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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

2014年10月の記事一覧

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科学的とは? 

科学的な根拠は?と聞かれることが増えてきた。
では科学的とは何なのだろうか?
科学的とは自然科学の方法・成果などに関することや
論理的・客観的・実証できることなどを指すことが多い。
しかしながら科学的というのは明確な定義がなく、
科学的に説明できないところがある。

古典科学というのは既に中世では存在しており、
この頃の科学はフィソロフィーとして哲学として位置づけられ、
知識探求としての意味合いが強かった。
やがて20世紀になると実験と実証による知的体系の進歩が起こり、
これが近代科学という位置づけとなる。

17~18世紀までは中国科学が西洋よりも発達していたが、
その後天文や物理の分野で大きく西洋科学が飛躍することとなる。
西洋科学身体を構造物の集合体として捉える反面、
東洋科学身体は相互に関係をもつ機能として考える特徴がある。
もう少し具体的に話をしていくと、
西洋医学は物理学や生物学、化学を用いて血液データをとる。
そしてそのデータが健康な人と比べて差異がないかを確認する。
その差を薬という生化学反応を利用し、健康な人の数値に合わせる。
要するに健康である人の数字にもっていくことが
病気ではない状態と仮定し、
薬を用いて治療していく方法が一般的である。

それに対して東洋科学は部分的なものでなく、
関係性をみてマッチしてるのであれば問題ないとする。
体はある変化が起きるとそれに対応するために別の反応が生じる。
その変化や反応を異常と捉えて治療するのではなく、
その反応も全体的な相互関係として捉え、
必要であれば正常に持っていくとも限らないとする。

部分をみることと全体をみること。
それぞれメリットとデメリットがある。
西洋科学の還元主義というパラダイムは
絵空事のドグマとしては成立するが、
本物の臨床としては当てはまらないことも多く、
当てはまるかどうか試さなければわからないことも多い。
よって問題となることも多いのである。

体は構造として機械的にみていくだけでは
対処が難しい場合も多い。
それは生身の人間には心というものが存在し、
その心は現在では脳の働きとされている。
心次第で脳の働きが変化し、ホルモンや自律神経に大きく作用し、
体そのものの変化や実際の行動まで影響を及ぼす。
そしてそれらがまた体に作用し、
慢性的な体の変化に関わることも少なくない。
部分的にみることと、全体的にみていくこと。
また病気としてみていくことと人としてみていくこと。
それぞれが相互にかみ合うことで
人は人として生活していけるのだと思う。
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Category: 哲学・思想

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ストレスへの考え方 

ストレスが体に与える影響は一般的にも徐々に浸透している。
オレゴン州立大学のCenter for Healthy Aging Researchセンター長の
Carolyn Aldwin氏は大きなショックやストレスは
死亡率に影響すると述べている。
退役軍人1293名を20年追跡調査した結果、
死亡したのは50%であった。
この中で、ほとんど衝撃的な出来事がなかかった人の
死亡した人の割合は1/3程度だったのに関わらず、
衝撃的な出来事があった人の死亡者は50%にも上った。
またほとんどストレスを感じなかった人は
死亡した人が29%だったのにも関わらず、
多くのストレスを感じた人は死亡した人が64%にも上った。

衝撃的な出来事の関係と死亡率の関係は言うまでもないが、
興味深いのはストレスを感じるか感じないかということでも、
死亡率に影響を及ぼしているということである。
これは問題は厄介ごとの数ではなく
これを大変なことだと捉えているかどうかが大きい。
要するにストレスの数を減らすことを考えることよりも、
対処のやり方を見直すことの方が大切である。
物事を難なくやり過ごすことができるかどうかが、
自分を守るためには大切だと言うことではないだろうか。

1)It’s True:Sweating the Small Stuff Is Bad for Your Health Inc.2014
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Category: 心理学

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恐怖回避思考 

痛みには心理的な要因が大きく関わる。
動きすぎると痛みは強くなることがあるが、
時間とともに軽減することも多い。
長期的に考えていくと痛みに対して、
過度に警戒や回避を行なっていると、
身体的な機能としても筋力低下や可動域低下が生じる。
また精神的にもうつ傾向となり、
状態の改善が困難となり、慢性疼痛となりやすくなる。

現在ではさまざまな情報が手に入りやすくなる一方、
一般の人に注意を向けやすくするために、
脅迫的な情報も多く発信されている。
こういった脅迫的な情報はネガティブな思考の原因となり、
悲観的な解釈を生じさせてしまう。
こういった心理状態になると、現実で生じていること全てが
自分にとって害になっていると感じやすく、
痛みや不安そして恐怖を生み出す。
こうした心理は過剰な警戒や回避に繋がり、
先ほども述べたように筋力低下や可動域低下、
そしてうつ状態を作り出してしまう。

