理学療法の評価と治療
理学療法に関連する臨床・研究・教育と評価・治療について書いていきたいと思います。
複合運動
2012/09/14 Fri. 00:00 [edit]
脊椎には解剖学的に連動して動く性質がある。これは複合運動(couple movement)と呼ばれるものである。
腰椎の屈曲での複合運動の場合、
屈曲している腰椎は右側屈した場合は右回旋が生じやすい。
また右回旋した場合は右側屈が生じやすくなる。
反対に伸展での複合運動の場合、
伸展している腰椎は左側屈した場合は右回旋が生じやすい。
また右回旋した場合は左側屈が生じやすくなる。
屈曲の場合は側屈と同側の回旋。
伸展の場合は側屈と反対側の回旋というのが
複合運動のパターンとなる。
これらパターンはアライメントを考える上で重要である。
腰椎の伸展が強い患者で左側屈の偏位が
下肢に悪影響を及ぼしていると考えたとする。
この場合左側屈を修正することがアプローチの主眼となりやすいが、
複合運動パターンで考えると他の影響も考えられる。
この場合は伸展や右回旋が左側屈の原因となっている場合も考えられるため、
伸展や右回旋を修正するための筋のアプローチや
関節モビライゼーションも考慮することが考えられる。
脊椎の動きは複合的に考えることで
より広がった視点で見ることができるのかもしれない。

1)奈良勲,他:系統別・治療手技の展開.共同医書出版社,pp300-326,2007
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Category: 関節
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