理学療法の評価と治療
理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。
長下肢装具と短下肢装具
2011/11/30 Wed. 00:00 [edit]
装具の適応には患者の状態観察と予後予測。装具に対する知識が必要となる。
当院は整形外科病院であるので
装具処方をすることは少ない。
しかしながら近年は早期離床と自宅復帰が促され、
急性期での装具が処方されていないケースも少なくない。
整形外科疾患であっても
中枢系の疾患を伴っていることも珍しくなく、
装具処方の知識は必要と思われる。
装具の適応では大きな分類で考えると
長下肢装具と短下肢装具である。
それぞれ一長一短があって
長下肢装具は支持性の低下や協調性の低下があり
短下肢装具では歩行困難な場合に用いられる。
短下肢装具は膝や足関節の変形や拘縮の予防にも用いられる1)。
膝折れがあるが、今後回復する見込みがある場合は
長下肢装具から短下肢装具に切り替えられるものが便利だ。
また角度の設定が容易なものも治療を行う上で有効である。
装具の変更を行いやすいものとしては
膝継手はダイアルロック
足継手は内側をダブルクレンザック
外側を油圧制動式継手(以下GS装具)がある。
GS装具ではヒールロッカーの補助が行うことができ、
前脛骨筋の遠心性収縮で踵接地から滑らかに足底接地
を行うことができる。。
ダブルクレンザックとGS装具の組み合わせは
歩行能力の低いレベルから
高いレベルまで段階的な設定が可能である。
歩行能力の低い状態では
足関節の固定もしくは底屈背屈制限。
歩行能力の改善とともに
底屈制限+背屈フリーもしくは
底屈制動+背屈フリーに設定することができる2)。
GS装具が適応できないものとして
膝関節屈曲拘縮、足関節の尖足拘縮(-10°)3)、
円背で前傾が強いなどかがある。
円背では踵接地が困難で
立脚初期でのGSの機能が発揮できない4)。
1)加倉井周一,他(編):麻痺性疾患・神経疾患1
脳卒中:装具治療マニュアル,pp41-86,医歯薬出版,2004
2)山本澄子:油圧ダンパーを利用した片麻痺患者の
ための短下肢装具の開発.総合リハ31:323-328,2003
3)高木治雄:回復機能卒中片麻痺患者に対する
Gait Solution長下肢装具の適応.日本義肢装具学会誌26:
154,2010
4)山本澄子:Gait Solutionのモニター使用評価-1.
医療関係者による評価と適応.総合リハ34:1079-1086,2006
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Category: 脳
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