こうした身体面や心理面の問題は
体を硬くそして弱くするだけでなく、
副腎髄質ホルモンや交感神経優位などの反応に繋がり、
筋肉の過剰な収縮や血管の収縮を生み出す。

痛みに対していかに正しい情報でポジティブな思考を得られるか。
これが痛みを改善させるためには必要不可欠である。
どんなことが起きていて、何をしたらダメなのか。ではなく、
どうすればよくなるのか。にできるだけ気持ちを向け、
少しずつ活動範囲を広げることが大切である。
不安回避思考
1)Leeuw M,et al.:The fear-avoidance model of musculoskeletal pain;
 current state of scientific evidence.J Behav Med 30:77-94,2007
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Category: 心因性

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自律神経と症状 

ストレスにともない自律神経失調症様の
機能的な症状が生じることは臨床上よくある。
これらは抑うつとして出現することもあるが
診察しても器質的な原因がはっきりとわからない、
運動器の症状や臓器脳症状として出現することもある1)。
具体的には肩こり・腰痛・手足のしびれなどの他、
頭痛・めまい・動悸・息切れ・胃腸障害などである。

これらは心理的な問題が脳機能に影響を与えるものであり、
それにともない身体化徴候として生じる。
またこれらの症状は更年期障害や低血圧症などが
原因のこともあるので注意する必要がある。

またこれらの機能的な問題により身体症状が現れる症状を
Functional somatic syndrome(FSS)という
症候群として捉える必要があるのではという提案がある2)。
FSSに認められる訴えとしては、
異なる部位の痛みや異なる器官の機能障害。
また疲労や消耗に伴う訴えがある。
異なる部位の痛みとしては、
頭痛・腰背部痛・筋痛・関節痛・腹痛・胸痛など。
異なる器官の機能障害としては、
動悸やめまい、便秘や下痢などがこれにあたる。

FSSに包括される病名としては、
機能性胃腸症(ディスペプシア)、過敏性腸症候群、閉経後症候群、
緊張性頭痛、慢性疲労症候群、顎関節症、非特異的胸痛、
慢性むち打ち症、慢性骨盤痛、線維筋痛症、慢性腰背部痛など。
またDSM-Ⅳ診断による疼痛性障害や心身症などの診断も
これらの概念に含まれることが想定される。
FSS.jpg
1)Dionne CE:Psychological distress confirmed as predictor
 of long-term back-related functional limitations in primary
 care setting.J Clin Epidemiol 58:714-8,2005
2)Henningsen P,et al.:Managemnt of functional somatic syndromes.
 Lancet 369:946-55,2007
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Category: 心因性

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意欲を向上させるためには 

リハビリテーションにおいて患者の意欲は非常に重要である。
意欲の有る無しが予後に影響することは誰もが経験するであろう。
では意欲を高めるためにはどういった方法が有効なのであろうか。

現在、リハビリテーションの現場でも
徐々に用いられるようになった応用行動分析学がある。
行動リハビリテーションという分野も開拓され、
多くの実証研究の成果も発表されてきている。

ではこの応用行動分析学について簡単に説明する。
行動分析学はハーバード大学のスキナー博士が創設し、
それをより実践的に考えたのがミルテンバーガー
応用行動分析学である。
人間の行動を環境の影響を非常に多く受ける。
よってその影響を分析していき、
行動と学習の法則性を考えていく。
心理学が基盤となり、行動学習を科学的に発展させたものが
応用行動分析学といえるのではないだろうか。
では具体的な内容を次回から述べていく。
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Category: 心理学

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ABC介入 

応用行動分析学は意欲を高めるのに有効である。
行動と学習の法則性を分析していくのだが、
よく用いられるものとして
行動随伴性を考慮したABC介入がある。

ABC介入のABCとは次のようになる。
まずきっかけとなる環境の条件を
先行刺激(Antecedent stimulus:A)
次に行動(Behavior:B)
そして結果や変化を後続刺激(Consequent stimulus:C)
行動(B)はきっかけの環境の条件(A)と
結果や変化に影響を受けるというものである。
行動そのものに目を向けるのではなく、
行動のきっかけとなる先行刺激と
結果や変化となる後続刺激が
大きく影響するというものである。

