーカディアンリズムを整えることが重要となる。

それでは具体的な不眠のケアだが
・規則正しい就寝と起床。
・日中は日光を浴びる。
・日常的に適度な有酸素運動。
・昼寝を制限。
・ベッドは睡眠以外に利用しない。
・入床3時間前までに食事・カフェイン・喫煙は済ます。
・入床1時間前までに刺激を避ける。
などが挙げられる。これはBPSD初期対応ガイドラインによるもの2)だが、
やはりサーカディアンリズムを整えることが重要である。

サーカディアンリズムは睡眠や食事、日光などにより、
リセットされることで微調整されている。
このリズムが崩れた状態は時差ぼけが一つの例ではないだろうか。
よくある例は日曜日が仕事が休みの人がつい土曜日に夜更かしをする。
そうすると次の日にいつもの時間に寝ようとしても、
前日の夜更かしの影響でなかなか寝付けない。
結果、月曜日に眠たい状態で
仕事にいかなければならないというものである。

また昼寝も長い時間寝てしまうと、深い睡眠となり
サーカディアンリズムを崩してしまう。
昼寝は30分以内であれば、
仕事の効率を上げることもでき非常に有効である。
うまく30分程度で目を覚ます方法としては、
昼寝の前にコーヒーなどのカフェインをとっておく。
そうすることで30分後には血中のカフェイン濃度が上昇し、
覚醒の手助けをしてくれる。

体のリズムが崩れたのを戻すのが大切であるが、
最も大切なのはやはりリズムを崩さないことである。
できるだけ規則の正しい生活をし、寝る前には刺激の量を少なくする。
とくに調子を崩しやすい季節の変わり目は得に気をつけておきたいところだ。

1)Rongve A,Boeve BF,Aarsland D:Frequency and corre lates of
 caregiver-reported sleep disturbances in a sample of persons
 with early dementia.J Am Geriatr Soc Vol.58 480-486 2010
2)服部英幸:BPSD初期対応ガイドライン ライフ・サイエンス,東京,2012,
 pp91-92
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Category: 健康

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安静の弊害 

腰痛において安静は一般的によく聞く。
痛くなったら無理をしないように。
日本でも病気やケガは「ゆっくり休んで治す。」
といった概念は現在でも浸透している。

医学の世界では追跡調査による研究などから、
できるだけ安静は早期に解除するように勧められる。
術後においても安静の期間は短く、
次の日や2〜3日後からリハビリが開始されることも少なくない。
確かに炎症や痛みを増加させるリスクもあるのだが、
それ以上に他の組織の拘縮や
動けなくなるのではという心理的な問題の方が、
長期的にみると問題となることが多い。

こういった意味でもできるだけ早期から動くことが勧められる。
非特異的腰痛においても同様で世界的に安静は勧められていない。
これは安静は予防にも治療にも不利益が大きいという見解である。
またぎっくり腰においても安静にする意識が強いと
再発するリスクが3倍増加すると言われている1-4)
過剰に腰の筋肉を収縮させてしまうことや、
動かないことで体中が硬くなり、
より負担に繋がりやすくなることも考えられる。
不安により疼痛の閾値の低下や交感神経優位、
また末梢血管の収縮なども痛みが増加する理由となる。

1)Fuji T,et al.:The association between compensation and
 chronic disabling back pain.J Orthop Sci 17:694-8,2012
2)Fuji T,Matsudaira K:Prevalence of low back pain and
 factors associated with chronic disabling back psin in
 Japan.Eur Spine J22:432-8,2013
3)Waddell G,Burton AK:Occupational health guidelines for
 the management of low back pain at work:evidence review.
 Occup Med 51:124-35,2001
4)Matsudaira K,et al.:Comparison of physician’s advice for
 non-specific acute low back pain in Japanese workers:
 Health 49:203-8,2011
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Category: 腰椎

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弱肉強食は自然界の掟ではない1 

大人になって社会に出ると理不尽なこともある。
確かに感情だけではどうにもならないこともあり、
理屈で考えていかなければならないこともある。
どちらが正しいかも危うく、グレーな部分も多い。

こういったなかで大きな力が決定力となることも少なくない。
地位や権力そういったものは社会にはつきものである。
決してそれは悪いものと言ってるわけではなく、
自らが努力してその力を得る必要はあると思う。
しかし、その力にひれ伏さなければならない時は
自分を納得させるために「所詮弱肉強食が自然の掟だ・・・。」
などと何かの漫画に書いてある台詞を言ってみたりする。

さてよく使われるこの弱肉強食。
本当に自然界の掟なのだろうか。
実はこれはあまり知られていないが間違いである。
少し考えればわかることだが
強くても食べれないこともあるし、
弱くても食べられないこともある。
では自然界の掟とは何なのだろうか。
どうすれば生き残ることができるのだろうか。
次回はそれについて述べていきたいと思う。
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Category: 仕事の戦い方

