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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

フレンチパラドックス 

赤ワインが身体に良いというのは、
誰でも聞いたことがあるのではないだろうか。
この赤ワインが健康に良いというブームのきっかけになったのが、
1992年ランセットに掲載されたひとつの論文である。
フランスのS.レヌーによるものであり、
これがフレンチパラドックスの謎解きとして有名となった。

内容は脂肪の消費が多いと冠動脈疾患の死亡率は高くなるが、
フランスでは脂肪の消費量が高いにも関わらず、
冠動脈疾患の死亡率は他国と比べ低い。
これがフレンチ・パラドックスだが、
論文では「フランスは赤ワインの消費量がとても多い」ということを指摘。
これが赤ワインを世界中に注目を集めるきっかけになった。

その後もフランス東部の中年男性の15年追跡調査で、
1日2〜5杯程度のワインで心臓病による死亡率が最も低く、
1日1〜3杯のワインでがんの死亡率も低いことがわかった。

これは赤ぶどうの皮に含まれるアントシアニンや
フラボノイド、カテキン、シンプルフェノール、タンニンなど
多くのポリフェノールが揃っている。
こうしたポリフェノールは悪玉コレステロールを抑え、
心臓病を予防する他、がんや老可能原因となる
酸化作用を抑えるなどの効果があると言われる。

しかしながら、2014年5月12日の米国医師会内科学雑誌
(Journal of the American Medical Association Internal Medicine)にて
このフレンチパラドックスには問題があるといった研究が掲載された。

米ジョンズホプキンス大学医学部(Johns Hopkins University School of Medicine)
の研究チームによると「欧米式の食事に含まれるレスベラトロールには、
炎症、心臓血管疾患、がん、寿命などへの実質的な効果を持たないことが示された」

今回の研究ではイタリア・トスカーナ(Tuscany)地方の
2つの小さな村に住む65歳以上の約800人を対象に行われたものである。
被験者の尿に含まれるレスベラトロールの濃度と
食事を通して摂取したレスベラトロールが、
健康促進に効果を与えているかどうかというものである。
9年間の追跡調査では被験者の34%が死亡。
レスベラトロール濃度と早死にとの間に
相互関係を見つけることはできなかったとした。
また、がんや心臓疾患の発症とレスベラトロール濃度との間にも、
関連性を見出すことができなかったという。

一つの論文に対し、それを批判する論文が多く生まれる。
歴史的に長い理論はこうした批判に耐えてきたものであり、
それが信憑性の高さとも言える。
しかしながら、医療の発展には新しい発見と、
それが批判に耐えれる理論なのかというものが大切となる。
人に関わる研究では個人的な代謝レベルや摂取量・排出量により、
効果が変わってくるものであり、
研究による効果を明確にすることは難しい。

今後も健康に関わる研究は日進月歩である。

日経ヘルス 2002 (2) ; 47 : 85-93.
梅田達也 : 植物のくれた宝物―ポリフェノールのふしぎな力 ; 研成社 2001.
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Category: 健康

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