どのような環境や刺激のもとでどう行動したら、
どう応答が得られるのか。
本人と環境の相互作用の分析を介入していくものである。

では先行刺激、行動、後続刺激について
次回はより詳しく述べていく。
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Category: 心因性

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ABC介入の具体例 

それではABC介入における、
先行刺激・行動・後続刺激について述べていく。

まず先行刺激から述べていく。
先行刺激は行動のきっかけを作るとともに
誤りを防ぐ役割としても用いることができる。
そして進行とともに刺激を減らしていくことが大切である。
リハビリテーションにおいては患者説明として重要な要素である。
今の現状はどういったものなのか。
回復の程度や進歩はどうなのか。
どういったことを自主訓練としてやれば良いのか。
今後の目標はどういったことなのか。
などがこれらにあたる。
これらの刺激は行動のきっかけになるとともに、
見通しが立つことによる安心感も大きい。
不安や恐怖などの思考パターンの抑制にも繋がり、
治療意欲を高めることができる。

次に行動である。
行動に関しては少し頑張ればできる程度に
設定するのが望ましいとされる。
成功率としては75%程度であろうか。
このくらいの水準は意欲を保ちやすく、
失敗経験を重ねて諦めたり、意欲を減少させることを防ぐ。
また達成感を味わうことにより意欲を向上させる狙いもある。

最後に後続刺激である。
適切な行動の後は心地よいフィードバックが重要である。
褒められたり、自ら達成感を感じる経験は、
さらなる意欲向上につながる。
視覚・聴覚・触覚に良い刺激を与えるよう、
笑顔や声かけ、そしてボディタッチなどによる
心地よい刺激がまた次の行動に繋がる。

以上がABC介入を用いた手法である。
患者さんのやる気がない。意欲がない。
といった評価となった場合、
自らの先行刺激や後続刺激の見直しを行なうことで
意欲の向上を図ることは可能である。
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Category: 心因性

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解釈の仕方でストレスは変わる 

痛みとストレスは関係が強いことは、
近年では一般的に多く知られることとなった。
しかしながら、そのストレスによる対処法が
うまくいかない場合に生じるのが依存症である。

お酒やパチンコの他、恋人に依存する人も多い。
これらはストレスをお酒やパチンコで発散したり、
恋人に癒してもらおうとすることが問題である。

要するにストレスを発散しようとすることが、
依存を生む一つのきっかけとなってしまう。
ストレスが生じてそれを発散するのではなく、
そのストレスの根を対処することが、
根本的な改善となることも多い。

ストレスを感じやすい人の特徴として、
実は自己嫌悪がある。
相手に対して腹が立って、
それに対してこんなことで腹が立ってはいけない。
いろいろな価値観の人がいるから受け入れなきゃ。
当然、社会人なのでこういった解釈は重要である。
カチンときてすぐに口に出していたら、
うまくいかなくなくなることも知っているから。
そして我慢して、家に帰ってお酒を飲んで
「ああ・・・今日も飲み過ぎた・・・。
 自分は何で抑えがきかないんだろう・・・。」
そしてまた次の日も疲れながら仕事をし、
さらにストレスをためてしまう。

お酒がないと生きていけない・・・・。
パチンコについつい言ってしまう。
つい恋人に当たってしまった・・・。
ではどうすれば良いのだろうか。
先ほどストレスを感じやすい人の特徴として、
自己嫌悪があると述べた。
相手を責める人は実は自分自身のことも
同じように責めていることが多い。

では先ほどの相手に腹が立った場合、
どうすればよいのか。
こうしたときに自分を責めるのではなく、
自分を褒めるのである。
腹が立った自分を責めるのではなく、
「お、私大人だからちゃんと抑えてるじゃん。
 余裕のある大人な私。」
同じ出来事なのに少し微笑みが出てくるではないか。

ストレスによって自己嫌悪に陥るのではなく、
そんな自分を褒めてあげること。
受け止め方を変えるだけで、
気分はずいぶん変わるものである。
我慢した自分は辛いんじゃない。
我慢した自分は偉いんだ。
こんな辛い私にストレス発散をするのではなく、
偉い自分にたまにはご褒美をあげる。
そう解釈するだけでも明るくなってこないだろうか。
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Category: 心因性

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機能性ディスペプシア 

ストレスによって胃腸の調子が悪くなるというのは
よくあることである。
また胃炎や便秘など胃腸の痛みを
腰痛して感じていることも少なくない。

内視鏡などでは特に異常がないが、
胃の運動機能の障害によって生じる、
機能性ディスペプシアについて今回は述べていく。

胃の機能は大きく分けて、
貯留・攪拌(かくはん)・排出の3つである。
それぞれ説明していく。

貯留は胃の上部が広がる働きをする。
そうすることで食べたものを溜め込みやすくする。
しかしながら、食べたものがきてもうまく広がらない場合に
食欲不振、早期飽満感、痛みなどの症状が生じる。