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弱肉強食は自然界の掟ではない2 

例えば、ウサギは世界中で繁殖している。
それに対して虎は絶滅の危機である。
どう考えてもウサギより虎の方が強い。
しかしながら、ウサギは必ずしも肉となっていないし、
虎は強いのにも関わらず食べれていない。
要するに弱肉強食ではないのである。
自然界では全て食われる可能性もあり、
全て必ず死ぬという決まりがある。
では生き残るのは何なのだろうか。
これは環境に適応することである。

生物界での法則は適者生存であり、
環境に適したものの遺伝子が次世代に受け継がれていく。
そして環境に適応するということは強さだけではない。
大きいものや小さいもの。早いものや遅いもの。
多産のものや少産のもの。それぞれにメリットとデメリットがある。
現在、自然界のトップに君臨している人間でさえも、
絶対的に生き残れるというわけではない。
例えばアマゾンに放り投げられた場合、生き残るのは難しいだろう。
人間は集団になること道具を使うことで生きることができる。
最終的には闘争よりも恊働のほうが生き延びることに有利である。

会社でも力を持ったところで敵を増やせば潰される。
上の人に対し下手に闘争を望んでも自分が不利になることが大きいだろう。
しかし、その上の人に好かれたところでまだ上はいる。
その会社の外にはライバル会社がいるし、その親会社もいる。
また違うジャンルで力を持つものもいるし、
代々続くお金持ちや政治家などもいる。
社会での地位や権力はわかりにくいが限りなく高くまで階層がある。
そうしたことを考えても、闘争を選択することよりも、
協働を選択することが重要ではないだろうか。

生物界では適者生存である。
環境が変われば、いかにその環境に適応し、
協働していく術をみつけていくか。
ここがとても大事なことは言うまでもない。
私の好きな言葉でチャールズ・ダーウィンの言った言葉がある。
「生き残るのは、最も強い種ではない。最も賢い種でもない。
 変化に最も敏感に反応できる種である。」
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Category: 仕事の戦い方

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非特異的腰痛の危険因子 

非特異的腰痛は様々な要因が絡んでくる。
1980年代までは腰痛の原因は何らかの外傷や
動作や姿勢からの腰の負担という考えが前提であった。
これらは人間工学的な問題といわれ、
姿勢や動作そして体操などの取り組みを行なってきたが
効果の挙がらない症例も多かった。
現在ではそれらの対処では結果が得られなかった経緯から、
問題を心理社会的な要因にも重きをおく必要性が提唱されている。

この心理社会学的な要因の腰痛に関しては
欧米の調査だけでなく日本においての危険因子の調査でも
影響が大きいという同様の結果が得られている。
多変量解析を元にした危険因子の内容としては、
世界18カ国で比較検討した国際比較恊働の前向き研究である
CUPID study(Cultural and Psychosoial Influences on Disability)
と勤労者の新規と慢性の腰痛の危険因子の特定を主目的とした
前向き研究であるJOB study(Japan epidemiological research of
Occupation-related Back pain study)が中心となる。
これらによると、腰痛のリスクファクターは次のようになる。
心理社会的要因と腰痛
1)Coggon D,et al.:The CUPID(Cultural and Psychosocial Influences on
 Disability)Study:Methods of Data Collection and Characteristics
 of Study Sample.PLoS One.2012;7(7):e39820.Equb 2012 Jul 6.
2)Matsudaira K,et al.:Potential Risk Factors for New-onset of
 Back Pain Disability in Japanese Workers:Findings from the Japan
 Epidemiplogical Research of Occupation-Related Back Pain(JOB)
 Study.Spine 37:1324-33,2012
3)Matsudaira K,et al.:Prevalence and correlates of regional pain
 and associated disability in Japanese workers.Occup Envirion
 Med 68:191-196.2011
4)松平浩,他:心理社会的要因は,仕事に支障をきたす慢性腰痛への移行に
 強く影響しているか.厚生の指標 59:1-6,2012
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Category: 腰椎

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緑が与える人間への効果 

ストレスに対する対処は人それぞれである。
今回はそのストレスの対処について述べていく。
フィンランドのタンベル大学精神学科では
Prof.Kalevi Korpelaを中心に様々な年齢性別の人を
3グループに分け、次の3つのうち
どの方法が最もストレスが軽減するのか実験した。
一つ目はヘルシンキ市内のカフェ
二つ目は公園の草の上にゆっくり横になる
三つ目は森へ行く
それぞれ唾液を採取しストレスホルモンが減少したか、
検査した結果三つ目の森へ行くが最もストレスの減少が大きかった。

またイギリスのエクスター大学の調査においても、
町に緑が多いほど精神が安定・強化されたといった報告もある。
日本人が精神的に安定している民族性というのも、
木の家で過ごしたり、木と関わりが深いというのも
何らかの関係があるのかもしれない。
森はストレスを軽減
1)Schlagworte:Home,Leben,Natur Quelle:Vital,Ausgabe4.2014
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Category: 心理学

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2014-09
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