理学療法の評価と治療
理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。
腰痛のGreen lightからYellow flag
2013/03/06 Wed. 00:00 [edit]
重篤な状態であるRed flagでない場合の腰痛は心配のない腰痛としてGreen light(青信号)と呼ばれる。
すぐに手術や治療をしなくても問題のない腰痛である。
これらの症状の80〜90%は痛みの症状であり、
6週間以内に90%改善すると言われる。
また5〜10%の患者に神経根症状が認められが、
これも6週間以内に50%改善すると言われている。
神経根症状だがデルマトームに一致しない症状も多く、
真の神経根症状なのか偽根性のものなのか
評価による鑑別は必須である。
最悪ひとつの神経根が完全に機能しなくなったとしても、
運動機能においては各筋多恨性支配であるため、
訓練によりある程度の筋力の回復は見込むことができる。
通常は時間とともに回復することが多いため、
保存治療を選択されることが多い。
しかし心理的な問題などが同時に存在し、
安静・休職・活動低下など活動性が低下してしまうことで、
Yellow flagに移行してしまう可能性がある。
これは腰痛が慢性化し、長期の活動性低下となるものである。
現在では腰痛が生じても
できるだけ活動性は維持することが推奨されている。
これは短期的な身体的問題よりも
長期的に考えた時の精神的問題を
回避するという意味も大きいのであろう。
Green lightをYellow flagにしないよう
介入していくことも大切な役割ではなかろうか。

1)Frymoyer JW N Engl J Med 1988
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