攪拌は蠕動運動により食べたものを胃液と混ぜ合わせ、
消化していく働きとなる。

排出は消化した食べ物を胃から十二指腸に送る働きである。
送るのが早すぎても遅すぎても問題となる。
排出が早すぎると不快感や痛みの原因となる。
また排出が遅いと食べたものが胃に留まるので、
お腹の張り、胃もたれ、重く感じるなどの症状に繋がる。

このように貯留・攪拌(かくはん)・排出の3つの働きがあるが、
貯留と排出には密接な関係があることが知られている。
貯留がうまくできないと食べ物と胃酸は、
早く十二指腸に送られようとする。
しかし排出の段階でストップをかけるので、
これが胃もたれの原因となってしまうというものである。

こうした機能性ディスペプシアは心理社会的要因や
胃酸の関係やピロリ菌などが原因として言われている。
年末に近づくにつれ、胃腸に負担をかけ過ぎないように
気をつけていかなければならない。
胃の機能
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Category: 健康

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コレステロールは害なのか 

「コレステロール=悪」という風に一般的には認識されている。
では逆に考えてみてコレステロールは必要ないのか・・・
答えはNO!である。

ではコレステロールの働きについて述べていく。
コレステロールは実は非常に重要な物質である。
性ホルモンや副腎皮質ホルモンの材料。
骨を作るのに重要なビタミンDの前駆体。
胆汁酸の原料や肌の保湿。
そして細胞膜の強化である。

中でも細胞膜の強化という役割は非常に重要で、
コレストロールが不足することで、細胞が弱化し
人体そのものを劣化させるということでもある。

男性の場合は総コレストロールが280mg/dLを越えると、
動脈硬化が進みやすく、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが増加する。
しかしながら160mg/dLを下回ることで脳出血やうつ病、
癌が増えることがわかっている。

何でもほどほどが大切だということなのかもしれない。
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Category: 健康

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恐怖回避思考モデル 

痛みに対してどのように考え対処するかということは、
その後の予後に関して大きな影響を持つ。
痛みを発症して痛みの体験をした時に、
あまり不安にならず前向きに取り組むことで、
通常の回復が生じやすくなる。
それには正しい情報とポジティブな思考が重要になる。

それに対して脅迫的な情報やネガティブな思考は
悲観的な解釈となりやすい。
痛みの不安や恐怖が生じ、過剰な警戒や回避の行動を生み、
筋力低下や可動域制限などの身体機能の問題と、
うつ傾向などの精神的な問題が生じる。

医療においてレッドフラッグの確認は最重要であるが、
過度なリスクの説明は恐怖回避思考モデルを生じ、
痛みの悪循環に陥らせてしまう可能性がある。

痛みがあっても基本的には動くこと。
ただ動き過ぎて痛みが強くなった場合は
動く割合を修正し、再び動くことが大切である。
痛みがなくなって動くのではなく、
動きながら痛みに対処するすべを身につけることが大切である。
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Category: 心因性

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痛みの悪循環 

痛みは機械刺激や炎症によって、
発痛物質を自由神経終末が
受け止めることによって生じる。

脳は外側脊髄視床路によって大脳皮質の
体性感覚野に繋がる。
これが感覚系の経路である。
そしてもう一つは内側脊髄視床路によって、
島皮質、前帯状回、前頭前野、扁桃体、
海馬に繋がる。
これは情動系の経路である。
辺縁系に作用しイライラや不安などの感覚を引き起こす。
また間脳の視床下部にも影響をおよぼし、
自律神経症状を引き起こす。

副腎髄質のノルアドレナリンや交感神経優位の影響で、
末梢血管の収縮と筋の攣縮が生じる。
これらの症状は痛みを誘発するので、
また脳に作用し、これらが慢性的に繰り返すこともある。
また場合によっては、機械的刺激や炎症などの
身体に異常が生じていない時でも、
脳がストレスを感じると痛みを生じることがある。
これはストレスを受けることで脳が反応し、
交感神経優位や副腎髄質が働くためである。

痛みそのものにおいても、また慢性化しないためにも
不安のない状態で進めていくことは必要不可欠である。
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Category: 痛み

