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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

膝の痛みB4 

初回の疼痛はラテラルスラストに伴う内側裂隙の疼痛。
内転・内旋を促すことで疼痛は消失するも、
今度は大腿四頭筋の過緊張とともに膝蓋大腿関節部の疼痛。
そして鵞足部の疼痛が出現する。
こうした状態から、膝のみの修正ではコントロールが難しいと考え、
より広い範囲でのアプローチに切り替えていく。

もう一度、歩行を確認していく。
特に疼痛の出現する立脚期を注意してみていく。
立脚期の膝関節の動きを確認していくと、
立脚後期の股関節の伸展角度が小さい。
大臀筋とハムストリングスの筋力低下はないものの、
歩行時では膝の伸展モーメントに対し、
股関節の伸展モーメントが乏しい。
結果、膝の筋の過収縮が疼痛の要因となっている可能性もある。
膝の伸展モーメント減少には体幹の前傾の関与も多い。
下肢の伸展モーメントに伴う前方推進力でなく、
体幹を前傾することによる前方に倒れる力を利用して、
前方に重心移動をしている。

本患も同様の姿勢が認められ、
体幹を前傾させることで前方に重心移動させている。
体幹を伸展させてみると胸腰椎移行部に可動性の低下が認められ、
それに伴い伸展時には関節痛が軽度生じる。
体幹の伸展制限が歩行時の前傾姿勢を生み、
大臀筋やハムストリングスの筋出力の低下、
股関節の伸展モーメントの減少を生み出していると考えた。

胸腰椎移行部の可動域制限の改善を行なうとともに、
股関節の可動域をさらに改善するようにアプローチを選択する。
アプローチ後は胸腰椎移行部と股関節の可動域が改善し、
口頭指示により体幹の前傾を修正することが可能になる。
股関節の伸展に関しては歩行前にCKCトレーニングにより、
あらかじめ促通することにより疼痛は消失した。

仮説をもとに疼痛は消失したものの、
今後の経過は注意すべきところである。
疼痛の消失はリハビリテーションによるものだけでなく、
日常生活によるものの影響が大きい。
胸腰椎移行部の可動性の維持には姿勢管理は不可欠であり、
歩容に関しても運動学習のためには繰り返しが必要となる。
また急激に運動量を増加させた場合には、
遅発性筋痛や関節炎などが出現することもあり、
不安はまた姿勢に影響し前傾姿勢を誘発することも考えられる。

今後もこれらの影響をあらかじめ説明することで、
悪化時に不安を誘発しないように、
そして失敗時でも問題解決できるように
解釈する知識と思考が必要となる。
療法士はこういったリスクをあらかじめ把握しつつ、
リスクマネジメントを受動的な状態から能動的な状態で行なえるよう、
援助し自立する支援をしていくことが必要となる。
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Category: 症例検討

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