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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

インフルエンザワクチンの否定論 

インターネットの普及の影響で、
情報は多く入るものの、情報の選別が難しくなってきている。
最近ではインフルエンザワクチンの効果について。

最近ではネット上で「WHOがインフルエンザワクチンの予防で
有効性を確認できず。」といった内容が流れていようである。
このインフルエンザワクチンの予防で有効性が確認できなかったのは、
高病原性鳥インフルエンザのことである。
WHOではワクチンは最も有効な手段としており、
特に妊婦や高齢者には強く推奨している。

ではインフルエンザワクチンの否定論。
どういった内容が根拠になっているのだろうか。
反対の先駆けとなったのは1980年代母里啓子の著書である。
これをきっかけに前橋市の医師がワクチンに疑問を持ち、
こうした考えは全国に広がっていく。
そして1994年集団ワクチンは中止される。
これにより流行は拡大するのだが、
インフルエンザ患者が増えたため、
ワクチンはやはり効かないと誤った情報がさらに流布される。
こうした影響は高齢者医療に最大1兆円の影響を与えるとされる。

ではこのワクチン否定論の根拠は何なのであろうか。
実はこの根拠となったデータは30~40年前のものになる。
当時の医療技術では風邪とインフルエンザを
はっきりと区別できていなかった。
当時、インフルエンザとされていた基準は
37℃以上の発熱2日以上の欠席の2項目であった。
この時点でもインフルエンザと風邪が曖昧な基準となっている。
また接種地域非接種地域を比較しているものの、
接種地域においても接種していたのは5割程度であり、
ここにも統計的な問題が生じている。
ようするに風邪かインフルエンザかがわかっていないので、
風邪にインフルエンザワクチンが効いていない可能性がある。
また接種地域での接種が5割なので比較したところで、
統計的な問題が生じていることが言える。
この30~40年前のインフルエンザの特定技術や、
統計そのものに問題が多く否定する根拠としては
EBMのない時代のアバウトなデータとなっている。
現在PCR法を用いたデータでは有効性が確認できている。

また副作用に関しても課題に評価されている。
死亡例はインフルエンザによるものという因果関係は不十分であり、
ギランバレーについては新型豚型ワクチンのみでの副作用と
日本神経学会が述べている。
アレルギーによる問題も20年前にアレルギー物質であるゼラチンを中止。
現在は精製品質が向上し卵白も微量になっている。
(アメリカは精製がやや粗い)

インフルエンザワクチンの有効性は多くの論文で実証されている。
流行を有為に減少するという結果も観測されている。
今後もさらに研究が進んでいくこととなるだろうが、
否定的な意見ほどフレーミングにより印象に残りやすいものである。
肯定的な意見と否定的な意見両方を吟味することが、
真実に近づくためには大切なことなのかもしれない。
次回はインフルエンザワクチンの効果について、
もう少し詳しく述べていく。
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Category: 医療

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