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質問と患者ニーズ 

患者さんの不安や求めているものを把握することは、
リハビリテーションを行なっていく上で重要である。
しかしながら、精神的な要素を把握するのは難しく、
また患者さん本人もうまく伝えられないことも少なくない。

重要なのはこちらの質問を工夫することである。
質問はオープンクエッションクローズドクエッション
そしてポジティブクエッション
ネガティブクエッションを使い分ける。

まずは患者さん本人の言葉をできるだけ誘導しないためにも、
オープンクエッションが使われる。
「何か困っていることはありませんか?」
「調子はどうですか?」
「気になることはありませんか?」

そして少しずつ具体的にしていくために、
クローズドクエッションに切り替えていく。
「どこの痛みが気になりますか?」
「どんな症状ですか?」
「右と左はどちらがきついですか?」

そして、調子が良くなってくると
今度はネガティブクエッションでは見えにくくなってくる。
「何か気になることはありますか?」
「特にないです・・・。」
こういった時に切り替えていくのが、
ポジティブクエッションである。
「だいぶ良くなってきましたので、
何かやってみたいこととかはありますか?」
「次の目標で何か思いつくものはありますか?」

こうして様々な角度から質問していくことで、
患者さんが自分自身でも気づいていない感情を
理解することができる。
この質問の切り替えは視点を変えるきっかけにもなる。
抽象的なものを具体的にしていったり、
ネガティブなものをポジティブにしていったり、
視点を変えることではじめて見えてくるものもある。

気持ち抽象的なものであるが、
行動を起こす時には具体的にする必要がある。
具体的にすることで何をすべきかは見えてくる。
またネガティブ守りを固めるためには大切だが、
攻める時にはリスクを許容する必要がある。
外に出るとこけるかもしれない。大けがをするかもしれない。
でも外に出なければ大好きな買い物にも行けない。
守りは安全を保障できるが、楽しみは得られない。
守りだけで本当の自分が満たされない場合は
ポジティブ攻めが必要である。

こうして質問の中から患者さんの本当の気持ちを捉えるとともに、
現実的に進むべき方向性を明確にしていく必要がある。
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Category: 会話

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褒めると叱るのパフォーマンス 

指導に関して褒めるのが大切だとか、
叱ることも必要だとか意見が分かれることは多い。
この褒めると叱るについて、
どのように考えれば良いだろうか。

生理心理学の基本法則として
心理学者のロバート・ヤーキースと
J・D・ドットソンが提唱した
ヤーキース・ドットソンの法則がある。

これは人のパフォーマンスは
ストレスレベルが低くても高くても上がらない。
ストレスレベルがほどほどである最適領域
最もパフォーマンスを高めるといったものである。
このストレスレベルというものは、
仕事の難易度やその他の刺激によって影響する。
その他の刺激というものに褒めると叱るが関わる。

要するに仕事の難易度が易しいものであれば、
叱ることを優位にしたスパルタでもパフォーマンスは上がるが、
仕事の難易度が難しいものであれば、
褒めることを優位にしリラックスが求められる。

緊張は緩み過ぎても張り過ぎてもパフォーマンスは低下する。
程よい緊張度合いにするために、
適切な刺激として褒めることと叱ることが必要な場合がある。
日本人は褒めることが下手であり、
叱ることの方が多くなりがちである。
難易度の低い仕事においてはそれで構わないが、
難易度の高い仕事においては考える必要があるかもしれない。
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Category: 心理学

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足を引っ張ろうとする心理 

日常生活の中で足を引っ張ろうとする人を
みることは少なくないだろう。
努力をしようとしている人にとっては、
なぜ足を引っ張ろうとするのだろうか。
と疑問を持つことも多いと思う。
足を引っ張るヒマがあれば自分の努力をすればいいのに・・・。
とつい思ってしまう。

では足を引っ張る人はどういった心理なのだろうか。
世界的に有名な経済学者のフィリップ・コトラーによると、
仕事をする人は技術と労力の度合いによって分類できる。
まずは技術が高く労力も高いリーダー
同質化戦略やフルライン集中戦略が得意である。
また技術は高いが、労力は低いニッチャー
集中化戦略が得意である。
次に技術は低いが、労力が高いのがチャレンジャー
差別化戦略が得意である。
最後に技術が低く労力も低いフォロワー
追従戦略が得意である。

