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理学療法の評価と治療

理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。

愛着理論 

ジョン・ボウルビィの
愛着理論(Attachment theory)というのを
聞いたことがあるだろうか。
子供が親にとって大切な存在で、
親の愛情で子供の発育に影響するという考えは
この理論の影響が非常に大きい。

精神分析学者であるジョン・ボウルビィは
子供は親への親密さを獲得・維持する目的で
愛着行動を示す。そしてその愛着行動は
社会的・精神的発達の上で重要とした。

子供は親という安全基地があることで
安心して冒険することができる。
安全基地が確保できなければ
それを確保することに重きを置き、
冒険することをしなくなってしまう。

親に愛されていると感じることで
社会に出ることができ
精神的にも発達することが可能になる。

具体的な愛着行動は
生後8週まで
 泣く、声を出す、微笑む。
生後2ヶ月から6ヶ月まで
 親と他者との区別が可能。
 強い行動反応、後追い、まとわりつき
生後6ヶ月から2歳まで
 明確な愛着行動が組織化される
1歳前後
 びっくりしたらまとわりついたり、
 可能なら後追いする。
 挨拶をする。
2歳前後
 他者の感情を理解。
 自分の行動の計画を立て、
 相手の行動を促すために泣く
4歳前後
 交渉や取引
6歳前後
 目標を目指す
7~11歳前後
 独立の形態、親密さ、有益性

こういった愛着行動により社会的な適応機能を
身につけていく。
どうやったら自分の思いが伝わるのか
どうやったら自分に気持ちを向けさせれるのか
学んでいくことになる。

これらの学びを専門的には
内的作業モデル(IWM:Internal Working Model)
と呼ばれいろいろな情報を処理する
スキーマが作られていく。

ポジティブなスキーマ
 泣く→反応
  自分は愛されている存在だ
  親は守ってくれるんだと解釈される

ネガティブなスキーマ
 泣く→無反応
  自分は愛されていない存在だ
  親は助けてくれないんだと解釈される

もし愛着行動を示す親密な親がいない場合や、
親が無反応を示し続ける場合は
行動を起こすことに無力感を感じ、
行動力の乏しい無気力な人間になるかもしれない。
しかし過剰に反応しすぎるのも、
行動力が過度となり相手に対しうっとおしいと
思われるかもしれない。

適度な反応を親が示すということはなかなか難しい。
ちょうど適度な反応を意識するか、
反応が少ない親は反応するように心がけ、
反応が多い親は反応し過ぎないように心がけることで
バランスをとることが必要だ。
ただ親も完璧ではないので無理に~しないといけない。
と構えてしまいすぎないことは大切だ。

家庭という精神的な要素と
社会という現実的な要素の
両方のバランスが必要である。
夫婦という関係は男性と女性であるが
それらの役割はこういった部分で重要なのではなかろうか。
自分の気持ちと社会の適応は人生の中で
決して切り離すことはできないものとなる。

ちなみに大人の恋愛も
幼児の愛着理論と同じと言われている。
異性に対してアピールできるかできないかは
幼少期の愛着行動の名残があるのかもしれない。
だからといって親のせいにするのではなく
自分の行動の原因がわかったら恐れることはない。
意地をはったりプライドでがんじがらめになるのではなく、
自分の不安や孤独などの気持ちを
いら立ちや落ち込みという表現でなく、
相手に伝わる表現をするようにまた少しずつ
大人になっていけばいいのではないだろうか。

ちなみに私もまだまだ大人になりきれていないが・・・。


1)Harlow, H. F. & Harlow, M. K. (1969) Effects of
 various mother-infant relationships on rhesus
 monkey behaviors. In B. M. Foss (Ed.) Determinants
 of infant behavior (Vol.4). London: Methuen.
2)Holmes, J. (1993) John Bowlby and Attachment
 Theory. Routledge; ISBN 0415077303
3)Holmes, J. (2001) The Search for the Secure Base:
 Attachment Theory and Psychotherapy; Brunner-
 Routledge; ISBN 1583911529
4)Grossmann KE, Waters E (2005). Attachment from
 infancy to adulthood: The major longitudinal studies.
 New York: Guilford Press. ISBN 9781593853815.
5)Barrett H (2006). Attachment and the perils of parenting:
 A commentary and a critique. London: National Family
 and Parenting Institute. ISBN 9781903615423.
6)Crittenden PM (2008). Raising parents: attachment,
 parenting and child safety. Devon and Oregon:
 Willan Publishing. ISBN 9781843924982.
7)Bell DC (2010). The Dynamics of Connection:
 How Evolution and Biology Create Caregiving and
 Attachment. Lanham MD: Lexington.
 ISBN 9780739143520.
8)Attachment & Human Development. Routledge:
 London. ISSN 1469–2988
9)Infant Mental Health Journal. Michigan Association for
 Infant Mental Health. WAIMH. (electronic):
  ISSN 1097–0355
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Category: 心因性

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