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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

ケガの解釈と治癒2 

患者の過去の解釈が悲観的なものであると、
ノルアドレナイリンの分泌や交感神経優位に伴い、
慢性疼痛が生じやすくなってしまう。
そればかりではなく脳では扁桃体が過剰に活動し、
前頭前野の活動性が抑制されるため
理性が働きにくくなり、
どうすればよいのか考えることが難しくなる。

要するに過去に縛られ続けることで、
前に進めなくなってしまう状態である。
このような状態にならないためには、
事故直後から患者さんが
どのような解釈をしているのか
注意深く確認していくことが必要である。

では症状が長期化しにくい人の解釈は
どういったものだろうか。
経験的に治りやすい人と治りにくい人は
見ていたり話を聞いているとわかることも多い。
治りやすい人の解釈は
これくらいですんでよかった。
命が助かっただけでもよかった。
子供じゃなく私でよかった。
などどれもケガをしたのにも関わらず、
感謝するように解釈されている。

これはコップの水が半分入った状態の例えに似ている。
コップに水が半分は言っている時に、
ネガティブな解釈をする人は
「もうこれだけしか残っていない。」と思ってしまうが、
ポジティブな解釈をする人は
「まだこれだけ残っている。」と思う。
という例えである。

しかし、ここで悲観的に考えることを否定するのではない。
その人がそう思うのだからそうなのである。
悲観的な解釈はそもそも自分を守るために必要なものである。
その悲観的な機能が働かない状態では、
危険を察知できなくなるということが起きてしまう。
災害の時に
「これは異常なことではないので、正常な範囲内だから心配ない。」
といって逃げ遅れるのがこの心理である。
ケガを繰り返さないためにも守りをかためることも、
生きていく上で必要な反応だから。
ただこれが長期化すると体にとっても
心にとっても害が生じてしまうというわけである。

こういった場合、その考え方について
否定することは無意味である。
否定は記憶に残りやすく、
否定されると反発し余計に変わらなくなるからである。
自分が否定されると人はストレスを感じ、
その否定した自分の考えよりも
他者が間違っていると解釈する方がストレスがたまらない。
そのため、その考え方は間違っている。
と考えたところで余計難しくなってしまうだけである。
錯視を見た時にこれらは実感できると思う。

下の写真の男性はどちらを向いているだろうか。
前に向いていると言われればそう見える。
しかし、喉仏を見れば横向きにも見える。
違うといわれてもそう見えるのだから、そうなのである。
しかし、冷静になって前に向いているかも・・・。
と思って見てみると前向きにも見えてくる。
見えなかったらそれでいいのだが、
見方がわかれば見えるようになってくる。
そうすれば見えなかったのが、
不思議なくらいおかしくなってくる。

人が変わるというのは、黒が白に変わるということではない。
黒だったものが白を知ることで、
黒とも白とも考えることができる。
こういった頭の中の設計図を付け加えていくことが
人が変わるということなのかもしれない。

無題 1
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Category: 心理学

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