いわゆる足を引っ張る人というのはこの中で言うと、
最後の技術が低く、労力も低いフォロワーとなる。
今風に言うとコスパ重視の人のことである。
コスパ重視とはコストが少ないけれど、成果は大きい。
コストパフォーマンスが高いことを指す。
努力というのはとても時間がかかる。
自分が優位に立つためには足を引っ張る方が効率が良いのである。
これは猿でいうマウンティング行動と類似する。
現代社会では力でねじ伏せるのは犯罪になるので、
力を誇示するかわりに、足を引っ張るのである。

とても高嶺の花である才色兼備な女性を口説くよりも、
職場の身近な人を口説くのもコスパ重視のあらわれなのかもしれない。
現代社会そのものもコスパ重視の思想が強くなっている。
いかにコストを抑えて、パフォーマンスを高めるか。
評論家のように遠いところから、批判をする人が増えたのも
こういった社会が生み出した部分もあるのかもしれない。
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Category: 心理学

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ケガの解釈と治癒1 

リハビリテーションにおいて患者の心理状態は
非常に大きな影響を受けることは言うまでもない。
不安や恐怖など悲観的な思考に固執した場合、
ノルアドレナリンの分泌や交感神経優位により、
末梢血管の収縮と筋の過緊張が生じる。
それらは治癒を邪魔し、慢性的な痛みの要因ともなる。

患者の心理はケガをした時にどう解釈しているかも
予後に影響すると考えられる。
例えば交通事故にあった場合、
自分が悪くないのに痛みが続き、
家庭や仕事などいろいろなことに影響が出てくる。
そういった状況ではどうしても、
「何で自分が・・・」
「あのとき事故にさえあわなければ・・・」
「あの人さえぶつかってこなければ・・・」
また別のところへ矛先が向くかもしれない。
「あの人が私を読んだばっかりに・・・」
「あの仕事さえ入らなければ・・・」
自分に向く場合もある。
「私はいつもこんなことばかりだ。」
「肝心な時にはいつもこうなる。」
「自分は不幸な運命なんだ・・・」
こういった解釈は過去に固執することになり、
この先どうすればいいのかなんて想像することが難しい。

このとき脳は扁桃体が過剰に活動して、
前頭前皮質は活動が抑制されている状態である。
要するに感情が優位になり、理性が働かない状態である。
長期化することで先ほどのノルアドレナリンや交感神経優位による
慢性疼痛だけでなく、脳の機能障害も生じてくる。
コルチゾールの分泌が高くなり、大脳皮質や海馬の萎縮が生じ
いわゆるPTSD。心的外傷後ストレス障害となってしまう。

ではケガに対してどういった解釈をすることがよいのだろうか。
療法士はどう助言やアドバイスをしていけば良いのだろうか。
次回は私見を述べていきたいと思う。
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ケガの解釈と治癒2 

患者の過去の解釈が悲観的なものであると、
ノルアドレナイリンの分泌や交感神経優位に伴い、
慢性疼痛が生じやすくなってしまう。
そればかりではなく脳では扁桃体が過剰に活動し、
前頭前野の活動性が抑制されるため
理性が働きにくくなり、
どうすればよいのか考えることが難しくなる。

要するに過去に縛られ続けることで、
前に進めなくなってしまう状態である。
このような状態にならないためには、
事故直後から患者さんが
どのような解釈をしているのか
注意深く確認していくことが必要である。

では症状が長期化しにくい人の解釈は
どういったものだろうか。
経験的に治りやすい人と治りにくい人は
見ていたり話を聞いているとわかることも多い。
治りやすい人の解釈は
これくらいですんでよかった。
命が助かっただけでもよかった。
子供じゃなく私でよかった。
などどれもケガをしたのにも関わらず、
感謝するように解釈されている。

これはコップの水が半分入った状態の例えに似ている。
コップに水が半分は言っている時に、
ネガティブな解釈をする人は
「もうこれだけしか残っていない。」と思ってしまうが、
ポジティブな解釈をする人は
「まだこれだけ残っている。」と思う。
という例えである。

しかし、ここで悲観的に考えることを否定するのではない。
その人がそう思うのだからそうなのである。
悲観的な解釈はそもそも自分を守るために必要なものである。
その悲観的な機能が働かない状態では、
危険を察知できなくなるということが起きてしまう。
災害の時に
「これは異常なことではないので、正常な範囲内だから心配ない。」
といって逃げ遅れるのがこの心理である。
ケガを繰り返さないためにも守りをかためることも、
生きていく上で必要な反応だから。
ただこれが長期化すると体にとっても
心にとっても害が生じてしまうというわけである。

こういった場合、その考え方について
否定することは無意味である。
否定は記憶に残りやすく、
否定されると反発し余計に変わらなくなるからである。
自分が否定されると人はストレスを感じ、
その否定した自分の考えよりも
他者が間違っていると解釈する方がストレスがたまらない。
そのため、その考え方は間違っている。
と考えたところで余計難しくなってしまうだけである。
錯視を見た時にこれらは実感できると思う。

下の写真の男性はどちらを向いているだろうか。
前に向いていると言われればそう見える。
しかし、喉仏を見れば横向きにも見える。
違うといわれてもそう見えるのだから、そうなのである。
しかし、冷静になって前に向いているかも・・・。
と思って見てみると前向きにも見えてくる。
見えなかったらそれでいいのだが、
見方がわかれば見えるようになってくる。
そうすれば見えなかったのが、
不思議なくらいおかしくなってくる。

人が変わるというのは、黒が白に変わるということではない。
黒だったものが白を知ることで、
黒とも白とも考えることができる。
こういった頭の中の設計図を付け加えていくことが
人が変わるということなのかもしれない。

無題 1
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Category: 心理学

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体の歪みとジンク・パターン 

骨盤が歪んでいる。といった言葉を良く聞くようになった。
体がねじれていると不調を生じる。
こういったこともよくきかれる。
しかしながら実は体は左右対称ではなく、
わずかながらねじれている場合がほとんどである。
これは胃や肝臓の位置が真ん中でないことや、
肺の形状、そして利き手と利き足のことを考えれば
当然のことといえるのではないだろうか。

アメリカのJ・ゴードン・ジンクは
体の歪み方のパターンによって、
筋膜の緊張や体液の循環に影響を与え、
健康状態に変化が生じることを発見した。
このねじれのパターンのことをジンク・パターンと呼ぶ。

このパターンは大まかに4つのパートで分類する。
まず頭部と頸部。そして頸部と胸郭、
次に胸郭と腰部、最後に腰部と骨盤。
人間の8割型の人は図のような代償性のパターンをとると言われる。
このパターンは交互にねじれるのが特徴である。
こういった代償パターンの人は病気やストレスに対して
耐性がある場合が多いとされる。
そして非代償性パターンは同じ方向に連続的にねじれるのが特徴である・
こういった代償パターンの人は循環や呼吸、
内臓機能不全が生じやすく疲れや回復も遅く、
ストレスの耐性が弱い人が多いとされる。

こうした問題は遺伝や生まれつきの問題もあるが、
生活習慣から生じる場合も非常に多い。
歪んでいても代償性パターンで特に気になる症状がない場合は、
気にする必要は少ない。
非代償性パターンを習慣的にとっている姿勢はないか、
もう一度見直す必要があるかもしれない。無題 1
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Category: 運動連鎖による影響

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褒める教育の欠点 

オーストリアのアルフレッド・アドラーは
ユング・フロイトと並ぶ心理学の巨匠である。
人間性心理学の出発点となっている。
フロイトとユングは精神病者を扱っているものの、
アドラーは健常者を対象としているため、
子供や社員・人材育成などビジネスや経営分野の自己啓発にも
応用・実践されているのが特徴である。

このアドラー心理学の中で驚くべきところは
褒めることは良くないというものである。
日本は叱り過ぎていて、褒めないから良くない。
褒めなければやる気は出ないし、
頑張っても叱られると無力感が生じやる気がなくなる。
というのは近年の教育ではよく耳にする言葉である。

ではなぜ褒めることが良くないのであろうか。
褒められると快感が伴うために、行動は強化される。
しかし、目的が褒められるためになりやすいため、
褒められるために努力してしまう。
また叱ったり、教えることもそれらと同様になるため
良くないとされる。
褒められることへの依存は自立性を欠き、
都合の良い人間にコントロールされているとも言い換えられる。

要するにアメとムチである賞罰教育は、
上から評価して褒めることであって自律心は育まない。
横から感謝とともに勇気づけることこそ、
行動を自律的に育むために重要な方法だという。

次回はアドラー心理学について
もう少し具体的な話をしていきたいと思う。
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Category: 心理学

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他者への依存と自己責任 

アドラー心理学は褒めることは、
褒められることに対する依存を生み出すため
都合の良い人間にコントロールするのには有効であるが、
自律心を育むことに関しては返って逆効果と述べている。

例えば攻撃的な人間も放任された場合のみならず、
過度に褒められた場合にも生じる可能性があるという。
これは褒められて育ってきたので、
褒められない環境になると不安が生じてしまう。
また思ったように褒められないことで、
相手を逆に避難する思考となることも多い。
怒りは不安な感情から生じることが多いため、
過度に褒められて育った場合は、褒められないことに不安を生じ、
攻撃的な行動になってしまうというものである。
Facebookにおいても「いいね」を
つけてもらえないことの不安もこれらと関係あるかもしれない。

過度に褒められて育った場合は、
褒められないことに不安を抱き攻撃的になる。
これは非建設的な自慢や非行、犯罪などに結びつくこともある。
これらはほめられないことによって自ら劣等感を抱き、
その劣等感を怒ったり隠すことでやり過ごそうとする。

それに対して、勇気づけられて行動してきた場合は、
劣等感をバネにして建設的な行動をとりやすいと述べられている。
「大丈夫。きっとうまくいく。」こういった言葉は
自ら決定した目的を自分の意志によって行動することになる。
感情というのは何もないところから湧き上がるのではなく、
目的のために作り出される、使用の心理学というものがある。

褒められるのが目的というのは、褒められる快感に対する依存や
褒めてくれる他者に対する依存を生み出してしまう。
自分がなにを目的として行動するのか。
目的を持ち続けて行動することが、責任というものである。
他者に対して腹を立てている時はその相手に依存している時も多い。
相手に望むのではなく、自らが目的のためにどう動くかが、
自由を生きるために必要な自己責任というものなのかもしれない。
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Category: 心理学

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自信過剰は悪いこと? 

「自分はこんなに能力が高いのに、
 どうしてみんなわかってくれないのだろう・・・。」
と思っている人は多いはず。
そして、逆に自分以外の人がそう思っていた場合は、
「あの人はなんで勘違いしているんだろう・・・。」
と思ってしまうのではないだろうか。

自分は自信過剰で良くないのだろうか。
相手は勘違いをしているので、
正しく理解してもらう必要があるのだろうか。
誰もが一度は考えることかもしれない。

自分の評価と他人の評価を比べると、
実は自分の評価を高く見積もるのが健常なのである。
うつ病の人は自己評価と他者評価が
ほとんど変わらないのが特徴といわれる1)。

自信過剰なぐらいが正常であって気にすることはない。
そして他人も少し勘違いをしているうちが正常であって、
自己評価を下げることはうつ病のリスクを増やす可能性もあるので、
考慮しておく必要があると言えるのではないだろうか。

1)池上知子,他:グラフィック社会心理学:サイエンス社,2009
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Category: 行動心理学

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患者への態度 

患者さんにリハビリテーションを提供する時に、
言語そのものよりも、非言語の影響を考慮する必要がある。
それは、人の相手への印象は言葉そのもの以上に、
態度が影響として大きいためである。

ではどういったことを意識したら良いだろうか。
患者さんが求める態度というのを大きく分類すると、
存在感と強さと優しさではないだろうか。
存在感は自信を持っていて、
影響を与えることができる人だと感じる。
強さは守ってくれたり、立ち向かってくれる印象を感じ、
優しさは包み込んでくれ、自分のことをわかってくれる印象を持つ。

ではこの存在感・強さ・優しさについて
もう少し、具体的に説明していく。

存在感においては、堂々とし、相手の目をみること。
話の時にはあまり考えず返答は2秒程度間を取って、
明確な質問を行なうことが挙げられる。
これにより今に集中し、自分の頭で考えることよりも、
まず相手の言葉そのものを受け止めているという
印象を受けやすくなる。

強さにおいては、自信を持つためにも体を適度に鍛え、
幅広い知識をつけることがまず重要である。
そして身なりに気をつけ、
大きく動きをつけて少ない言葉で話すことも大切である。
大きなゴリラになったようなイメージで。
こうした動きは立ち向かってくれる人だという印象を受ける。

優しさにおいては相手のデマンドを把握した上で、
手伝ったり、手伝われたりといった行為が重要となる。
また優しい目、相手と同様の仕草を行なうミラーリングや
心からの褒め言葉が言えるかどうかもポイントである。
相手を家に招待し心地よくなってもらおうという気持ちが
大切なのではないだろうか。

自信をもってしっかりとそこに存在し、
変化や影響を与える強さを持ちながらも、
相手の気持ちを受け止める優しさも併せ持つ。
そういう人と関わりたいと思うし、
心強く自分まで強くなった気持ちになる。
強い人には憧れるけれどもただの傲慢ではダメ。
優しいだけでは頼りない。
よく女性が男性に対して言う台詞である。
こういった魅力を身につけるためにも、
外見だけでなく内面においても
しっかりと自分を磨いていく必要がある。
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Category: 会話

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2014-10
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